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ゴーコン!   作者: 逆霧@ファンタジア文庫よりデビューしました。
第1章 ゴーレム班

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22.今後の展望と班費交渉

はじめのうちは恋愛要素強めだよなあ。

 翌日、「大船に乗った気持ちで待ってろ」と、意気揚々と班室から出ていくマルクとケーニヒを見送る。2人はこれから生徒会室に行き、班費の交渉に行く。

 残された俺達は待つ間に今後の話などしていた。



「そう言えばさ、キーラに補助式も教えないの?」


 失敗したとはいえ、キーラは第3世代の枕術式に関してはほぼ覚えたと言う話だった。ゴーレムの入門書をパラパラとめくりながら悩んでいるホイスに、今日は何を教えるのだろうと、なんとなく聞いてみる。


「そうやな。そこら辺も知っといたほうがええな」

「えー。でも補助式って枕と違って規定の術式が無いんでしょ? なんか難しそう」

「キーラは魔術言語は得意な方なんか?」

「うーん。別に苦手じゃないけど。そんな得意でも無いって感じ?」

「それなら十分やろ。中等院のゴレ班やって補助するんやしな」


 確かに、ある程度の構築方式が無いわけじゃないが、その目的によって様々な形に変化させないといけない補助式は、自由すぎて素人には壁を感じるのかもしれない。最初はシンプルな補助式から覚えて、段々と自分で応用をさせていくのが通常だが……。


 俺だったら何から教えるんだろう? そんな事を考えているとホイスがじっとこっちを見ているのに気がつく。


「な、何???」

「なあ、リュート。お前さ……召喚出来るんちゃうん?」

「え? な、なんで?」

「なんとなくだがな、見ていてそんな気がしたんや。補助式の転写の適合スピードだって俺なんかより早い。俺だって生えて間もないけどスキルはあるんやで。それに父親とゴーレムやってるとか、召喚師の適性のある子を育てようとする感じやろ?」


 んぐ。ホイスが結構鋭いところを付いてくる。まるで名探偵のように俺を問い詰めてくる。


「え? リュート君も適正あるの?」


 話を聞いていたキーラも、その話に少し驚きながら聞いてきた。

 でも入班して2週間近く経っているし、このタイミングで隠したら、もう隠し通す3年になりそうだ。まあ。いいタイミングかもしれない。


「あ、ああ……うん……あるんだ。適性」


 その言葉にホイスの視線が更にキツくなる。


「ほんま、お前ムカつくわ。なんで言わんかった?」

「だ、だって。自己紹介の時だって、ホイスが俺の喋ろうとしたの切ってきただろ?」

「せやけど、言うタイミングなんていくらでもあったやろ?」

「タイミングなんて無かったから言えなかったんじゃないかっ……キーラも頑張ってるし、なんかいつ切り出すか……」


 正直自己紹介の時は、話をぶった切ってくれてラッキーとは思ったんだが。あのタイミングで言えなかったのがそもそもの問題なわけで。……って言い訳だよな。言うべきだったのは分かっていたんだけど。


「えー。じゃあ私は要らないってこと?」


 キーラが少し不安げに呟く。

 ほらみろ。こうなっちゃうじゃないか。こんな頑張っているんだからやる気を削ぐような事もしたくなかったんだよ。くっそ。ホイスも少し気まずそうな顔になる。


「そんな事はないよっ! 補助式には適性が無いと使えないやつだってあるんだよ。ていうかそれがないとゴーコンで勝ち上がっていくのが難しいくらいでっ!」

「お、おう! アンドリュー次式かっ! そやな! あれでブーストしていくには召喚師の適性が必要や。キーラとリュートのどっちかが第4世代まで使えるように成れば、それをもうひとりがブーストして、それこそ全国制覇だって夢や無いんや。適性者はいくら居ても良いっちゅうのがゴレ界の常識やで!」


 キーラの反応に慌ててフォローに回ると、ホイスもすぐにフォローに回る。キーラもそれを聞いて少し表情が少しホッとするような表情に成る。よし。


「じゃ、じゃあさ。そのアンドロイド次式とかいうの覚えるよっ!」

「アンドリューな。アンドリュー。そうやな。うん。……せやけど。アンドリューは第3世代覚えるより術式難易度は高いんやで。気入れてがんばらな」

「え? 難しいんだ……」

「大丈夫や、2週間で第3世代を理解したキーラなら問題ないで! な。先輩たちもそう思うやろ?」


 これだけの大声で揉めていたんだ。マジコンいじってたって会話は聞いているだろう。必死にホイスが先輩たちに同意を求めると、社長もヴィルも「そ、そうだね」と相づちをする。



 こうしてキーラはアンドリュー次式を覚えていくことに成った。同時に第3世代も使えるようにと召喚練習は続ける予定だ。アンドリュー次式を使うには第3世代を使えるようにならないと話にならないからな。


 一悶着は有ったが、俺としてはようやく自分の適性を告白できたことで、少し気持ちが楽になったのを感じる。ていうか、やっぱホイスもスキルは発生しているのか。かなりのゴーレム馬鹿だからもしかしてって思っていたけど。


 実はうちの学年、結構人材揃っているのかもしれないな。




 そうこうしていると、ガラッっと班室のドアが開き、3年の2人が帰ってきた。


 ……見るからにうなだれた感じで。



 だがホイスはお構いもなしに聞いていく。あの顔見ればなんとなく駄目だったのが分かるじゃないか。そっとしておけば良いものを。


「おお、おかえりなさい! マルク先輩どうやったんすか?」

「え? ああ……まあ。次第点って感じかな?」


 お? でもなんか良い感じだったのかもしれない。


「おお、せやったら召喚石もドドーンと買えますやん!」

「どどーんとは……無理かな?」

「へ?」

「なんとか、去年の額は維持出来た感じだな」

「へ?」


 まじか。苦笑いをしながらケーニヒが生徒会室での攻防の詳細を教えてくれる。


 ……


 話とすると、どうやら理論武装をしすぎたマルクがガチで逃げ道をなくすように生徒会長を追い詰めていったらしい。その結果。ブチギレた生徒会長が今年は班費を支給しないとまで言い始める始末で、ケーニヒが必死に頭を下げてどうにか現状維持で収まったということだった。


 全然駄目じゃん。


「……」

「マルク先輩~」


 後輩たちから非難の目を受け、マルクは困ったような顔を浮かべる。


「いや、違うんだ。昔から押せば押せ、引かば押せ。って言葉があってなあ……」

「……」

「先輩……」


「すまん! やりすぎた!」



 うん。やっぱ週末、召喚石を見に行こう。起動練習用の奴なら割と安いのもあるかもしれない。


それにしても読まれないw

タイトル変えてみたけど。変わるだろうか。

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