表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者と魔王の物語  作者: aje
序章
1/4

プロローグ

幼い頃、誰もが勇者に憧れる。絵本に書かれた物語、勇者の物語。頼れる仲間と共に彼は魔王を倒すのだ。山も、海も、砂漠も、雪山も、多くの試練を乗り越えて。


これは、誰もが知っている物語の誰も知らないその後のお伽話。



世界は一つの国によって統一されている。遥か昔に初代国王アルフレートによって築かれたその国には、かつて争いあう国があった。魔王と呼ばれた、人ではなく魔物を統べる王ディンメルグが収める国。かの国は世界を蹂躙し続け、人々の平和を脅かした。

だがそこに一人の少年が立ち上がり、多くの仲間と共に魔王を殺した。そうして人々は魔王を討った少年を勇者として讃え、世界は統一される。人々の間に平和の時代が訪れたのだ。


「はあっ...これで終わりか。」


かつて勇者となった少年は、小さな、とある村へと帰り、今や青年となった。


「ほう、薪割りか。我も手伝おう。」


そこは殆ど人が住んでいない不毛の地。


「別にいい。今日の分は終わったからな。」


かつてそこには、彼の故郷があった。


「相変わらず釣れないものだな、勇者よ。」


魔王討伐の報酬だと与えられた、否、押し付けられたこの土地に住む者は、領主である元勇者と、


「いいから狩りにでも行ってこい。今晩の飯が無くて困るのは君だぞ、魔王。」


勇者に討たれた筈の、元魔王だけである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ