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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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恐怖を感じた際に起きる身体の反応についての一考察

作者: HasumiChouji

「なぁ……小学生の頃にさ……いじめっ子の上級生をブチ切れさせた事が有ってさ……」

「なんだ? 何の話だ?」

「その時、恐怖のあまり……思考停止状態になって、体が固まって……結局、ボコボコにされちゃったんだ」

「だから……何が言いたい?」

「いや……こいつらだったら『恐怖を感じた時に、体をわざと動かなくする』と……少なくとも死ぬまでの時間は延ばせるけど……人間の場合は、恐怖を感じたら、逃げる方が合理的だよなぁ……。何で、恐怖で固まって何も考えられなくなったり、体が動かなくなったりするんだろ?」

「余計な事は、こいつを動かしてから考えろ」

 俺と同僚が、職場である屠畜場で、どうやら自分が殺される事を察知して、恐怖で固まってしまったらしい肉牛を、何とか前に進ませようと四苦八苦している間……職場の外のほぼ全世界では、とんでもない事が起きていた。


 ただ……「奴ら」とだけ呼ばれる……どうやら、数万年に渡って人間の歴史を裏から操り……人間を「食用」として品種改良し続けた異生物が、歴史の表舞台に現われ、地球を実効支配するようになってから約1年……。

 俺も……食肉として「加工」される為に、「屠人場」に連行された。

 「屠人場」の通路の途中で、俺は恐怖のあまり固まって一歩も前に進めなくなり……俺の後には……「屠人」待ちの行列が出来ていた。

「ばふばふばふばふばふ……?」

「ぎゃうにゃうぎゃうにゃうぎゃう……」

 だが……「奴ら」も「屠人」を始めてから日が浅く……このような場合のノウハウの蓄積は無いようだった。

 二体の「奴ら」が俺の両脇に立って……何とかして俺を前に進ませようと四苦八苦していた……。

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