表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

残滓

作者: 野生の羊

 カーテンを開けると空がいつの間にか赤く滲んでいた。ペンを置き体を伸ばす。


日も短くなったなあ、と感慨にふけっていると、リビングから母の呼ぶ声がした。

今日は早めのご飯らしい。

早めに食べて部屋に戻ろうとすると母に呼び止められた。

「玄関のバット邪魔だから部屋に置いてくれない?」

 

そう言われたので


「わかったー」

 と返事をして素直に片付けた。


「夏まではお世話になったなあ」

 なんて語りかけても返事はないが、夏の思い出が思い出される。

 

うちの学校は特別強いってわけでもないが、野球に対する思いは、最後の試合は思い出すと恥ずかしいぐらい泣いてしまうくらいにはあった。特別才能があるわけでもないが、貴重な楽しいものだった。もちろん楽しいだけなわけではなかったが。

それでも今机に向かっていられるのは、あの夏に残したものがないからかもしれない。なんて本当は未練たらたらなのだが。切り替えられない気持ちをなんとかするために部屋の片付けでもしようとすると、ラムネ瓶が出てきた。

「部活帰りによく買ったなあ」

などと懐かしみながらバッグから出てきたテーピングの端っこやビニール袋を捨てた。

 

机に向かいマメだらけの手でペンを握った。遠くでまだカーン、と金属音が聞こえる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ