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ゴーコン!   作者: 逆霧@ファンタジア文庫よりデビューしました。
第1章 ゴーレム班

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30.デートの準備

おはよーす

 社長のパーティーで盛り上がったその日の夕食時。俺は母親になんと交渉しようかと悩んでいた。


「そう言えば、うちのゴレ班の先輩が、学生起業システムで会社立ち上げて居るんだって」

「へえ~。学生起業かあ。凄いわねえ」

「うん。なんかああいうビジネスのアイデアが浮かぶ人が羨ましいよ」

「ん~。でも貴方だってゴーレムの適性があるんでしょ? 適性がある人だって羨ましいって思われる立場じゃないの?」

「そう……なんだろうね。確かに」


 うん。そうだよな。無い物ねだりってやつか。うん……。

 食事をしながら母親がモニタでニュースを見ているのをしばらく眺め、思い切って聞いてみることにした。


「ね、ねえ。母さん」

「なーに?」

「あのさぁ。……来月のお小遣いを、前借りって出来ない?」

「え?」


 モニタを眺めていた母親が、なんで? と言った顔でこっちを向く。


「だって、今月のお小遣い渡したばかりでしょ? もう使っちゃったの?」

「あ、ああ。今度さ、友達とちょっと州都に遊びに行こうかって話になって……」

「友達と? ……まさか……へえ。やっぱり」


 突然母親が、ニンマリと笑いながら顔を近づけてくる。な、なんだよ。


「最近ちょっと怪しいって思ってたのよ。そうか。リュートもねえ」

「だ、だから何がだよっ!」

「女の子。でしょ? どんな子なの? 名前は? 同じクラスの子? それとも班が一緒とか? ねえお母さんにも教えてよ」


 んぐ。なんでこの人はこういうのに敏感なんだ? いきなりバレているじゃないか。しかも圧が凄い。グイグイ来る。


「か、関係ないだろっ!」

「関係あるわよ。デートの費用くらい出すわよ。そうね。あなた服も新しいの買ったほうが良いんじゃないの?」

「え? ホント? って、だから違うってっ!」

「ふふふ、リュートはまだまだ初心ね。言いなさいよ。これは母親からの命令よ」


 駄目だ。俺は押し切られるように、パメラと2週間後の週末にスィーツを食べに行く話を白状した。母親は妙に嬉しそうに、「デート費用くらい出すわよ」と言う。さらに今週末一緒に着ていく服を買いに行こうなどと言い出す始末だ。


「前借りで良いよ。お金大変だろ?」

「何言ってるのよ。子供がそんな事に気を使わなくていいの。ちゃんとリュートのデート積立くらいしているわよ」

「デート積立って……」

「じゃあ、週末どこに買いに行こうかしら……」

「ええ? ちょっちょっとやめて! 友達と出かけるための服を親と買いに行くとかっ 無いからっ!」


 母親はそれでも行きたそうにしているが、俺は断固拒否する。

 でも、デート費用の目処はついたのは助かる。こんど駅前商店街にある「ムラシマ」にでも行って何か洋服でも探そうかな。あそこはそんなに高くないはずだ。




 お金の方の問題が解決すると少し気は楽になる。

 その夜、またパメラとLINKで少し連絡を取り合った。先日、州都にあるお店と言っていたのだが、パメラも楽しみにしているようで、折角だから州都を楽しみましょうとプレッシャーもそれなりにのしかかる。


 州都までは、トレインで快速に乗れば一時間ほどで行ける。州都というだけあってハイランド州では一番の都市であり、大型デパートを始め劇場、ムービーシアター、美術館、博物館、デートをするにはもってこいの環境ではある。だが、学生がデートと言ってもそう色々とオシャレな所を回れるかと言うと微妙だ。スピーダー・バイクでも有れば色んな所を回れるだろうが、それに第一金銭面で限界がある。


 ハイランド州は、今の国が統一される以前はハイランド公国と言う一つの国家だった。観光地として当時のハイランド公爵が住んでいたというノストゥルム宮殿が開放されている。確かそこなら学生は安く入れるし、見るものも多いかもしれないな。


 ただ。面白いかと言うと微妙だ。中等院時代に学校で一度は行ってるだろうし。庭園が綺麗で広いが、そんなところでゴーレムなんて召喚したら確実に警備員につまみ出される。


 ……いや。ゴーレムは召喚しないに決まってる。馬鹿か俺は。



 >>そう言えば、街のシアターでやっていないムービーで、ちょっと観たいのが州都のシアターでやっているの。リュート君はそういうの興味ある?


 ムービーか。そう言えば今、第6世代のゴーレムを開発したプリメロ博士の伝記ムービーが封切られたんだったな。確かあれも街の小さいシアターじゃやっていなかった気がする。なるほど……やっぱパメラもそういうのが好きなんだな。ふふふ。いいじゃん。


 >>「エル・プリメロ」かあ。確かもう始まっていたよね。良いね。僕もムービー好きだよ。


 >>あ、そのムービーは知らなかった。そっか、でもリュート君観たいならそれにしようよ。


 ……あれ? 違うムービーだったのか。いっけね。ここはレディーの見たいものを優先させるのが男のやり方だな。


 >>あ、良いよ良いよ。どのムービー? パメラさんの見たいのにしようよ。


 >>えっと。「デパートの鍵貸します」っていうムービーなんだけど。恋愛物は男の子はちょっと退屈かもしれないから。


 むむむ。知らないムービーだ。でも。恋愛物も良いんじゃないかな。俺もたまにラブコメのコミックとか読むし。なんとなく2人の気持ちも盛り上がるかもしれない。


 >>良いよ良いよ。そっちにしよう。僕も観たかったし


 >>ほんと? ありがとう。楽しみにしているね


 うんうん。盛り上がってきたよ。これがまだ2週間近く先と言うのがちょっと待ちきれない感じだけど。




 次の日、PJとシュウに親から少し臨時予算を貰えた話をすると、早速俺の服の買い物に行く流れになる。俺としても1人で探すのにちょっぴりも不安が有ったため甘んじて受け入れる。


「やっぱハットだよな。おしゃれは。そこから始まるんだ」


 PJの感覚は俺とは全く別方向だった。だが、女慣れしていると自称するPJの意見に従おうとすると、シュウが止めに入ってくる。


「予算が限られているんだから、そんな飛び道具にお金を使うなよ。普通でいいよ」

「そうか? まあ、そうだな。しょうがない。普通に行くか」


 おいおい。シュウが居なかったら普通じゃない格好をさせられてたって事かよ。




 そして、当日来ていく服も決まり、緩やかに時間は進んでいく。


30話でブクマ2w 全然読まれな~い。


まあ、しゃあないけど。

流行り物系書くぞって気分になりますw

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