告白➁
日向が怖がらないように咲は言葉を選んで話した
叔父さんのことをルビのことを南の島の女神のことを日向は黙って聞いていた
「信じられない」咲が聞いて「いいえ」と答えた
自分の漠然とした不安の正体がはっきりした これほどおまけがつくとは思わなかったが・・・
「もう あの虫はいないのよ みんな死んでしまった もともとそんなに強い種ではないの
それにねいたとしても パフが守ってくれるわ 天敵なんていなかったからみんな猫を怖がってる
そしてね 叔父さんも治ったの」 なんで咲が急にそんなことを言い出したのかその先がわかって
来て陰鬱な気分になった
「一つだけ言っておきたいの 叔父さんは善人だった あれを食べると一時期凶暴な気分になるの
それから考えられないような力が出たり運動の能力が上がったりする
どういう仕掛けかわからないけど・・・」
「あなたも食べたのね」取りつかれたように走る咲を思い出して日向は言った
「そう 叔父さんは死のうとして でも死ねなくて人を傷つけるのが怖くて足を歩けなくなるまで
切って自分を動けなくした 私は力が使えなくなるまで消耗することを選んだの そして何とか適合した、信じられないかもしれないけど真実なの」
「信じるわ それであなたはどうしたいの?」日向は近くにいた子猫を抱いて尋ねた
子猫はすぐゴロゴロ喉を鳴らし始めた もの悲しさと愛情がこもごもに脈打つのを感じた