閑話 ~強面の宴
一ヶ月ぶりッス。
作者が色々あって、大変でした。
まぁそれは置いといて、今回はガドルフ達ですね。活躍っていうより、自己紹介って感じの話ですかね。
前回の感想は、後程返します。
この話は、ガドルフと料理の底力を発見してから、暫く経った日の話である。
よぉ、俺のことを覚えているか?・・・俺の名前はガドルフ、ただの料理人だ。ただの料理人と言ったが、この世界に来た時にゃ料理人ではなかった。いや、料理人を目指していたんだが、色々とあってな。料理紛いの物を作っていただけで、料理人とはいえない男だったのさ。今、思い出すと泣けてくるぜ。作れば作るほど赤字になって、明日の生活はどうしよう・・・ってレベルで詰みかけていた。そんな俺に手を差し出してくれた奴がいた、そいつの名はティル。ティルのお陰で今の俺があるのさ。
たかが串焼きに30G、正直高いとは思う。30Gあれば、安い宿なら普通にメシが食える値段だ。街にあるメシ屋なら、何かしら一品は食える。そう考えると、やっぱり高いんだよな。初心者が多いからな、30Gは高い。高いけど、30Gにしないと俺がヤバイ。・・・その結果が、毎日の宿代に窮する俺ってわけだった。そんな時に現れたのがティルだ。ティルが露店販売をしていた時に知り合った。・・・というか、販売を終えて帰る時にたまたまティルの方が俺に気付き、声をかけてくれたってヤツだ。んで、互いに悪人顔ってわけで意気投合。そこからティルは情けで、30Gもする串焼きを毎回買ってくれる。そのお陰で、とりあえずの宿代は手に入る。感謝してもしきれねぇよ、ホント。
ティルの奴は、不貞腐れる俺を狩りに誘ってくれた。戦闘スキルを持たない俺を・・・。悪人顔で役立たず、そんな俺をさ。そこから変わったんだよな、俺の生活が。草原で魔物を倒したら、食材が手に入った。今まで買うしかなかったのに、タダで手に入れることが出来た。そりゃあ嬉しかったぜ、金が節約出来るわけだしよ。ティルのお陰で大量の食材を手に入れたわけだが、調理してみたらクソ不味かった。なんでだろう?と思ったが、ティルが知り合いのNPCに聞いてみるって言ってきた。これ以上の進展はないってことで解散、ティルの情報を待つことになった。
次の日、ティルが情報を持ってきてくれた。食材は、下処理をしないとダメみたいだ。それと〈採取〉を手に入れれば、フィールドで食材を採取出来るようになるとのこと。この情報で一気に、料理の道が開けた気がする。そこからティルと二人で料理をして、何度か死にかけたりしたが色々と分かった。・・・本当に色々とな。
・・・・・・・・・っとすまん、俺のくだらない話を聞かせちまって。とにかくだ、俺はティルのお陰で今も元気にやっているわけで。たまに、ティルが様子見がてら食いに来たり、食材を分けてくれたりしている。俺も料理研究を欠かさずに、毎日のように調理しまくっている。忘れずにレベリングもしているぜ?そんなに強くはないけどな。食材も手に入るし、能力も上がって言うことなし。新たな食材を手に入れた時の嬉しさは、言葉に出来ないぐらい嬉しいしテンションも上がる。それに、同じく料理でのしあがることを願う仲間も増えた。神の采配か、悪魔の呪いかは知らねぇけど・・・、みんな悪人顔なんだが。まぁ充実しまくっているぜ、毎日な。
・・・で今、俺は準備をしているのさ。なんの準備かって?・・・そりゃあお前、俺達の集会だよ。料理に関する情報交換を、俺達は頻繁に行っているわけ。しかも今回は、色々やっているせいか参加していなかった奴が来るのさ。分かっているとは思うが、ティルのことだな。俺以外の奴は、初顔合わせ。緊張しているぜ、顔に似合わずな。俺だけじゃなく、ここにいる奴ら全員の恩人みたいなもんだからな。まぁ緊張もすぐになくなるだろ、ティルはいい奴だからな。緊張するだけ無駄だよ。・・・・・・ん?ティルの奴が来たみたいだ。・・・あ~?何固まってんだティルの奴・・・。
――――――――――――
俺は固まっている。料理に関することで集会を開くって聞いたから来たが、ガドルフを筆頭に悪人顔の集団が火を囲っているのだから。・・・誰だって固まるよな?こんな光景を見たら。俺自身も悪人顔だから、同じ悪人顔を見ても恐いとは思わない。だが、十人近くの悪人顔が火を囲って屯っているのだ。流石の俺も、ちょっと恐いと思う。リアルでは見飽きた光景だが、F.E.Oでは恐い。リアルは人間だって分かるから恐くない、しかしF.E.Oでも恐くない?否、恐いよ。種族が違うもの、独特の存在感があるし。まぁ・・・人のこと、ホントに言えないんだけどね。それよりもこの集団が料理人?・・・完全に裏の集会だよ、悪い奴らの集団にしか見えない。そんな集団の仲間ですよ、俺も。ガドルフの奴、怪訝な目で見てるな。・・・はぁ、なんだかなぁ。
俺は、その集団の輪の中に入る。そして、
「よぉティル、集会に来んのは初めてだよな?コイツらが、俺の同士達だ。」
ガドルフがそう言って、強面達に視線を向ける。その視線を受けて、強面達は俺に対し頭を下げる。・・・・・・なんか、俺がこの集団のボスっぽくなってないか?そんな風に見えるシチュエーションだ。とりあえず、
「君達と顔を合わせたのは初めてだったな。・・・ガドルフから聞いていると思うが、俺はティル。人間族だ、よろしく・・・。」
無難な挨拶を。軽く名乗ると、ガドルフからの号令が。一人一人、自己紹介を・・・と。
ガドルフの横にいた爺さんが最初みたいだ。・・・爺さんもF.E.Oなんかやるんだな。容姿は多少弄れるが、年齢は弄れなかった筈。この世界は、爺さんには刺激が強すぎると思うが・・・。この爺さん、タダ者じゃない。
「フェフェフェ・・・。初めましてじゃの、ティル殿。ワシは人間族で名はアヴ、ガドルフ殿と料理研究に勤しむ只の爺じゃ。」
嘘つけ!そんな悪の魔法使いみたいな爺さんが、只の爺さんな筈ないわ!しかも年のわりに、体もしっかりしているし。・・・つーか、ローブを押し上げてるのって筋肉じゃね?否!断じて只の爺さんではない!・・・一人目から凄まじいのが出てきた。これが当分続くのかよ、お腹一杯になるよきっと・・・。
次の人物は、俺と同じぐらいの身長であった。
「ギーラッハと言います、魔人族です。F.E.Oでパティシエを目指そうかと、・・・見知りおきを。」
額にバッテン傷の強面、俺と同年代か?見た目によらず、礼儀正しいみたいだ。・・・それにしてもパティシエか、現状でパティシエは難しいかと思うが。小麦粉と卵はなんとかなるが、バターに砂糖はちょいと高めだ。金がかかる道だとは思うが・・・、彼ならいけるかもな。目を見れば分かる、漢の目だ!どんな苦労も押し退けて、夢を叶えるだろう。ふむ、ギーラッハか。俺も菓子作りには興味がある、覚えておこう。
三人目は、K-1選手にいそうな男だった。俺を見ると、ニヤリと笑って・・・、
「我は竜人族のゴウト、ベジタリアンだ。野菜中心で攻めようかと思っている。」
K-1選手っぽくて、ベジタリアンかよ!お前の筋肉は食物繊維で出来ているのか!?野菜中心って、それはそれで大変だと思うんだが。聞いてみれば、得意料理はサラダだって。・・・ベジタリアンって聞いた時に予想はしていたけど。まぁサラダも奥が深いからな、極めるのはかなり難しいとは思うが。単純故の奥深さ、野菜の組み合わせ、それぞれの量、ドレッシング、他にも色々あるだろう。俺はこの程度しか分からんけど、きっと色々ある。お手並み拝見だな、ゴウト。
次の男は、頭にバンダナを巻いたワイルド系。彼は、手元にあるホワイトボードっぽいのに何かを書いている。そして、それを俺に見せる。
『すみません、喋るのが苦手です。筆談で失礼しますね♪ボクはジェストって言います。ラーメンを作りたいと思ってます。まだまだ未熟ですが、よろしくお願いします!o(^o^)o』
・・・・・・その顔で筆談んんんんん!?しかもめっちゃ良い子っぽい!人を刺すような目で、ソフトマッチョなのにモジモジ君!なんかチラチラこっちの様子を窺っているけど、一般人なら警察呼びそうな雰囲気なんだが。・・・ん?またなんか書いてる。ギロリと俺を見て、ボードを見せてくる。
『因みにボク、レア種族の天使です!』
・・・・・・・・・神よ、なんと罪深い・・・。
五人目はどんな奴だろう?ジェストの横に視線を向けると、隻眼の男が。
「俺様はエルフのディン、和食をF.E.Oに広めたいと思っているぜ!よろしく頼まぁ~!!」
暑苦しい奴だな、コイツ!歴戦の勇士みたいな風格なのに、料理人を目指すってか。しかも和食、出汁が重要なジャンルだな。ウチも蕎麦屋だから、和食みたいなもんだ。・・・つーか和食か。俺と話が合いそうな気がする。そういえば、本格的に作った料理は天ぷらだったな。うーん・・・、最近料理を作ってないな。今後、料理をする時はディンとやるのも面白そうだ。
次はどんな奴かな?と思ったら、男女が立ち上がった。男の方は世紀末にいそうなモヒカン、女の方は気の強そうな騎士っぽい奴。
「俺は幻十郎、レア種族のヴァンパイアだぜ。」
「妾は幻姫、同じくレア種族のヴァンパイアぞよ。」
「因みに兄だ。」
「妹ぞ。」
「「食材ハンターを目指そうかと・・・。」」
息ぴったりな二人だな、オイ。妹の方は分かるが、兄のモヒカンもヴァンパイア。世紀末なモヒカン吸血鬼、凄まじく濃い奴だと思うのは俺だけか?・・・まぁくだらないことは置いといてだ、兄妹ねぇ。俺とヴェネみたいなもんか。仲が良さそうでいいことだ、デコボコだけど。それにしても、食材ハンターときたか。料理をするだけじゃダメだもんな、良い食材を入手するのも料理人の才覚。この二人は、食材を集めてみんなの補助をするってことだな。いい心掛けだと思う、共に冒険して食材ハントするのもいいだろう。見た感じだが、なかなかの使い手だと思う。うん、今度冒険に誘ってみよう。
八人目、これで最後みたいだ。最後の人物は・・・、
「アイヤー、ワタシ呂布イウネ。料理ハ火力ヨー、中華イチバンネ!因みに狐の獣人だ、・・・ヨロシクヨー!」
なんなんだ、このエセ中国人みたいな奴は。中国の方々を敵に回す気かね?途中、素に戻っているし。胡散臭い糸目をしている、悪人顔とは思えないが・・・。雰囲気が悪党だな、変なオーラ出とるし。・・・中華料理を推すか、確かに中華は火が命。後はスピードか?何でも食べるイメージがあるけどどうなんだ?まぁ中華料理は美味いからな、期待大だろう。
紹介された八人は、色んな意味で濃い。そしてそれぞれが、独特の雰囲気を持っている。確実に普通の人ではない、これだけは言える。もし俺が一般人だったなら、お近づきにはなりたくない。・・・だが、俺もまたコイツらと同じ人種である。認めたくはないけれど、この雰囲気は嫌いじゃない。どちらかというと、落ち着くな・・・うん。・・・・・・そんな風に思った自分に愕然としたが、まぁいいかと思い直す。なんせ俺は、規格外だからな!気にしない気にしない。
そんなわけで、俺を含めた十人で話し合う。話し合うと言っても、情報交換になるわけだが。何を作っただとか、こんな食材を手に入れたとか、どこの店が美味しいかとか、料理に関することが中心だな。ある程度話をすると、それぞれ興味のある話題を話した者の下に集まる。俺が話したのは、湖で魚を釣ったことと、湖方面の魔物食材、・・・後は森食材も話したな。この話に、食い付いたのが幻十郎と幻姫、世紀末騎士兄妹の二人だった。
「それでティルの兄貴、その黒い鎧は邪神の尖兵素材で作った奴ッスか?」
「ああ・・・その通りだ。・・・だが、呪われている。」
「呪い装備にも拘わらず、普通に着こなすとは・・・。お見事にございまする。」
目をキラキラと輝かせ、俺を挟んで左右に陣取る二人。
「すげーッスね!そんで、邪神食材ってあるんスか!?」
「兄者がこんなにも嬉しそうに・・・。罪作りなお方ですな、ティル殿は・・・。」
食い気味の幻十郎に、微笑ましく兄を見る幻姫。なんか知らんけど、濃い兄妹になつかれた。
幻十郎・幻姫の質問に答えまくる俺、見かけによらず勤勉な二人に俺も熱が入る。
「・・・その通りよ幻十郎、大蜘蛛は素早い。故に隙を見逃さず、足から潰し行動を封じると良い。」
「了解ッス、兄貴!・・・だが俺達はまだ弱いッス、ゴブで鍛えまくるッス!」
「左様でございますな、兄者!技術を更に高めてから、挑むのが吉かと・・・!」
「・・・・・・ゴブも強い。そのこと、努々(ゆめゆめ)忘れるでないぞ。」
「「・・・ハッ!」」
妹の口調が移っちまったよ、俺。軽く自分の頭を小突き、いつもの自分に戻るよう促す。暫くウンウン唸っていると、兄妹は『???』の付きそうな顔できょとんとしていた。幻姫はともかく、幻十郎のきょとん顔は似合わないなぁと思いつつ、いつもの調子に戻っていった。
吸血兄妹と魔物狩り・魔物食材について話をしていたが、最終的には全員と話をしている。現在は食材の組み合わせについて、
「あの時はヤバかったな、毒になるんだから。」
「全くだ。ティルが解毒薬を持っていなかったら、俺達は食中毒で死に戻っていたな。」
数日前だというのに、何年も前のことのように遠い目で思い出す。毒も何もない野草を合わせて炒めた料理が、まさかの毒料理に。あれから作った料理は、食べる前に鑑定をするようにしたっけ。組み合わせによっては、無害も有害に変わる。・・・衝撃的だったよな、ホント。解毒薬が無く死んでたら、何か称号が貰えたかもな。・・・いらんけど。
「その話をガドルフから聞いた時は、心底驚いたぞぃ。ガドルフと研究していたら、実際に似たような料理が出来たからの。これは重要なことじゃ、皆も覚えておくようにの。」
現在までに判明している組み合わせを、みんなに教える。もしかしたら、調理法でも何かが変わる可能性もあると伝えておく。要研究ってことだな、みんなの腕に期待しようか。
次の話題は、吸血兄妹と話していた食材について。それぞれが、討伐・採取で手に入れた食材を報告する。王都方面の食材話は、俺的に心躍るものがある。行ったことがないし、行く気も今のところなし。だが、食材話を聞くと欲しくなるのは必然。・・・王都食材を誰かに融通してもらうか?せっかく仲良くなったんだ、吸血兄妹に頼んでみるかね。その代わりに、森・湖の食材、または素材を渡す。ストレートに金を渡す。何かを作ってあげる。・・・その時になったら、吸血兄妹に提案してみるか。
「ティル、お前の未知なる食材ネタを話してくれよ。」
王都食材のことを考えていると、ガドルフに話をふられた。・・・ふむ、吸血兄妹に話したことをみんなに語ればいいんだな?ならば話そうか、先ほどより詳しく。
兄妹に話したように、森・湖食材について語る俺。大蜘蛛食材は美味で、ゴブ食材は食に適さないが餌や肥料になる。森には様々な野草があり、食材としても優秀。蛙食材は少し毒があるみたいだが、その毒をなんとかすれば食材として使用可。ゴブ肉の餌で魚を釣り、その魚も食材になる。生産ギルドでも、食材に関する依頼がわりとあるから見てみるのもあり。金がかかるが、場合によっては依頼を出すことも可能。など、食材に関する情報を知っている限り提供する。隠していたって意味がないし、提供した方が得になるだろう。それに伴い、俺の知らないことも耳に入るようになるし、美味な料理を食す機会が増えたりするだろう。俺が不利になること等なし、大いに知って俺を楽しませてくれよ。
大体の情報を交換したところで、
「何となく集会を開いていますが、この際ですから組織を作ってしまうのは如何でしょう?」
とギーラッハが提案してきた。
「前線組大隊みたいな感じってことか?・・・うーん、そうだなぁ。わりと回数を重ねているし、組織にした方が色々と便利かもしれないな。」
ギーラッハの提案に、ガドルフはわりと乗り気みたいだ。他の奴らも賛成っぽい、というか組織じゃなかったのか。集会しているから、既に組織化しているものかと思ったのだが。まぁとりあえず、組織結成の話し合いってことだな。・・・俺は話し合いには参加するけど、組織には入らないぞ?料理はするけど、それに全てをかける気はないからな。
まず最初に、俺は組織に入らないと言った。それを聞いたガドルフは、
「なんでだよ!ティルを頭目にしようと思ってたのに!全てにおいて、ティルを越える奴なんざいないんだぜ!?」
と言ってきた。彼曰く、俺はF.E.O料理界の始祖。俺なくして料理は、始まらなかったと言ってもいいようだ。PCに料理の力を見せ付けて、いかに料理が素晴らしいかを世に知らしめたとか。・・・そこまでやってねぇよ、と言ってやりたい。ただガドルフに力を貸して、料理を作っただけ。たまたま、ステータス上昇等の効果がある料理を作ることが出来た。食材も採取出来るし、魔物からも入手出来るとか。ガドルフと行動して、そのことが分かったわけで。言うならば、ガドルフも始祖なんじゃないの?と思う。思うわけだから、俺の考えも言うべきだな。・・・と言っても、ガドルフの言ったことを返すだけなのだが。
俺は、ガドルフが言ったことと同じようなことをみんなに言った。だが、
「でもよぉ、切っ掛けはティルだぜ?やっぱり、ティルが頭目になった方が・・・。」
ガドルフはまだ、納得しない。だから俺は、組織に入らないっつーの。顔に似合わず気弱だな、ガドルフ。
「俺にはやることがあるからな、もう一度言うが俺は入らない。それに俺よりも、ガドルフの方がリーダーに相応しいと思っている。このような集会を開けていたのは、ガドルフの人望と頑張りがあったからだ。それにお前は、料理組織のリーダーに相応しい固有を持っているじゃないか。そのスキルで、みんなを導くリーダーになれ!」
ガドルフは〈料理〉のユニーク、〈料理道〉を持っている。料理組織のリーダーに相応しいだろうさ。それに、俺は今回初めて参加したわけで。関わっていたが、ポッと出の男がリーダーになるのはダメだ。今まで引っ張ってきたのはガドルフなんだから、そっちの方がみんなもすんなり納得するだろう。
「・・・ウォォォォ・・・・・・、ティルよぉ・・・。俺・・・やるぜ・・・!・・・みんな!俺に付いて来い・・・!!」
「「「「「「「『おうっ!』」」」」」」」
ガドルフの言葉に返事をする強面達。ガドルフのことを一人一人、激励していく。感動的な光景だ、・・・俺にはだが。一般人が見たら、ビビること間違いなし。暗闇の中、火に照らされた俺達は怪しさ抜群。しかも、ほぼ強面メンバー。・・・そろそろ解散した方が、いいような気がしてきた。・・・通報されてないよな?なんやかんやで組織化が決まり、リーダーはガドルフとなった。サブはアヴ爺、俺の一言で決まったわけだ。
無事、リーダーとサブリーダーが決まったわけだが・・・、
「組織名をどうするか、だな。」
せっかくだし、名前は必要だよな。いずれは、クラン・ギルドを目指すことになると思うし。名前があった方が、存在を知らしめる上で大切だからな。名無しじゃ有名になんかなれんし、名前があってこそ輝くってもんだ。
・・・・・・・・・で、お互いに色々と案を出したわけだが、『海山』『味王』『究極会』『至高会』・・・等々。なんかどっかで聞いたことがあるような名が出てきたけど、なんともしっくりこない。うーんと考える俺達だが、
『包神会』
ジェストがホワイトボードを掲げた。・・・『包神会』ねぇ、不本意だがしっくりくる。他のメンバーもうーんと悩んでから、
「なんかこー・・・、ストンッとハマった気がするぜ!」
「フェフェフェ・・・『包神会』、良い名じゃぞぃ。」
「名は体を表すと言いますが、私達に相応しいかと思います。」
ディン・アヴ・ギーラッハは、ウンウン頷いて『包神会』という名に賛成っぽい。他の奴らも、否定しないってことは賛成なんだろう。
「反対がないってことで、俺達は『包神会』って名乗ることにする!」
ガドルフがそう言って、料理組織『包神会』が誕生した。・・・まぁ、しっくりくるわな。強面集団なわけだし、逆に似合いすぎだと思う。名がきちんと広がるまでは、絶対ヤーさんだと思われる。F.E.O指定暴力団『包神会』、PC組織初の裏組織。・・・そうならないように、各員の色々な頑張りに期待だな。
因みに俺は、『包神会』の相談役になった。協力するつもりだったからいいけど・・・。手が空いた時は全力だな、せっかくやるんだし。どうせだったら、お揃いの装備でも作ってやるか。そう俺が提案すると、色々と意見が飛び交ったが作るのは包丁に決まった。無論、タダで作って配るつもりだ。俺も相談役で一員みたいなもんだし、先行投資ってヤツだな。みんなはそれじゃあ悪いってことで揉めたが、俺にだけタダで料理を提供するってことで納得してもらった。他にも色々と作って配る予定だ。俺の生産関係の腕が上がる、みんなも良い装備で腕が上がる、料理が上達する、俺が料理を美味しくいただける、ウィンウィンだな!
ある程度決まったことで、後は酒盛りに移るわけで。滅茶苦茶盛り上がった。未成年の吸血兄妹以外は完全に酔っ払い、テンションがアゲアゲの状態で解散となった。・・・その後、暫く治安維持の為に、兵士の見廻りが増えたみたいだ。なんでも裏組織の幹部達が集まって、よからぬことを企んでいたとの一報が治安維持隊に知らされたみたいで。『ティルも気を付けてな!』と、知り合いのウエンツとヒックスに教えてもらった。・・・・・・俺達のことじゃないよな?・・・『包神会』の出だしが、よからぬ噂から始まったのであった。
【簡易ステータス】
名前:ガドルフ
種族:人間
性別:男
LV:15
【ランク】
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈身体能力向上〉〈集中〉〈食事〉〈職人の指先〉〈採取〉〈短剣〉
【固有】
〈料理道〉
【称号】
強面の料理人
料理好き
料理人を率いる者
【アーツ】
〈生産〉高速調理・下処理不要・料理量産・愛情調理
名前:アヴ
種族:人間
性別:男
LV:13
【ランク】
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈料理〉〈調合〉〈食事〉〈鑑定〉〈水〉〈採取〉
【固有】
〈研究〉
【称号】
料理研究家
汁物主義
【アーツ】
〈生産〉高速調理・グルメアナライズ
【魔法】
〈水〉ウォーターボール・ウォーターナイフ
名前:ギーラッハ
種族:魔人
性別:男
LV:15
【ランク】
〈料理〉〈調合〉〈食事〉〈集中〉〈職人の指先〉〈採取〉
【固有】
〈交渉〉
【称号】
値切りの達人
甘物好き
誠実なる者
【アーツ】
〈生産〉高速調理・精密調理
名前:ゴウト
種族:竜人
性別:男
LV:18
【ランク】
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈料理〉〈調合〉〈食事〉〈拳〉〈採取〉〈身体能力向上〉
【固有】
〈木〉
【称号】
拳で進む者
菜食主義
緑を育む者
【アーツ】
〈戦闘〉パワーストレート・ラッシュ
〈生産〉高速調理
〈補助〉芽吹きの光
【魔法】
〈木〉ホールドグリーン・マナギフト
名前:ジェスト
種族:天使
性別:男
LV:16
【ランク】
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈料理〉〈調合〉〈食事〉〈棒術〉〈火〉〈水〉
【固有】
〈無詠唱〉
【称号】
無言なる者
二属の匠
【アーツ】
〈戦闘〉打突
〈生産〉高速調理・熟成
【魔法】
〈火〉ファイアアロー・ファイアウォール
〈水〉ウォーターアロー・ウォーターヒール・ウォーターボム
名前:ディン
種族:エルフ
性別:男
LV:15
【ランク】
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈料理〉〈調合〉〈食事〉〈採取〉〈双剣〉〈集中〉
【固有】
〈味覚〉
【称号】
見かけ倒し
肥えた舌
和を好む者
【アーツ】
〈戦闘〉双牙・双舞
〈生産〉高速調理・下処理不要・毒見
名前:幻十郎
種族:ヴァンパイア
性別:男
LV:25
【ランク】
冒険者ギルド:ランクE
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈料理〉〈食事〉〈採取〉〈解体〉〈爪〉〈格闘〉〈サバイバル〉
【固有】
〈絆〉〈狩り〉
【称号】
見習い食材ハンター
見習い魔物ハンター
兄妹愛
追い込む者
【アーツ】
〈戦闘〉ネイルスラッシュ・破爪・牙爪
〈補助〉気合いため
〈戦闘〉野営調理・高速解体
名前:幻姫
種族:ヴァンパイア
性別:女
LV:23
【ランク】
冒険者ギルド:ランクE
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈料理〉〈食事〉〈採取〉〈解体〉〈突剣〉〈盾〉〈サバイバル〉
【固有】
〈絆〉〈罠〉
【称号】
見習い食材ハンター
見習い魔物ハンター
兄妹愛
嵌める者
【アーツ】
〈戦闘〉二段突き・急所突き・カウンター
〈補助〉身代わり
〈生産〉野営調理・高速解体・高速採取
名前:呂布
種族:獣人(狐)
性別:男
LV:16
【ランク】
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈料理〉〈調合〉〈食事〉〈採取〉〈杖〉〈集中〉
【固有】
〈火〉
【称号】
火が命
二心の者
胡散臭い者
【アーツ】
〈生産〉高速調理・同時調理・火力最大
【魔法】
〈火〉ファイアアロー・ファイアショット・ファイアウォール・ファイアヒール
本当にほぼ自己紹介。
本編・閑話等で料理をする際、この中の誰かと料理をする予定です。次回に料理をする時は、ジェストと何かを作る予定ですよ。
次話も閑話の予定です。早く投稿出来ればいいけど(汗




