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水滸前伝  作者: 橋邑 鴻
第十二回  曹刀鬼 岱廟に鼠賊を遇い 董双鎗 旗亭に騙局を暴くこと
126/139

突る

 曹正が奉符を発った日の午後の事。


 暑い盛りを過ぎ、西日射す草参亭の近辺は、今日も大変な盛況ぶりである。その人混みの中、相も変わらず無煙の煙管(キセル)をピコピコと揺らし、右手を懐に突っ込んで、通りを西に向かう董平の姿があった。


 今日も今日とて長衫(ちょうさん)の裾を風にそよがせ、飄々と歩を進めた董平は、岱廟から少し離れた場所で足を止める。

 ふいと左へ向きを変えれば、そこは見るからに上等そうな宿の門前。


 特に躊躇うでもなく門を潜った董平は、作男といくつか言葉を交わすと、また飄々と奥へ進んでいった。



 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼



 宿の最も奥まった一室には、お気に入りの女給をそれぞれ脇にはべらせ、酒を酌み交わす男が二人。

 表を下る清流は風情あるせせらぎで涼しげに室を満たし、窓から差し込む斜陽の照り返しが、ゆらゆらと天井に揺れている。


 学を修め、風流を解する者であれば、流麗な詩の一篇でも自然と口を衝いて出そうなものだが、この室にそんな気配は微塵もない。


 肩を抱かれる女二人は、媚態を晒してそれぞれの男に酒を注ぎ、甘く相槌を打ったかと思えば、しなだれる身体に(なまめ)かしく指を這わす。

 男どもは男どもで、さも当然とばかりに注がれた酒を豪快に(あお)り、野太い声で語り合う様は見るからに無骨、がさつの極みと言ってよく、思い出したように肴を口に放り込んでは、また手慰みに女の肢体を抱き寄せる。


 風流も風情も、正に台無しと言う他ない。


「閣下、如何なされた。酒も肴も、とんと減っとりませんが。口に合わんのでしたら変えさせましょうか?」

「いや、構わん」

「ははぁ~?って事ぁ、閣下もいよいよお歳を召され、思うように飲み食い出来んお身体になってしまわれましたか?」

「何を()かすか、このクソ門神(もんしん)(※1)め。老いも若きも関係あるか。表を見てみろ、そろそろ日も暮れようかという頃合いだぞ?朝からブッ通しで飲み食いしてれば、手が止まる時もあるわ。ただの小休止だ」


 互いに軽口を叩き合う二人は、かれこれ十数年来の付き合いとなり、気心の知れた仲である。


 さて「門神」と呼ばれた方の男は姓を(しょう)、名は一字名で(ちゅう)と言い、年の頃は30歳ほど、一昨年の初めに他州からこの地へ流れ着き、居を構えた。生来の破落戸(ごろつき)で、幸か不幸か体格には恵まれたため、腕っぷし一つで世を渡り歩いてきたような男である。


 その恵まれた体格を活かして若い頃から相撲(※2)を学び、口が裂けても「技巧派」などとは呼べない、ゴリッゴリのパワーファイターながらも、日常生活の中で2mを優に超すような巨漢の圧を受ければ、大抵の人間は萎縮してしまうもので、この奉符でもすぐに周囲から一目置かれる存在となった。


 普段は瓦市で賭場を備えた酒家を営み、破落戸や札付きを相手にする傍ら、些細な揉め事などにも進んで首を突っ込み、仲裁の謝礼と称して金品を巻き上げる、といったアコギなシノギもしているのだが、とりわけ蒋忠が周囲の羨望なり畏怖なりを集めている理由は、やはり「岱廟の奉納相撲(※3)で無敗」という触れ込みだろう。


 この地に移った年から今に至るまで、蒋忠は奉納相撲で負けを得た事がなく、己の力を手っ取り早く誇示できる事から自らも大いに吹聴し、今や彼の豪勇を示す代表的なキャッチフレーズとなっているのだが──


「しかし、お前もまた『奉納相撲で3年間無敗』とは、大層な看板を背負う男になったもんだ」

「閣下のお陰さまをもちまして」

「当たり前だ。お前はただ(わし)に計画を持ち掛けるだけ持ち掛けて、旨い汁を啜ってるだけだろうが」

「また、そういう事を…閣下も乗り気だったようにお見受けしましたが?」

「最初は、な。毎度、世話を焼かされる儂の身にもなってみろ」

「ですから、日頃の恩に報い、団練使(だんれんし)(※4)として日々、激務に励まれる身体を癒していただこうと、こうして席を設けたんじゃありませんか。そんな苦虫を噛み潰したような顔をなさってないで、楽しく()りましょうや」

「何が『団練使の激務』だ、白々しい」


 フン、と一つ鼻を鳴らし、女に宥められながら、男は不機嫌そうに酒を呷る。


「閣下」と呼ばれるこの男は姓を(ちょう)、名を二字名で方烈(ほうれつ)と言い、パッと見はそろそろ40歳に手が届こうか、といった年の頃。


「団練使」は唐代に起源を持ち、それなりに由緒ある武官なのだが、時代が下るにつれ、更なる軍権を付された職がポコポコ生み出されていった結果、相対的に武官としての地位を下げていく事となった。


 宋においては位階を付され、朝臣としての地位も併せ持つに至った一方、武官としての存在感はもはや壊滅的で、いよいよこの頃は明確な職掌すらも失われてしまい、往時の威光など見る影もないという、惨憺たる有り様である。


 一応の位置付け(・・・・)として、平時にあっては上官の補佐役、戦陣に在っても主帥の補佐役、或いは武の才に秀でる者であれば、副将として一隊を率いる──くらいの役割はあるのだが、正直なところ平時でも有事でも、居ようが居まいがどっちでもいい。


 武の才があるのなら、わざわざ補佐役に任じる意味がなく、平時の補佐なら尚更、団練使でなければならない理由はないからだ。


 よって今、この国には「団練使の激務」などという概念自体が存在しない。お世辞か嫌みか、言い放った蒋忠の意図は分からないが、いずれにせよおふざけ(・・・・)がやや過ぎていて、鼻に付いてしまった張方烈の気持ちは分からなくもない。


 そんな「窓際」同然の団練使だが、実は垂涎の的として、とあるカテゴリーに属する人達からは人気を集めていたりもする。


 団練使の官品は、全18位階のほぼ真ん中にあたる従五品。朝臣として見れば、どこぞの押司が持ち出した保義郎などより、よほど待遇はいいし胸も張れる。


 さしたる職掌もなく、それはつまり負うべき責任もなく、その割に官位は往時の名残でそれなりに高く、それなりの官位であるから、何か問題が起きた時に責任を取ってくれる上司がいて、実働要員として使える部下もいて、放っておいてもそれなりに敬われるから優越感を味わえて、世間体もそこまで悪くはない。

 やる事と言えば、上司が負うべき責任を被らされないよう、あちこちに媚びを売っておくくらいなもので、あとは上司の横でふんぞり返っていれば、それなりの禄が懐に入ってくる。


 ジョブ「武官」、属性「出世原理主義者」、スキル「無能」を兼ね備えた者達が、こんなパラダイスな職場を知っちゃったら、そりゃあヨダレもジュルジュルしちゃいますわな。御褒美以外の何物でもありません。


 また、意外なところで、団練使は朝廷の宰執や三衙(さんが)(※5)など、文武の高官からも重宝がられている。


 無論、自分が団練使に就きたくて、ヨダレをジュルジュルしています、という話ではない。

 政敵などを島流しにする際の「島」として、団練使は非常に使い勝手がいいのだ。


 職掌がないから満足な功績を挙げられず、非常時でもなければ兵権を与えられないから武功も立てられない。仮に処遇を恨んで謀叛を企てたとしても、兵権を持たない者に兵は従わない。これでは、流された方は息の根を止められたも同然である。

 更に念を入れるなら「よほどの事がない限り、団練使に仕事をさせるな」と、知府州(知府や知州)なり指揮司なりに指示を出しておけばいい訳で、流す側からしてみれば、これほど都合のいい「島」はない。ジュルリ。


 それでもまだ返り咲くチャンスがあるとすれば、元から武官だった団練使だろうか。


 活躍の場を奪う目的で団練使に任じられるのであれば、任地はほぼ確実に内地となるが、内地に他国との戦役は興らずとも、賊なら辺境も内地も関係なく出没する。


 いかに活躍されたら困るといっても、それで「団練使を活躍させるくらいなら、賊に城を明け渡した方がマシ」とはなり得ない訳で、武の心得を持っていれば、戦況次第で団練使にも出番が巡ってくる可能性は残されている。


 …え?「団練使は武官なんだから、常にジュルジュルしてる輩でもなければ、誰でも武の心得はあるんじゃないのか」ですって?


 いえいえ、そんな事はありませんよ?

 武官じゃなきゃ島流しにできないなんて、そんな決まりがある訳ないじゃありませんかww

 やだな、もー。


 武官に元・文官を任じて問題はないのかと言えば、辺境などでは憚られるかもしれないが、基本的に何も問題はないのだ。


 団練使──殊に内地の団練使など、居ても居なくても、どっちでもいいのだから。


 大事な事なので二回言いました。


 文官が団練使に任じられるケースには、大抵、朝廷中枢の権力闘争が絡む。

 無論、敗れた側が朝廷から追放され、酷い時にはいきなり官籍剥奪の上、庶民に落とされたりもするのだが、辱しめと嘲りを兼ねた嫌がらせとして、地方の団練使に任じられる場合も多い。


 問答無用で庶民に落とされる事を思えば、官籍を残せ、それなりの禄が食める団練使への異動は幾分マシにも見えるのだが、自分を追い落とした相手から「これまでの功績に免じて…」とか何とか、見せ掛けの情けを掛けられ、頼んでもいない恩を(なす)られるというのも、なかなかに屈辱的な話だ。


 そうして地方に飛ばされた文官に、復権の可能性はまずないと見ていい。

 元から武人の団練使に残された「劣勢の戦で大戦果を挙げ、返り咲きを果たす」という可能性も、戦は素人の文官では縁がない。


 ちなみに、文官を島流しにした地に賊が現れ、それこそ団練使の力が必要なほどに勢力を伸ばしたとしても、特に困ったりはない。

 賊が勢力を伸ばしそうなら、戦に使えない団練使はとっとと他府州に飛ばしてしまい、他所(よそ)から戦に使えそうな団練使を持ってくればいいだけの話だ。或いは、叛乱を招いた失政の責任を(なす)り、今度こそ心置きなく首を切ってもいい。


 返す返すも島流しをする側にとって、団練使という職は都合がいいのだ。ジュルリ。


 そんな按排であるから、団練使がそれなりに敬われると言っても、その内訳は市井の人々や直接の知り合い、あとは官位に惹かれて群がってくる有象無象ぐらいで、要は「何だか知らないけど官位も持ってるし、とりま敬うだけは敬っとけ」程度の事である。


 片や、団練使という職の実情を知る者からは押し並べて評判が悪い。とりわけ禁軍で額に汗し、時に命を懸けて敵と相対する者達からは(すこぶ)る悪い。

 いっそ侮蔑や嘲笑の的になっていると言ってもいいほどで、口を衝いては「冗官」「虚啣(きょかん)」(※6)などと陰口を叩かれているのも、ある意味、自然の成り行きと言える。


「まあ、これからも精々、儂の為に稼いでくれ」

「閣下のお力添えがあれば、負ける事はあり得ませんからな」

「声がデカいわ」


 抱える女の脇から左手で胸をまさぐりつつ、僅かに鼻白んだ様子で吐き捨てた張方烈は、空いた右手で碗の酒を一息に呷る。その腕を下がるに任せて卓へ叩きつければ、川のせせらぎが掻き消えるほどの衝撃音と、それに続いて卓上で踊る食器の音。


 一瞬、驚いてビクっと身体を強張らせた女を意に介さず、冷ややかな視線を蒋忠に向けた張方烈は、


「事が露見すれば、お前も儂もタダじゃ済まんのだぞ?気を付けろ」

「は」

「もういい、この話は終わりだ。それより…少し酔いを醒ます。暫く席を外せ」

「…は?」

「…気の利かん奴だ」


 蒋忠がポカンと問い返せば、張方烈は溜め息と共に、また冷ややかな視線を返す。

 見れば、その腕に抱かれる女は早、意図を察し、頬を赤らめて張方烈の首筋に顔を埋めていた。


「暫く席を外せ、と言ってる」

「あ!これは気が付きませんで…では、閣下の酔いが醒めた頃合いを見計らって、また参ります」

「ああ」


 慌てて席を立つ蒋忠の声も届いているかどうか、といった感じで張方烈は気もそぞろ。


 そこへ──


「よう。お楽しみのトコを悪いんだが、ちょっと邪魔するよ、団練」


 黒の長衫を羽織り、右腕を懐に突っ込んだ男が何の断りもなく戸を開け、遠慮も何もなく室に入ってきた。


 あまりに無礼なその振る舞いに、蒋忠は思わず声を荒げそうになるが、曲がりなりにも朝廷の官職である団練使を「団練」と呼びつけるぐらいであるから、相手も呼びつけるなりの地位にいる事ぐらいは、いくら頭の回転が鈍い蒋忠でもすぐに分かる。

 どうしたものかと張方烈の反応を窺えば、すでに張方烈は抱えていた女を放り出し、立ち上がっていた。


「…閣下、こちらは?」

「鄆州の董都監だ」

「…は!?」


 拝礼する張方烈に、蒋忠も慌てて立ち上がり、首を垂れる。

 対して、鷹揚に礼を返す董平は堂々としたものだ。


「しかし、鄆州の都監閣下が何故この奉符に…?」

「ん?あー…すまんな、団練」

「は…?」

他所者(よそもの)が岱廟を(もう)でる前に、いちいちコイツのお許しを頂く必要があるとは知らなかった。ここのしきたりか何かかぃ?」

「い、いえ、そのような…おい!」

「は…失礼致しました」


 さすがに、ここまであからさまな皮肉を返されれば、蒋忠でなくともカチンとくる。

 だが、つい今しがた皮肉を放ったとは思えないほど穏やかな董平の表情からは、その内面に潜んだ底知れぬ威厳、威圧が漂い、蒋忠は二の句を継げず、ただ引き下がる事しかできなかった。


「フッ、冗談だよ。何、ちょっとした職務の一環でね。なあ、団練」

「は。董都監は兗鄆両禁軍の交流を兼ね、我が兗州禁軍の視察に見えられた。口を慎め」

「申し訳ありません、差し出がましい事を…手前は姓を蒋、名を──」

「ああ、知ってるよ。蒋門神だろう?奉納相撲で敵無しなんだって?」

「いや、お恥ずかしい。たまたま府君の霊験を賜れたお陰です。運が良かっただけに過ぎません」

「ふぅん…」


 含みのある返事を発し、董平は張方烈を見遣(みや)る。

 それに応じて、張方烈は軽く二、三、咳を払い、


「それにしても…董都監、どのような用向きがあっての事かは存じませんが、何の声掛けも無く入室してくるのは、些か不躾が過ぎるのではありませんか?」

「ああ、用…用ねぇ…」

「…は!?まさか『用も無く、気晴らしに押し入ってみた』などと仰るおつもりではありますまいな?」

「そうじゃあない。お嬢さん達、これからお楽しみの予定だったんだろう?悪いんだが、ちょっと席を外してくれるかぃ」

「「え?」」


 揃って声を上げた二人の女給は訳も分からず、ただ戸惑ったように、それぞれの隣に立つ男の顔色を窺った。

 張・蒋両人が視線を交わし、女達を室の外へ促そうとした矢先、


「聞こえなかったかぃ?じゃあ、もう一度だけ言ってあげるよ。今すぐ席を外せ。ちなみに…三度目は無いよ?」


 口調も表情も、董平は変わらず穏やかなままだ。

 しかし、その不気味なまでの穏やかさには、普段から破落戸や札付きを相手にしている蒋忠ですら、却って言い知れぬ畏怖を覚えた。

 多少、男の場数を踏んでいるとはいえ、鼻の下を伸ばした客ばかりを相手にしてきた女達では、所詮ひとたまりもない。


 まるで幽鬼や妖怪の類いでも目の当たりにしたかのように、震えながら董平に向かって拝礼した女達は、隣の男達にも軽く拝礼し、足早に室を出ていった。


 室にはただ三人が残り、暫し川のせせらぎを楽しむかのように、誰からも声はない。

 そのせせらぎを掻き消さぬよう、董平は静かに上座へ歩み寄り、


「さて、ここに来た用だが…」

「は」

「畏れ多くも府君を祀る神事の場で、しみったれたイカサマをしてるんだって?」

「…は?」


 思わず張方烈は息を呑んで蒋忠に目配せを送り、蒋忠もまたそれに応えて目配せを返す。


「…何を仰っておられるのか分かりませんが」

「惚けなくていいよ。ちゃんと証はある」

「惚けてなどおりません。本当に──」

「団練」


 咥えた煙管(キセル)の先が相手の顔に触れるほどまで、ずいっと董平は顔を寄せ、ニヤリと口元を緩ませると、


「そのしみったれたイカサマに一枚噛ませてくれ、って言ってるんだよ。いい稼ぎになるんだろう?」

「…は!?」

「俺は人様の生き方にケチを付けるほど無粋じゃあないよ。ただ、このまま追い返されるようなら…うっかり口を滑らす事はあるかもしれんがね」

「「……」」


 時に沈黙は内心の肯首を言外に雄弁する。


 しかし今、張方烈のそれも、蒋忠のそれも、真意は全く違う。


 董平の言葉を信じ、そこに嘘があれば身の破滅。

 董平の言葉を信じなくても、それが真であればやはり身の破滅。


 是か否か、いずれを選ぶべきか決断できない、心の葛藤を如実に表していた。


 まるで室に流れるせせらぎを愛でているかのように、董平はやはり穏やかな表情を崩していない。

※1「門神」

中国で門(=家)を守るとされる民間信仰の神。春節(旧正月)に門神の描かれた護符を門戸に貼る風習がある。

※2「相撲」

伝統的な中国武術。着衣、着靴で行われ、日本の相撲とは趣がだいぶ違う。

※3「岱廟の奉納相撲」

『水滸伝』の第74回には、泰山府君の聖節(旧暦3月28日)に催された奉納相撲の様子が描かれている。実際に岱廟で行われているのか、また行われているとして、それが泰山府君の聖節だけなのか、といった詳細は不明。

※4「団練使」

官名が確認できる最も早い記録は、武則天の晩年頃の物のようです。史実においても、立場的には本文と大差がなかった模様。『水滸伝』に登場する団練使は、本文よりだいぶ権力強めに描かれている印象ですが。第十二回の閑話休題「禁軍(3)兵馬都監と団錬使」参照。

※5「三衙」

禁軍の首脳部。殿前軍、侍衛馬軍、侍衛歩軍の統帥クラスの総称。

※6「冗官、虚啣」

「冗官」は「不必要な官職」。「虚啣」は「空虚な(=実権の無い)官職」。「冗」は「余計、無駄」。「啣」は「肩書き、官職名」。

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