表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーコン!   作者: 逆霧@ファンタジア文庫よりデビューしました。
第三章 ゴーレムコンテスト(全国大会)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/76

63.選手入場

おはようございます。

朝、間違えて1話飛ばしてアップしてしまいました。

修正済みです。

まあ、読者多いわけじゃないから大丈夫だと思いますが。

 明日は大会当日だと言うのに、割と皆リラックスして早めに寝ることが出来た。全国まで出ちゃえば後はお祭り気分と言うのもあるのだろうが、州大会の時と比べ自分たちのゴーレムに自信が出てきているのもあると思う。俺も州大会前に寝れなかった事を思えば比較的早めに寝ることが出来た。



 よく寝れば、それだけ魔力も回復する。


 朝、食堂の外に設置してあったステータスプレートでチェックをする。ほぼ回復はしていたが、それでも全回復までは行ってなかった為、マジックポーションを飲む、それで俺の魔力に関しては万全になる。大会が始まれば魔力の補充などが禁止されているので後は自力の勝負だ。


 朝食時、昨日までの雰囲気と違いピリッとした空気の中俺たちも少しづつ緊張を感じていた。試合の組分けは開会式で発表になるらしい。優勝候補の学院などはゴーコン雑誌で皆チェックしている。優勝を目標とするならどんな学院でも跳ね除けられないと駄目なのだが、どうしても皆一回戦は楽に勝ち上がりたいなって思うのだろう。


 今更だが、この国の州は首都のキングランドを含めて26州ある。その中で開催州は2枠の出場権が与えられるのと、人口が際立って多いキングランドとブローバ州は予選地域を2つに分けているため、同じ様に2チームが出場してくる。そのため全29チームでの戦いになる。

 一回戦となる予選で、8-7-7-7のブロックで各ブロックから3チームの勝ち抜きとなり、準決勝で6-6の2ブロックから2チームづつの勝ち上がりとなり、決勝は4チームでの戦いとなる。優勝するには3回勝つだけでいい。


 そう、3回勝てば良いんだ。



 皆それぞれユニフォームに着替え、準備をする。そして開会式の始まる前に就業する予定の小ホールに向かう。部屋を出ると、隣の部屋からもちょうど他のチームのメンバーも出てきた。お互いに言葉は交わさないが、なんとなく会釈をしてそれぞれ歩いていく。


 ホールに向かう一歩一歩に重みを感じる。いよいよ本番だ。



 大ホールには既に観客も埋まり始めているらしい。集合場所の小ホールで参加者たちが開会式の一連の流れを説明される。

 入場行進の音楽と共に俺達はチームごとに順番に会場に入っていき、床の目印に合わせ整列していく。ただ整列場所は、チームごとに地元の高等院の女性がプラカードを持って先導してくれるので、それについて行き真っ直ぐに並べばいいらしい。

 ここらへんも州大会とは違い、放送映えを意識しているのだろう。


 おおよその説明が終わると、時間まで待機するように命じられる。


「流石にちょっと緊張してきたわ。リュードはどうや?」

「うん、緊張するよね。でもさ。これから俺達は3年まで毎年やるんだよ? 慣れないと」

「おおう。言うなあ。……でもせやな。あと2回もやるっちゅう事だな。そう考えるとちょいと気は楽になるわな」


 ホイスも緊張してきたようで、それを紛らわすように声を掛けてくる。でも、おかげで俺の緊張も少しほぐれる。ホイスは前にいるキーラにも声を掛けている。キーラだって少し顔が強張っていたが、ホイスにおちょくられいつものような表情をみせる。



 やがて入場の時間が来て、入場順に学院が小ホールから出ていく。他のチームの選手たちもみんな顔が強張っているのを見て、皆同じなんだと自分に言い聞かす。しばらくすると、ウチのプラカードを持ったボランティアの女の子が「それでは行きます。ついてきて下さい」と声を掛けてきた。


 女の子について歩いていき、大ホールの前で再び停まる。先に出たチームも少し溜まっている。「それでは選手の入場です。皆様拍手で迎えて下さい」という声がホールの中から聞こえ、それと同時に入場行進の音楽が流れ出す。すると再び前で待機していたチームが歩きはじめホールに入っていった。


『ノースアイランド州代表。リュックス学院!』


 司会の声とともに会場からは拍手が鳴り響いてくる。


 そして、順にチーム名がコールされ、大ホールの中に吸い込まれていく。



「キーラ。ちゃんと入場の時は両手をあげて周りに手をふるんやで」

「え? 良いの?」

「4年に一度のスポーツの祭典だって、そうやって入場するやろ?」

「あ、そう言えばそうね。それは見たことあるわよ」


 ん? そんな習慣あったっけ? 

 そんな話をホイスとキーラがしていると、社長がキッと後ろを向き「ホイス君やめなさい!」と注意する。


「ははは、社長さんかんにんや。ほれキーラがド緊張してる思ってな」

「ちょっ! 嘘だったの? 恥かく所だったじゃん!」

「怒るなや。ちょっとしたジョークやねん。お、ほら、ウチらの番やで、笑顔で。な。怒った顔じゃ芸能事務所から声かからんよ」

「まったくもう……」


 しかしホイスの言うように、プラカードを高く持ち上げた女の子が「それでは行きますね」と俺達に声を掛けて進み始めた。



『ハイランド州代表。ショパール州立学院!』


 場内アナウンスの中、拍手に包まれゴレ班の面々はキリリとした顔で歩いていく。俺達の学院の名前が入ったプラカード持った女の子が直角に曲がっていき、列に綺麗に並んでいく。俺は拍手の中多くの人たちの視線を感じてしまい、全く顔を上げることが出来ず、少しうつむき加減でみんなの後ろからついていった。


 列に並び、隣の学院等も並び始めると、人影に隠れられたような気持ちになりちょっと安心する。


『キングランド西地区。ブラッシュ国立高等院!』


 一際大きい歓声と拍手が鳴り響き、賢者の所属する学院が入場してくる。やっぱり注目度が半端ない。横の学院の人たちも思わず入場してくる方を向いている。


 俺達は、その期待に満ちた拍手の音を聞きながら。メラメラと闘志を燃やしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ