第43話 ~P×Pバトル・終了
仕事が忙しいし、暑いしで最悪ですな。
・・・っと、お久しぶりです。先月中に投稿しようかと思っていたんですが、今月にずれました。今月中にもう1話、投稿出来るように頑張ります。
感想は返せないかと思います、申し訳ありません。
因みに最近、通勤の為に乗る原付がぶっ壊れました。現在、チャリンコで通勤中。仕事場着く前に汗だく、帰宅後には生まれたての小鹿並みにプルプルっす。
んで、昨日はワシの眼鏡が真っ二つになりました。・・・不吉‼ワシはこの夏、死ぬんじゃなかろうか?
さーせん、愚痴りました(土下座
P×Pバトルは、俺達の勝利で終わった。勝利した俺達は、P×Pバトルのフィールドからギルドへ。戻ってきた俺達を待っていたのは、ヘタり込んでいるヴェネ陣営とギルド職員数名。職員の中にはフィオラさん・・・と、いなかった筈のエイミーさんにザハーク、何故かガッハまでもいた。何故にいる?怪訝に思いながら、力を込める俺。
「ギブじゃいギブ!ブラザー!マジで止めるんじゃい!!」
・・・そんな俺は、おっさんにコブラツイストをかましている。俺の戦いを邪魔した仕置きで、転送される前からこの状態だ。そんな俺とおっさんを見たエイミーさんが、
「お疲れ様ですティルさん!快勝でしたね、凄いです!」
興奮気味に駆け寄ってきた、この状態をスルーするとは!エイミーさん・・・、恐るべし!
その後、フィオラさんとJunさんにたしなめられ、渋々コブラツイストを解除する。おっさんは、地面に転がり悶絶しているがほっとく。それよりも、俺にはやらねばならないことがある。おっさんを解放した俺は、ヘタっているヴェネの下へ。そんな俺に気付いたヴェネは、ヘタりながらも俺を警戒する。
「ななな・・・なんでございましょうか、あんちゃん様。下等なヴェネちゃんは、ほっといた方が良いかと思うのでございますが・・・。如何でございましょうかです、・・・ハイ。」
奇っ怪な言葉を使うヴェネに、目線を合わせる為にしゃがんでから、
「まぁ・・・ナイスファイトってヤツだな、良く頑張った。約束通り、今までのことは水に流す。」
穏やかな声音でそう言った。ヴェネは、きょとん・・・としてから泣きそうな顔で、
「・・・あんちゃん!」
許してもらえると思ったのだろう、喜びを込めて俺に抱き付こうとしてくるが、
「・・・大斧の代金六〇万、きっちり払ってもらうからな。」
ドスの利いた声で、大斧の代金を要求した。抱き付こうとしたヴェネは、崩れるように倒れ込み、
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
と泣き出した。情けない負け方をした後の代金要求、落ち込んでいる中での追撃。これが所謂、泣きっ面に蜂ってヤツだろうか?・・・ヴェネが悪いんだし、情けは無用だよな。
情け無用で六〇万をぶん取った俺は、約束通り大斧をヴェネに渡す。さっきまでピーピー泣いていたヴェネだが、今では大斧をブンブン振り回してご機嫌である。・・・なんというか、流石はヴェネってところかね?そんな俺達以外の者達はというと、
「・・・奇襲だったとはいえ、退場が早すぎますよ。バルは仕方ないにしても、クイナとザッシュ・・・特にザッシュは駄目ですね。何故、あのような無謀な突撃をしたんですか?倒す前にも言いましたが、いつもは冷静な貴方が・・・・・・。」
Junさんが、バルバロッサとザッシュ、クイナと呼ばれる女性を含めた三人を説教?している。バルバロッサは心此処に在らずって感じだし、クイナさんは悔しそうにしている。ザッシュはしどろもどろに言い訳をしているっぽい、・・・Junさんも手厳しいね。まぁ・・・前線組の大隊長だし、これも彼女の仕事なんだろう。クイナさんのことは分からないが、バルバロッサとザッシュの二人は更に強くなるだろう。なんだかんだで真面目な二人だからな、今回の敗北から何かを学ぶだろう。退場しても、バトルはここから見ていたっぽいし。それにJunさんも前線組に復帰すると思うし、全体的にパワーアップするだろう。かなり強くなったからな、Junさん。
そのJunさん達の横で、我関せずといった感じで仮面女子が素振りをしている。この女・・・、完全なる脳筋だろう。彼女から横に視線をずらすと、おっさんが舞っていた。・・・・・・・・・何やっているんだ?あのおっさん、・・・というか回復早いな!さっきまで、悶絶していた筈なのに。耳を傾けてみると、
「こうではないんじゃい!もっと荒々しいポーズこそが!・・・ぬぅおぅ!・・・これか!?いや、違うんじゃい!!」
・・・・・・ほっとこう、・・・今のおっさんには絡めん。確実にウザいことになる、うん。
さて、俺はどうするかな?ザハークとガッハがいるってことは、何かあるんかね?とりあえず、二人に話し掛けてみようか。そう思って、二人に向かい歩き出そうとすると、
クイッ!
・・・俺の手が、何かに引っ張られるような感じがする。視線を下に向けると、
「・・・・・・・・・。」
ジッと、ヤンデレ風娘が俺を見上げていた、・・・俺の手を掴んで。正直、ビクッ!となった。バトルが始まる前の粘着質な視線が・・・、ってなんか違う。ニヤついた感じがせず、逆にキラキラとした感じ?・・・何がどうなったんだ?おっさんにヤられた影響でもあったのだろうか?雰囲気が違うけど、警戒をせねばなるまい。とりあえずジッと見返して、彼女の動きを見逃さないようにする。すると・・・、
「・・・!!・・・・・・!?・・・あぅあぅ。」
なんかテンパっている?と思った矢先、手を離して逃げ出した。カサカサと、この部屋から出ていったのだ。・・・なんだったんだ?一体・・・。
ヤンデレ風娘が何故出ていったのか?それを考えてみるが分からない。バトルでの俺に恐れを抱いたのか?いやそれだと、さっきのキラキラ感が説明出来ない。むむむ・・・と、いつものように色々と考えている俺に、
「ティルさんティルさん。ザハーク支部長とガッハ支部長のお二人が、ティルさんにお話したいことがあるみたいなんですが、大丈夫ですかね?」
とエイミーさんが声をかけてきた。・・・そういえば、あの二人に話を聞こうかと思っていたんだった。ヤンデレ風娘に気を取られ過ぎたな、向こうも俺に何か用があるみたいだし。俺はエイミーさんを伴って、ザハークとガッハの下へと向かった。
二人は俺に笑顔で、
「お疲れ様。突然だけど、先ほどのバトル映像を使ってもいいかい?」
「うひひ!神様から連絡があってさ。現時点での客人トップに位置する者達の戦いを、客人勧誘に使いたいんだとさ。神様からお願いされるなんて、ティル君達はめっちゃ凄いじゃんね!」
「開口一番でそれか、・・・用ってそれ?」
ヴェネ達とのP×Pバトル、その映像を使う・・・ねぇ。プレイヤー勧誘の為に、PVでも作るんか?それならば、わりと派手だったから良い物が作れそうだけど。・・・俺としては、使われたとしても構わないが。俺以外は良いのだろうか?・・・ヴェネは快諾するだろうけど。
「・・・俺は構わんが、他の奴にも聞けよ?」
とりあえず、俺はOKする。それを聞いたザハークは、
「ティル君はOK・・・と。勿論、他の皆にも聞くから大丈夫さ。駄目だと言われても、コレをするから安心してくれ。」
両手を使ってチョキチョキする、・・・編集するってことね。だが、編集したら短くなるけど大丈夫なん?まぁ・・・神様はプロだから、良い感じでまとめるんだろうけど。俺達のP×Pバトル映像以外にも、ネタはあるだろうしね。
ザハークとガッハはそれぞれ、ヴェネ達にも確認を取っている。その間、俺はエイミーさんと話をしている。
「ティルさんとJunさんの合体技、凄かったですね!バーン!といって、ドゴォーン!でしたもん!私、興奮しましたよ!」
体全体を使って話すエイミーさん、なんとも微笑ましい光景。そんな和みの雰囲気の中で、殺意の籠った視線がエイミーさんに向かっている。視線の主はフィオラさん、その視線はエイミーさんの豊かな双丘に釘付けだ。そんな視線に気付かないエイミーさんは、興奮中。揺れる双丘に刺す視線、・・・更に何か言っているっぽい。口の動きから察するに、
『もげろもげろもげろもげろもげろもげろ・・・・・・!!』
と言っているのでは?いや、確実に。呪詛のように呟くフィオラさんを見て、何故かホロリと涙が溢れた。今度受付で話す時、フィオラさんにめっちゃ絡まれるんだろうなぁ・・・。フィオラさんは、エイミーさんと仲が悪いからね・・・。
その後フィオラさんを宥めつつ、エイミーさんの相手をしていると、
「にひひ!イシュタム以外から承諾を貰ったよ、ありがたいじゃんね。」
「彼女には、ウィスパーかメールで確認するさ!・・・今日から修羅場に突入かな?気合を入れようじゃないか!」
ややテンション高めの二人、バトル映像の使用許可を得てきたようだ。そんな二人が此方に戻ってきて、
「明日には出来ると思うから、楽しみにしていてくれよ!それじゃあまたね、ティル君!」
「うひひ!ティル君と他数名はバリバリ目立たせるつもりだからね、期待しといていいさ!」
とか言って、その場から消えた。・・・テレポートか何かッスか?・・・まぁいいか。PV?は明日出来るみたいだから、楽しみにしとくとしよう。俺が目立つとか言っていたが、そこそこ程度だろうね。・・・二人の用事は済んだみたいだし、バトルは終わったし、俺も帰るかな。
帰る前に挨拶をせねば、そう思ってヴェネ達の下へ。
「俺は帰るぞ、バトルも終わったことだしな。この後、師匠と出掛ける予定もあるし・・・。」
自分の予定を言って、ヴェネ達に帰る旨を伝える。ヴェネは大斧を振り回しながら、
「そうなの?あんちゃんお疲れ!これからも仲良くいきましょう!!」
なんて言ってきやがる。お前がちゃんとすれば、仲良くいけるんだよ。今回の件だって、お前の言いがかりで起きたことだし。・・・ホント、良い性格をしているよ。ヴェネの後にバルバロッサとザッシュと話をして、クイナさんとブシドーさんとも話をした。クイナさんにはお馬鹿な妹のことを頼み、ブシドーさんには程々にと言っておく。ヴェネ臭が漂うからな、彼女。・・・ヴェネとブシドーさんを組ませちゃいけないと思うんよ、わりと切実に。
Junさんとおっさんには、きちんとお礼を言わなくてはならない。助っ人をしてくれたからな、・・・おっさんは最後にやらかしたが。
「Junさんもおっさんも今回はありがとな、色々と助かったし楽しめた。何かあったら俺を頼ってくれ、そん時に今回の借りを返す。」
助っ人の借りはいずれ返す、そうしないとモヤモヤするしな。それにJunさんは前線組、おっさんは神出鬼没。呼ばれたら、何か面白そうだ。自分が楽しむ為に、借りという形で呼び出される可能性を高めておく。一番大事なのは、自分が楽しめるか否かだからな。
「いえいえ、困った時はお互い様ですよ。逆に私の方がお世話になりっぱなしで・・・、ティルさんには感謝しかありません。とりあえず・・・ティルさん的に楽しめそうなことがあったら、連絡をさせてもらいますね。・・・借りがどうのというより、そういう情報がメインなんでしょう?」
・・・Junさんは勘が鋭いというか、俺のことを分かっているねぇ。まさしくその通りだ、うん。
「ブラザーと共に、パンツ道を邁進じゃい!パンツイベントの時は、ブラザーを呼ぶんじゃい!」
・・・・・・呼ぶんじゃないぞ、おっさん。俺が求めているのは、変なイベントじゃないんだよ。・・・まぁ、呼ばれたら行くと思うけど。それが俺だし・・・。
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あんちゃん達とのP×Pバトル、・・・私達の負けだった。私的にはなかなか頑張ったとは思うけど、最後は瓦礫に当たって負けちゃったのだ。情けない負け方をしたし、すんごく疲れた。・・・色々とヘタっている私に、あんちゃんが声を掛けてきた。穏やかな声で『水に流す。』、私は嬉しくて抱き付こうと思った。流石はあんちゃん!なんだかんだで優しい!と思ったんだけど、『60万払え。』の一言で喜びは消えた。・・・私は抱き付かずに泣き崩れたよ、・・・上げて落とすのは酷いよあんちゃん!最後まで優しくしてくれてもいいじゃんか!お金とかは後でもいいじゃんか!あんちゃんのバカヤロー!うわぁぁぁぁぁん!!常に金欠のヴェネちゃん、遂に無一文になっちったよぅ!
・・・とか言って、散々泣き喚いた私。多少落ち着いてから、全財産と言ってもいい60万をあんちゃんに払った。お陰で私のお金は1万だよ、1万!前線で1万はやっていけないよ!色々とお金が掛かるんだからね!ご飯とか薬とかご飯とか薬とか・・・!うにょおぅ・・・、バル&ザーさんに借りるか素材集めを手伝ってもらうしかないよ!それか依頼!・・・暗い私に一切、慰めの言葉が無いあんちゃん。なんということでしょう・・・。あんちゃん、・・・心に妹愛が無いのかい!?そんな私の気持ちはどうでもいいみたいな感じで、あんちゃんは大斧を投げて寄越してきた。・・・なげっ!?
「・・・むぎゅっ!!」
いきなりのことだったから、受け損なって潰れた。・・・あんちゃん、・・・酷い。
わっははぁ~い!なんと素晴らしき大斧だろうか!手に馴染み、思いの外・・・軽い!ヴェネちゃんに合った大斧ではないか!流石はあんちゃん、これ程の物を作るとは・・・!大斧のデータは知っていた。知っていたけど、実際に手で持ってみると・・・また違うね!60万の価値はある、前線で買える物より安いのが分かんないけど。う~ん、・・・素材の違いなのかな?前線で売っている物は、前線素材だから高いんだよね?・・・たぶん。あんちゃんの大斧は何で出来ているのかな?
・・・・・・にょお!?鉄ッスか!?あんちゃん恐るべし!だから・・・、だから安いのか!素材はアレだけど、技術がずば抜けているんだよね!60万の大半は、技術料ってワケですか!・・・あんちゃんが前線素材で作ったら、値段は一体いくらになるんでしょう?・・・考えない方がいいよね!
・・・大斧を振り回していると、あんちゃんが帰ると言ってきた。この後に予定があるんだって!とりあえずは丸く納まったわけだからね、これからも仲良くいけるね!あんちゃんがバルとザーさん、クイナとかにも話し掛けていた。律儀に挨拶をしている、・・・人は見掛けによらないよね。あんちゃんは、見掛けによらないの代表だね!
そうだ!テンションアゲアゲで忘れていたけど、ステータスチェックをしなくちゃね。大斧装備でどんな感じかってことや、P×PバトルでスキルLVが上がっているかってこと。P×Pバトルでも、スキルLVは上がるからね。あんちゃんは強かったから、普通以上の成長が見込まれるぜ!さてさて・・・、ステータスは・・・いいね!大斧装備で一気に上がっているよ!前線最強なんじゃない?・・・・・・あ、Junがいたや。・・・私が見るに、あんちゃん装備で身を固めているよね?しかも動きがいいし、・・・見ない内にどこぞで修行でもしたかな?・・・あんちゃんが関わっている、・・・妬ましい!妬ましいよ・・・Jun!
まぁ・・・ステータスは装備で上がっているし、Junとは後でO・HA・NA・SHIすればいいさ!問題はスキルだよね!にゅにゅにゅ・・・・・・。
にょ・・・・・・!なんじゃこりゃぁぁぁぁぁっ!!
【スキル】
〈斧〉LV50★〈身体能力向上〉LV46〈剣速〉LV46〈必殺〉LV45〈突撃〉LV50★〈大振り〉LV46〈不屈〉LV50★〈気配察知〉LV42
【固有】
〈怪力〉LV40〈気分屋〉LV41
普通のP×Pバトルでは、幾つかのスキルが1上がるか上がらないかなのに、あんちゃんとのバトルでは全てのスキルが凄まじく上がっている!★って何さ!・・・というか、あんちゃんはメタルなスライムキャラなのか!?
驚愕にうち震える私は、慌ててあんちゃんを見る。あんちゃんは、ギルド職員のエイミー&フィオラと共にこの部屋を出ていこうとしている。咄嗟に私は、
「待つんだあんちゃん!帰る前に聞きたいことがあるんさ!」
と呼び止めた。あんちゃんは振り向き、怪訝な顔?で私を見る。
「・・・・・・何?面倒事はマジでやめろよ。」
微妙にドスの利いた声、少しビビるが面倒事ではない。だから聞くのだ!
「あんちゃんはメタルなスライムキャラなの?スキルLVの上がりがヤバいんさ・・・。」
そう聞いたら、あんちゃんは固まった。ついでにJunも、ビクッ!となって固まった。・・・Junはこのことを知っているみたいだね!おのれ・・・Jun!妬ましい・・・!
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一通りの挨拶を終え、啀み合うエイミーさんとフィオラさんを宥め、二人を伴って帰ろうとしたのだがヴェネに呼び止められた。
「あんちゃんはメタルなスライムキャラなの?スキルLVの上がりがヤバいんさ・・・。」
ヴェネのその言葉に、俺は固まった。そのことを知っているJunさんも、ビクッ!と挙動不審になっている。・・・・・・どうしようか、このことを口止めした方がいいだろうか?でもなぁ・・・、口止めしてもヴェネは馬鹿だからなぁ。ポロリと洩らしそうだ、・・・リアルの生活でもそんな感じだったし。うーむ・・・。
因みに、スキルLVが上がる原因は分かっている。新しく就いたジョブ、『教官』が影響を与えているのだろう。
『教官』:教練を担当する者。自身よりLVの低く者に対して、教育し訓練することで相手の能力を上げることが出来る。能力差があればある程、相手の能力は大きく上がる。 HP+20 INT+10 DEX+15 LUK+5
(戦闘訓練):戦闘時に対戦相手(PC・NPC)へ訓練を施した場合、次回LVUP時に一度だけステータスの上昇率を上げる。
(技術訓練):戦闘時に対戦相手(PC・NPC)へ訓練を施した場合、戦闘時に効果を発揮したスキルに限り熟練度の上昇率が上がる。
(PT時戦闘補正):戦闘時にPTを組んでいるPC・NPCのステータスが1.1倍になる。
これが『教官』というジョブの説明、・・・能力だ。なんというか、自分以外に恩恵を与えるジョブのようなんだよ。Junさんのレベリングん時に入手したんだと思う。レベリングの途中でチェックしたらあった、たぶんというかきっとそうだ。
このジョブのお陰で、Junさんが一気に強者の仲間入りしたわけだし。検証も兼ねて色々とやってみたんだが、俺に教えるという気持ちと言いますか、そういう心構えで訓練を施さなければ効果が出ないようでね。・・・こんなことが知れたら主に俺がヤバいから、このことは内密にとJunさんと約束したんだよね。なのにP×Pバトル、しかもヴェネに気付かれるとは思わなんだ。チョロっと訓練のことを考えて、軽く戦っただけなのに・・・。〈指導〉も仕事をしてしまったのかな?
・・・そんなわけで、マジでどうしようか?ここで説明してしまうと長い時間、ヴェネに捕まってしまうと思う。しかもバルバロッサ達もいるし、聞き耳立ててるっぽいし。・・・そうさな、師匠との約束もあることだし、
「俺のジョブが原因だと思う、『教官』っていうんだがな。・・・後程、掲示板に挙げるとしよう。因みにスキルに★が付いたのなら、それはLVMAXって意味だ。スキルも進化する、・・・SPがあれば良いスキルになるぞ?これも後程、掲示板に挙げる。俺にも予定があるからな、長々と説明するわけにはいかない。サラッとならJunさんも知っているから、彼女にでも聞いてくれ。」
Junさんが、えっ?ていう顔をしている。すまんなJunさん、・・・ヴェネは面倒な奴だから相手に出来んのだよ。同じ前線組なのだから、後は任せた。・・・俺は、横にいるエイミーさんを小脇に抱える。何度かこういうことをしたことがある故に、エイミーさんは無抵抗でされるがままだ。フィオラさんは、いつの間にかフェードアウト。俺を阻む者はいない、・・・ってなわけで、
「去らばだ諸君、・・・アデュー!」
そう言って、エイミーさんを抱えて逃走した。後ろから・・・、
「あんちゃぁぁぁぁぁん!!」
とか聞こえるが気にしない、ホントに悪いな、・・・Junさん。
エイミーさんを小脇に抱えて疾走し、素早く生産ギルドの作業場へ。エイミーさんを下ろして、手早く準備を終えた俺は、
「そんじゃあエイミーさん、俺はディーバ師匠の下へ行く。なんか面倒な事があったら、機密事項だとか適当なことを言って逃げてくれ。迷惑をかけると思うが、よろしく頼む。・・・なんか、本当にすまない。」
「いえいえ、お気になさらず!私もティルさんにはお世話になっていますし、・・・それぐらいの対応が出来なければパートナーとしては失格です!」
えっへん!と胸を張るエイミーさん、たゆんと揺れる立派なモノを脳内フォルダに記録して、
「そんじゃあ数日後、・・・行ってくるよ!」
エイミーさんに見送られながら、俺はディーバ師匠の下へと向かった。・・・一応、ダッシュで。
ディーバ師匠の下に着いた俺は、すぐさま・・・、
「師匠、今からすぐに湖へ行くぞ。早くしないと、無駄に行動力のある妹が俺に絡んでくる可能性がある。そうなると、行けなくなるかもしれない。故に今すぐに行く、・・・構わないだろうか?」
到着と同時にそう言う俺へ、
「・・・妹のことは終わったんじゃないのかえ?まぁそんなことはどうでも良いの、行くのであれば今からでも構わんぞぃ!あの日以来、いつでも行けるように水着を着込んでおるし、魔法鞄に道具も入れておる。ティルの分も用意しておるから安心せぃ!・・・ってなわけじゃから、店を閉めて出発じゃ!」
と言って、準備万端をアピール。・・・確かに、麦わら帽子に白いワンピース姿である師匠。あの時と同じ衣装である、・・・しかも中には水着を着込んでいると言う。・・・なんつーか、遠足を楽しみにしている子供かアンタは。まぁ用意がきちんとなされているのなら、すぐに出発しても構わないだろう。
店を閉めると師匠は俺の体によじ登り、肩車状態となる。そしてにょほにょほと笑い、
「あの時のワシとは違うぞぃ、対策をしてきた故にの!ティルの全力走行にも堪えることが出来るのじゃ!・・・遠慮なく行くのじゃ!!」
俺の頭にしがみついての宣言、またいっぱいいっぱいになるのでは?と思っていたのだが大丈夫みたいだな。ならば、捕まる前に全力で行くとしようか!・・・そんなわけで、俺と師匠は湖へと向かった。羽虫・・・、ニヴィアン様は元気かな?っと。
ティルが湖へ向かって走り出したすぐ後、ヴェネはティルを探し始めた。Junの知っていることは粗方聞いたのだが、より詳しいことを知りたくなったのだ。掲示板に挙げるとは言っていたものの、ヴェネに待つという言葉は無い。スキル進化やSPについて、ティルの知っていることを今すぐ聞きたいのだ。勿論、『教官』のことも。しかし既にティルの姿は何処にもなく、何処へ行ったのかも知らない。ギルドにてエイミーさんに聞いてみたものの、情報を得ることが出来ずに終わった。
ティルが掲示板に情報を挙げるまで、モヤモヤすることになる。・・・と言っても、数時間後には掲示板に情報が挙がるのだが。そして、明日には別のことに意識が向く。ヴェネはそんな奴なのだ・・・。
いつもの如く、誤字とかがあるやもしれません
今回、もうちょっと長い話だったんですが、・・・カットしました。
頭があまり回らない状態での話なんで、変な感じになっているかもしれません。変だっだらごめんなさい。
次回は、羽虫と再会かな?
その次が掲示板になりますかねぇ。
みんな!オラに力を・・・!!・・・ぐふっ!




