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異世界召喚で勇者になる男の話

作者: 神楽月

勇者とは、なんだろうか?

辞書的な意味で言えば“勇気ある人”とか“勇ましい者”となるはずだ。

それで行けば子供はみんな勇者である。

なんせ“怖いもの知らず”なのだから。


だからだろうか、勇者召喚とかを軸にした物語、小説だったり、漫画だったり、アニメなどでは十代の少年少女が召喚されて勇者やってることが多い。


昔のテンプレートな勇者モノだと、召喚された少年が女神様や王様から任命されて勇者をやって強大な敵を倒していく。

性格は熱血感あふれる正義の心を持ち、共感した人々が仲間になっていく。

召喚されたときに与えられた不思議なパワーで、仲間と共に困難を乗り越える。

最後の敵は絶対的悪で、絶対的強者ある“魔王”だ。

そんな魔王に追い詰められながらも、最後は不思議なパワーで倒して、人々は幸せになりましたとさ。

まさに王道な異世界ファンタジー勇者だろう。


だが、現在の勇者の立ち位置はどうだろうか?

“主人公の噛ませ犬的立場”が圧倒的に多くなっている。

言い方を変えれば“主人公の引き立て役”である。


なぜこうなってしまったのか?

最初の頃は、魔王は実は良い奴だった物語で勇者のやることが若干変わった。

最後の敵が魔王ではなく、真の最後の敵である神や邪神を倒す物語になった。

さらに、召喚された少年が熱血感“あふれず”、正義の心を“持たない”物語が出てきた。

そう、邪道が面白いと認識され始めたのだ。


なんてことはない。


邪道が王道になり、嘗ての王道が邪道になってしまっただけである。


まあ、それだけではない。


王道的異世界ファンタジー勇者の“無知無謀”加減や、魔王の“絶対悪な絶対的強者”が“おかしい”と人々が気づいたからだ。

力を持っただけの馬鹿が世界を救う?そんな馬鹿な。

十分な準備をせずに突っ込む?そんな馬鹿な。

他者を顧みないどころか食い尽くすような者が集団のトップ?そんな馬鹿な。

と、言う具合だろう。


ああ、そう言えば未だに王道的異世界ファンタジー勇者が主人公の物語は需要がある。

少年じゃなくて少女だけどね、特に美少女。

なかには男の娘とかもあるようだが。

かわいいは正義!と言ったところだろうか。


さておき。


現在の王道は、勇者を噛ませ犬にする主人公、多いのは虐められていた少年がどんどん成長してやがて俺TUEEEE!する物語だ。

流石に虐められていただけあり、回りの少年少女より大人な考え方をしている分、“馬鹿ではない”主人公。

弱い者が努力することで強くなる部分は今も昔も変わらないが。

“ちょっと”だけ現実味のある物語が主流と言っていいのだろう。


でも、王道はやがて邪道に敗れ去る運命にある。

言っちゃえば王道は飽きられて、邪道になっていくものだ。



まあ、長々と講釈をたれてきたが、そろそろ結論を言おう。













「俺は29歳独身で、高校の教師をしている。そう、賢い大人だ。だから先生が勇者になる!」

「「「「「「「「ええええええ!?」」」」」」」」







これは、クラス毎異世界召喚された少年少女と担任教師が女神様に勇者をやってほしいと頼まれたが、突然演説を始めた教師の物語である。

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