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第39話 ~P×Pバトル・前半戦

今回も早目に投稿出来ました。


次話も早目に出来るかね?


意外にパンツマンが人気だね、ビックリですわ。

転送がきちんと出来たみたいで、辺りを見回してみる。・・・雑木林のような場所だな。


「深き森の雑木林に似てはいますが、・・・目の前にある壊れた城門。このフィールドは廃城、というわけでしょうか?」


Junさんの言うように、廃城という線が有力ではあるが、


「城にしては規模が小さいんじゃい、砦とかではないかのぅ!」


砦、・・・砦ね。城よりもしっくりくるわな、まぁ城か砦かなんてどうでもいいか。規模が違うだけなんだし。それよりも、ヴェネ達がどこにいるかだな。


『今回の戦闘フィールドは、朽ちた砦。障害物・遮蔽物の多いフィールドになります。戦闘・行動共に制限されるかと思います。その点をふまえて両チームの健闘を、良き戦いを期待させていただきます。』


おっさんの予想が当たり、このフィールドは朽ちた砦。行動が制限されるわけだ、さて・・・どう戦うか。


「先程のアナウンスには、ヴェネ達と私達の情報はありませんでしたね。お互いの居場所が分からぬままの戦闘になりますが、私達はどう動きますか?」


どう動くか・・・、普通に考えたら単独行動だよな。相手はヴェネ達前線組、PCの中でもトップクラスの強者達。一人一人の戦闘能力は高いだろう、故に俺達は別れて行動すべきだ。


俺達三人も、戦闘能力が極めて高いと自負出来る。俺は自分で言うのもあれだが一対一は勿論のこと、多対一でも勝つ自信がある。狼撃破に邪神の尖兵討伐、深き森の浅層突破。サポートしてくれるパートナーがいたが、基本的に俺自身の力があったからこそだと思っている。


Junさんの場合は、なんといっても前線組大隊長。多くのPTを指揮する能力、速さを重視した手数の多い剣技、どんな状況でもあまり取り乱すことがない胆力。俺の知るPCの中でも上位、その強さに信頼を置くことが出来る。P×Pバトルで練習がてら、何度か手合わせをしたが強かった。その強さに、俺の作った新装備が+されるわけで。言うことなしに強者であろう。


そして、マイスターのおっさん。おっさんと行動することはあまり無いが、その身に纏うオーラが会う度に強化されている。気になるが故に、フィオラさんから情報をもらっていたりする。登録当初は底辺冒険者であったが、パンイチになってから一気に腕利き冒険者へ。争いある所に介入し、見事にそれを治める。マイスターの名を飛躍的に高めたのが、ヒルダ姫襲撃事件での活躍。グランベル王国の第二姫であるヒルダ姫が、魔物達に襲撃されていた時におっさんが介入。見事に魔物を退け、事件を解決に導いたとか。バルバロッサが言っていたこと、・・・勇者候補になったのはこの事件がきっかけではなかろうか?まぁ詳しくは聞かなかったが、とにかくおっさんは強くなった。


そんなわけで、俺達三人は単独で強い。そして俺とおっさんは基本、ソロプレイヤー。Junさんと違い、PTに慣れていない。俺はノーンさん、ディジーさんとでPTを組んだりしているが、圧倒的な経験不足。そんな俺とおっさん、JunさんがPTを組んだとしても、十分に力を発揮することが出来ないと考える。ソロプレイヤーのにわかPT、Junさんの指揮でも難しいだろうな。ヴェネ達はPTに慣れているからな、そう考えると単独で動くことが勝利への道。PT戦ではあるけれど、単独行動推奨。丁度良く障害物・遮蔽物の多いフィールドだからな、勝率は高いだろう。


されどせっかくのPT戦、単独で動いてよいものかと考えて俺は・・・、


「普通なら、バラバラに動いた方が俺達の力は発揮出来るだろう。それに、ヴェネ達もそう考えているに違いない。・・・ならば逆に、纏まって進撃してみるか?その力が俺達にはあるし、滅多に組むことの無いメンバーだしな。」


俺がそう言うと、


「単独で行動し、各自で攻めた方が勝率高めなのは確実。ですがティルさんの言うように、せっかくのPT戦。PTらしく行動するのも良いかと思います。・・・私自身も、圧倒的な力で叩き潰すっていうものをしてみたいですし。ヴェネみたいに、派手に突撃してみましょうか?普通に勝てると思いますよ?」


思うところがあるのか、Junさんも乗り気だ。


「変な小細工等、無用じゃい!正面突破こそがヒーローじゃい!!派手にぶちかますんじゃい!!」


おっさんもやる気満々。満場一致ならば、・・・やるしかない。


「PTらしい連携が取れるか分からんが、三人一気にいってみますかね。Junさん、おっさん、・・・派手にいこうか!」


「・・・では、お先に!」


「ぬぅおぅっ!!先手を取られてしまったのぅ!!」


意外にもJunさんが一番手、続けておっさん。俺も負けじと駆け出す。


圧倒的な猛威が、ヴェネ達を襲うまで後少し・・・。


――――――――――――


・・・気が付くと、そこは室内だった。とりあえず、他の奴等は・・・、


「なんで私だけお尻から落ちなきゃいけないんさ!これは悪意ある仕打ち、訴えてやるぅ~!」


「ヴェネが勝手に驚いて、尻餅をついただけでしょうに・・・。変なところでドンくさい・・・。」


尻餅ヴェネに、呆れるクイナ。ザッシュにブシドー、イシュタムは周囲を見回している。そしてこの俺、バルバロッサも無事にこの場にいる。・・・ヴェネのバカはいいとして、


「ここは何処なんだろうな?戦闘フィールドっていうのは分かんだけど。・・・つーか、すぐにガチンコかと思ったんだが。」


この近辺にティル達はいない、・・・よな?それよりも、一体全体どうなってやがる。転送事故ってわけじゃないよな?


「ランダムフィールドと言っていましたからね、ギルド立ち会いはすぐにバトルってわけじゃないみたいで。・・・正直、助かりましたかね?少しは勝ち目があるかも。」


クイナの言葉に納得する俺、化物クラスのPCを相手にするんだ。ガチンコだったら瞬殺されるだろう、・・・Junはなんとかなるかもしれないが、


「まずは現状把握ってか?ここがどんなフィールドかで戦い方が変わるからな。」


確かにザッシュの言う通りだ、とりあえずは室内っていうのは分かる。


『今回の戦闘フィールドは、朽ちた砦。障害物・遮蔽物の多いフィールドになります。戦闘・行動共に制限されるかと思います。その点をふまえて両チームの健闘を、良き戦いを期待させていただきます。』


突然のアナウンスに、ヴェネの奴はキョドっている。・・・このフィールドは朽ちた砦、なんつーか規模がデカいのな。流石はギルド立ち会いのP×Pバトルってところか?


砦で俺達は室内、・・・ティル達は外ってーのが有力だな。せっかくの広大なフィールド、お互いに室内じゃツマらんだろうし。そうなると、俺達の方が有利になるのかね?攻め立てるには、侵入口を通らなきゃならない。所謂、門・扉・窓とかだな。そこを押さえることが出来れば、こちらの勝率が上がる。罠とかを仕掛ければいいんだが、そんなスキルなんざ持ち合わせていない。出来て待ち伏せってところだろうか?扉を障害物で塞いで侵入口を制限するのもアリだが、俺以外の奴はどう考えていることやら。言えることは、ヴェネはバカだから発言力が無いってことか?どうせ言うのは、突撃の一択だと思うし。


あまり時間を掛けて考えている暇はない、既に戦闘開始になっているわけだし。こうして考えている間に、ティル達は移動していることだろう。


「Jun以外は、PTに慣れているわけでもないだろう。ティルとマイスターはソロだからな、纏まって動くよりも単独で動くんじゃないか?そっちの方が、アチラさんもやり易いと思うしよ。」


ザッシュの言うように、その可能性は極めて高い。例えJunがいたとしても、それぞれを纏めて一緒に行動させるのは大変だろう。ならば単独で動いて、それぞれ考えて動く方がやり易い。ティル達は普通に勝ちに来るだろう、そうなると一番勝率の高い行動を取る筈。


Junは何だかんだで、我等が大隊長。前線を離れて採掘していたみたいだが、俺達のことを十分に知っている。強敵であることは確実だ。マイスターもヒーローだけあって強い筈、噂じゃ勇者候補らしいからな。一筋縄でいく筈がない。そしてティル、規格外と呼ばれる程の強者。未開地情報を挙げているくらいだからな、最近じゃ深き森も突破したようだし。それにあの装備、・・・絶対にヤバイヤツだ。Junとマイスターはなんとかなりそうだが、ティルにだけは勝つビジョンが浮かばない。一対一じゃ絶対無理、なんとか多対一に持っていかなくては。理想は、Junとマイスターを最初に撃破してからの総力戦。ティルとの戦いは、完全にボス戦となるだろう。ぜってーユニークボスだよ、アイツ・・・。とりあえず各個撃破が一番良い、そうなると考えられる作戦は・・・。





俺達は砦内で一番広い場所、訓練場っぽいところに陣取っている。全ての部屋を見ることが出来ないから、ここより良い場所があるかもしれない。だが俺達には時間が無いからな、ここで妥協する他無いわけだ。この場所に入ることが出来る扉は一つだけ、待ち伏せするには良い場所だと思う。


最初は二人一組で行動して、待ち伏せしつつこの場所に誘導しようかと考えたのだが、


「・・・二対一だと、こちらの分が悪いんじゃない?Junさんとオジさんならば、誘導可能かもしれないけど。・・・・・・私達のティル様は化物クラスの規格外ですよ?誘導される前に殺られます、・・・というかティル様を甘く見ないでください。・・・・・・そう考えると、ティル様以外の二人も誘導は無理ですね。なんと言っても、ティル様装備で身を固めているのですから。同じく殺られるでしょう、・・・・・・やはりティル様は凄い。前線組の猛者をゴミクズのように蹴散らすその強さ、・・・私も含めて蹂躙するのですね!私達はただ蛙のように、地にその体を這いつくばらせるだけの塵芥。・・・・・・あぁティル様、・・・どうして貴方はティル様なの?」


「こらイシュっち!イシュっちはどっちの味方なの!私達の勝利の光景を見ようよ!それを妄想しようよ!!」


根暗マンサーのイシュタムが、初めて饒舌に語るは俺達の敗北。自分を含めて俺達をディスる、・・・戦う前に士気が下がる一幕。


言ってることに一利あると思い、作戦を変えたわけだ。ティル達が個人で行動していると予想して待ち伏せ。・・・考えれば考える程、これしか手がないかと思う。ここに来た瞬間、俺達が一斉に襲い掛かる。チームワークで各個撃破を狙う、これ以外で勝てる作戦なんか思い付かないんだよ。ぶっちゃけこの作戦だって、単独行動している前提だし。それに向こうが〈気配察知〉なんか持ってたら、バレバレの作戦になるわけだし。・・・所詮は負け戦、ただ単純にティルの強さを体感したいだけだしな。ヴェネには悪いが、俺の考えはこんなもんだ。少しでも強さの糧になるんだったら、甘んじて負ける戦いに挑んでやる。スキル関係で差があるんだろうけど、この後に取るスキルの参考になる。スキルが分かれば、の話になるけどな。戦い方を見て、アーツ入手の手掛かりになるやも。・・・戦っても損は無い筈なんだ、・・・・・・無い筈なんだがな。嫌な感じが消えないのは何故だろう?・・・負けるのは分かっているのに、・・・なんなんだ?


そして俺は、なんかスゲー気配がするなーと思った瞬間、目の前が真っ暗になった。気付いたら、特殊フィールドからギルドに戻っていた。そして映し出されたP×Pバトルの映像を見て、成す術も無く撃破されたことを知った。


「・・・・・・俺、・・・何もしてない。」


戦闘に貢献することもなく、自分に何の得もなく、強さを体感することもなく、敗北した俺って一体・・・。その場で四つん這いになる俺は、何も悪くない。・・・ただ、そんなダメダメな俺の肩に手を置き、哀れみの微笑を浮かべている受付嬢のフィオラさん。滅多に見ることの出来ない微笑が見れたこと、それだけで俺は救われた気がした。・・・・・・〈幸運〉とかいうスキルないかなぁ。


――――――――――――


時間を少し戻して、ティル達はというと、


「誰もいないし気配もしないのぅ、ワシらの相手は何処にいるんじゃい。」


派手にいくと言ったものの、とりあえず大人しく行動している俺達。堂々と門を潜り砦内へ侵入したのだが、気配が無い。普通ならばまぁ、気配を感じることが出来ないわな。普通ならばな・・・。


「ヴェネ達は確実に砦内だ。正確な位置までは分からんがな・・・、纏まって動いているっぽいな。」


〈気配察知〉と〈喧嘩殺法〉のお陰で、三〇mぐらいの範囲を把握出来る。それ以上を把握することは出来ないが、何となくの気配を感じることが出来るわけだ。その何となくで、ヴェネ達が動いていることが分かるのだ。


「・・・何とも頼もしいかぎりですね。・・・ヴェネ達は、待ち伏せ場所でも探しているのではないでしょうか?」


苦笑するJunさんを見て、何となくは分かっていたのだが。・・・俺の察知能力って、卑怯くさい気がしないでもない。〈俺流〉がやはり関係あるのか、単純にステータスが高いからなのかは分からんが。


まぁそれはさておき、Junさんの言うように待ち伏せ場所を探しているっぽいな。ガチンコバトルよりも、待ち伏せで畳み込む方が勝率が高いと思ったんだろう。俺達が単独行動で攻めてくると予想してな。一人一人を待ち伏せでタコ殴り、・・・悪くない作戦だがゴメン。俺達纏まっているんだわ、・・・それに察知しちゃってるし。


「嬢ちゃんが言うように、待ち伏せかのぅ。ブラザーが察知出来るなら、暫く待ってみるのも作戦じゃい!」


俺達は気配を消して時を待ち、ヴェネ達の待ち伏せが完了した時に動く。俺の察知があるからこその作戦、逆にタコ殴り作戦ってわけか。袋の鼠ってわけだ、・・・ふむ。


「・・・いいね、それ。Junさんはどう思う?」


「私もそれで良いかと思います。」


おっさんの作戦に、俺とJunさんは賛成する。・・・ならば、


「ヴェネ達の気配が一ヵ所に留まった時、その時に動くとしてだ。・・・その時こそ、派手にいこうじゃないか。」


お互い頷き合って、その時を待つ。


そして数分後、


「ヴェネ達の気配が何となくだが、止まったような気がする。・・・これから移動し、俺の察知で完全に捉えるとしようか。捉えたとしても不要に近付かず、話し合った段取りで派手にいこうか。」


「移動しながら剣気を高めておきます。」


「ワシもオーラで強化しておくかいのぅ!」


派手な登場を演出する為の準備をする二人、俺も槍に魔力を注いでおくか。・・・そして、移動しながら待ち時間に考えた演出のことを思い出す。




ヴェネ達の気配を探りながら、派手な演出について考える。派手といったら、俺的に壁を突き破っての登場が一番だと思う。とりあえず、目の前の壁を槍で突いてみる。


ガコン・・・!


と、壁が抉れた。・・・軽く突いただけで抉れるとは、朽ちているだけあって脆いのかね?それとも、特殊フィールドの設定なのか?ギルド立ち会いのP×Pバトルではあるが、何となくゲームっぽい。俺達を映像越しに、フィオラさん達ギルド職員が見ているのではなかろうか?実力を計ると同時に娯楽として。もしそうであれば、あえて脆く造っているような気がする。辺りを巻き込んでの戦闘の方が、見ていて楽しいし盛り上がる。そう考えるならば・・・・・・っと、またまた関係の無いことを考えるところだった。P×Pバトルのフィールド設定を考えたって、仕方がないじゃないか。今は、如何に派手な登場をかますかを考えるべきじゃないか。とりあえず、壁を槍で抉った姿を見たであろう二人に話を振ろうか。


派手な登場の仕方について、軽く話し合う俺達。その中で俺を真似て、壁に攻撃をする二人。Junさんの剣は壁を少し斬っただけ、おっさんのパンチは壁を少し壊しただけ。俺には届かないようだが、


「Junさんは剣気を高めれば、斬ることが出来そうな気がする。おっさんはオーラを纏えばってヤツか?」


P×Pバトルの練習がてらの手合わせにて、Junさんが習得したアーツ〔剣気〕。剣気を高めることにより、斬れ味を上げる補助系アーツ。剣気を高めるには、集中力と時間が必要。どちらも中途半端にすると、逆に斬れ味を下げる。ある意味諸刃のアーツなのである。ヘタに発動させれば、ピンチになるというね。剣気を高める時間が長ければ長い程、斬れ味は上がり続けるのだ。もう一つのデメリットは、二・三発で効果が切れるってところかな?・・・何故に知っているのかって?さっきも言ったと思うけど、俺との手合わせ中に習得したわけで。そのまま検証に付き合ったということ、だから知っているわけさ。因みにおっさんのオーラは、おっさんから嬉々として語り始めたからってヤツ。ぶっちゃけ、おっさんもあの頃の見る影無く、規格外に片足を突っ込んでいる状態である。二人にそんな力があるってことで、それを使って壁越えをするで決まった。壁越えは俺とJunさん、先制攻撃はおっさん、役割はこれだ。





互いに力を溜めつつ慎重に移動をしていると、俺の察知範囲に六つの反応があった。案の定、六つの反応は一ヵ所に集まっている。多少はバラけているようだが、一つの場所に全員いるのは確実だろう。完全に、ヴェネ達を捉えることが出来たみたいだ。・・・俺は二人に合図をして、溜めていた力を解放する。Junさんも剣気を、おっさんはオーラを解放。なんか知らんけど、Junさんとなら!・・・一気に侵入させてもらうぞ!!


「・・・魔導槍・ダークロード!!」


「・・・剣気解放・空斬!!」


俺の闇を纏った槍の一撃が、Junさんの剣撃衝撃波が、ヴェネ達が待ち伏せているであろう場所に襲い掛かる。ヴェネ達を守るようにあった幾つもの壁を破壊し、放たれた猛威が瓦礫と共に一人の反応を消した。その破壊力に俺とJunさんは唖然、・・・まさかここまでとは。出来る限り高めた魔力と剣気、二つの力が交じり合うのは危険。砦の一部を消し飛ばしたんだから。そう、交ぜるな危険!である。俺とJunさんの視線が重なり、頷き合う。同時に放つのは止めよう、・・・と決めた。ヘタしたら、俺らもヤバそうだからな!今回たまたま、被害が無かっただけだし。また組む時が、あるかも分からんがな。とりあえず、気を取り直して突撃だ!


俺とJunさんが出遅れてる間に、おっさんは空いた穴から飛び出していった。何とも素早い動きだと感心してしまう。


「バルが殺られた!・・・無茶苦茶だぜ、畜生が!!」


「逆に捕捉されていたわけですか!これ程の威力、連発は出来・・・!」


飛び出したおっさんは、槍を持った女性に肉薄し、


「隙だらけじゃい!零距離・ヒップバズーカじゃぁぁぁぁぁい!!」


「・・・ちょっ!っんがふぅ!!」


ドゴォォォォォォォォォン!!


金色オーラのおっさんが情け容赦なく、至近距離で大技を繰り出した。食らった女性は吹き飛ばされて壁に激突、崩れ落ちたのだがユラリと立ち上がり、


「・・・し、尻で殺られるなんて・・・・・・!・・・・・・・・・み・・・じめ・・・!!」


吐き捨てるようにそう言って、光となって消えた。最後の惨めが心に染みた。・・・後、最初に消えたのがバルバロッサみたいで、なんか悲しくなったのは内緒だ。そんなことを感じていると、


「よくもクイナをぉぉぉぉぉっ!!」


白い悪魔が大地に立った時、部下を殺られた時の上司みたいな突撃をしてくるザッシュ。・・・それは悪手だぞ、ザッシュ。そう思った瞬間、ザッシュの横をすり抜けるようにJunさんが駆けた。


「いけませんねザッシュ、冷静さを失っては・・・。隙だらけですよ?」


その言葉の後に、Junさんが剣を鞘にしまう。それと同時に、ザッシュは前のめりに倒れ・・・、


「・・・・・・ごもっともで。」


先程の女性を追うように、光となって消えた。・・・カッコいいな、Junさん。


圧倒的にと思ったわけだが、こうもあっさりと三人を倒してしまった俺達。奇襲が成功して嬉しいのだが、まだ三人残っている。


「軟弱ブラザーズはいいとして、クイナを瞬殺するなんて!あんちゃん達は化物か!」


バルバロッサとザッシュを悪く言うなよ愚妹、お前も後を追うんだぞ?


「クイナを倒すとは、流石ヒーロー!はぁ~・・・たぎる、たぎるぞ!マイスター殿は是非私と・・・!!」


ガキンッ!


「不意打ちを防ぐとは・・・。やりますねブシドー、流石です。しかし残念ながら、貴女は私と手合わせてもらいますよ。」


テンション高めの仮面女子を不意打ちするJunさん、意外にも好戦的みたいッスね?


「フハハハハハ!大隊長のご指名ならば、受けねばなるまい!・・・経験を積ませてもらうぞ!」


受けた剣を押し返し、そのまま攻勢に出る仮面女子。JunさんVS仮面女子、ってカードになったみたいだ。


おっさんの方はどうだ?と、視線を向けてみる。


「オジさん、邪魔ですよ・・・。私には・・・ティル様とぶつかり合う使命があるんです。・・・合法的接触の可能性があるんです。・・・私自身がネタになるんです。・・・・・・それの、・・・・・・それの邪魔をするなぁぁぁぁぁぁっ!!」


「ぬぅおぅっ!禍々しい童女じゃのぅ!ブラザーに触れたくば、ワシを倒すんじゃい!童女にそれが出来るんかいのぅ!」


ヤンデレ臭漂う娘の相手は任せるぞ、おっさん!・・・俺はその娘の相手をしたくない。瞬殺出来ると思うけど、相手にしたくないんだ。何かが減りそうで恐いからな、頼むぞおっさん!・・・ホント、頼んます!!


JunさんVS仮面女子、マイスターVSヤンデレ風娘、そうなると俺は・・・、


「さて、殺ろうかね?・・・必然的に俺とお前ってことになるからな。」


槍を構えて、邪笑を浮かべる。ヴェネはのけ反るも、


「予想以上の強さじゃないですか、あんちゃん!?無茶苦茶ですよぉ~!・・・ぐぬぬぬぬぬ、今のを見て勝つ希望は無くなったけど!それでも私は、前線組の戦士だ!!」


闘志を消すことなく、大斧を構えて吠える。その心意気は良し、一気に決めようかと思ったが。・・・それはヤメだ、ヴェネの力を見るのも悪くない。前線組戦士の力、どれ程のものかね?三人あっさり倒せたが、奇襲だったからな。Junさんは強いから、ヴェネにも期待は出来るか?まぁ俺の妹だからな、強いと信じたい。


一対一の戦いになったわけだが、決闘っぽくなったな。・・・さて、後半戦といきますか!

派手にいくのは後半戦ですかね?


たぶんですが、いや・・・確実かな?一番派手なのはマイスターのおっさんになるかと。


ティルとJunさんが地味になるやも。



さてさて、どうなることやら。今から考えるんでね、作者にも分からんのですよ。

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