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ドライヤーガン戦士シリーズ①アキラ後編

挿絵(By みてみん)

176

そう言えばと切り出す。「保健委員の子をつけ回している」時があったけど、あれって何?と聴いてみた。するとバツの悪そうな顔でお前の事苛めていた一貫と吐いた。「今は私の事苛めないんだ?」恐る恐る聴くと「二人も死亡と行方不明にあったのに」そんなガキみたいな事しねーよとリーダーは言った。 保健委員の子の残された制服の近くで、リーダーの取り巻きが気絶していたみたいだけど、苛める様に仕組んだの?アキラは怒って捲し立てた。

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「罰ゲームしたから苛めに合うかもな?」じゃなくって「苛めを代わってもらえるかな?」と想っていた筈だ。とリーダーは言った。「最低」とアキラは頬をひっぱたく。そして暴力に「ごめん」と謝り、でも「酷いよ」と付け加えた。

保健委員の子は時折、顔を赤く染めて、アンタの事、見つめて居たんだからね。と口に出せない想いでイライラする。小学3年生で命を亡くした二人に同情と悔しいという気持ちが沸き上がってきた。

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アキラは理科室を飛び出して、教室に一人戻った。リーダーは後からのんびり教室に戻った。取り巻きは「紀眞のコイバナなんて?」て聴いてる。リーダーはうるさ気に「浮気してそうだから別れたら」って言っただけで、とび出したんだぜ。と突っこみ様の無い嘘をつく。少し反省したんだとアキラはホッと安堵した。

ボッチのアキラはお話相手を作らない為に、FT小説を読んでいるカモフラージュをしながら、ヒロシ君と担任の先生のどっちを何とかしなくっちゃいけないのかな?と脅えていた。

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ヒロシ君でありません様にと祈った。そしてヒロシ君を花見に誘おうと想った。そしたらマスコミになんて書かれるだろう?血族間交流に止めるのが匕背の家風だから、バレてもおかしく無いよね。お花見。花より団子じゃなくってヒロシ君だけど。よし楽しみに成って来た。とアキラは表情を崩した。

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アキラは授業中、担任の先生を観察しているが、匕背兄のいう妄執の気配が解らない。普通の人に見える。「瞳が白濁してるのよ」を想い出したが、担任の先生の瞳は黒色をして居る。カラコン?と想いながらも、瞳は自前かと想い出し、不思議に想う。そんな授業を受けて数ヵ月になるけれど、何も暴力は受けて居ない。悪夢は毎日では無くなった。良好に進んでいても、妄執が取り付くのを止めない限り、アキラと先生の闘いは続く。

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「ねぇ匕背ヒロシの月9『苛めないで』見た?」女の子達がきゃらきゃら笑っている。アキラは小説を見ながらすっと聴き入る。

匕背ヒロシの苛めに対するストイックな怒りが、共感を生むんだよね。私はもっとラブラブしたシーンが見たいけど、匕背ヒロシはラブシーン無しの契約してるからね(笑)だからモテるんじゃない。嫌々時はエッチなのを求めてるってば。と許嫁アキラに勝手な事ばっかり言ってる。

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匕背ヒロシはアキラと婚約の関係に有り、役者としてラブシーンを撮る時は、ひと言謝罪をアキラにしなくてはいけないのだが、皆の匕背ヒロシとして、私生活をまだ共に出来ないから、ラブシーンはまだ嫌だよというアキラに従っている。一番最初の人はアキラにしてねという女子小学生だから、匕背ヒロシの仕事は限られてくる。話を聴いていると、キスしたいと言われたのすら、芸風をもっと磨きたいと言ってる様にも聞こえ、嫌な想いをする。

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いかんいかん。本を落とした。それを見ていた地味な男子が「紀眞さん。ちょっと」話がと呼び出し。告白ではなさそうなので、何故私なんかにと想っていたら『消えた保健委員の子』の話だった。彼は同じ保健委員仲間で、何度か一緒に遊んだ仲らしい。好意を寄せていた相手が消えてしまったから、とまどって居たのだと。「理科室に行こう」とアキラが促したのは、もし彼が彼女への片想いを打ち明けたなら、苛めの標的になるかもと想ったから。

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理科室の教卓の近くに座る。「彼女、誰か好きな人が居たのかな?」と、唐突に言われた。アキラは妄執を退治した原因が、彼女のミラクルな怒りだったのだとすると、リーダーにしつこく付きまとわれて良い想いをしてたのではと、彼女の代わりに平手を喰らわした事を誇りに想った。「僕が告白した時はまだまだお付き合いとかしたくないから」で、ごめんなさい。だったらしい。やっぱり理科室に来て正解と想っていたら「最後の日、彼女からラインがあった」と、彼は言った。

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転校生を助けて居たら、クラスのリーダーに好意を寄せられて、嬉しくって舞い上がって居る。という内容だったらしい。「お気の毒様」とアキラ。「それがさ、リーダーって、この間紀眞さんが呼び出したヤツだろう?」そうだけど、と答えると、彼は不思議そうに言った。何故、アイツなんかに片想いして叶うという夢を見たのだろう?と。彼が言うに彼女は彼と毎週末ボランティアをする仲だったので、彼女の彼女の趣味に合わないと彼は想ったそうだ。

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「解らないけど」ヤツは女子にモテるよと教えてあげた。お堅い子なのに、なんであんなチャラいヤツに好意を抱くんだろう?彼は真剣に悩んでいた。アキラは「モテる人でも、好きになったら、邪魔されたら怒るよね」彼女が失踪した付近には、モテるタイプの女子達が倒れていたから、ヤツのせいで苛めに合ってたのじゃないかな?とアキラはやはり彼女はヤツの事で夢中になったんだと哀れんだ。

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「もう行くね」と彼を理科室に残して出ていった。彼女の事を想うと「怒り狂う」気持ちが妄執に乗っ取られる原因か?と想い、匕背兄とヒロシ君に至急伝える事にした。

アキラ[怒り狂う気持ちが妄執を活性化させるの][だから気を付けて]とラインした。

ヒロシ[ありがとう。気を付けるよ]

匕背兄[解った。気を付けろ]

と、ラインを終えた。

理科室で取り残された彼のお陰で、妄執に囚われない方法にたどり着け、ありがとうと頭を下げた。

189

アキラは彼女が空気に溶けてゆく様を目の当たりにした場所で、彼女の失恋と命の消滅を悲しんだ。もう、心も苦しい想いをしてません様に。

そして想う。妄執は怒り狂う気持ちがエネルギーとして活性化するから、ヒロシ君も担任の先生も危ない仕事をしてると。ヒロシ君には悪いけれど、芸能界は生き馬の目を抜くぐらい激しい人間関係だから、転職して欲しいと想った。普通のサラリーマンなら人海戦術で、壊される事は少ないと想ったから。

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同時に、今まで気づかなかった気持ちが嫉妬だと知った。ユニットをトップで走るヒロシ君は皆の宝物だ。年をとるまで独占出来ない。だから、気をつけたいのが、嫉妬深くて転職を考えて居るのでは無いという事で。妄執よけを考えていたら、偶々自分の嫉妬心も救われた『偶々』に意味なんか付けるのは嘘。 ユニットのトップを走る匕背ヒロシ君、お願いだから転職してね。アキラは桜の花を見ながら散っていない今を大切にした。

191

アキラは桜の綺麗な所を見れる道筋でのんびりと帰宅した。じーちゃんとばーちゃんは転職の件反対するだろうか?子供が大人の仕事にくちばし挟むなと怒られるかもしれない。でも消え失せてしまった保健委員の子は何も残らなかったから、ヒロシ君をそんな目に合わしたくない。アキラは有終の美の代表格である満開の桜狩りを楽しんだ。

花は散る。けど実が育ち、種となって次のシーズンを青葉で迎える桜に生き延びる為の強かさを学ぼうと。

192

じーちゃんとばーちゃんに話があるとアポをいれて、アキラは自室に入った。保健委員の子が空気に溶けていったあの時から衣替えがもうじき来る。コスチュームはデザイン上ワンシーズンしか使えなさげだが、お母さんの跡がそれを考えなくても良い様にアキラの身体を守ってくれた。いけない。感傷に浸っている場合じゃない。ヒロシ君の転職の話をしないととアキラは焦った。制服から室内着に着替える。軽くとかした髪は肩より少し長くかかっていた。

193


夕飯の準備をするばーちゃんには後で話すとして、じーちゃんにアキラは話しかけた。「妄執の事なんだけど」何?と言わんばかりに、じーちゃんが耳をかす。「やっぱりアノコ怒り狂ってんだと想う経緯を聴いた」とアキラは保健委員の男子に教えてもらった事を包み隠さず、じーちゃんに話した。じーちゃんになら話しても保健委員の男子には迷惑は懸からないだろうと想ったからだ。「怒り狂うか?」じーちゃんも驚いていた。

194

ばーちゃんも驚くだろう。それでアキラの要望を言おうとすると、じーちゃんが「ヒロシが危ないのぅ」と呟いた。だから安心してアキラは「ヒロシ君には転職して欲しいの」と打ち明けた。だけど、じーちゃんは「ヒロシは夢追い人だからのぅ」難しいぞ。と男のロマンの話をしだした。夢で食いながら家族を養う。仕事が出来て、家族サービスも忘れない夢追い人が男のロマンだと。だけど命あってのものだねとアキラは負けなかった。

195

しかし、翼をたとんで、とまり木に留まったままの人生を、あのヒロシが出来るとは想えんわと、じーちゃんは言った。

「じゃあどうすれば良いの?」とアキラが怒る。ばーちゃんが青魚の焼魚定食を居間に運んでくれた。「頂きましょう」とばーちゃんが言ったので。アキラとじーちゃんは休戦して夕飯にありついた。魚臭いと嫌がる人も居る魚の香味を堪能しながら、ご飯、味噌汁と三角食べをする。落ち着いて落ち着いてとアキラは幸せにご飯を食べる努力をする。

196


ばーちゃんが「片付けの前に話を聴くべきかのぅ」と聴くので、アキラは片付けを手伝い、速くばーちゃんにも話を聴いてもらおうと想った。「手伝うよ」と言ってシンクの蛇口をひねった。スポンジを泡まみれにして、魚を乗せてた皿を洗いゆすぐ。ばーちゃんがそれを、ふきんで吹いて収納する。じーちゃんはブツブツ、シュミレーションをしてる。私へのじーちゃんのか?、ヒロシ君を説得するか?のどちらかだろう。

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珍しくブツブツが止まらない。

ばーちゃんが、いけんねとアキラに笑いかけた。

それが賛成の意なら、どんだけ良いのにとぼやくアキラ。

結局十数分で片付けは終わった。

ばーちゃんにはじーちゃんが聴き間違えていないかのチェックも兼ねて、アキラの顔を見ながら喋った。

じーちゃんは昔アキラのお母さんを守る手伝いをしていながら、アキラのお母さんを守れなかった無念を訴えた。妄執は酷い。だから、出来るなら復讐だってしたい。

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それがヒロシにとってのアキラを傷付ける者からの復讐ではないか?と、じーちゃんはアキラを説得してみた。

でも「じーさん」とばーちゃんが遮った。

あの私の娘は相討ちで、助からなかったけど、じーさんまで亡くしたくないわと言ってくれた。それはアキラも同じやさかいとアキラの肩を持ってくれた。じゃがとじーちゃんが言う。ヒロシにとっての天職を奪うことは、いつかヒロシと闘うアキラという構図を引きかねへん。と、じーちゃんは念を推した。

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アキラはじーちゃんの最後の言葉が引っ掛かっていて、どうすれば良いか解らなくなった。「死んでほしくない」「生きていて欲しい」でもそれは「飼殺し」になり、いつかという妄執に憑かれる日を待っているだけかもしれない。小学4年生のアキラのチャームだけで、天下の大スターの腹がおさまるとも想えない。から、アキラは悩んだ。本当は特別な皆のユニットを止めて安全な事務職でもして欲しい。アキラはラインを入れる事にした。

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アキラ[元気~]

ヒロシ[まぁまぁ。どうかした?]

アキラ[えっと][聴きたい事があって]

ヒロシ[何?仕事の感想かなんか?][だったら事務所にお便りしてね!☆]と笑う。

アキラ[真剣な話なの]と感触をつかんで言った。

アキラ[今の仕事が無かったらどんな仕事をしてたい?][今の仕事が落ち着いて無くなったらでも良いの]と言ってしまった。

ヒロシ[考えた事ねーわ(笑)]

アキラ[それじゃあアキラがお婿さんに貰えないよ]

201

ヒロシ[その時はその時で考える][今、仕事が良い感じで][本当に苛めが全滅すると良いな]とアキラに言った。アキラが苛めにあってたからの仕事を、アキラを救う為に、全力で行っているヒロシに『転職』の話は出来なかった。アキラが苛めに合ったからからイケないんだ。と、アキラは二つに引き裂かれる様な想いをした。

アキラ[気をつけて、おやすみ]とラインを閉じた。じーちゃんに言って貰おうか?嫌だ。ヒロシ君が可哀想だ。

202

どうすれば良いのだろう?アキラはぐるぐる考え続けた。とりあえず宿題と予習を終えて、学校の準備をして、それからベットに寝転がる。

アキラは現実逃避めいた別の事を考え様とした。でも苦し気にもがくヒロシ君がドライヤーガンを構え、コスチュームを来たアキラの前で、空気に溶けてゆく様をイメージして、内蔵がよじれる想いをした。今日の悪夢はヒロシ君メインか?嫌だなと想うアキラはばーちゃんに後で、養命酒を貰う約束をした。

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寝間着でベットに転がったアキラはヒロシ君の仕事をファンとして評価する。「悪くない。むしろ良い感じ」特に月9のドラマは、苛めを無くす勢いのある出来だった。好成績の遊びじゃない本気の仕事を降板されるのは、誰だって嫌な筈。だから、どうしたらヒロシ君が怒り狂わないで仕事が出来るか?考えてみた。マネジャーをしているヒロシ君のお父さんに相談しよっか?と考えてたら「アキラや、養命酒いれたけん」とばーちゃんが声をかけた。

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「ばーちゃんはじーちゃんにお母さんの復讐をさせなかったんだよね?」とアキラ。ばーちゃんは「そうや。アキラもそう想うやろ?」ばーちゃんは『ヒロシの事』説得失敗したねんな?と悲しげに笑った。「ごめん」何がか解らないまま、アキラは謝ってしまった。ヒロシ君の命に関わる事なのに、アキラはなんて役にたたないんだろう?と未熟な己を嘆いた。そして匕背兄にラインをしてみる事にした。

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アキラ[ドライヤーガン以外の闘い方]あるかな?とアキラが聴くと。匕背兄[アキラとヒロシの体格と体力と格闘センス]を考えると[無いと言われた]匕背兄[えげつない事を承知で言うなら、心臓じゃない所を狙えば]身体障害者に出来るかもしれない。と匕背兄は言った。匕背兄[命あってのものだねだろう]

アキラ[本当にそれでヒロシ君を殺さずに済むのかな?]

匕背兄[解らねーけど、戦闘能力は落ちると良いんだが]

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例え視力を喪失しても心臓が無事な限り見えてるかの様に攻撃されるかもしれないしな。と匕背兄は言った。

アキラ[ありがとう。今日はもう寝るね]と打ってラインを終了させた。「視力を奪っても」見えるが如く攻撃をしてくる妄執。ヒロシ君の正気を取り戻す事も出来ないのだろうか?アキラはベットで悶々と考え続けた。そんなアキラを養命酒が良い感じに眠りへと誘った。桜の花びらに取り囲まれ動けない妄執に捕まったヒロシ君という悪夢を見た。

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養命酒のお陰で悪夢がおぼろになる良い眠りを満喫した。アキラは伸びをしてベットから出て通学準備に勤しんだ。ばーちゃんの力作の朝飯を食べて普通に通学する。満開の桜を見て今朝の夢をおぼろに想いながら、アキラはヒロシ君の事を考えて居た。桜の花びらに妄執を封じる清い能力が有るのかもしれないと、アキラは、なら闘いは、もうすぐだねと、落ち込んだ。

ヒロシ君のお父さんに連絡しなきゃと想った。

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どの授業も上の空で、授業中ぼんやりと桜の花びらを見ていた。清い桜に妄執は動きを封じられるか?正夢にする気と聴いた妄執の言葉とコスチュームで守ってくれている亡きお母さんの愛を想った。

お母さんがヒロシ君を助けてくれたのかもしれないねと、少しだけ落ち着いてみた。

ヒロシ君のお父さんに連絡しなきゃと、アキラは想い出した。

アキラ[妄執は怒り狂う気持ちがエネルギーなんです][それを桜の花びらに清める能力が有ると想いますか?]

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ヒロシ父[ヒロシが妄執に取り付かれてる件だね][桜の花びらは調べておこう][ただ君のお母さんの名前が(さくら)だった気がするよ]とラインを終えたので、アキラはお母さんと想った。

ヒロシ君のお父さんは やけに落ち着いているなとアキラは想った。

匕背兄にもラインする。

アキラ[桜の花びらに妄執を清める能力が有ると想う]

匕背兄[わからん][西行という、ぼーさんが魅力に取り付かれて、満開の桜の下で死にてーつう文学しか]知らんと返された。

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アキラ[今日は正夢みたいなモノを見て、それでヒロシ君の延命が出来るかも]と想ったのと、ラインした。

匕背兄[さっきヒロシのとーちゃんから聴いた][ヒロシ助かると良いな]と匕背兄は言ってくれた。

ありがとうとアキラは想った。

ラインを終えたので授業に戻ろうかとも想ったのだが、アキラは想い直し保健室に向かった。どうせ次の授業は英語なので、そのまま、休憩だ。

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保健室の先生に許可を貰いベットに転がった。ぼぉーっとして居た。桜の満開はもうじき終わる。これはヒロシ君を生き延びさせるチャンスなのか?それとも御都合主義満載の想い込みか?解らないけどすがる想いで何とか成らないか願う。そんな内に浅い眠りに落ちた。誰かに話しかけられた。まだお母さんを、覚えてくれてないアキラちゃんへ。お母さんの戒名は咲蔵で名前はサクラと言います。お花の桜の意味を裏に込めた名前だと、幼い頃から聴かされてきました。

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だからアキラちゃんの為に、桜の木々に協力をお願いしました。アキラちゃんの大切な人が妄執に取り付かれてた時、私の様に相討ちになるのでは無く、両者とも悔いのない行動をとって欲しいからです。頑張れ。

うつらうつらしてる時に「お母さん、ありがとう」とアキラは寝言で呟いた。妄執のアキラへの威力が少ないのは、桜の木々になる花びらに守られてるからかもしれない。アキラは夢のお告げを信じてみようと想った。

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多分、クラスでは、まだ英語の授業中だ。

ヒロシ君、妄執に乗っ取られて、どういう変化をするのだろう?

アキラを愛してくれてるからって、自己犠牲で自殺なんかしないよね?もしくは、よくも小学生に雁字搦めにしていたな(怒)って怒り出すかもしれない。ヒロシ君が生きてる事が大切なんだけど、ヒロシ君に嫌われるのが怖い卑怯?なアキラだった。 ヒロシ君にはラインですら言えない転職の案を、本当にそれであってるのか?

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と、疑心暗鬼になる。攻撃が出来ないくらいの重症は覚悟しなきゃいけないのかもしれない。そう言えばロマンチックな時が無かったので、お預け喰らっているキスは叶うのだろうか?桜の花びらに守られてる内にヒロシ君に会わないとアキラは想った。だけど売れっ子ユニットの匕背ヒロシに面会してる時間が有るのだろうか?マネジャーのお父さんは、もしかしたら、匕背の能力で、アキラとヒロシを引き離すかもしれない。

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凶暴化するギリギリまで、お金を稼がす道具にするかもしれない。『苛めは止めよう』キャンペーンは成功している。だから、ヒロシ君はお父さんを大切に想っている筈だ。嗚呼、ダメダメ。まるで私が妄執に取り付かれてるみたいな妄想に、大切なのは信じる事と愛する事。と自戒した。もしも、ヒロシ君のお父さんがお金に目が眩んでいても、匕背には匕背兄も居る。ご縁が出来た私のヒロシ君との幸せを願ってくれている頼りに成る兄さんだ。

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アキラは一人じゃない。紀眞にも匕背にもヒロシ君もアキラも大切にされている。だから近い内にヒロシ君に会おうと決心した。お花見キャンペーンの為、都合がつかないよと教えられるとも知らずに。

正夢?では桜の花びらに清められるヒロシ君は大群の花びらに包まれていたから、速くしなくちゃいけない。とアキラは想った。

此処は寒い地方ではない為、桜前線がもうじき通過を終える。アキラいそがなくっちゃ。と両手を握りしめた。

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放課後になった。アキラは保健室を退出してクラスに戻ると隣の子に英語の前の授業のノートのコピーを頼み、掃除当番でもないので、急いで帰宅した。想うにアキラとヒロシの二人はお互いの家を知らない。そうして婚約を続けていた。だから、行きなり会いに行く事は出来ない。精々、朝 寝坊をした時、バス停で拾ってもらう程度だ。匕背兄は両方の家を知っているから、教えてもらえば良い。もしかしたら、人気ユニットのヒロシだから家は教えてもらえないかもしれないが、アキラの家に来てもらえば良い。少し心が軽くなったアキラだった。

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自宅に着くと靴を丁寧に揃えて登り、手を洗って、うがいをしてから、自室へと登っていった。予備のミニパンツのコスチュームに着替える。ドライヤーガンを手に、匕背兄と練習して居る山中に向かった。今日は少し早めに訓練がしたいと、匕背兄との話時間を考えて言った。

コスチュームを着ての練習は初めて。もしかしたらと想ったので。

219

全身黒色の運動着に着替えた匕背兄がアキラとバトルの練習をする。相手がマネキンなので、怯むことなくアキラはガンガン攻めた。攻撃を避ける事も忘れない。だから、あっという間に今日のノルマのマネキンを退治し終えた。「ひゅー」やるねと感心した匕背兄に「御褒美をお願いして良い?」とアキラが聴いたので「モノによるよ」と、俺の彼女の座は無理だぜ。と笑った。「私の家をヒロシ君に教えて」そんな訳あるわけないじゃんと笑いながらも真顔で言った。

220

「物理的に出来るけど」なんで、って匕背兄は聴く。

お母さんのお陰で、桜の花びらに妄執への浄化作用がある(と夢枕でお母さんに教わったから)らしいから、今日明日にでも、ヒロシ君とサシで会いたいの。とアキラは言った。ダメなら我慢しているヒロシ君の家を教えて欲しいんだ。とアキラは言った。「成る程」匕背兄が何か考えると、近い内にヒロシと一緒にアキラの家にお邪魔するよ。と、笑ってくれた。

221

「約束だよ」と、指きりをした。

アキラは途中、人気の有る所で、匕背兄と別れた。いつもの事だが、バトル帰りの出で立ちは、都会では目立つ。今日は珍しくそんな事を想いながらアキラと匕背兄は別の人込みの中に消えた。空気に溶けて行く心配が、ヒロシには無くなったので、アキラはスキップしながら自宅へと帰った。ずっとネガティブに考えていた事に、光明が差し込んだから、アキラは、足元をすくわれる事を、失点していた。

222

自宅に帰る。自室に入る。簡単に室内着に着替えを済ませ、スマホを見てみた。ヒロシからラインが入っていた。

ヒロシ[匕背兄から聴いたよ][一緒にアキラの家に会いに行く日付だけど][お花見キャンペーン中に抜け出す事になるから、あんまり時間がとれないんだ][それでも大丈夫?]

アキラ[解らないけど急ぐ必要があるの][ヒロシ君の命に関わる事だから、優先して欲しいの]

ヒロシ[ありがとう。怒り狂わなければ良い話か。]

223

[覚悟を決めて伺います]ので[もし僕の身体が不自由になっても、一緒に生きてく約束してね]

アキラ[当たり前よ。ヒロシ君以外の奥さんに成らないから]

画面に向かって見えもしないのに涙ぐんだ。ヒロシ[ありがとう]嬉しいよというスタンプをくれた。

アキラは絶対成功させなくちゃならないと胸に刻んでラインを終わらせた。桜の花びらに助けられる方法しか今は無いから、ヒロシ君を助ける事に、集中しなきゃ。と、焦るアキラだった。

224

今日のバトル訓練はハードだったので、疲れたアキラはベットのかけ布団の上で居眠りをした。夕飯の時間になっても降りてこないアキラを心配したじーちゃんが、ノックの返事が無いので、黙って入ると、ベットのかけ布団の上で眠てるアキラを見つけお姫さま抱っこをして、かけ布団の下に身体を入れて部屋から出ていった。

「気張ったな?偉いぞアキラは」と呟きながら。階段を降りて行くじーちゃんの足音が静かに響いた。

225

ばーちゃんに「バトル訓練の疲労で」寝てるわと安心させて、二人で夕飯を食べ始めた。

アキラは桜の花びらの事を想いながら真夜中まで熟睡した。悪夢は見なかった。というか夢らしきモノがあっても、忘れきっていた。

喉が乾いたので、階段を降りてキッチンに向かう。冷たい麦茶が無かったので、水道水を、グラスに入れて飲んで、一息ついた。

ヒロシが信頼して命を預けてくれている。アキラは、何としてでも、ヒロシを救わねばと、誓った。

226

一息ついて階段を登る。養命酒を飲むのを忘れていたが「まっいいか」という気持ちになっていたので、アキラは寝具の中に身を潜めた。布団に与えた、自分の体温を布団から感じ、お母さんに抱きしめられているかの錯覚を覚えながら、じんわりと眠りについた。

養命酒飲んどけば良かったかな?とかいろいろ想った。悪夢は見たくないと、桜の花びらの事を想いながら眠る努力をした。そして悪夢を見る事も無く、良い目覚めを向かえた。

227

桜が満開の日の深夜にヒロシと匕背兄がアキラの家を訪れた。ヒロシは入れてもらったアキラの部屋をきょろきょろして、何かを探して居た。「男子クラスメートに関する何かが有ると嫌だなと探してみたんだ」と、屈託の無い笑顔で、満足の意を表した。「ヒロシ君ったら」照れるよとアキラが、軽く背中をぽかぽか叩く。俺居るんすけどと言う匕背兄が口を挟むまで、二人はバカップルしていた。

そして、どうやって「妄執を具現化さすんだ」と大切な事を想い出して聴いた。

228

「桜が満開の枝の下で怒り狂える?」と、アキラまさかの発言に、匕背兄はフリーズした。ヒロシはへらへらと笑って居る。「あほぅ」と匕背兄がブスッと言った。

「あのね。ドライヤーガンは構えるだけにして、能力を心臓に与える」で、ダメかな?と、アキラ。じゃあ今日は「練習な」と匕背兄に言われて、三人で満開の桜の下に行く事にした。コスチュームに着替えるアキラがドライヤーガンと充電器を忍ばせ「お待たせ」と玄関をくぐる。

229


「大丈夫だよ」とヒロシ。速かったなと匕背兄。三人で一番大きくて満開の桜の下にやって来た。アキラの家から歩いて(交通手段が無かった為に)一時間くらいかかった。桜の花びら越しに満月が照らす夜空を三人は楽しむ。そして問題の「怒り狂うヒロシ」をどうやって作るか?皆で悩んだ。「俺は嫌だぞ。アキラとラブシーンするのは」と匕背兄。「何でそうなるの」とのアキラに「怒り狂うけどね」とヒロシ。

230

「誰か良い案ないのかよ?」って匕背兄が、慌てる。ヒロシの冷たい視線に耐えられないのだ。鈍感なアキラでも気づけるくらいヒロシが怒っている。「良い案探そ」とアキラが右手を握りしめたので、ヒロシは正気に戻った。「桜の花びらをドライヤーガンで乾燥させて」ポプリの様に持ち歩き、怒り狂う現場で握りしめ祈るのはどうかな?と、三人でその考えにたどり着いた。「良いじゃん」と匕背兄。だから桜の死骸である花びらを貰った。

231

三人で落ちてた花びらを拾い集め、枝に灯っている花びらをゆすって落ちた花びらを拾い集めた。ヒロシの容積分花びらを集めると威力を調節したドライヤーガンで乾燥させる。こうして、アキラの母、咲蔵とアキラの守護の付いた花びらを小袋にわけて御守りの様に持ち歩きするヒロシで三人は納得した。 ごみ袋を持ってきて正解と匕背兄は二人にもビニール袋を渡した。

アキラが丁寧にドライヤーガンで花びらを乾燥させる。それを冷ましてからヒロシが花びらをごみ袋に入れてゆく。

232

匕背兄は、花見客に「勘弁な」と言って居た。

「匕背兄サボらない」とアキラ。へぃへぃと匕背兄はヒロシの手伝いを始めた。アキラは心をドライヤーガンに込めて桜の花びらをドライフラワーにしてゆく。『お願い。ヒロシ君を助けて』と心の中で祈った。対象とした全ての桜の花びらに処置を行い、ヒロシがごみ袋を持って居る。「帰るか」匕背兄が言った。「花見客が可哀想だね」というヒロシに「人命救助の方が先決だ」と匕背兄は言った。

233


桜の花びらをしょってヒロシは歩く。半分持とうか?と聴くアキラに、アキラと別れた途中で匕背兄に持ってもらうから、アキラが一緒に居る時くらいは、カッコつけさせて。と笑う。「もう」そんな照れる事言ってる場合じゃないのに、とアキラは想いつつも、ヒロシは今日が最後と考えてるかもしれないと気づき、後、半分歩けば家に着くアキラはヒロシに聴いてみた。 「妄執に負けてしまうと想って居る?」

234

ヒロシは桜の花びらを背負い直しながら答えた。「正直怖いよ」手に届くアキラに自分が破壊活動を行うかもしれないなんて。それに、妄執は人を食べるのだろう?「僕は食人したくない」と本音を話してくれた。「頑張ろうね」とアキラは言うしか無かった。そんな自分が悲しかった。匕背兄が「そろそろアキラはお疲れちゃんだけど」何か話しとかなくて良いのか?と聴いた。アキラはとっておきの事を想い出してヒロシに言った。

235

「ロマンチックにファーストキス」ヒロシ君が言い出しっぺなんだから、忘れないでね。赤くなる頬を意識しながら宣言したら、アキラ可愛い「このまま連れて帰りたい」と過激発言で匕背兄を照れさせた。「そうだな」と笑う。でもアキラは小学生だからな「アキラが高校生なら見逃してやるのに」と匕背兄。はははははと皆で笑いあった。 アキラは今より楽しい時を過ごした事が無かった。やがてアキラの家に着く。アキラは二人に両手を振って去るのを見送った。

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じーちゃん達にバレない様に部屋に戻る。寝間着に着替えて布団の中に潜り込む。何時もは熟睡してる時間なので、違うかってに戸惑いながらも、アキラは眠りの園に落ちた。ドライヤーガンを桜の花びらに使い続けていたからか?その日も悪夢を見ずに済んだ。咲蔵お母さんのアキラをあやす声が聴こえた様な気がした。悪夢は今夜ではなく、ある昼間に起こるかもしれない、という事を、アキラはまだ知らなかった。

237

翌朝アキラは寝過ごしたので昼過ぎから学校に行く事にした。暇な時間をどうしようと居間でテレビを見ていたら、昨日、桜の花びらを頂いた樹に花が無い。誰が盗んだという報道をして居た。『ごめんなさい』と無言でアキラ。じーちゃんは「悪いやつがおるなー」と怒っていた。因みにアキラ達が行ったのは犯罪ととられル事が大半なので、真似をしてはいけない。それぐらい匕背ヒロシが大切な命なのだと、アキラは罪悪感を振り切った。

238

ヒロシ君は多分、ドライフラワーで寝具を囲い妄執をはじきかえそうとするだろう。だから沢山桜の花びらが必要だったのだ。それに来年の満開の桜に間に合う量が必要だったから、と毎年毎年想えるのは幸せなんだと、めんどくさい(現にアキラは疲労している)儀式を続ける覚悟を決めた。花盗人。まんまだ。後は、ヒロシが怒り狂わない様に何か出来ないかな?とアキラは想った。ロマンチックな事とかと考えて赤くなるアキラを見て、じーちゃんは、今日のアキラは顔色をころころ変えるなと想った。

239


アキラは知らない。ヒロシが桜の御守りを心臓に当てて、今日も怒り狂わない社会人生活と学生生活を行う努力をしている事を。子供の時に出会わされた女の赤ちゃんアキラと一緒の家庭を築くのだと、だから仕事が出来なければならない。妬みや嫉みの多い芸能界だが『苛め撲滅キャンペーン』を行い、アキラの為に、なって居るのなら、こんな遣り甲斐の有る仕事は他に無い。

240

だから怒り狂わない様に努力するヒロシだった。

匕背兄は今彼女に突き付けられている。「将来どうするの?」何の仕事について何円稼いで、本当に私と所帯をもつきなのか?と。

徹夜明けの授業明けで匕背兄は超疲れていた。そんなに成績が良くない彼だから、笑ってこの場は逃げようか?と想っていたのだが、そうは問屋が卸さない。「結婚前提で」付き合ってるんだよね。私達は。と彼女が一生懸命に迫るから今の状況をシンプルに話した。

241

「家の家系は私設警察みたいな家業で、戦士として適正の有る身内をトレーニングしてる。余りあかせないのは敵対勢力に見つからない(此処は嘘、妄執を空気に溶かすなんて殺人話出来る訳が無い。)為で半年前、プロデビューしてからもコーチをして居る。「それって私達の赤ちゃん養えるの?」とぐいっと近づく彼女に「妊娠したのか?」と驚く匕背兄。「違うわよ」成績の良いイケメンにコクられたから、天秤にかけてるの。

242

どちらと付き合う方が幸せな奥さんになれるかって。彼女は手振り身ぶりで照れを隠しながら言った。「俺が好きじゃないのか?」と聴く彼に、今は良い。それだけの理由で付き合ってても。でも将来の事考えたら「ちゃんと」して欲しいから。と顔を赤らめながら迫る。「時間をくれ」今すぐには返事できない身内の話だから。と粘ると、何時、何時まで待てば良いの?と詰め寄られる。「今相手にしてる犯人が捕まるまで」はダメか?と笑いながら言う。

243


「バカ。何年おんなじ星にとりくんでるのよ」と胸を軽くグーでこつく。何年か待たせる事は出来ても、何年も待たす事は出来ないんだからね。と、彼女。こう言えば何とか前向きになるっしょと想う彼女にアベコベな事を言った。「何十年かかるかわからねー」し、その方が俺ら不幸じゃ無いんだ。と噴火発言をするから「いい加減にしろ(怒)」と叩かれた。「あんたなんかもう知らない」と机を立ち教室を出て行く彼女に匕背兄は何も言葉が出なかった。アキラとヒロシの事を想うと。

244


相思相愛のヤツ等が上手く行くなんて何十年かかるかわかんねーよ?と「困ったな」と口にする匕背兄だった。「何、匕背君、詩織と別れるんだ」だったら私と付き合いなよという『気持ち読めねー』女を相手にせずに、教室から出て行く為に、教科書やノートや筆箱をしまった。

怒る匕背兄。ふざけんなとドアをバンときつく閉め己の意志をハッキリと伝えた。

245

今日の訓練は力んでない。どうしたんだろーと言わんばかりの非集中。「何かあったの?」アキラは匕背兄に聴いてみた。ああと言って呆ける。マネキンを倒し終えるのに十分も速くあがった。ヒロシが心配なアキラに様子のおかしい匕背兄というのは、困ったモノで、本当に困った。

「俺とのコンビ解消してくれって言ったら」どうする?と匕背兄はぽつりと言った。

「何、聴こえないよ?」とアキラ。「悪い。無かった事にして」って言ってボケーッとしながら片付けを始めた。

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本当は聴こえていたアキラが、片付けの手伝いをする。『嘘でしょ?兄とのコンビ解消だなんて』心の中で間違いだと祈る。匕背家でアキラに一番暖かかった匕背兄がこのタイミングどころか?どのタイミングでも、そんな話をされる仲ではないと自負していたアキラは同様に落ち込んでしまった。「何が原因?」ヒロシに取り付いていた妄執が、桜の結界のお陰で、兄に取り付いたのだろうか?

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「ずばり聴くけど男女間の問題で」ヒロシ君と私が何か迷惑かけたのかな?と聴くアキラに「大正解」なんで解ったと聴いてくる。「だってロマンチックなキスの話が」実現出来なければ、俺のせいとか想うと想って、とアキラが言うと、匕背兄が言った。「うんにゃ。俺と彼女の話」とズバリ教えてくれたから、アキラは???となってしまった。なんで彼女さんと兄の話で、コンビ解消に成るの?と、解らないアキラに「金稼ぐ甲斐性が無い」

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って類いの事を言われた。と兄。「えぇ、もう結婚の話してるの?」とアキラが驚いた。正義の味方家業の匕背か紀眞の家からお金出ないの?とアキラ。「そっか、そうだよな」今度ヒロシの親父さんに交渉してみるわとにこりと微笑んだ。「良かった」とホッとしたアキラは自分が言って居たキスの話の勘違いに真赤になってしまった。穏やかに成った匕背兄は月収だよな、歩合給じゃなくってと、アキラどころじゃなかったのだが。

249

「アキラなら何の花が良い?」匕背兄が不意に聴くから「さ・桜」と答えた。花束にはならんよなと匕背兄。「チューリップとかって子供っぽいか?」と聴くので、アキラはカサブランカを一輪あげたら「凄く良い香りだよ」と付け加えた。

「百合ね。解った。さんきゅー」と、匕背兄がアキラの頭をくしゃっと撫でた。

アキラはヒロシ君だったら、どきどきしたんだろうなと妄想する。

匕背兄はヒロシの父にラインしていた。

匕背兄[結婚したい女が居る]

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[女や子を養える額の月給制で給料くれ]

と、大胆不敵な匕背兄。ヒロシの父は仕事中らしくラインに既読が着かないので、アキラと匕背兄は何時もの街かどで別れた。兄の結婚生活の為に、良い額のお給料が出ます様にと、アキラも微力ながら祈った。

アキラはヒロシが居るから給料の事は考えてなかったのだが、三大疾病とかの病気の事も心配して、アキラもお給料貰おうと想った。

家に帰りシャワーを浴びて寝間着に着替える。

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シャワーを浴びていた時に生まれたままの姿で恥ずかしい事を、つい考えてしまった。

「まだまだ先の話だから」とポッと赤くなるアキラ。着替えてベットインしても、その恥ずかしさからは逃れられなかった。「羞恥心」まるで、旧約聖書のイブがエデンの楽園で白い蛇にそそのかれ食べてしまった「知恵の実」どんな顔して、対応したら良いのだろう?アキラは『こっぱずかしいよー』と想いながらも、ヒロシに危険が迫っているのを想い出した。

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こんな大切な時にいけないと解って居るものの、古い名で言うところの強迫観念神経症の 様な状態になり「どうしよう」と布団にくるまる姿は、見てたのなら、可愛らしすぎて、許嫁のヒロシを魅了しただろう。

はぁっハァッしながら何とか眠りについたアキラだった。だから、やっぱり夢を見た。

ヒロシに沢山の桜の花びらがまとわりついた、立ち姿にアキラがドライヤーガンを振りかざし突き付ける。

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電源を押さずにドライヤーの口からアキラのエネルギーが心臓に届く様にした。何故か電源を押してはいけないと想ったからだ。予知か?妄想か?桜の花びらの事を教えてくれた?亡き母咲蔵からの虫の知らせか?解らないが、此の夢を大切にヒロシを守ろうとアキラは(神さま?に)誓った。アキラはドライヤーガンをとってよく見る。何年も練習で使い込んでいるが、未だに謎の多い魔法のアイテムだと、アキラは想った。

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翌日、良いお天気に、この辺りのお花見は今日が見納めかな?と余裕のアキラ。

本当は桜の樹になっている花びらの方が妄執から身を守るのに威力が有るんだろうけど。『出来る事』はやり終えたし、くよくよしていたらヒロシ君に、要らない心配をかけてしまう。それどころじゃないヒロシ君に。妄執の被害者よりも被害者面なんてしてられない。アキラはキリッと鏡の中の弱虫の自分を戒めた。ヒロシ君の無事が解るまで、鏡の中に居なと。

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それから半ヶ月が足った。もうこの辺りの桜の若葉が眼に瑞瑞しい季節だ。アキラ達はヒロシを心配したが、この桜のシーズンは、ヒロシに異変は無かった。怒り狂う事態が勃発しなくて良かったとアキラ。そうそう匕背兄の給与の話は順調に進んで居た。本当は順調じゃなかったのだが、彼女さんと一緒に説得した甲斐があって上手く運び出した。良かったねと、ヒロシとアキラ。ヒロシがアキラを見て「匕背兄、羨ましい」と、悩ましげに呟いた。

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働きづめだったヒロシの僅かな春休みにまだ桜が花をほころばせて居る地域に旅行に出かける事にした。ヒロシのマネージャーの父は仕事だが、紀眞のじーちゃんとばーちゃんと匕背兄(何故だか?彼女は遠慮してくれた)は付き合ってくれた。ヒロシが複雑な顔で何か言ってたが、ボソボソと言ってたから聴かなかった事にしよう。と想うアキラだった。

そう、アキラは、親族会と言って学校を休む事にした。行き先を教えてもらって、はしゃぐアキラ。そう初めての北海道旅行だった。

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「美味しい魚介類が楽しみだね」とヒロシに感謝するアキラに「アキラの唇の方が美味しそうだ」と、じーちゃんにコツかれる。ヒロシのブツブツの意味が解って慌てるアキラだった。『ロマンチック』は無理だと想うよ。だって、皆がヒロシ君の無事を祈っているのに、二人きりにはなれないと想うアキラとヒロシだった。

「嗚呼、青春してるのに。誰か気づいてくれないかな?」

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ぶつくさ言うヒロシに「悪いなヒロシ」婚前旅行にでもしたかったのか(笑) て匕背兄。で、じーちゃんは「アキラは小学生だぞ」とヒロシを嗜めた。

「これが最後の親族会に成らない様に。皆笑顔」とばーちゃんが良い事を言った。皆でへーいとか言ってる。おかしくってアキラは笑ってしまった。「勝とうな。絶対妄執には勝とう」と匕背兄がヒロシの肩に手を置いた。アキラも言う「勝とうね。そして一緒に成ろうね」じーちゃん達の様に。

259

飛行機で降り立った北海道は、まだ薄寒かった。此れなら桜の樹に花びらが期待出来る。お天気ニュースを信じて良かったと喜ぶアキラ達。ヒロシを守る約束の桜の花びら。実はお守りも持って来て居るのだが、犯罪めいた経緯を知らないじーちゃんとばーちゃんなので、三人の内緒にして居た。『お母さん、ありがとう』とアキラは心の中で伝えた。ふふと笑って居るお母さんと桜の樹のイメージを脳裏に残し、アキラは桜の観光をする事にした。

260

花より団子のじーちゃんは海鮮丼とかラーメンとか何か食べたがったが、メインがヒロシなのを想い出し、大人しく皆の後を着いてくる。満開の桜並木にもてなされる頃には、桜はええのぅと率先して楽しんで居た。ばーちゃんも嬉しそうだ。アキラはヒロシの守護を意識して選ばれた地という事を戒め、気持ちよく観光する事にした。だって最後の旅行かもしれないんだものとは言えないのだが。その時、右手をヒロシ、左手を匕背兄が握ってくれた。

261

「僕が」「俺が」居るよ。と、二人。「心配してごめんね」と二人にアキラ。「「かまわないよ」」と二人が笑った。そう不安になるという事は皆の能力を信じて居ないという事に成る。勝ち戦に凱旋する為に、此処まで皆で来たんだ。アキラは大きく息を吸って微笑んだ。「勝とうね。妄執から絶対に」と眩しい表情。『にこぱ』という擬音が付きそうなくらい可愛い笑みを浮かべる。それを見て「なんで婚前旅行じゃないんだ」とヒロシがぶつくさ呟き、匕背兄が、はははと笑った。

262


じーちゃんとばーちゃんは気に入った桜の下にござをひき寝転がって居る。アキラ達も身体を伸ばそうと、良い案配に桜が楽しめる辺りにござをひき寝転がった。 「綺麗だね」と呟くアキラ。二人は無言でソレに答えた。すると、酔っぱらったおっさんの花見客達が「じょーちゃんのパンチラGET」って下の方からスマホを構えて接近する。それを見て、じーちゃんが怒鳴る前に「無礼者」とヒロシが垂下した。

263


いけないと想った皆はアキラがヒロシに、酔っぱらいには匕背兄が対応した。「大丈夫だから」未遂だから怒り狂わないでとアキラ。酔っぱらい達の足首の辺りを渾身の蹴りで桜並木の斜面を転げ落とす。おっさん三人は怪我の無い程度に足なわれた。一方、ぜいぜい息を吐くヒロシは想った以上に苦しそうだった。怒り狂わないでとアキラは何度も何度も想った。ヒロシ君の瞳が白濁しません様にと、駆けつけたじーちゃんに背中を摩られるヒロシ。

264

ばーちゃんがアキラに水筒のお茶を渡す。飲み干したアキラはヒロシの心臓の辺りに両手を対空させて、ぱーで合わせ、浄化の念を送ってみた。苦し気なヒロシの、何時もの爽やかな表情ではなく、色気のある表情に、アキラは泣き出しそうになってしまった。『此れでヒロシ君と私の仲は終わりなの?』嫌だ。絶対に信じないとアキラはヒロシの瞳を見た。まだ白濁はしてない。妄執に乗っ取られていない証拠だと安堵する。

265

そして、アキラは桜の花びらをかき集めてヒロシの心臓の辺りにまぶした。少しだけ吐く息が浅く成ったのを見てヒロシをオブる匕背兄と一緒に宿泊場に皆で向かった。アキラは心臓の辺りに、秘めてる乾燥した、桜の花びらの御守に気づき、少し安堵するも、まさか、桜の結界を目当てに旅行に来たのに、それが仇になるとは、なんて嫌な目に合わされたんだろうと、少し楽になったみたいな、ヒロシの代わりに怒った。

266

ばーちゃんが「咲蔵がダメになった時はもっと衰弱していたから」安心おしとアキラ達に言った。「悪くないヒロシが、妄執に喰われてたまるか」とじーちゃんも、大丈夫や大丈夫やと皆を励ます。旅館のバスが、バス停に停まって居たので、皆で乗り込む。他のお客さん達がヒロシを見て、救急車を呼んだ方が良いのではと、言ってくれたが匕背兄が「持病の発作なんだ」悪いけど同乗させてもらうわと言った。そして旅館に向かった。

267

豪華な旅館でルームキーを貰った匕背兄はヒロシをオブって部屋へと向かった。アキラにドライヤーガンの準備を命じる。アキラはゆっくり歩くじーちゃんとばーちゃんを残して、オブっられて居るヒロシを追っかけた。豪華な部屋の鍵を開けると、アキラに寝具の準備をさせ、匕背兄は其処にヒロシを横たえた。呼吸はマシになった時と同じ状態で、苦しそうに見える。アキラは泣かずにドライヤーガンを装着した。

268

電源を入れずに、ドライヤーガンというフィルターでアキラの能力をヒロシの心臓に届ける。パアッと暗闇が発光する。その頃、たどり着いたじーちゃんとばーちゃんは真摯に三人を見つめて居た。瞼が開いたままのヒロシは目が白濁していない事を主張するかの様に瞼を閉じない。仕方がないと目を開けたままのヒロシにアキラが匕背家のドクターに作って貰った、桜の花びらの目薬を両目に点眼する。すると、更に息が落ち着いたヒロシはソッと目を閉じた。

269

交代でヒロシを見守りながら温泉に入った。

アキラは、この旅行で、芸能界で働く事すらアキラへの非礼に比べたら、怒り狂わない事だと知って悲しんだ。逆だと想って居たから、喜ぶべき事を、許さない今の境遇に、自己嫌悪した。右手を握って桜の花びらの御守を心臓に当てる。額の汗をぬぐって、水で濡らした冷たいタオルを額に当てる。「ごめんね」と何重にも涙が頬を擦った。此のまま悪化したら、どうしようと想った。意識が戻らなくてもヒロシ君をお婿にもらう覚悟は出来ている。

270

だから、アキラは完治を希望する皆より、最悪な事を想った。今より悪化しないでと、一生懸命(名も知らない神さまに)祈った。

桜の御守を見て居たら、とくん・とくんと浅い息をして居るのが解る。少し安心したアキラは、(名も知らない神さまに)感謝した。発光するドライヤーガン?アキラと何年も練習で、一心同体なそれを見て、また涙をこぼした。ヒロシのアキラへの想いに涙した。

271

「ええ湯やけん。アキラも楽しみや」と湯上がりの浴衣を来たばーちゃん。じーちゃんと一緒に見てるさかい安心しいや、と笑った。アキラは匕背兄が戻ったらドライヤーガンを託して温泉に浸かる事を約束した。ドライヤーガンとは何十年も別に居たじーちゃんとばーちゃんだけでは、流石にアキラは怖かった。そしてじーちゃんとばーちゃんにヒロシを任せて隣で雑魚寝する。温泉でのぼせて死亡とかなったらシャレにならないからだ。

272

家で意識した『異性ヒロシへのときめき』も浮かばす(当たり前か)丁寧に洗い清める。でも「馬頭琴」と、ヒロシは言っていた。身体の泡を落としながら、その意味が解ったアキラは、ヒロシが真面目にアキラの孫のじーちゃんになる気で居る事を知り、不謹慎にも照れた後、其が叶わないのだ。と想った。かき抱かれる裸のアキラを爪弾くが如く愛するヒロシ。彼が爪弾くとアキラが喘ぐ。それで良いよねと、そう言う事をヒロシは言っていたのだ。

273

小学生で、自らの意志でなく、セックスレスが確定したアキラは、嫌じゃないヒロシの事、とても大好きだと想った。それでも好きだと想えた。温泉に浸かっていたアキラは顔が涙や鼻水で泥々に成るくらいヒロシへの想いに浸っていた。見かねた温泉客が、のぼせたのかと話しかけて来た。『はい』と答えるつもりだったが「大切な人が命懸けで」闘っているんです。と本音を洩らした。「きばりや」と、おばちゃんは言ってくれた。

274

のぼせない様にさっさと温泉を出て、浴衣に着替える。胸元をきちんとしめた。顔を洗い冷やしたアキラはヒロシの事を想い、泊まる部屋に急いだ。もしかしたら、善い事か悪い事に発展する事態だからだ。アキラは現状維持を願って迷子に成らない様に急ぐ。到着した部屋の前で、どきどきして居た。想いきってドアを開ける。ヒロシを寝かした寝室へと向かう。どうかお願いという気持ちで入った部屋でヒロシは、側で座る匕背兄に守られて居た。

275

ヒロシは顔色が悪く見えた。「匕背家専門医に見せなくて良いかな?」とアキラ。「考えてる。ちゃんと、だから」正直な気持ちでヒロシを見てやれと匕背兄はアキラに言った。誰も後悔しない様にとアキラに言った。

側に寄り添い右腕を握りしめる。「ヒロシ君死なないで」と、アキラの涙がヒロシの手首を濡らした。匕背兄はヒロシのマネージャーである所の彼の実父にラインした。

匕背兄[ヒロシは今、身体をはって妄執と一人で闘っている]

276

[肉体を大気に溶かさない為には、アキラに山場を見せているのが一番だと想う]

するとヒロシのマネージャーがラインを既読した。

ヒロシのマネージャー[君達が言うから守護の高い桜の花びらの側に旅行させたんだぞ][ヒロシはこれからなのに、なんて事をしてくれたんだ]怒るマネージャーに匕背兄は言う。匕背兄[ヒロシの本懐だ。俺らはちゃんと妄執からヒロシを守った。憑かれたのは本人の意志だ]

ヒロシの父[どんな状態なんだ?入院が必要なのか?]

277


匕背兄[おっさんが働くのを辞めれないのなら、入院が必要だ。何年かかるかわからねーヤツがな][妄執の相手がアキラじゃなくなるまで]ヒロシの容態は変わらない可能性が高いと匕背兄は言った。

それが届いたのか夕飯を順番で先に食べているじーちゃんとばーちゃん其れにアキラが匕背兄を見る。旅行帰りが直、長期入院だと想って居て欲しい。と全員に言った。意識が戻らない事も覚悟して欲しいと。

278

その晩、ヒロシを囲む人々は様々だった。ホテルの庭の満開の桜木に祈りに庭に出るアキラ。とりあえず食べ物を一生懸命食べてから、匕背兄と代わるじーちゃん達。代わられたから夕飯を食べ始める匕背兄。皆、ヒロシの無事を祈っていた。「根をつめると身体に悪いぞ」という匕背兄に「今夜だけ。後悔したくないから」とアキラは我が儘を言って庭の桜の樹に祈っていた。深夜、其は起きた。アキラが祈る桜の樹からヒロシの声が聴こえた。

279

『アキラ。聴こえてる?僕だよ。ヒ・ロ・シ』と旅館の庭の桜の樹から声が聴こえた。もっと桜の多い誰も居ない所に連れてくね。と、悲しげな声が聴こえた後、アキラの身体に異常が起きた。瞬間移動能力!アキラは深夜、誰も居ない満開の桜の樹に囲まれていた。「なに?」驚くアキラにヒロシの幽体が現れて普通に話し出した。妄執のせいで、しばらく起きれないと透き通って居る彼は言った。其れまではアキラの妄執退治の手伝いがしたい。

280

熱い眼差し。ヒロシは桜の樹とアキラの能力に助けられた事を教えた。「ヒロシ君、今生霊なの?」とアキラ。多分と静かに答えた。「身体から離れて居ても良いの?」とアキラに「少しだけなら毎日でも」と抱き締められない通り抜ける身体を忌々しくヒロシは想った。此れからは妄執からアキラを守れるね。と言うヒロシに「最高は本当の身体でハグ出来る事だから」とアキラが泣きながら言うと、努力する。沢山とアキラを慰めた。

281

其の晩の秘密の逢瀬の翌日、匕背家専門医のドクターヘリでヒロシは匕背家ご用達の病院で安静を約束する入院に入った。アキラは必死で、婚約を破棄しなかったので、身内として個室に訪問する事が許された。皆、淋しそうだけどアキラが落ち着いて居るので、負けじと空元気を見せ合った。アキラは朝起きた時は旅館の布団の中だったので、念動力でヒロシが運んでくれたのを知った。能力の使い過ぎでは、と想ったアキラは病室でヒロシに「無茶しちゃダメ」と怒られるのであった。

282


其から季節は真夏になる。蝉の音がうるさく、汗だくの季節。

桜の癒し能力に新たな(超能力者ヒロシ召喚)能力を得たアキラだったが、匕背兄が見つけた最後の敵は妄執に憑かれて居る(アキラの担任)にも関わらず、尻尾を出さなかった。

教師はストレスがたまる職なのに。

アキラは毎日ヒロシの病院に面会に行ってから、訓練へと向かった。ラインは暫くお休みだから、調度時間調節が出来た。

283

ファンには保健委員の子と同じ対応がとられた為に、マネージャーはヒロシのグッズビジネスを行ってお金を稼いだ。ファンは行方不明になったヒロシを想って泣いた。ユニットは解散せずに『苛め撲滅キャンペーン』を続けた。

アキラを去年苛めかけた匕背ヒロシのファンの女子からの監視が無くなった。じーちゃんが心配して居た『女子からの苛め』の理由が無くなった。

「ヒロシの父は、やり手よな」と、じーちゃんが感心して居た。

284

匕背兄はキチンと給料を貰い、結婚資金の為に、貯金をしだした。

将来有望君と匕背兄を、天秤にかけて居た、彼女さんと元通り仲が戻った。とりあえず兼業主婦をする気の彼女さんだから、仲が良いのだろうとアキラは想った。勿論、いずれ匕背兄も兼業妄執退治コーチをしてバイトかパートに勤しむらしい。お金は大切だねとアキラは想った。

目が覚めないヒロシは毎日点滴を受けているが、脳死ではなく匕背家専門医は妄執憑きの反動と診察。

285

最後?の妄執憑きのアキラの担任は生徒からも先生達からも好かれており、怒り狂う事など微塵も想わせない。

アキラが学校に居る間はだが。アキラはヒロシの『何時目覚めるか解らない』お見舞いが有るので、学校に居る時間が少なくなった。そして1ヶ月に1回ヒロシの生霊と話をして居て解ったのだが、桜や電源を切ったドライヤーガンが通用するのは匕背の血を引き、アキラに愛されて居るヒロシだけなのだと。

286

という事は、担任の先生にも空気に溶けて貰う必要が有り、嫌な想いをしたが、学校関係者が妄執に食い殺される事を想うと、担任の先生は殺らねばとアキラとヒロシは想った。

そして真夏の真夜中がドライヤーガンの威力がもっとも高くなり、かなり強い妄執でも、何とか成ると匕背兄は算出した。安全に事を行うには、ヒロシの様に万全の対策が必要だから、真夏の真夜中がダメなら、保健委員の子と同じ目に合わせるぞと匕背兄が力説した。

287

そして真夏日、夏休みに入ってから、補習や部活の生徒以外の生徒が居ない日々に、アキラは、一か八かをかけてみた。担任の先生に英語の代わりに図工の発展した技術を教えて欲しいという口実で、毎日夏休みの学校にも通うアキラだった。

正直、不器用だから人の3倍の時間をかける。その間、担任が怒り狂う事などまるで無かった。むしろ、熱心に指導してくれた。『冬場のドライヤーガン・コールド+氷水』かな?と、考えていたアキラに担任が言った。

288

毎日学校とお見舞いと射撃のアスリート(マネキンを使った訓練をそう言う表向けにして居る)に成る為の特訓で、しんどくないのか?と聴いてきた。「へっちゃらです」と答えるアキラに担任は「俺は夏休みぐらい欲しい」ついでに安月給を上げて欲しいわと、笑いながら答えた。

「すみません。折角の休みを」私の英語の代わりの技術の補習の時間に当てて貰って。と、アキラは素直に謝った。

289

「心配するな。長期休みは一番若い先生に月直(日直エンドレス)させる学校だから、此処は」とぼやいてくれた。だから、わざと担任を怒らすのを躊躇うアキラだった。今、『実は英語の授業嫌いだからサボってるだけなんです。嗚呼本当の事言えた』と、大嘘をつけば怒り狂うかもしれない。でも、そんなのは嫌なアキラだった。担任が頼りに成る善い先生だから、そんな嘘をつけなかった。

紀眞の家と匕背の家の稼業を話してしまおうかとも想った。

290

だけど、人間関係の深い間柄でも無い子供の言う事を信じてくれるだろうか?有り得ない。だから絶好の日差しを逃してしまった。この日差しなら、熱中症と合算して、空気に溶けない出力で、妄執を退治出来るかもしれない。だから、ドライヤーガン戦士は時に非情に成らなくては成らないモノの、アキラは其がとても苦手だった。もう優しい人を妄執に壊されたくないから、友達も作らなかった。校舎で一人に成る事に慣れてしまった。昼も一人だ。

291

民間人だと妄執に取り憑かれてしまう。だからヒロシ達がやっていた『苛め撲滅キャンペーン』を民間人レベルで模倣できない。いくらユニットの熱烈なファンであったとしても、アキラが心を許すだけで、妄執に取り憑かれてしまうからだ。アキラは民間人の仲間が作れないピンチに居る訳で、決して安全な訳では無かった。だから、アキラは悩んだ。人として最後に頼って居る民間人の妄執に憑かれた担任の先生と妄執をどうしよう?と。

292

夏休みの補講は絶好のチャンスなのに。

アキラは今、葉書入れを木で作っていた。白うさぎが顔を覗かすデザインにした。長い耳を折れない様に、電動ノコギリで、余分な木を、切り落とさなくてはいけない。人より不器用なアキラはもう3回目のチャレンジだ。下手なうさぎにするのなら、もう出来ているのだが、うさぎの可愛さに妥協しないアキラと、其を評価する担任だから、今日は五度目のチャレンジで、失敗を認め、感想ノートを書いた。

293

【技術の授業感想文】

4年A組 紀眞アキラ

今日も同じ所でミスをした。うさぎの耳を切り落とさない為に、太く短くする必要があるのだろう。すると、可愛らしいうさぎじゃなくなる為に、今日まで努力してきた。だけど、もう潮時かも。評価は努力点と提出点に別れて居るから、提出点を貰う為に妥協しないとダメかもしれない。今までの努力に報いたいのに、嫌だな、妥協するのはと、まだ足掻いて居る。いい加減にしないと。

XX年XX月XX日

294

「先生、感想ノート書きました」此処に置いときます。と声をかけて技術室を出ていこうとした。振り返ったアキラの目には朦朧と陽炎の立つ担任の先生が見えた。真夏日にクーラーの無い教室だからなと想うアキラがアレッと気がついた。「先生、怒り狂って居るのですか?」と、なんとも、とんちんかんな事を聴いた。ドライヤーガンは鞄の中に有る。充電器もだ。バトルか?と身構えたアキラに担任は言った。「怒り狂っては居ないが残念に想う事が有る」と言った。

295

「何ですか?」其はとアキラが聴いた。「熱い中、毎日懲りずに紀眞の面倒見てるんだから」当初のデザインで完成させるくらいの「意気込みが」欲しいと言われた。アッと想ったアキラは「私は冬休みでも春休みでも付き合う覚悟が出来ている」から私が担任の間は泣き言は言わないで欲しいと言われた。

ごめんなさい。明日の感想ノートから、前向きな事を想う様にして、前向きな事を書きます。と頭を下げるアキラ。

296

「解ってくれて嬉しいよ」と担任は言った。が、朦朧と陽炎が立ったままだ。アキラは失礼しますと断り、ドライヤーガンを鞄から取り出すと、左手を担任の心臓に当てて、右手でドライヤーガンをホットにしてぶっぱなした。アキラには熱くないガンの熱風と浄化の威力が、担任の心臓を左手でガードしながらも禊ぐ。担任は人間らしい表情をしていたが、何か解らない何かが、ドライヤーガンの威力におののいていた。ここまでか?と想ったアキラはドライヤーガンを鞄になおし担任に話しかけた。

297

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だ」と言ってアキラをホッとさせた担任は、アキラの右手をぎゅっと握りしめた。それはドライヤーガンを二度と自分に向けさせない為に、そして握りつぶすかの様に酷く痛むモノだった。

「先生、離してください」痛くて手が壊れちゃうと泣きべそなアキラに担任?は言った。「怒り狂わなくても、一年近くこいつと付き合っていたら、怒りのポイントくらい解るわ」と妄執だ。

298

しまった。左手を翳さなかったら、妄執だけ、しとめれたのにとアキラは痛む右手を回収するべく身体を動かしたが、どうにも成らなかった。怖くて怖くて仕方がなかったから、ヒロシを召喚してしまった。「助けてヒロシ君」と、アキラは念を飛ばし叫んだ。しばらくして右手の痛みがレベルを越さなくなった。ヒロシの生き霊がアキラと担任の右手を引き離し、アキラにとどめをさす様に促した。アキラはドライヤーガンをミニマムにして真夏の日差しを借りて、担任の心臓にドライヤーガンをぶっぱなした。

299

民間人には聴こえない声をあげて立っていた担任は崩れた。

でも、空気に溶けてしまう事は無かった。無事に妄執をヤッケれたか確認して貰う為に、ヒロシが匕背兄との間を結ぶパイプを超能力でしてくれた。呼ばれた匕背兄は何処か遠くから担任を見て「10%だけ妄執が眠って居る」と言った。この場でとどめをささないと、後で苦しむぞと言われたアキラは、ドライヤーガンと左手を担任の心臓に当ててマックスパワーで確実に妄執だけを仕留めた。

300

担任は空気に溶け無かったが、取り憑かれて居た時の記憶を無くしてた。

「紀眞だな?」髪型が違うけど、今は何時なんだ。とアキラに聴く担任に「先生、上手く説明出来ません。だから」記憶喪失を担当するお医者に行きましょうと、アキラはヒロシが入院して居る病院へと促した。「ありがとう」と笑う担任をアキラと生霊が病院へと連れて行った。

301

一緒に担任の先生を病院に届け、アキラはヒロシの病室へと急ぐ。

アキラはまだ終わって居ないと判断した。紀眞は開祖『そらうみ』『もっともすみ』の生贄の鬼で、この時代は紀眞アキラが『恐怖仏教の生贄の鬼』→『まき』ではないか?と、想って居たからだ。何故なら匕背兄に指示された3人を妄執と離したが、紀眞の能力が衰えるどころか、ドライヤーガンが活発化してるからだ。苛め撲滅キャンペーンで『そらうみ』『もっともすみ』の悪行が知らしめられても、知ろうともせずに信仰している人達が大勢居るからだ。

302

想い込みかもしれないが、ヒロシを何時か、目覚めさせる時を、迎えれる様に、妄執絡みの件は、片付けとく必要があると、想う様になったからだ。

開祖『もっともすみ』は生『うごかない』さんや『うごかない』さんを信仰している坊さんに任せれば良いので、生霊のヒロシの説得担当だ。だから開祖『そらうみ』の相手はアキラに成る。素人相手の闘い出ない事に、アキラとヒロシは恐れを抱いた。

303

アキラは勝てる闘いか、そしてヒロシを取り返す事が出来る結末かを恐れ、ヒロシは『うごかない』さん達を説得しきれるかという事と、助けれないかもしれないアキラの身の心配を怖れた。

病室で掌のハグをする若すぎるカップルは今の幸せを大切にしながらも、迷いながら『そらうみ』『もっともすみ』の浄化を考えた。活性化したドライヤーガンが怖がる二人を促す。そうなのだ。もしヒロシが目覚めた時に『そらうみ』『もっともすみ』に狙われたならヒロシの身体はもたないだろうから。

304


だからヤるしかない。

『そらうみ』を浄化するイメージトレーニングと増殖する『もっともすみ』を浄化する為に『うごかない』さんの説得内容を考えるヒロシ。楽しい筈のお見舞いデートが、残念、怖い話に戻ってしまった。アキラは『そらうみ』の恐怖仏教の事を月9で教えてもらったが、じーちゃんばーちゃんは知っているだろうかと不安にもなった。

305

もし信仰して居るなら、価値観の崩壊に繋がるから、アキラは更に怖い想いをした。

温かいじーちゃんばーちゃんが、どちらかを信仰していたら。アキラの事を敵とみなすのか?不安を解消する為にも、担任が妄執と離れた今が、最適だと想い、早い内に話す決断をした。その時、病室のドアが開いた。開けたのは、ヒロシの父だった。「何か悪巧みでも考えて居るのかな?」と怖さで顔面が硬直していたアキラは「いいえ」と答えた。

306

「怖い顔をしてる」と言った後で、いや「怖がって居る顔だな」と笑った。ヒロシの容態を心配してと想われたが、アキラは聴いてみる事にした。 「月9で『そらうみ』『もっともすみ』が、恐怖仏教をして居るのを知りました。ドライヤーガンがまだまだ此れからが本番と疼いています。伯父さんは『そらうみ』『もっともすみ』の敵に成れますか?」アキラ並みに一生懸命言った。「私はタレント事務所のマネージャーだから」あのドラマの仕掛人でもあるんだよ。と言って、『そらうみ』『もっともすみ』は最低だ。耶蘇教の方がまだ紳士的と言えると言った。

307

伯父さんは、マッカーサーが望んだ、帰化儒教の信者だから安心しなさいと言った。「ヒロシ君の手を借りてでも快く応援出来ますか?」とアキラに「ヒロシの意識が戻った時の為だろう?」ヒロシを空気に溶かさない話なら、大歓迎だ。とアキラの肩に手を乗せて頷いた。「ヒロシはタレントじゃなくなったが、大切な」息子だと肩の手の力を込めた。

308

体温がアキラに温もりとして伝わった。「ありがとうございます」とアキラは安堵の気持ちを伝えた。

自然呼吸をしているヒロシのベットに付き、父親は彼が生きている事に安堵した。どうやらヒロシ君の生霊は見えないらしい。匕背家の一員として職務に付く為に超能力を持たない事を選んだ結果だ。ヒロシの生霊は見えないがヒロシの身体を生かす為に、お金を稼いで居る。アキラが婿養子の話を大切に守ったから、ヒロシの稼いだお金は、彼等の生活費として、手をつけていない。

309

仕事の為に、病室に長く居れないヒロシの父は「今日も任せたよ」と笑って今日も息子は無事だったと、出ていった。「ヒロシ君が見えなくて残念だね」とのアキラにヒロシの生霊は、此れで良いんだ。と浅く答えた。「其より大切な事が有る」とヒロシが質問して来た。『LOVE』の事かな?と照れるアキラに「可愛いなアキラは」と笑いながら、違う話をした。

310

生も死もの『うごかない』さんを説得するスペルを僕は知らない。何か有るのなら勉強したいが、何も動かせない。だから「アキラが勉強した事を僕に教えてくれ」とヒロシの生霊は言った。「うわーっ大変だ」とアキラが笑いながら悲鳴をあげた。「だろ?」とヒロシが伝える。アキラは匕背兄に協力してもらわないとと、酷く焦って慌てた。僕は、どちらかと言うと、二人の時間が長引く方が良いんだけど。と「残念」と茶目っ気たっぷりに言った。

311

病室を出て担任が帰ったか?どうかの確認をしてたら「紀眞」と声をかけられた。「私のお見舞いは終わりました」先生の診断結果は出ましたか?と聴く。

「数ヶ月の記憶喪失を」発病したらしい。と、予想通りの診断結果を教えてくれた。今はゆっくり身体を休めて、明日の補講に備えて下さい。と、アキラは補講の事を教えた。

「迷惑かけてすまなかった」と笑う担任に、アキラは想った事を質問した。「先生は『うごかない』さんに詳しいですか?」と。

312


「嫌、特別にと言うわけではないが」との答えにしゅんとなったアキラを見て「調べる事は出来るから」補講の時に教えてやれるかもしれない。と、言った。「ありがとうございます」と安堵したアキラに「かもしれない」だからな。と念をおした。

アキラはお返しに大雑把な学校であった事を教えてあげようと想った。ギブ・アンド・テークの仲になれると、助かるのだけどとアキラ達は想った。先生は何故怒り狂ったのだろう?と想うアキラに、私は3人以上も生徒を不幸にしたからな。其が悔しかったんだと教えてくれた。

313


「あぁ私の現実に悲観的な感想ノート」が、とアキラはビックリしてしまった。先生は熱血教師だなぁと、アキラは知らない1面を知って、意外だなと想った。外は暗かったので、先生は最寄りのバス停まで車で送ってくれた。運転技術は忘れてない様だ。良かったと想うアキラは去り行く車に手を振った。アキラは担任を助ける事が出来、しかも『もっともすみ』の事が少し進展したので、スキップして自宅に帰った。

314


家では、ばーちゃんがトンカツを作っていた。「何の必勝祈願?」とアキラが聴いたので「じーさまからリクエストがあっただけじゃよ」と、何でも無い事を教えてくれた。「偶然」と驚くアキラに「何かあったのかい?」と聴くばーちゃん。それに「担任の先生を妄執から救う事が出来た」と話した。じゃあもうドライヤーガン戦士は引退かい?

315

と、ばーちゃんが笑って聴くから「宗教の開祖を浄化しなくちゃいけないと」気づいたのとモジモジ話す。「大変たい」と、ばーちゃん。「有名な信仰者の多い開祖だから」ビックリしないでね。と、二つの仏教の名前をあげた。ビックリしたばーちゃんが、良かったよ。家は檀家じゃないけん。「安心たい」と、笑った。「何の話じゃ?」と台所に来たじーちゃんに聴かれたので、家は檀家じゃないって聴いたから安心したんだけど、「超有名な二つの仏教の開祖を浄化する事になったの」とアキラは答えた。

316

そっか?「ドライヤーガン戦士はまだ続けるのじゃな?」残念そうなじーちゃんに「ヒロシ君が目を覚ましても、妄執にとり憑かれない世界にしたいの」私はヒロシ君が目を覚ます事を期待してるからとアキラは言った。仕方がないのうと、じーちゃんは「アキラは一途だからな」と、残念そうに笑った。じーさまはアキラの将来が楽しみじゃけん、気張りや、とばーちゃんに鼓舞された。

317

開祖『そらうみ』『もっともすみ』の恐怖仏教の生贄の『まき』の事を想った。その『まき』は一人だけ壊し続けられる鬼として、とても清らかな躾をモノにした『まき』だけが生贄になる。その清らかな躾とは『自分がされて嫌な事は、絶対に他人にはしてはいけない』というモノだ。つまり、苛めを一生受け続ける、という苛めっ子に、苛めの苦しみを、教えるなという、酷い絡繰りなのだ。愛する我が子を素晴らしい人に育て様とする母達と、熱心に母親を尊敬し、愛する子供達を利用した、エグい恐怖仏教だと、アキラは想った。

318

人の尊厳も親子愛も他人に対する優しさも、皆利用した最低最悪の恐怖仏教だとアキラは想った。小学生でもそんな情に厚い人が『そらうみ』『もっともすみ』に逆らう事なく、ただ想いっきり壊され続けているのだ。こんな酷い話、紀眞の家に当てはまっているか?と考えたアキラは、妄執退治という苦しい想いをして来た事を想い出した。

319

アキラは月9の内容を吟味、自分でスマホで調べた事や違う宗教の信者のばーちゃんやヒロシの父親から教えてもらった事をまとめてうんざりした。『そらうみ』と『もっともすみ』は屑の中の屑だ。信仰は、生まれたから、生きている人達が、何時か死ぬから、恐怖や寂寥を和らげる為に、生きてることを讚美して皆で落ち着こう。というのがモノだ。大勢の人達の純粋な気持ちを掌握したこの恐怖仏教は、屑の中の屑とアキラは気持ち悪く感じた。

320

しかも、『ま※※ら』という、役目を担った、鬼(勿論本当に悪い悪者の鬼達も居るが、『まき』の様に心があたたかく、優しすぎるから、誰かを守ろうと、人以上の能力を、振り絞る、生贄も)殺しの坊さんや信者や信者じゃない人達での集団リンチを推奨(この鬼にはこのリンチという沢山のリンチのパターン化した『ま※※ら』という絵画)して、死ぬまで痛め付ける信仰は尊いとしている。 『まき』壊しは、こんな気持ち悪い方法でしている。

321

技術教室で休憩中のアキラに「見せしめにする」恐怖仏教という事が抜けているよ。と生霊のヒロシが言った。 そうやって、自分さえ良ければ他人はどうでも良い、もしくは自分の代わりにお前だけがリンチにあえとか、自分はリンチにあってなくてよかったという堕落した念まで植えつけるんだ。とヒロシは言った。これは『そらうみ』をやっつける時に使う言葉のチョイスも兼ねた、言語武装も兼ねている。だからヒロシが手伝った。

322

休憩を終えた(ヒロシにお礼を念じた)アキラは担任と、うさぎのみみのところで苦戦していた。「諦めたらそこで終わりだ」だから諦めるなと担任はアキラを鼓舞した。アキラは妄執に取り憑かれるくらい本気の担任に付き合ってもらって居るクセに、付き合うしかないなと、後ろ向きの事を考えた。「ところで『うごかない』さんの召喚スペルの事だけど」と担任は真面目に話してくれた。「有りましたか?何か素人でも使えるスペルが」と意気込むアキラに「結論から言うと」無いと言われた。

323

生でも死でも『うごかない』さんを取り囲む集団が、現在口語対応しているから「想って居る事を解りやすく話せば良い」だけなんだとよ、と教えてくれた。素人に付け焼き刃で文語スペルを教えても魂が追い付かないから、無駄に骨折るだけだと担任は言った。「ありがとうございます(感謝です。ヒロシ君に報告します)」とアキラはスッパリと『うごかない』さんへの依頼スペルの事を諦めた。

324

口語で対応出来るのなら『今、もっともすみに、殺されかけてます。もっともすみが悪いので、もっともすみを、最後まで、やっつけてください』で、終わりか。難しくない。生霊のヒロシ君が詠唱する方が『うごかない』さんに依頼が届くとアキラは想った。代わりにアキラは担任の記憶喪失中の事を少し話した。「保健委員の子は見つかってません。自殺した男子の動悸も不明です」と、担任が一番気にしていた事を簡単に説明した。

325

「ありがとうな紀眞」と担任は泣きそうな顔をして居た。其の顔を見ると、もう不祥事(色んな人達から聴いて、記憶喪失の間に、何があったかを、教えてもらって居たから、知ってる)は起きて欲しく無いと想って居るのが解った。アキラは自分の身も守らねばと、ヒロシ君・匕背兄にじーちゃん達・ヒロシの父達や涙ぐんだ担任にも誓った。今日もうさぎの耳のところで失敗してしまった。でも、諦めるもんか!と頑張る決意を感想ノートに書いた。

326

担任は「頑張ろうな」とグーをつきだして来たので、アキラもグーをグーに当てた。

「頑張ります」と。

補講が終わったアキラはヒロシの生霊と一緒に病室にお見舞いに来た。

ヒロシの生霊と一緒に病室で、ヒロシのエネルギーを温存させながらアキラは注意した。「生体エネルギーが沢山減ると大変な事に成りかねないから」バトル以外の時は、病室で安静にお話しましょう。と、二人のルールを、もう一度確認しあった。

327

「対戦は何時の季節が良いんだろう?」ヒロシはお山に籠っている『そらうみ』『もっともすみ』の事を考えた。冬はお山の吹雪慣れしてる彼等は夏は避暑地といって良いくらいの場所に門を構えている。冬も夏も劇的な効果が期待出来なかった。アキラの獲物はドライヤーガンだから、真夏日にスーパーホットでヤるか極寒の日に氷水をかけてクールからぬコールドでヤるしか想いつかない。「匕背兄に相談するか?」基本的なところを焦って抜けているヒロシとアキラだった。

328


「どうやって、ヒロシ君が生霊の時が在る事、信じてもらえるかな?」アキラの疑問に「万一の場合、アキラ一人だけで気がついた」という事にすれば良い、とアキラに生霊は言った。「憂鬱だなぁ」とアキラはぼやく。「最初は二人で何とかする予定だったんだから」最悪の事態には成らないよ、とヒロシの生霊が、もう眠いやと身体の中に吸い込まれて言った。アキラはヒロシの額に手を当てた。

329

病室を出たアキラは匕背兄との訓練の山場に入った。今日のマネキンのノルマはどうする?って聴かれたから、今日は任すと言った。「元気ないね」ヒロシの容態に変化でもあったのか?匕背兄が聴くと「その事なんだけど」とアキラは切り出した。アキラの話を聴いた匕背兄は次の様に疑う事が出来る、と言った。

「悪い話をするとヒロシに取り憑いた妄執がヒロシになりすまし、アキラをピンチに誘おうとして居る事」と厳しく言ったのが、嘘の様に明るい顔をして「アキラの知ってる事が本当な事」も、考えられる。と、匕背兄は勝ち誇った様に言った。

330


そして今、依りになって居る『そらうみ』『もっともすみ』が誰かをヒロシの親父に調べてもらえと指図した。匕背兄は、ヒロシの生霊と『そらうみ』『もっともすみ』の事を信じたから嬉かったのだが。ヒロシの父はどうだろう?信じてくれるかな?信じてくれなかったら、自分達で異変を待つしかないのか?とアキラはへばった。

331

アキラは練習後、ラインで匕背ヒロシの父に連絡をとった。アキラ[ヒロシ君を妄執から守る為に、お話があります][明日、病室で時間をください]

ヒロシ父[了解。ヒロシの妄執はしつこいな]

とアポは取れた。アキラは匕背兄に言われたのが妄執の殺処分なので、依りの人を空気に溶かしてしまうかもしれない。と、覚悟した。仏教の開祖相手に、人助けなんて、行えるとは、自惚れて居ない。保健委員の子は悪くなかった。だけど溶かしてしまったし。油断をすると、今まで培った紀眞と匕背のドライヤーガン戦士の全てが無に帰すかもしれない。

332

アキラは其は嫌だった。だから、ちゃんと両開祖の依りを、空気に溶かそうと想った。

依りの人は価値観の崩壊と超能力みたいな仏の力で、何人も殺すかもしれない。今期のドライヤーガン戦士の仕事は、ヒロシ君の目覚めを待つアキラが終わらせるしか無いという考えに辿り着いたからだ。 来期のドライヤーガン戦士も楽になるだろう。

333

自宅にもどった、訓練疲れのアキラは、シャワーを浴びて、寝間着に着替えて、眠る事にした。

熟睡中、変な夢をみた。咲蔵お母さんと想われる女性の身体が、躊躇った為に、彼女の期の最後の妄執と相討ちとなり、両者とも身体が空気に溶けてしまう。そんな夢だった。咲蔵お母さんがドライヤーガン戦士をしてたのは、能力がもっとも高い小学生の内だから、おかしな夢をみた事になる。何のメッセージか?と夢の中でアキラは解らずも考えた。

334

それは「妄執に疲れた命に躊躇うな」というくらい強い妄執なのでは。咲蔵ではなくアキラが空気に溶けてしまわない様に、と願う過去のドライヤーガン戦士達のメッセージじゃないか?とヒロシの父は言った。成程、アキラもその意見を借りて『そらうみ』を浄化して『もっともすみ』の浄化を生霊のヒロシをカイシテ『うごかない』さん達に、頼む事を話した。

嗚呼『そらうみ』の依りを消滅させるのだな。そして『もっともすみ』の依りを増殖出来ない様に、するのだな、とアキラに聴いた。

335

その通りです。だから『そらうみ』と『もっともすみ』の今期の依りを調べ、教えてください。と、アキラはヒロシの父に懇願した。「君は罪悪感なんて、気にしなくて良い」どうか、何時か目覚める、ヒロシの為に、全力で、妄執を浄化してほしい。だから私は君にかけるよ。と言ってヒロシの父は頭を下げた。其は、アキラが頭を上げてくださいとお願いする始末だった。全力をつくしますと。

336

ヒロシの父に調べてもらい解った今期の『そらうみ』は「みよし」で『もっともすみ』は「いながき」となのる成人だと教えてもらった。みよしが結婚してほしい、いながきを巻き込み『そらうみ』『もっともすみ』と仏力を使い放題なのだと。アキラがクラスボッチを選ばなかったら大勢の犠牲者が妄執に取り憑かれただろうという事が解った。アキラは北斎の『そらうみ』と『まき』と『白犬』の絵を見たから「いながき」との結婚に憑かれている「みよし」は最低だ、と想った。

337

自分にしか人権が無いと想って居る人だと、とても迷惑に想った。ヒロシの父も共感してた。アキラは聖地K山に登ることを決意。もし『もっともすみ』が退治出来なかったら、H山にも登る決意。季節は何時が良いかは紀眞と匕背のトップに調べてもらう。其までアキラは匕背兄との訓練を続けた。ヒロシには病室からH山に念をとばせる様に、体力を温存したり、対話能力を高める訓練をしてもらった。

338

肩に軽くかかっていた、シャギーのアキラの髪型がセミロングに変わる頃、夏休みはとおに過ぎ、季節は薄着では、寒さに震える晩秋にかかって居た。『そらうみ』『もっともすみ』の得意な彼等には過ごしやすいシーズンだ。だからこそ、油断が出るのだ。アキラは動きやすい様に、髪を後ろに1つに結わえた。いよいよK山に登り、潜伏せねばとアキラと匕背兄は想った。ヒロシには『そらうみ』が『もっともすみ』を助力に出来ない様に、『うごかない』さん達に助けを乞うてもらう。

339

そのまま亡くなってくれたら、心配事が1つ減り1つになる。『そらうみ』はアキラ達が仕留めるから、目覚めを待つヒロシの枷が無くなる事に成る。そうしたらアキラ達は全力で『そらうみ』と闘えば良いのだ。ヒロシがしくじらない事を祈る。紀眞と匕背の血族はアキラとヒロシの勝利の凱旋を祈る。祈りは清らかな能力となりアキラ達やヒロシを助ける。だから独りだけれど、独りじゃない。

340

こうしてアキラと匕背兄はK山に登り潜伏した。付け焼き刃なれど、気配を悟られない様に、気配を徐々に同化してゆく。難しいから時間がかかったが、何とか短期間でモノに出来た。あとは「みよし」が隙をみせる時をチャンスとして奇襲をかけるしかない。他のボーさんは匕背兄のヒロシから借りたドライフラワーの桜の結界で気づかないで居てもらおう。

アキラは、滝業を行い、能力を上げてゆく「みよし」を忌々しげに、見守った。

341

『そらうみ』こと「みよし」が滝業を終え、火照る血流を冷ましながら緩やかに下衣の着物を着替え始めた。余程想う相手なのだろう。下衣を着替えても身体から湯気がたっていた。大気に同化する『そらうみ』である「みよし」が、くしゅんと鼻をかんだ。ヒロシの父からもらった資料によると「みよし」はアレルギーをもっていた。寒暖差アレルギーなら、しばらく鼻をかむだろうと「みよし」を観察するアキラ。ドライヤーガンは充電器と共に備えている。まだチャンスじゃないと、アキラは想った。

342


紫の着物に金色の袈裟をかけるまでは速まってはいけない。アキラには、ある作戦があった。其の為には、あの重厚な衣類を纏ってもらう必要がある。アキラは滝を後にする「みよし」を追った。「みよし」は住まいの寺に裏口から入ると電化製品を使って身体の水分を完全に落とした。そして読経の為に、紫の着物に金色の袈裟をかけてまるでアキラを誘うかの様に振る舞った。

343

今だと想ったアキラは匕背兄に結界を頼むと単身「みよし」目掛けて飛び込んだ。驚きはしたモノの流石『そらうみ』。アキラに怯むことなく、魔物を破壊するお経をよんだ。だが、アキラの持っているドライヤーガンは充電器をぶら下げて2倍のしゅつりょくで燃えるホットを選んだ。「みよし」が、おりんを狂ったかの様に叩いたが、弟子の現れる気配は無く、「みよし」は怒りながら木魚を叩き出した。その姿に大きな妄執をアキラは見た。

344

「みよし」がドライヤーガン充電器2倍モードを喰らって苦しんでいる間にアキラはヒロシに『もっともすみ』の方を頼んだ。H山にかねてより、ヒロシの父が内密に依頼していた、二人の生『うごかない』さんは、恐れを乗り越えて、匕背家の依頼に応じた。『うごかない』さん達が『もっともすみ』に激しく怒り狂って説法を一斉にしだした。此れで、後は亡き『うごかない』さんを奉っているボーさん達が合流すれば『もっともすみ』は精神を破壊され廃人に成る筈。

345

それでヒロシは一念に祈った。こうして『もっともすみ』の妄執が消滅した。後は『そらうみ』だけだ。紀眞と匕背の皆がアキラの為に、祈って居る。先制攻撃でアキラが有利な内に『そらうみ』の胸に頭突きをかまして心臓部に傷をつけた。紫の着物と金色の袈裟毎、燃えてしまえと、その心臓をいぬきつづける。勝敗は充電器にあった。成るべく普段は、Wな使い方をしないドライヤーガンと充電器の出力で、滝業で火照る『そらうみ』を沢山の熱の力で燃やそうとした。「みよし」の着物が焦げ臭く臭いだした。

346


チャンスとしたアキラが紀眞の浄化の能力を、此でもかというくらい、「みよし」に叩き込む。流石『そらうみ』苦しくても苦し気な様を見せまいとする。だが、アキラは命懸けで「みよし」の心臓を破壊し続けた。止めたら反対に殺られるという緊迫した状況を「みよし」の衣類が燃え出すというドライヤーガンの威力と使い手の抜群さで『そらうみ』「みよし」は果てた。

347

妄執をヤり終えたアキラは「みよし」に水を大量にかけ、消火活動をして彼女の一命をとりとめた。こうして、ドライヤーガン戦士は役目を終えた。力が抜けたアキラをオブって匕背兄は抜群の身体能力で山をかけ降りた。びゅんびゅん風をきりながら。もちろん残り香など残すへまなんかせずに。そして今期のドライヤーガン戦士の任務は終了した。

アキラと匕背兄はドライヤーガン戦士を無事に卒業出来た。

348

あれから1ヶ月が経った。今、ヒロシの見舞い帰りのアキラと匕背兄がファミレスで、茶をしばいて居る。ヒロシの容態が心配な匕背兄に「約束したから」実際に目を覚ますエネルギーを養う為に、ヒロシは生霊に成るのを止めて、身体を目覚めさせ様と、努力ている。「寂しいのは今だけで」ヒロシ君が目覚めたら、ヤりたい事が沢山あるよーとアキラ。ヒロシのお蔭で『もっともすみ』に何にも攻撃されずに済んだもんなとホット烏龍茶をカップで飲む匕背兄。アキラはホット紅茶をカップで飲んで居た。

349

「でもマネキンの訓練が無くなったから運動量が減りまくっちゃったよー」と、幸せな悩み事を言うアキラ。「だな」と笑う匕背兄。二人は少し寂しくなったけど、俺ら良いコンビだったよなーと過去として振りきる事が出来た。ヒロシの目覚め以外は。二人は何時か目を覚ますヒロシに何か出来る事、あるかな?という話題をして居た。その時、アキラのスマホが聞き慣れない呼び出し音を鳴らした。

350


「此れはもしかして」病院の緊急電話ではと、どきどきしながらアキラが通話モードにした。「もしもし紀眞アキラですが」と答えると、病院の人が次の様に言った。「紀眞ヒロシさんの家族の方ですよね」良い話です。という調子に「目覚めましたか?」とアキラと匕背兄。其に病院の人は「後もう少しで目を覚ましそうなんです」と、やはり嬉しい知らせだと、胸が踊る二人に「今から面会に来ますか?」と言われた。だけど「いいえ、明日伺います」と通話を終えた。幸せな明日を夢みて、二人は皆に知らせ様と、にこやかに笑う。

ヒロシが匕背ではなく紀眞に生まれ変わったので、平和な生活がおくれる様、元気になります様にと、祈るアキラだった。






あとがき

初めまして宝希☆(/無空★)です。七万字越え初完成に喜んどります。角川つばさに必要な物語に成る様に、一生懸命書きました。終わった!☆

嬉しい。

誰かに四百字詰め原稿用紙で書きなさいと指摘されたので、以降、気をつけます。

角川つばさを選んだのは、私が若い子を読者にと長年想って居たのと、カクヨム投稿が出来たからです。Sみらい文庫はガラホでは、どうやって投稿すれば良いか解らず投稿できませんでした。後、角川映画「ぼくらの七日間戦争 」が、カッコ良いなと想いました。

では、初めての七万字越えに、浮かれながら、あとがきを終えます。


令和31日、宝希☆(/無空★)


20くらい保健が保険にされてました。

治しました。コロナが落ち着いたら被害届に行きます。自叙伝チック現代FTのさだめでしょうか?(激怒)カクヨムより少し文字数を削ってます。集英社にも投稿しようと思って。


令和3年9月4日宝希☆(/無空★)

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