02.サキュバス堕天使ユメノシオリ
山頂から見えた街に到着したしおりは右も左もわからず、キャロキャロと辺りを見渡しながら彷徨っていると、前からスーツ姿の女性が声をかけてきた。
「あら〜、可愛い子ね。この街に来るのは初めて?」
「そうなんです。」
「そうなのね。よかったら私がこの街を案内しましょうか?」
「いいんですか?」
「いいのよ。でもその前にあなた天界からきたの?」
「そうなんです。実は昨日下界に来たので」
「そうなのね。じゃまずは役所に行って身元登録しなきゃ、じゃ私についてきてね」
「わかりました」
しおりはスーツの女性と話しながら役所に向かった
「ついたわ」
スーツの女性に続いて中に入るしおり。しかししおりが中に入った瞬間
「所長ー、どこいってたんですか?」
「!!?」
「どこって、散歩に行ってただけさー」
「この忙しいのに、所長に確認取らなきゃいけない書類溜まってるんですから」
「わかったわかった。そんなことよりこの子の身元登録してあげて」
「そんなことって…はぁ…わかりました。ちょっとこっち来てもらっていい?」
「は、はい」
「所長は部屋に戻って書類の確認お願いしますよ。」
「わかったわかった。そうだ自己紹介してなかったな、私はここの所長をしている九重だよろしくな。」
「あ、ユメノシオリです。よろしくお願いします」
「はじめましてここであなたの担当になる八重野です。ではこちらに…こちらの書類に名前と種族名を書いていただきたいのですが、一応種族の確認の後に種族名を書いていただきたいです。」
「わかりました」
「ではこちらの水晶に手を翳してください。それで種族がわかるので」
しおりは水晶に手を翳すと文字が浮かんできた
種族:サキュバス堕天使
サキュバス?しおり、いつサキュバスになったの?
「!!? これは、初めて見る種族ですね。で、ではこちらの書類に種族名を書いてください…。ありがとうございます。」
昨日のことを思い出せないまましおりの身元登録は進んでいく