第4話~始まりの街
文章を考えるって難しいですね。
上を見ると突き抜けるような青空。周囲に目を向けるとレンガ造りの建造物が立ち並んでいる。まるで中世ヨーロッパ?な街並みだ。TVゲームのRPG世界に自分がいる・・・そんな感じがして、一人感動に身を震わせた。
・・・数分後、我にかえり自分の立つ場所を確認する。
「噴水広場だよな。ここが街の中心か?」
大きな噴水を中心に東西南北、道が続いている。多分、これがメインストリートなのだろう。人が途切れることなく歩いている。様々な人種がいるな。ほとんどの人がプレイヤーなんだろうなぁ~と思いながら、行動に移る。まずはステータスの確認・・・
・・・設定通りだな。ただ一つ違うのは【固有スキル】が埋まっていることだけだ。〈俺流〉・・・なんじゃこりゃ?
〈俺流〉:数多の可能性を全て自己流にアレンジすることで、他とは違う成長を導く。【成長率+補正(特殊)】
レアスキルなんだろうな。まぁ、ラッキーってことでいいか。【成長率+補正(特殊)】ってのがどんなものか気になるがいずれわかるだろう。俺はステータスを閉じ、アイテムボックスの中を見た。
〔初心者用投げナイフ〕×50
〔剥ぎ取りナイフ〕×1
〔初心者用ポーション〕×5
こんなもんか。投げナイフの情報を見てみる。
〔初心者用投げナイフ〕:練習用の投げナイフ。威力を期待してはいけない。ーSTR+1
流石に弱いな。とりあえず装備をする。ちなみに他の装備は〔布の服〕〔布のズボン〕。所持金は1500Gだった。確認を終えた俺は戦闘を体験するため、フィールドに向かう。VRの戦闘がどんなものか気になる。まだ見ぬ魔物にドキドキしながら、冒険者と思われる集団ついていった。
見回す限り青々とした草原が広がっている。素晴らしい開放感!!・・・と言いたいが
「死にくされぇ~!!」
「そっち行ったぞ!」
「邪魔しないで!私の獲物よ!!」
oh・・・草原を埋め尽くすは人の群れ。何てことでしょう・・・魔物が沸いた瞬間狩られるという光景があちこちで。正直、魔物が可哀想だ。俺の入るスペースがない。俺は戦うことを諦め、邪魔にならぬよう注意しながら適当なモノを採取し街に戻った。
―――――――――――――――――――
出ばなを挫かれた俺は採取したモノを広げるために宿を探すが見つからない。今更だが街の名さえ知らない。ダメダメである。途方にくれかけた時、同じ鎧を身に付けた兵士らしき二人組が目に入った。
「すみません。ちょっといいですか?」
俺が話しかけると二人は一瞬驚いた顔をするが、すぐに表情を元に戻し
「どうしたんだ?」
そんな答えが返ってきたので、俺は事情を話した。
「なるほどな。この街に来て間もないから、何処に何があるのかわからないって訳か。」
「そうなんですよ。同じ冒険者に聞けばいいのだろうけど、この街の方に尋ねたほうが良くわかると思ったんで。」
「そりゃあそうだ。見廻りしている俺達が詳しくなかったら、街の治安は守れないわな。」
「いいぜ!俺達が案内してやるよ。」
「丁度、休憩時間だしな。」
「本当ですか!?お願いします!!」
そして俺は二人の後に続いて、雑踏の中に入って行った。
戦闘に入ろうかと思ったら、こうなった。なぜだろう?