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第42話 ~P×Pバトル・後半戦《ティルVSヴェネール》

久しぶりですな。なんとか投稿に漕ぎ着けました。


初めてメール投稿しましたよ。わはははは!


久々なんでね、アレですわ。


そんなわけで、間を空けずに投稿出来るよう頑張れたらいいな。


ハーメルンも投稿せねば(汗



これ以前の感想は、時間が経ち過ぎた為に返しません。申し訳ないっす。

俺とヴェネ、Junさんと仮面女子、おっさんとヤンデレ風娘、それぞれ対峙した。そして・・・、


「他の二組が、戦い始めたみたいだが・・・。」


兜越しにヴェネを見てみる。闘志に満ち溢れた良い顔をしているな、やる気十分ってわけだ。


「ならこっちも、張り切ってドンパチいこうじゃないか!いっくぜぇ~!あんちゃん!!」


その言葉と同時に間合いを詰め、大斧を振り下ろしてくる。生意気にも先手か?なかなかの速攻みたいだが、遅いわな。当然、当たるわけなく・・・、


ドンッ!!


大斧を振り下ろした場所が抉れた、通常攻撃で抉るとは馬鹿力め。これで終いかと思ったが、それで終わりではなく、


「もういっちょ!」


先ほどの振り下ろしで勢いに乗り、ヴェネは大斧ごと前方一回転から再び振り下ろし。連続振り下ろしとは、器用な奴だね。まぁ当たるわけにはいかないから、バックステップで避ける。


ドゴォンッ!!


一撃目より大きな音を立て、地を穿つ。勢いがある分、威力も上がっている。なかなかやるじゃないか、流石は前線組の戦士。そして、大斧でこの速さは侮れない。


「どっせぇ~い!」


再び勢い任せで一回転、そこからの振り下ろし。三連続たぁ~・・・、恐れ入ったぞヴェネ。更に威力を上げていそうだな、一応バックステップからの跳躍。大きく間合いを空けてみれば・・・、


ドゴォォォォォンッ!!


二撃目の倍近く、地を穿つヴェネの大斧。おぉ・・・間合いを空けてなけりゃ、足を取られていたかもしれん。・・・次も来るか?と思ったのだが、


「むきゃ~っ!渾身の三連撃が掠りもしないなんて!」


地団駄を踏んで悔しがるヴェネ、三連続で終わりだったみたいだ。・・・というか、地団駄踏む暇があるんなら、次々と攻撃しろよ。ちょいと呆れるがヴェネらしい、しかも力がゴリラ並みに進化している。当然のことだが、山登りん時より強くなっているな。・・・まだまだだが。


ヴェネの奴、レベリング前のJunさんよりも強いな。やはり常に戦っている者とそうでない者、違いが大きい。初撃で三連撃、しかも大斧。普通ならば脅威的なんだろうな、この攻撃は・・・。ヴェネが穿った跡を見て、どれ程のものかと気になってきた。・・・・・・そうだな、受けてみるのも面白い。LVの上がったJunさんのアーツみたいな、即死効果があるアーツは無いだろうし。


「ヴェネの一撃、どれ程のものか受けてやろうか。お前の力、・・・俺の守りを超えることが出来るか?」


避けずに受け止め宣言、・・・死にはしないだろう。


「上からの言葉、いただきました!むっきぃ~っ!後悔させてやるんだからね!」


ヴェネは大斧を構えて大旋回、その勢いに乗って大ジャンプ。・・・これはアーツだな、受け止めると言ったからには受けて立とう。咄嗟に槍を横にして、受け止めの体勢に入る。この槍は突撃槍だから頑丈だ、破壊されることはない筈!


「うりゃあ~っ!叩き斬りだぜぃっ!!」


ヴェネの渾身の一撃、この槍で受け止め体感させてもらおう!


ガキィン!!


・・・ぐぉっ!なんつー力だよ、ヴェネの奴。ビリビリと、痺れるような感じが身体中を駆け巡る。コボルトのアーツより威力があるんじゃないか?んでたぶん、湖の淵魚人よりは下だろうな。森に入る前の俺だったら、ちぃーと危なかったかもしれん。槍は壊れないにしても、力負けして押し潰されていたかも。だが、・・・今の俺にはな!ヴェネのアーツを受け止めた俺は、防がれたが為に空に留まるヴェネを力任せに押し返した。当然、俺の力に負けて踏ん張れないヴェネは吹っ飛ぶ。


「うぇ~い・・・!流石はあんちゃんというこ・・・がぁっ!!」


吹っ飛ばされたヴェネは、着地に失敗して尻もちをつく。・・・締まらない奴だな、本当に。


・・・アーツを受け止めたことによるダメージは微量、HPの減りはほぼ無い。しかし、硬直してしまう可能性はある。先ほどの痺れ具合、受けるよりも避けた方が安全だろう。衝撃ダメージ、侮ることは出来んな。色々と考えていると、ヴェネが尻もちから復帰した。尻もちからの復帰が遅いな、尻が弱点なんか?


「女の子のお尻をしばくとは、あんちゃんは鬼だね!しかし・・・まだだ、まだ終わらんよ!」


ガルルルルル・・・っと、唸り声を上げて威嚇してくるヴェネ。まだ来るか・・・!






そんなわけでヴェネの猛攻をあしらいつつ、Junさんとおっさんの様子を窺う。Junさんは仮面女子の攻撃を見切り、攻勢に出始めたみたいだ。おっさんは・・・、逆にやられていないか?ヤンデレ風娘、強くね?と、余所見をしながらヴェネの攻撃を避け続けていたら、


「きぃぃぃぃぃっ!あんちゃんのドアホ!ってか、余所見すんなよぅ!そして、なんで当たらないんさ!」


大斧を喚きながら振り回してくるが、見え見えなんだよね。三連撃とアーツは良かったが、単発攻撃がダメダメだ。威力と速さは良いんだが、単調で見え見えな攻撃にため息がこぼれる。能力は高いんだろうけど、もう少し考えようぜ・・・ヴェネよ。


――――――――――――


私とあんちゃんがドンドンパチパチ始めてから、一向に攻撃が当たらないんだよぅ!私の先制からアーツ、その時は受け止められて吹っ飛ばされた。当たったというか受け止められてから、全然当たらない。そこから掠りもしないんだよね、お尻も痛いし・・・。だがしかし、私のステータスは上がり続けている!当たりはしないが、戦意の高さもキープしている。それどころか、戦意も上昇。故に、スキル効果でパワーアップし続けている!なのに、全くもって当たりはしない。なんでさ!あんちゃんは本当に化物か!?しかも仲間のことが気になるのか、チラチラと余所見をしているのに、むきゃ~っ!!






まぁそれはいいとして、全然良くはないけれど。私のパワーアップの源、スキルを教えてあげようじゃないか!私に力を与えてくれるスキルはコレだ!


〈気分屋〉:自身の気分によって、様々な効果が発動するじゃじゃ馬スキル。使いこなす者は、未だに確認されていない。(常時発動・気分重複可)【詳細:→】


・・・とまぁ、わりと謎スキルだよね!じゃじゃ馬ってことは、使いこなすことが出来れば強力ってこと。それにまだ使いこなせる人がいないみたい、NPCにもいないってことだよね!この〈気分屋〉のお陰で、私はパワーアップしているのさ!因みに、スキル説明の最後にある詳細を見ると・・・、


【詳細】

戦意上昇中:戦意が高まっている間は、15秒毎全ステータスが1ずつ上がっていく。

執着中:執着している間は、STRが1.2倍になる。

苛立ち中:苛立っている間は、クリティカル率が1.2倍・行動全てに-補正。


現在の気分とその効果が分かるのだ!全体的に能力アゲアゲ状態な気分ですな!・・・なのに何故、何故あんちゃんには当たらないんだ!くそぅ・・・!でも・・・でも!能力は上がり続けているんだ!数撃ちゃ当たる理論で突っ走るもんね!・・・でもムカつくよ!むっきぃ~っ・・・!!






全体的に能力が上がり続けるヴェネではあるが、何故・・・攻撃が当たらないのか?それは〈気分屋〉が発動しており、苛立ち中効果のせいである。行動全てに-補正、こいつが当たらない原因の一つである。この-補正のせいで、ヴェネのあらゆる行動が単純化しているのである。突撃すれば、愚直に真っ直ぐ。攻撃すれば、単調で読みやすい。ステップも雑、それどころかバランス感覚も乱れている。そのせいで吹っ飛ばされた時に、バランスを崩して尻もちをついたのである。行動全てに-。その名の通り、ありとあらゆる行動がダメになる恐ろしい特殊効果なのだ。


そして〈気分屋〉最大の特徴は、自分自身がダメになっていることに気付かないことである。全体的に能力が上がることにだけ目がいき、下がる効果を見逃しやすいのだ。そして気分故に、少しのことで効果が変わる。特殊効果を把握することがかなり難しく、使いこなすのは至難の技。多くの+効果に少しの-効果、知らぬ間にスキル所持者を振り回す特殊なスキル。じゃじゃ馬と呼ばれる所以である。そして、・・・ヴェネは馬鹿である。なおのこと、スキルに振り回されること間違いなしなのだ。


――――――――――――


攻撃を休む暇なく繰り出してくるヴェネ、その闘争心は良いんだがな・・・。どうにも動きが悪い、アーツを受け止めて吹っ飛ばした後から。やはり尻か?尻もちをついたからか?弱点は尻か?とにかく手数は多いが、単調な攻撃。なんとまぁ・・・、こりゃあダメだな。受けるにせよ、避けるにせよ、このまま続けたらグダグダになりそうだ。Junさんとおっさんは、なかなか熱い戦いなのにな。俺も熱い戦いをしたい、・・・が俺は規格外。熱くなる前に、戦いが終わってしまうのは確実。それに、この槍でもう一度大技をぶっ放したいし、魚人シリーズで使用出来る(闇の波動・弱)も使いたい。


・・・考えれば考える程、熱い戦いはともかくこの機会に検証したくなってきた。特に、(闇の波動・弱)の効果を実感してみたい。この魚人シリーズ、特殊効果が複数ある。その中にある一つの効果、(燃費増加)。コイツがあるから、魚人シリーズを装備していなかった。消費MPが1.5倍になるのはいい、満腹度が減りやすいってーのが気になる。普通の生活では、少し腹が減りやすい程度だった。これは露店の時に実感したのだが、戦闘時はどうだろうか?・・・俺の勘では、同じだとは思えない。実際、今の俺は腹が減っとります。壁を吹っ飛ばした辺りから、急激に減っとります。


・・・あれ?ヤバイじゃん、これ。今更気付いたけど、時間を掛けることが出来ないのでは?空腹で倒れる可能性がある、・・・少しはしごいて鍛えようかと思ったんだけどね。ヤメヤメ、前言撤回。熱い戦いとか検証とか、じっくりする暇ない。それに(闇の波動・弱)を発動させたら、更に燃費が悪くなる。・・・(闇の波動・弱)を発動させ、槍に魔力を溜めてぶっ放す。悔しいけど、この流れで瞬殺するしかない。チョロっとしか検証出来んが、仕方のないことだな。空腹で敗北ほど、情けないものはない。・・・悪いなヴェネ、お前をしごいて鍛えるのはまた今度だ。






そうと決まれば・・・!大斧を振り回すヴェネ、単調な動き故に見切りやすい。ヴェネの攻撃に合わせることなど容易いってなわけで。大斧を振り下ろして地を穿った瞬間、俺はヴェネの懐に飛び込み普通に足を引っかける。するとどうだろう、


「ふぎゃっ!」


いとも簡単に転ばせることが出来る。転んだヴェネの両足を掴み、グルグルと回転する俺。


「にゅうぉぉぉぉぉっ!目が回るよあんちゃぁぁぁぁぁんっ!!」


ヴェネの喚きも気にせずに回ってから、足を離して投げ飛ばすと、


「・・・むぎゅっ!」


ベチャリと顔から地面に落ちるヴェネ、俺に掛かれば動きを止めることなど容易いのだよ。


顔・・・主に鼻を強打したヴェネは、涙目で立ち上がる。鼻が真っ赤だな、うん。


「さ・・・流石はあんちゃんだね、絶好調である私の猛攻を掻い潜って投げるとは!だけど、まだまだいけるもんね!一矢報いなければ枕を高くして眠れないのさ!!」


大斧を構え直し、吠えるヴェネ。しかし俺は・・・、


「悪いなヴェネ、俺には時間が無いらしい。お前をしごいて鍛えようと思ったんだが・・・、予定を変更する。これより俺は、一つの特殊効果を発動させる。そして魔力を溜め、最初にぶっ放した魔導技を出す。・・・魔力を溜めている間は、一切の攻撃も防御も回避もしない。魔力が溜まる前に、俺を倒せなければお前の負けだ。」


そう言うと、ヴェネは口元をヒクつかせて、


「あんちゃん舐めちゃあいけないぜ!どんな特殊効果かは知らないけど、無防備中に倒せだなんて!それほど装備に自信があるんですか!・・・やってやる、やってやるぞ!あの化物技を出す前に殺っちゃうもんね!ピンチになって、やっぱ無しはダメだよあんちゃん!!」


気合十分で突っ込んでくるヴェネ、・・・どうなるかは俺にも分からん。だがまぁ・・・対象をヴェネに絞って、(闇の波動・弱)発動!


――――――――――――


私の猛攻を掻い潜ったあんちゃんに、足を掴まれ回されて投げ飛ばされた。顔から落ちた私は地味に痛いのを我慢して、再びあんちゃんと対峙する。だけどあんちゃんは・・・、


「悪いなヴェネ、俺には時間が無いらしい。お前をしごいて鍛えようと思ったんだが・・・、予定を変更する。これより俺は、一つの特殊効果を発動させる。そして魔力を溜め、最初にぶっ放した魔導技を出す。・・・魔力を溜めている間は、一切の攻撃も防御も回避もしない。魔力が溜まる前に、俺を倒せなければお前の負けだ。」


・・・とか言ってきたのだ!この言葉にカッチーン!ときましたよ、私!これはあんちゃんでも許されないことだよ!完全に私をペロペロ舐めている!私の攻撃力を警戒して、避けまくっていたクセに・・・!


「あんちゃん舐めちゃあいけないぜ!どんな特殊効果かは知らないけど、無防備中に倒せだなんて!それほど装備に自信があるんですか!・・・やってやる、やってやるぞ!あの化物技を出す前に殺っちゃうもんね!ピンチになって、やっぱ無しはダメだよあんちゃん!!」


怒りのパワーで、身体中に力がみなぎる。私の怒涛なる連続攻撃で、あんちゃんを倒してやる!覚悟しろやあんちゃん!私は大斧を振りかぶって突撃した。






ビュオォォォォォォォォッ!!


「・・・・・・はうっ!」






突撃した私だったんだけど、突如発生した重圧に足が止まる。息が詰まる、足が震える、押し潰されそうな感じ。今すぐにここから・・・、逃げ出したい。圧倒的強者の気配が私を攻め立てる、・・・シマウマの比じゃないよ!何が起きたのかと、体に鞭打って周囲を確認してみる。ブシドーやイシュっちは、普通にJunとオジさんとバトってる。このような感覚、・・・私だけみたい。・・・となると、やっぱりあんちゃんなんだよね?恐怖を我慢して、あんちゃんに視線を向ける。そして見たのは、黒い靄に包まれたあんちゃんの姿。靄の中から、兜から覗くは赤い目。・・・・・・・・・どこの大ボスですか!?


ガクガクブルブル、私の全てが震えている。今すぐ大斧を捨てて降参したい!でも・・・そんなことをしたら、あんちゃんは激怒するだろう。ぶっちゃけ、この戦いも私の難癖で始まったものだし、みんなを巻き込んでいるしね。・・・私は勝てないにしても、全力をぶつけなくちゃいけない。ケジメをつけなきゃ・・・、これから数ヶ月はあんちゃんに蔑んだ目で見られ続けてしまう。それだけは絶対に避けたい!・・・どこかに突破口がないか、あんちゃんを観察しないと。


黒い靄に包まれたあんちゃんは、微動をせずに槍を構えている。視線は私に固定されているっぽい、・・・凄く威圧されている。それでも負けずに観察すると、何やら槍に魔力を溜めているっぽい。突撃槍っぽい槍に付いている宝石、それが徐々に黒く染まっていくのが分かる。それが証拠で、・・・アレが真っ黒になった時、なんかヤバい技が発動するのだろう。よく分からないけど、バルを消した技かなぁ・・・?もしそうだとしたら・・・アレが染まる前に、あんちゃんを倒さなくてはならない。・・・・・・倒すのは無理だよね!・・・絶対!






・・・・・・どれぐらいの時間が経ったのだろう。改めて倒すのは無理!と思ってから、数秒ぐらいしか経ってないかな?だけど、かなりの時間が経ったのでは?と思うのは、恐怖の中にいたからだろうね。このまま恐怖に足を縫い付けられていても、この先がないっていうのは分かる。どうにか向かっていかなければ、化物技を食らって終了。・・・これ程の実力差、仕方がないって諦めるのは普通のことだよね?


でも、それはダメなこと。たぶんあんちゃんは、私を試している。しごいて鍛えるってことを辞めたみたいだけど、・・・それとは違うやり方で私を鍛えている。この凄まじい威圧の中で、私がどう動くか見ているんだ。本当に前線組の戦士なのかと、このまま戦士でいられるのかと。今はみんなと楽しく冒険をしている、協力しながら進んでいる。でもいつかは、一人きりで戦わなければいけない時が来るかもしれない。格上との戦いがあるかもしれない、・・・というかあるだろう。ちょい前に、深き森へみんなと行ったことがあった。その時は、みんな揃ってボロクソにやられた。敵が強かったから仕方がないことだけど、・・・格上だったが為に足がすくんだのだ。ビビっていつもの動きが出来なくて、命からがら逃げたのだ。その時のことを思えば、今と同じように威圧を受けていたのだと思う。凄まじさが全然違うけど・・・。


そう考えると、絶対に一矢報いてやる!って思いが出てくるね!あんちゃんが私に課したこの状況、突破したら更に強くなれるだろう。・・・あんちゃんの試練、私は乗り越えてみせる!私はあんちゃんの妹だ!規格外・ティルの妹なんさ!少しぐらいは私にだって、何かしらの力はある筈さ!根性見せろやヴェネール!奮い立てやヴェネェェェェェル!!ファイヤァァァァァァァァァッ!!!


――――――――――――


(闇の波動・弱)を発動させたら、俺の身体から黒い靄が滲み出てくる。この靄って、淵魚人が纏っていたヤツだよな?なんつーか、力がみなぎってくるな。それと同時に、何かが抜けていく感じがする。常時MP消費っていう効果があるから、たぶんそのせいであろう。闇属性付与もあるからか、 槍に魔力を溜めるのも楽だ。一応ステータスをチェックしてみると、どんどんMPが消費されていく。魔導技のMPを残さなければならないからな、MPの残量に目を光らせないとダメだ。・・・そう考えると、魔力を溜めるだけと言って正解だったな。動きまくったらチェックする暇もない、途中でMPが尽きるって馬鹿をしていたかもしれないし。・・・まぁとりあえず、魔力を溜めつつ・・・ヴェネの様子でも・・・。


・・・って、なんか生まれたての子鹿っぽくなっている。足がガクガクしていて、顔も青くて目尻に涙が。なんで?と思ったんだが、威圧も発動するんだっけか。それでガクガクしているのか、俺の威圧で。幸いなのは、ターゲットをヴェネに絞っていることだろうか?ターゲットを絞っていなかったら、ここにいる全員に威圧が掛かってしまう。仲間であるJunさんとおっさんも、へばってしまうところだった。まぁ・・・おっさんは分からんけど、Junさんは堪えるだろうね。なんていったって、森で鍛えたんだからな。・・・俺の威圧は森の魔物も逃げる程、本気じゃないから大丈夫だと思うが。さて、ヴェネよ。どうするのかな?






一分ぐらい経ったかな?槍もほぼ満タンって感じに、魔力が溜まりました。俺のMPもギリギリ、魔導技をぶっ放したら無くなるだろう。・・・しかしやっぱり無理だったか、本気じゃなくとも威圧は強力だな。ヴェネは何も出来ずに、俺の魔力が溜まるのを見ているだけだった。まぁ、逃げないだけマシか?見直すしかないな、流石は俺の妹。・・・気配を探ると、Junさんは勝利したみたいだ。おっさんはまだ戦っている、・・・あのヤンデレ風娘って強かったみたいだ。・・・とりあえず、俺も終わらせるか。ド派手にかましてやるから、成仏しろよヴェネ。


・・・なんて思っていたら、ヴェネから気迫を感じるな。なんか覚醒でもしたんかね?・・・おぉ!震えが止まっているし、目がランランと輝いている。俺の威圧を乗り越えるかヴェネ、やるじゃないか!・・・でも残念かな、もう魔力は十分。もう少し早ければ、俺を攻め立てることが出来たかもしれないのに。Junさんみたいに、俺を倒すことが出来たかもしれないのに。情け無用、俺・・・最大の技を受けてもらうぜ!槍をヴェネに向けた瞬間・・・、


「特攻じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!」


ヴェネは大斧を水平に構えて、俺に突撃を開始する。その闘志は良し!敬意を表して、葬ろうか。槍を引き集中・・・、そして・・・、


「我が闇の奔流、その身に刻め・・・。受けろヴェネ!魔導槍・ダークロード!!」


「私の気合を受け取ってみろやあんちゃん!ブレイブ・アクス!!」


気迫という名の闘気を纏ったヴェネに、俺は魔導技をぶっ放した。最大威力の闇に、ヴェネとその周囲が飲み込まれた。






・・・・・・キツいなぁ、マジ・・・キツいわ。魔導技をぶっ放して、MPが枯渇。(闇の波動・弱)も収まり、残ったのは虚脱感。魔導技の闇が、まだ消えずに燻っている。・・・ヴェネはまぁ、頑張った方だな。最後には、俺の威圧を越えたわけだし。構えていた槍を下ろして、脱力する。さて、おっさんはどうなったかな?その思った瞬間、燻る闇から飛び出す影が!脱力した為、咄嗟に避けるのはちょいと厳しい・・・!なんとか足に力を入れて、バックステップをするが・・・、


ガッ!


飛び出してきた影、ヴェネの大斧が、斬り上げの一撃が、俺の兜を飛ばした。俺はヴェネの一撃に驚愕する。


カランカラン・・・!


上空に飛んだ兜が落ち、その落ちた音が俺の耳に残った。






・・・俺とヴェネ、二人の時は一瞬・・・止まった。満身創痍のヴェネ、驚愕する俺。その時が再び動いたきっかけは、


「くくく・・・、くははははは!」


俺の笑い声。その笑い声を聞いたヴェネは、緊張の糸が切れたのかへたり込む。捨て身の一撃が、俺に当たった。その安堵もあるだろうが、それ以上にダメージが大きいのだろう。スキルか称号かは分からんが、俺の一撃に堪えた。しかしながら、俺の持つ最大の技を食らったんだ。そうなることは必然だな。俺の一撃を堪えたヴェネには驚いたし、嬉しくもある。本当に、やるじゃないかヴェネ!正直、ほぼ無傷でイケると思ったんだがな。それは傲慢だったか。兜が飛ばされて、ちょいとダメージも通った。


「俺の一撃に堪え、よく頑張った!・・・感動した!」


上から目線になるが、惜しみ無い称賛をヴェネに・・・!


俺がヴェネに感動していると、


「私自身もビックリ仰天だけど、まだ・・・終わりじゃないよ!私の体力は尽きていない!」


ボロボロの体に鞭打って、立ち上がるヴェネ。その目にはまだ、強い灯火が・・・。・・・・・・本当にお前は、・・・良い根性しているよ。ならば・・・、


「それもそうだな、まだ尽きちゃあいないもんな。・・・よろしい!きっちりトドメを刺してやるよ!」


それが、俺のやるべきことなんだろうさ。


いざ・・・!ってな感じでいこうと思ったんだけどね?ヴェネもたぶん、最後まで凄絶にと思ったんだろうけどね?そうはいかなかったんだよね・・・。どこからともなく・・・というか、おっさんの方から・・・、


ドゴォォォォォォォォォンッ!!


凄まじい音と共に、衝撃波が俺とヴェネを襲ったのだ。


「きゃあっ・・・!」


「うにぃっ!!」


「どわぁ~っ・・・!」


・・・Junさんも巻き込まれたっぽいな。俺はよろけながらも、足に力を入れて踏みとどまる。いきなりだったから、バランスを崩しかけたよ。俺は大丈夫だったけど、ヴェネは?満身創痍だったから、この衝撃波に堪えることが出来なかったんじゃないか?


ヴェネの方に視線を向けると、


「・・・・・・・・・。」


白目を剥いて、倒れていた。頭のすぐ横に瓦礫・・・、当たってしまったのか?飛んできた瓦礫に、トドメを刺されてしまったのか?・・・なんとも無粋な、・・・そして哀れな。不完全燃焼になっちまったよ・・・。ガックリ肩をおとす俺の目の前で、光となって消えるヴェネ。なんか空しい・・・。まぁあれだ、わざとじゃないのだろうが、


「おっさんにゃ、ヤキを入れねばならんだろ・・・。」


不完全燃焼の八つ当たりになるんだけどね、・・・仕方がないわな。


そして・・・、


『ヴェネ様の敗北により、P×Pバトル・PT戦はティル様方の勝利となります。・・・ギルド帰還まで30秒。勝利いたしましたティル様方の皆様、今暫く・・・お待ちください。』


フィオラさんのアナウンスにより、俺達の勝利が知らされた。・・・モヤモヤ感はあるものの、初めてのP×Pバトル・PT戦は終わった。・・・・・・腹減ったな、うん。

【ステータス】

名前:ティル

種族:人間

性別:男

LV:52(+3)

HP:690/690(+40)|770/770〔+80〕

MP:600/600(+90)|670/670〔+70〕

STR:200(+8)/312〔+112〕

DEF:168(+9)/417〔+249〕

INT:140(+16)/193〔+53〕

AGL:175(+11)/169〔-6〕

DEX:280(+42)/287〔+7〕

MED:155(+15)/198〔+43〕

LUK:240(+15)/220〔-20〕

【SP】:195(-5)


【ランク】

冒険者ギルド:ランクE+

生産ギルド:ランクD

魔法ギルド:ランクD UP!


【ジョブ】

ファースト:魔導戦士〔HP+10・MP+50・STR+10・INT+15・MED+15〕 NEW!

セカンド:教官〔HP+20(10)・INT+10(5)・DEX+15(7)・LUK+5(2)〕 NEW!

サード:無職


【控えジョブ】

雨賊

妖術士 NEW!


【スキル】

〈槍〉LV30(+11)〈喧嘩殺法〉LV66(+2)〈脚力〉LV30(+4)〈闇〉LV50(+5)★〈気配察知〉LV30(+11)〈警戒〉LV25(+10)〈威圧〉LV15(+7)〈連携〉LV23(+6)〈指導〉LV10 NEW!〈魔導〉LV8 NEW!〈魔力操作〉LV5 NEW!


【控えスキル】

〈短剣〉LV37(+4)〈乱戦〉LV29(+4)〈俺流鑑定眼〉LV18(+5)〈光〉LV48(+1)〈妖術〉LV15(+5)〈解体〉LV32(+6)〈不屈〉LV44(+1)〈剣速〉LV30(+2)〈必殺〉LV21(+3)〈耐毒〉LV3〈テーラー〉LV6(+5)〈装飾〉LV40(+3)〈細工〉LV40(+3)〈織物〉LV34(+4)〈調合〉LV50(+3)★〈木工〉LV23(+1)〈付与〉LV35(+8)〈刻印〉LV7(+4)〈投擲〉LV39(+2)〈釣り〉LV18〈採取〉LV49(+4)〈採掘〉LV9〈巣登り〉LV16(+2)〈運搬〉LV16〈食事〉LV24(+3)〈料理〉LV29〈農業〉LV1〈農耕〉LV1〈畜産〉LV1〈園芸〉LV1〈伐採〉LV7〈支援〉LV8(+3)〈魔匠〉LV5 NEW!〈サバイバル〉LV5 NEW!


【固有スキル】

〈俺流〉LV48(+2)〈呪い〉LV23(+4)


【加護】

恵みの加護


【称号】

職人達の弟子

ユニークを狩りし者

商人冒険者

切り裂き魔

俊英

無法の料理人

邪笑の冒険者

スキル収集家

職人冒険者

魔を釣る者

ニヴィアンの友

邪の敵対者

蛙ハンター

最初の就職者

ミニュエの同志

加護を受けし者

無法の指導者

森の挑戦者

花を愛する者

到達者

左団扇 NEW!


【PC冒険者からの二つ名】

三巨頭

規格外


【装備】

魔導槍・ボーン〔MP+20・STR+55・DEF+18・INT+30・AGL-10・MED+20〕

ブラックサハギンメイルセット(特殊)〔HP+50・STR+35・DEF+228・INT+3・MED+8・LUK-25〕

草原狼の首飾り〔STR+12・DEF+3・AGL+4〕


【アーツ】

〈戦闘〉地ならし〈戦闘〉ぶん投げ〈戦闘〉身代わりの盾〈戦闘〉飛槍蹴〈戦闘〉跳断〈生産〉糸化〈生産〉生産加速〈生産〉ボディアナライズ NEW!〈生産〉修復の鎚 NEW!


【魔法】

〈光〉ライトアロー〈光〉ライトショット〈光〉ライトウォール〈光〉ライトランス〈光〉ライトブースター〈光〉ライトヒール〈光〉フラッシュ〈光〉トーチ

〈闇〉ダークアロー〈闇〉ダークショット〈闇〉ダークウォール〈闇〉ダークランス〈闇〉ダークブースター〈闇〉ダークヒール〈闇〉ダークミスト

〈無〉マジックチャージ NEW!


【魔導技】

〈戦闘〉魔導槍・ダークロード NEW!


【アイテムボックス】

軽鉄のファルカタ・ライトベンダーセット・丈夫な背負袋・ケロケロレインコート+3・etc


【所持金】

35,710,520G





次話は、閑話の予定です。ティルの槍とかの話になるかと。


スマホの調子が悪い為、これにて失礼します。読み込みが遅くてね、大変なんですよ(汗

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