追憶の地
どれほど時間が経っただろうか。
社殿から噴出する闇の勢いが徐々に衰えていく。
非難とも侮蔑とも取れる視線で、少年は洪を見た。
「違う…儂の所為じゃない…儂の所為じゃ…」
洪は未だ腰を抜かしたまま、囈言のように呟いている。
実際、洪の本意ではなかったのかもしれない、と少年は思う。
この男こそ見えない何かに操られていたのかもしれない、と。
狼狽し、困惑する洪の面は一変し、それこそ憑き物でも落ちたかのように、先ほどまで満ち満ちていた狂気も跡形なく消え失せている。しかし、それが意味を成す段階はとうに過ぎた。
本意であろうが、見えない何かのせいであろうが、すでに抜き差しならない事態を招いてしまったのだから、その後で招いた張本人の意図がどうであろうと論じたところで、意味などある訳がない。
闇の噴出が収まりつつある。と同時に、少年を襲う、あの吐き気を催すような不快も、少しずつ薄れていく。
少年は空を見上げた。
噴出した闇はあれだけ濃かった雲霞を吹き払い、道観の上空には、まるで透徹した巨大な円柱を差し込んだかのような青空が覗いている。
その中央には雷光を纏い、黒雲と化した闇が鎮座し、更にその黒雲の中には、星のように輝く光の玉が数多く漂っている。
その高さは少年が見えない壁に激突した数倍か、十数倍か。
少年は再び社殿に視線を移す。
闇が地下から噴き出した当初は、あまりの勢いにその姿を捉える事ができなかったが、今は闇と共に時折、地の底から放出する光の玉が見て取れた。
「現身無き者よ」
少年の頭に声が響いた。
と同時に、嫌な予感が少年の脳裏をよぎる。
社殿の中に居る者達は、畏れ戦き、慌てふためき、呆然と腰を抜かし、泰然と空を見上げと、それぞれに反応を示してはいるが、今の声に気付いた様子はない。
元々社殿の中に居なかった者達も騒ぎによって集まってきているが同様のようだ。
少年の思いつく限り、その言葉に当てはまる者は一人しかいない。そして、その声がどこから発せられているのかも本能的に悟る。
「現身無き者よ」
再び少年の脳裏に声が響く。少年は恐る恐る空を見上げた。
黒雲の中に蠢く星々は100余り。少年の視線はその内の一つに吸い寄せられる。
根拠はない。だが、少年の直感は、声の主がその一星である事を確信した。
「フッ、我の声が聞こえているな?」
呼び掛けに応じるように空を見上げた事を後悔しながら、少年は沈黙を返す。そして、すぐに自らの異変に気付く。
その声に対する不快感がない。
この社殿に封じられた妖魔と、その社殿に近付くほどに増した少年の悪寒。
その二つを思えば、今、上空に漂う黒雲が──いや、おそらくはその中に蠢く星々こそが顕現した妖魔の姿であり、同時にあの筆舌に尽くし難い不快感、嫌悪感の元凶であろうという事は、いかに部外者の少年といえど容易に想像がつく。
とすれば、こうして直接語り掛けられ、部外者ですらなくなった今はもう、精神的な苦痛などという生温い領域をとっくに超越し、それこそ発狂にまで至ってしまっていても、全く不思議はないはずである。
であるはずなのに、妖魔との距離が再び離れた事も相俟ってか、少年の心には驚くほど負の感情がない。
あるのは妙な既視感、親近感だ。心が安らいでいると言ってもいい。
まるで産まれた時から共に過ごしてきたような…
「フッ、面白い。余程、我と波長が合うと見えたが…そうか」
少年が得体の知れぬ懐旧の念とも呼べる感情に戸惑い、上空の一星が少年の精神に共感を示した頃、地下からの闇の噴出は収まり、最後の星が上空に昇った。
暫しその場に漂い、蠢く。そして──
100を超える星々は、弾かれるように黒雲の尾を引いて四方へ散った。まるで、予め星々の行く宛てが定まっていたかのように。
あとにはただ、この世界で初めて少年が目にした円形の青空が、周囲の雲霞によって蝕まれゆく姿が残る。
少年の胸を焦燥感が襲う。
自分だけに聞こえた声、あの不思議な安堵感、自分の人生と深く関わってきたような確信めいた予感。
あの星を追いかけなければ、あの星の行く末を見届けなければ、という焦燥感が。
少年は再度、洪を見た。
その視線に、こんな事に巻き込みやがってと、ありったけの怒気を孕ませて。
その一瞥でいっそ殺してしまえたら、などと物騒な事を思いつつ、自らの行為に怯え、戦き、涙を流して身体を震わせる男を捨て置き、少年は自らが入ってきた門へと急いだ。
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何の事はない、あれだけベタベタと札を貼り付けておきながら、そうして拵えた結界はまるで役に立ちませんでした、という事だ。
結界の届く遥か上空から、妖魔達は苦もなく飛び去っていった。
もっとも、結界があったからこそ、その効力が及ばぬ高さまで昇ったという事かもしれないが。
少年が道観の門を外へと潜り、その身を中空に舞わせてからしばらく経つ。
飛び去った100を超える星々は、すぐに視界の彼方へ消え失せてしまったものの、少年は迷う事なくある方角へ向かった。
そして今、少年には確信がある。
視線の先を飛び、自らが追い掛けている光の玉こそ、あの声の主だと。
妖魔は飛び去る時にその身に纏っていた黒雲の尾が消え、今は人の上半身大であろうか、淡い光を放つ球体となっている。
あれ以来、妖魔からの呼び掛けはない。しかし、呼び掛けられて以降、少年の心には、どこか精神の深層部分で妖魔と通じ合っているような、奇妙な連帯感がずっと残っている。
一人と一球はかなりの速度で飛行を続けながら、高度を徐々に下げていく。
今は道観の空を覆い尽くしていたような白濁の世界ではないものの、眼下には雲が多く、地上の様子は断片的にしか窺えない。
【一体、何処に向かってるんだ…?】
道観の様子、見慣れた文字、聞き慣れた言葉。
この夢が現実世界で少年の住まう国を舞台としている事は、もはや疑いようがない。
ただ、いかに少年が夢の中で、空から景色や各地の都市を眺めた事があるとはいえ、全ての俯瞰図が頭に入っているという訳では当然ない。
答えを見出だす手掛かりが、雲間を縫って断片的に見える景色だけでは、さすがに情報が少な過ぎる。
…などと少年が思っていたところで雲を抜けた。
「うわぁ…!!」
少年の眼下には萌木色の山々が背後から左手、そして視線の先へと、その果てが見えないほどに立ち並ぶ。
右手には平原が、と思えるような広大な渓間が、少年から少しずつ離れていくように先へと続いている。幅は数km、どころではないかもしれない。その奥に聳える峰々は霞んでしまっている。
いや、もういっそ平原と呼んで一向に差し支えないだろう。渓間の中にすら、いくつかの峻嶺が群れを成しているほどだ。
少年の進む先には、山間を縫って陽光をキラキラと反照させる水面が見える。
湖のようだ。湖面を木の根のように張り巡らせて渓谷を広範に埋めている。
視線を更に奥へと移せば、渓谷の中に何本か反照の帯が見える。湖から続く渓流だろうか。
「アレさえなければ、あの娘達との話のネタに、思う存分楽しむんだけどなぁ…」
あまりにも雄大な景色を前に、心なしか余裕を取り戻した少年は、そんな他愛ない事を思う。
少年の言うアレは少年の眼前、少し離れた位置で音もなく飛行を続けている。進路を変える様子もない。
少年は改めて今回の夢について考えてみた。
【何て言うか…いつにもまして不思議な夢だなぁ。
舞台はまあ俺の国なんだろうけど…さすがに現実の話って事はないよな。大体、100を超える妖魔が解き放たれたなんて話、噂すら聞いた事ないんですけどー。
別に俺だって自分が博識とは思ってないよ?思ってはないけど、つって人並み外れて世間知らずって訳でもないじゃん?
…え?ないよね?
いや、ないったらない。
それに数年、十数年の話じゃなくて、100年単位で古い出来事だとしたら、本…は無いにしても、説話(※1)や講談、それこそ『三國』なんかみたいに、逸話の一つくらいは残ってても良さそうなもんじゃん?って事は、残る可能性はここが未来の世界──
いやいやいや、違うって。ないない。
所詮こんなのは夢の話だよ。こんな事、現実世界で起きっこないって。
…でもなー。
なぁんか現実味がある、ってゆーか。
さっきの不快感だってマジでヤバかったし、光の玉は光の玉で急に話し掛けてきて、いきなり相性…じゃなくて、波長?がどうとか言い出すし。
って、馬鹿馬鹿しっ!!だから夢の話だって。こんなの真剣に考えたって、結局最後は無駄無駄無駄ァってなるに決まってんじゃん!
しかも俺、恥っずっ!!いくらあの洪って奴が胸クソ悪かったからって、夢ン中の相手に何ブチ切れてんの!?
うーん、コレちょっと…あの娘達と話すネタとしてはマズいかなぁ。気を付けて話さないと、うっかりそのまま喋っちゃったら、俺、イタい奴認定まっしぐらじゃね?
うん、止そう。想像するだけでも耐えられない。話題を変えて、っと。
そうそう『三國』ね。
そういえば何年か前、伯父さんに『三國』の講談を聴きに鎮まで連れてってもらったっけなー。
劉・関・張の活躍はそりゃあカッコ良かったけどさ、じゃあその三人が…それか敵役の曹操とか、その他諸々の武将達の活躍が、ぜーんぶ「実は妖魔に憑かれてたお陰ですよ」なんて裏設定だったら…ちょっと萎えるわー。
…いや、待てよ?
てか、そんな話があったら、寧ろ面白いんじゃね?
妖魔を宿した好漢が地位も権力もお構いなし、道徳も倫理も何処吹く風で、贓官(※2)やら腹黒い金持ちやらを十把一絡げに大暴れ──なぁんて話の筋なら、講談の演目として十分に金取れそうじゃん。
そういえば、そんな型破りな人生に憧れてた時期があったねぇ、俺にも。現実世界じゃ不正や汚職に励む役人の話なんて、アホみたいに聞くしさ。
つって「憧れ」は所詮「憧れ」だけどね。実際にそんな人生を送ってみろ、って言われてもさ…
ないわー。
真っ当な人生が一番だよ。平穏無事な人生が、さ。
仮にそんなお誘いがあったとしても、全力でお断りさせていただく所存である事を、ここに表明する次第であります。
…うへぇ、下らね!
ま、結局そんなのは講談で「お話」として楽しむか、イタい妄想で済ませてるくらいが丁度いいって事だね。いざ、そんな物語の登場人物よろしく、自分の身に妖魔を宿すなんて──】
道観を出て、初めて少年の心がざわついた。
取り留めのない思考がいつしか脇道に逸れ、偶然通りかかった通過点。
だが、そのまま何気なく通り過ぎるだけのはずだった思考の通過点が、おもむろに少年の不安を掻き立てる。
これまで答えの見出だせなかった疑問が、次々と解消されていく気がした。
もしかして導かれるように道観に足を踏み入れた事も、いや、そもそもこんな夢を見ている事自体が、或いは…?
「…いやいや、まさか、ね」
不安を振り払うように少年が思考を打ち切ると、渓谷に根を張る湖はいつしか後方に過ぎ去り、眼下の峰々もその姿を消し始めていた。
代わって景色の大半を占めているのは大平原と大海だ。
山間の湖から続く渓流は、山裾に置かれた都市の城壁を掠めるように平原へ出でて、右手奥の大海に注ぎ込む。平野には大小様々な湖沼が配され、更にその湖沼を網の目のように河川、水路が繋いでいた。
大平原と言うより、大湿地帯とでも呼ぶべき景観だ。
その大湿地帯の中、正面には一際大きな湖が──
少年の胸を再び不安がよぎる。先ほどの比ではない。
少年はあの湖に見覚えがある。そして、あの特徴的な形は見間違えようがない。
少年の家はあの湖に面した城にあった。
今の家ではない。物心がつくかどうかの頃まで過ごした生家だ。
広いとはお世辞にも言えない庭で少年は無邪気に遊び、父母に名を呼ばれては駆け寄って甘え、その愛を一心に受けて育った。
少年の体験としての記憶ではない。夢で見た映像としての記憶だ。
今までにたった一度だけ経験した、自分自身との邂逅。
今の家に移った理由は、幼かった少年には知る由もない。ただ、夢の中とはいえ、二度と戻る事はないだろうと思っていた生家を、そして今は亡き父母の姿を再び目にした喜びに、少年の心は大いに弾んだ。
その時だ。
その家を、その周囲を、その街を、大地からも空からも余すところなく、飽きる事なく観察し、記憶に留めたのは。
だから──
この国に、いや、世界中にどれほどの湖沼があったとしても、少年がこの湖を見間違える事だけは絶対にない。
太湖だ。
太湖は南西側に綺麗な半円の湖岸線を持つのとは対照的に、北東側は大小の岬が湖面を別ち、入り組んだ湾が陸地を侵食する複雑な湖岸線を持っている。
少年の行く手には凹凸の少ない湖岸線。が、生家は深い入江が城壁にまで達する、北東側の城内にある。つまり、湖を越えた対岸だ。
そして、すでにその城の威容は、遠目にもはっきりと見て取れる。
胸に迫る不安に急かされるように、少年は速度を上げた。
眼前の妖魔を抜き去り、故郷を、生家があるはずの蘇州(※3)の城を目指す。
先ほどまで笑い飛ばしていたはずのものが今、少年の心を捉えて離さない。
【城が在るからって何だよ。城ぐらい在るって、俺の夢なんだから。そりゃ俺の記憶通りになってるさ。
それに、城だって外面だけかもしれないし、そもそもここが俺の住んでた時代じゃなきゃ関係ない──
って、だから違うだろ!空想だよ。こんなのただの空想に決まってる。
仮に…仮に現実なんだとしても、さ。
未来か、たとえ過去でも、せめて俺が家族とこの地を離れた後だったら…】
少年が妖魔よりも一足先に蘇州の上空に辿り着き、記憶を頼りに目星を付けて生家を探す。
今、生家を訪れたとして、一体、少年に何ができるだろうか。
おそらく、できる事は何もない。
これから何が起きようと、先ほどの道観と同じように為す術なく、ただそれを眺めるだけだろう。
それでも少年は動かずにはいられない。
これから何が起きるのかを確かめるために。
そして──
「マジかよ…」
少年の記憶通りの場所に、生家は在った。
二階建ての家屋、さほど広くない庭、軒先に置かれた縁台。
記憶の中の情景そのままに、記憶の中の姿よりも遥かに新しく。
【べ、別に家が在ったからって、ここが現実の世界って決まった訳じゃ──
いや…待てよ?
俺が夢で観た時は…それか、それよりも年代的に後なんだとしたら、全てがもっと古びてなきゃ噓だ。少なくとも屋敷なんて、こんな新築同然じゃ絶対なかった。って事は…ん?】
少年が狼狽えながらも結論を出そうとした時、家の中から一人の女性が顔を出した。
【母さん…じゃない。
でも、似てる。
伯父さんに。そして父さんに】
一度だけ夢で観た時と同じ場所にある真新しい生家、伯父や記憶の中の父に似た面影を持つ女性。そこから導き出される答えは…
「祖母ちゃん…?」
思わず洩れた少年の声に応えた訳でもないだろうに、その女性は庭へ出て縁台に腰を掛けた。
そして、何をするでもなく日向ぼっこを始めた。
愛おしむように、慈しむように、新たな命を宿して膨らみ始めたお腹を摩りながら。
「…駄目だ、祖母ちゃん。ここに居ちゃ駄目だよ」
気持ち良さそうに目を細めて陽光を浴びる女性に、その声は届かない。
「逃げて!…逃げてよっ!!」
諭すような声色は、いつしか悲痛な叫びへと変わる。
少年が庭に降り立ち、尚も声を掛け続けようとしたその時、強烈な悪意がその身体を貫いた。
少年が西の空を見上げる。
解き放たれてから今の今まで、どうやって妖魔がこの不吉な気配を消していたのか、少年には分からないし知りたくもない。
だが、たとえその気配が感じられなかったとしても、だ。
音もなく進来する光の玉を目にした少年の心が猛然と沸き立つ。
嗤っている。
それはただの光の玉だ。しかし、少年には分かる。
淡く光を発しながら「阿呆がノコノコついて来やがって」と少年を嘲笑っている。
少年の心を沸き立たせた感情、それは憤怒だ。
なぜ、こんな奴の声に反応したのか。
なぜ、こんな奴に理由もなくついて来たのか。
なぜ、こんな奴に心を安らげていたのか。
その矛先は、妖魔というよりも少年自身へと向いていた。
妖魔が屋敷に迫る。もはやこの屋敷を目指しているのは疑いようがない。
今、少年にとって、この夢が現実であるか、空想であるかなど大した意味はない。
少年と妖魔との間にどんな関係があろうと、今はいい。
現実であろうが空想であろうが、妖魔との因縁があろうがなかろうが、少年にはここから逃げ出すつもりなど断じてない。
これから起こる事をただ確かめて、どうするというのか。
為す術がないとただ見守って、どうなるというのか。
襲い来る悪寒を憤怒で打ち消し、少年は再び空中にその身を躍らせる。
両手を広げて妖魔の行く手に立ちはだかると、少年は目を閉じ覚悟を決めた。
直後、その身体は淡い光に包まれて…
「……!?!?」
少年が目を開ける。視界には何もない。
慌てて少年が振り返るとそこには──
無情にも、光の玉が今、将に女性へ襲いかからんとする光景があった。
「止めろーーっ!!」
届かぬ叫びを虚空に遺し、少年の身体は急速に存在感を失っていく。
少年は現実の世界に引き戻された。
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宋(※4)の仁宗陛下(※5)の御世、1058(嘉祐三)年3月、信州(※6)は貴渓県、龍虎山上清宮に封じられていた108の妖魔が解き放たれた。
宋全土に散った妖魔達は、暫し雌伏の時を経て、再び現世にて相見える。
人の身体を憑代として。
これは妖魔をその身に宿した者達の数奇な運命を描いた物語…『水滸伝』と名付けられたその物語よりも、ホンのちょっと前のお話。
※1「説話」
講談などと同じく、舞台などで行われる演目の一種。
※2「贓官」
「贓」は「不正な手段で金品を得る」「賄賂を受け取る」の意。不正を行う役人の事。
※3「蘇州」
「州」は「府」と並ぶ宋代の地方行政単位。総称して「府州」と呼称される事もある。日本での都道府県に相当する。「蘇州」は現在の江蘇省蘇州市一帯。
※4「宋」
中国の王朝の一つ。960年~1279年。一般に開封に首都を置いた960年~1127年を「北宋」、隣国・金の侵攻を受けて南遷し、臨安に首都を置いた1127年~1279年を「南宋」と呼称します。本作の舞台は「北宋」にあたりますが、「北宋」「南宋」の呼称は、あくまで金の侵攻あっての呼称であるため、金の侵攻以前が舞台である本作では「宋」又は「大宋」と表記しています。
※5「仁宗」
宋(北宋)の第4代皇帝。在位1022年~1063年。
※6「信州」
現在の江西省上饒市南部と同鷹潭市中東部一帯。