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第33話 ~蛙の妖精と加護

暑さに負けるな、俺。



うぃうぃ~・・・(´ω`)

俺は今、危機に陥っている。依頼と素材集めの為に蛙狩りをし、多くの素材と新たなジョブを手に入れ、気分がすこぶるよかったのだが・・・。蛙の妖精っぽい幼女と出会ってしまったのだ。俺は〔蛙ハンター〕で、さっきまで蛙を大量討伐していた身。もし彼女が蛙の妖精であれば、完全に敵である。なんてったって、蛙殺しの重罪人だからだ。彼女の眷族を殺しまくったわけだからな。


さて、どうしようか・・・。このままでは戦闘になり、俺は死戻ることになるだろう。見た感じ、この蛙の妖精は羽虫とは違う気がする。まぁ、登場時からバカ全開だった羽虫と一緒にするのは失礼か。バカな羽虫とは違い、この幼女は眠そうな目をしているが、存在感がハンパない。下手に動けば殺られかねない、と感じさせてくる。これが絶対強者の風格なのか?それを考えると、羽虫の奴は大妖精のクセにショボい。剣を司るクセに、バカなオーラしか感じないダメ妖精。・・・そういえば、アイツの所へ行かなきゃならないんだっけか?面倒だよなぁ、絶対絡んでくるし。まぁ、加護をもらう為に我慢するしかないよな。まだもらえると決まったわけじゃないけど。


蛙の妖精を目の当たりにして、羽虫を思い出す俺。見た目は良いのになぁ~と考えたりしていると、



ドンッ!!



「・・・んがぁっ!」


腹に大きな衝撃が走る。俺は咄嗟に力を入れて踏ん張り、なんとか倒れることを防いだ。ダメージはそんなに高くない。それよりも何があったのかと思い腹を押さえて前を見ると、蛙の妖精が頭を突き出した状態でいた。俺はなんてバカなんだろう・・・、目の前に敵がいるのに考え事をするなんて。敵と決まったわけではないが、頭突きをしてきたってことは敵だろう。彼女の気配、存在感が更に高まる。もう戦うしかなさそうだな・・・。逃げられそうにもないからな、一矢報いる為に戦いますか・・・。


俺は鞘に収めているファルカタの柄に手を添える、いつでも斬り掛かれるように。蛙の妖精は、頭を突き出すような格好から元に戻っていた。高まった存在感を保ったまま、彼女は俺を見る。眠そうな目には、凄まじい怒りを感じる。手が、足が少し震える。これはヤバイ、これはヤバイ奴だ。・・・絶対に勝てない、俺は彼女の目を見て確信した。だが、ただでは殺られはせん、殺られはせんぞ!そう思いながら、彼女の動きを警戒していると、


「アナタ・・・失礼よ。話し掛けたのに、無視するなんて。親の顔が見たいわ・・・。」


俺を指差し、そう言ってきた。・・・・・・何なんだ一体。俺は指差す蛙の妖精を見ることしか出来なかった。


――――――――――――


・・・で俺はというと、蛙の妖精に拉致られたわけで。俺の前にはちゃぶ台があり、向かい合うように妖精が座っている。ジーっと俺を見ている。その視線に耐えることが出来ずに、周りを見回す。・・・・・・水水水、水しかない。広大な湖?に浮かぶ小さな島?に俺はいるのだ。上を見れば、なんともいえない色をした空。七色の色がぐにゃりぐにゃりと交わっており、見続けていると気持ち悪くなる。・・・・・・俺は蛙の妖精に視線を戻す。気付いたらここにいたわけなんだが・・・、


「蛙の妖精でいいのだろうか?・・・それで、ここは何処なのだろう?」


俺は耐えられずに、目の前の彼女にそう聞くのであった。


彼女はジーっとこちらを見続けるだけ。・・・なんか言ってくれよ!恐いんだよマジで!格上の相手を目の前にして、このよく分からない環境にいるのがツライ。常に心臓へナイフをを突き付けられている感覚、殺すなら殺してくれと叫びたい。・・・・・・何だかよく分からなくなってきた。ずっとこの沈黙が続くのであれば、耐えられないマジで。何でこんなことになったんだ、ただ蛙を狩っていただけなのに。彼女の眷族であったんなら、その報いとして殺られるからさっさと殺してくれ!そんな想いを乗せて、彼女の視線に合わせて睨む。睨んだのは、こうすれば怒って殺してくれるかな?ってことで。さぁ、俺を殺して解放してくれ!


そんな決意を目に乗せて、蛙の妖精を睨んで少し。彼女は頬を染めて、


「・・・そんな熱い視線向けられても困る。私、こう見えても大妖精だから身分違いの愛になる。」


そう言って目線を外し、下を見てユラユラと揺れ出した。・・・何やら恥ずかしがっている。なんだコイツ、俺の睨みが全然効かない。睨んでいるのに、何故に照れる要素があるのか?まぁそんなことはどうでもいい、これで話を進めることが出来る。


「なぁ・・・聞きたいの・・・。」


「私は雨の大妖精ニミュエ、アナタの愛に応えてあげるのもやぶさかでない。これから末永く・・・。」


「ちょっと待て・・・!」


何でそうなる!この娘なんなの!?それよりも大妖精って凄いな!しかも蛙の妖精じゃねぇし!紛らわしい格好しないでもらいたい。そんな熱っぽい顔で見られるのも困る、俺が。


「なぁ、さっきも言ったがここはど・・・。」


「身分違いに悲嘆することはない。各地に伝わる伝説でも、妖精と人が結ばれる話が多くあ・・・。」


「だから待てぇい・・・!」


「アナタと私は出会う運命だったのかもしれない。蛙を殺戮して高笑いしているアナタは、美しかっ・・・。」


「俺の話を聞けぇい・・・!」


こんな不毛?なやり取りが、暫く続いた。




何とか収拾して、話を聞くことが出来た。この場所は彼女のテリトリー、雨の大妖精ニミュエの家らしい。全然家に見えないのだが、この空間全てが彼女の家。・・・よく分からんが、凄まじい力を持つチビッ娘妖精ってわけだ。なんで俺をここに連れてきたのかは、彼女的におもてなしをしようと思ったらしい。・・・本当に分からない、ここに来る前のやり取りから何故におもてなし?おもてなしを受けるようなことをしてないし、それどころか討伐対象なんじゃないの?


単刀直入に聞いてみたのだが、彼女は蛙の妖精ではないらしい。まぁ、雨の大妖精って名乗ってたしな。ただ蛙が好きで、無駄に雨を降らして戯れていたとのこと。そして、蛙を眷族にしているわけでもないらしい。蛙は魔物だから狩って当然、戯れという狩りをするのが好きみたいだ。愛でながら狩るのがオススメと言ってきたし、なかなかに凶悪な娘みたいだな。


彼女の着ている蛙の衣装は自作で、蛙を狩り素材を集めて作ったとのこと。新作を常に作っており、素材がなくなってくると雨を降らして蛙を集める。そして大量に集めた後に、戯れながらジェノサイド。大好きな蛙に囲まれつつそれを狩る、至福の時らしい。・・・うん、この娘はダメな娘だ。危険な妖精である。好きなモノを殺して幸せって悪魔ですか!?


ちゃぶ台を挟んで、色々話す俺とケロ子。ニミュエなんて言いにくいからな、彼女もケロ子でいいと言っているし。俺も蛙装備を作る為に、蛙狩りをしていたと言うと嬉しそうに、


「私の目に狂いはなかった、・・・ティルも私の同志。蛙同盟が今、成った・・・!」


ちゃぶ台の上に立って、そう宣言するケロ子。行儀が悪いと頭を引っ叩いて、すぐに降ろしたが。


自分と同じように、蛙に囲まれつつ殺しまくる俺を見つけて、気になって話し掛け今に至ると。ケロ子はそう言うが、それだけではないような気がする。たったそれだけのことで、自分の家に俺を連れてくるもんかね?一応ケロ子は、大妖精であるわけなんだから。そう簡単に冒険者を懐に入れるのは危険、全ての冒険者が善良ではないのだから。まぁ、持論だけどね。・・・俺は悪人顔かもしれないが、善人よりだと思っているから大丈夫、・・・・・・だと信じたい。


まぁケロ子の見た目はコレだが、かなり強いと思われる。くだらない冒険者なんか、余裕で倒せるか。心配するだけ無駄かもな。だがしかし、気になるから聞いてみようか。


「同志でも何でもいいが、ホントのところはどうなんだ?それだけじゃないんだろ?ここに連れてきた理由。」


「・・・ん、それだけじゃない。アナ・・・ティルから姉妹の匂いがする、だから招待した。」


俺から姉妹の匂い・・・だと?姉妹っていうからには、凄い大妖精ってことだよな。凄い大妖精・・・会ったことあったっけ?自称大妖精っていうか、一応凄い大妖精である羽虫なら知っているけど。確か水の女神の末娘ってことになっているんだっけか?末娘ってことは姉がいるんだよな、それとも兄か?うーむ・・・、


「羽虫・・・なら知っているが。えーと・・・ニ・・・ニヴィアンだっけ?アイツ。」


確かそんな名前だった筈だな、羽虫は。ケロ子の反応を見てみる。


「・・・・・・・・・。」


反応がない、違うのか?・・・なんて思っていたが、


「・・・一番下の穀潰しに出会ってしまったの?・・・それは大変、今すぐ浄化しないとカスになってしまう。」


そう言うのと同時に、ケロ子が引っ付いてくる。動物がマーキングするが如く、・・・鬱陶しいな。俺はケロ子の襟首を掴んで、引き剥がす。それでも引っ付こうとするケロ子。・・・羽虫に似てるな、ダメな感じが。・・・まぁそれにしても、穀潰しにカスか。姉にそう言われる羽虫は、ホントにダメな奴なんだろうな。




しかしなんだろうな?道筋はどうあれ、大妖精二人と知り合ってしまった。別に特別なことをしているつもりはないんだがな、やっぱりLUKが影響しているんだろうな。まぁ刺激があって楽しいからいいんだけど。ケロ子と話をして思い出したが、羽虫の所へ行かなきゃならないんだっけか。・・・冒頭でも言っていたような気がするけど。何にしても面倒だが行かなきゃなぁ、行かなかったら更に面倒なことになりそうだし。雨が止んだら行くとしよう。・・・ディーバ師匠も連れていった方がいいかな。行きたがってたし、ヘッポコ同士なんだかんだで仲良くなってたし。


「なぁケロ子、雨っていつまで降らす予定なんだ?」


「・・・ん、後三日は降らす予定。降らす時に降らさないと水不足で大変。・・・なんでそんなことを聞く?」


雨が止んで予定がなければ、羽虫の所へ行こうかと考えているってことをケロ子に話した。


ケロ子は俺を見て、


「・・・ん、ゴミ虫の所には行った方がいい。行かなかったら本気でしょーもないことになる。」


今度はゴミ虫か、・・・羽虫の奴は何をやらかしたんだ?姉の評価最悪だぞ。それにしょーもないことってなんだ?羽虫のすることだから、たかがしれてそうだが・・・。それに来なきゃ呪うって言ってたし、・・・その呪いがしょーもないことなんだろうな。・・・ニマニマ笑って引っ付いてくる羽虫を想像、ブルッと寒気がした。羽虫がいつも一緒にいる呪い、そんな呪いだったらこれほど恐ろしいモノはない。バカになってしまう、皆が哀れむバカに!しょーもないけど、恐ろしすぎる呪いだ。ケロ子も行った方がいいと言っているし、・・・暇を見つけて行こう。なるべく早くな。


ケロ子との蛙談義は、なかなかに面白かった。何処にどんな蛙がいるだとか、何が弱点だとか、こうすると良い素材が手に入るとか色々とな。今日、聞いた話は他の魔物でも対応出来そうだ。魔法での討伐も色々と聞いたから、魔法ギルドでの依頼も受けてみようかね。魔法の練習という名の熟練度上げ、ギルドランク上げってことで。金もだいぶ貯まったから、新しいスキル・魔法を買うのもいいな。・・・アーツも買えるんだっけ?なんかやりたいことが色々あって、何をするか考えるのが大変だ。・・・さて、そろそろ帰ろうかね。いつまでもここにいるわけにはいかない。


「ケロ子、そろそろ帰ろうと思うんだが・・・。」


「・・・ん、もう帰るのか?・・・色々と話せて楽しかった、また来る。・・・とその前に。」


ケロ子が俺の方に手を向けて、何かを呟いている。なんだかなぁ~と思った矢先、俺の視界は目映い光に塗り潰された。


「あぁ・・・!?目が、目がぁぁぁぁぁっ!!」


二回目の目潰し、今回は光に視界を潰されただけだが。




強烈な光によって目を潰された俺は、未だに視界が回復せず。ケロ子め、なんてことしやがる!と心の中で叫びながら悶え苦しむ。そんな俺に、


「・・・ん、久々だから加減が分からなかった。今、治す。」


ケロ子が謝りつつ、回復魔法?を唱えて治してくれる。視界が回復した俺は、軽くケロ子の頬を引っ張る。


「人様の目に光を浴びすな!どこかの宇宙戦艦の巨砲を食らった提督の気分を味わったぞ!」


「・・・ん?巨砲は分からないけどごめん、・・・今度から気を付けるから許して?」


反省しているようだから許す!ネチネチ責めるのは嫌いだからな。


つーか、さっきのは一体なんだったのか?ケロ子に聞いてみた。


「・・・ん、ティルと私は同志になった。だから、私の加護の一つをあげる。ティル、紋章球持ってる。・・・クズ虫より先、悔しがる姿が目に浮かぶ。・・・いい気味、ケロケロケロ♪」


流石は大妖精、俺が紋章球を持っていることを知ってたか。羽虫からもらったようなものだし、知ってて当然かな。それよりも加護か・・・。本当だったら苦労して入手するものなんだろうが、なんか簡単に入手したな。まぁラッキーってことなんだろうな、うん。


とりあえず、どんな加護だろうか?早速チェックだな!ギルドカードをスクロールして・・・。お、あったあった。どのようなもんかな?っと。


〔恵みの加護〕雨の大妖精・ニミュエより与えられた加護。雨は恵み、農業関係で+補正される。(成長促進・品質上昇・採取数UP・土壌最高評価永続)


おー!この加護があれば、農業無双が出来るな!目指せ、最高の農夫!!・・・って何でやねん!全く意味がない加護じゃないか!現時点でスキルも何もないよ!


「なぁケロ子、・・・なんでこの加護?」


「・・・ん、私は雨の大妖精。恵みを司る、だからこの加護。ティル、土いじりと相性がいい。・・・これを機に農業をする。」


ケロ子は恵みを司っているのか、なら仕方ないな。・・・それよりも、俺は農業と相性がいいのか。・・・・・・せっかくケロ子がくれた加護だし、スキルを買って農業でもするか。丁度よくゴブ肉一杯あるし、肥料に加工出来るんだったよな?・・・いや、加護の効果で肥料いらずになるのか?・・・・・・っと、イカンイカン。スキルもないのに考えたって意味がないじゃないか。考えるのは、スキルと畑をGETしてからだな。


今の俺には意味がないが、加護は加護。生産者でもある俺には、ありがたい加護になるだろう。故に、礼を言わねばならないだろう。


「加護、ありがとなケロ子。言われた通り、農業でもやってみるよ。」


「・・・ん、礼には及ばない。」


ケロ子はどちらかというと、無表情に近い。だが今は無表情ながら、嬉しそうである。・・・そうだ、せっかくだしこれをやるか。拉致られたようなもんだが、家に招待してくれたことと加護の礼だな。ボックスから傘を取り出し、ケロ子に手渡す。ケロ子はキョトン、としている。


「・・・ん、コレ何?傘?」


「俺が作った蛙傘だな。大妖精のケロ子には物足りない物だろうが、礼として受け取ってくれ。」


俺の傑作だが、ケロ子には物足りない物だと思う。俺が礼として渡せる物は、この傘ぐらいしかないな。我慢してもらおう。まぁ自分用に作った傘だが、PC冒険者的に強力な武器。んで、俺に似合わずなかなかに可愛い傘だ。武骨な傘にしようかと思ったのだが、何も考えずに作ったらファンシーになったんだよね。・・・俺が持つより、ケロ子が持った方が似合うと思うからな。


ケロ子は傘を開いたり閉じたり、閉じた状態で振り回したり突いたり、何やら確かめている。そして何やら頷いてから、こちらを見る。


「・・・ん、なかなかにいい。大事に使わせてもらう、ありがとう。」


無表情ながら、ウキウキ気分が溢れている。喜ばれたようで安心した。物足りなかったら、自分で手直しするだろう。


「それじゃあ俺は帰るぞ。・・・じゃあな。」


ケロ子に背を向けて、一歩進んで立ち止まる。広がるのは水、・・・出口は何処だろうか?再びケロ子に向き直り、


「出口って何処ですかね?」


俺はそう言った。・・・じゃあなと言った出前、格好悪いな。


――――――――――――


気付いたら、ケロ子と出会った場所にいた。うつぶせで水溜まりの中に・・・。レインコートが意味を成さない、ズブ濡れだ。それに俺を見たら、行き倒れの行商人だ。・・・ケロ子よ、もうちょっと考えて送ってくれよ。これはあまりにも酷いじゃないか、無言で立ち上がる俺。・・・せめてもの救いは、この状態時に魔物から襲撃されないでよかったってこと。たぶん、数分はこの状態だったと思うんだよね。ケロ子、魔除けの結界でも張ってくれたのかね?まぁ結界はいいとして、もう少しまともに送ってくれよと改めて思った。ズブ濡れだから今日は帰るか、素材も沢山手に入れたし。・・・依頼も達成しているから、先にギルドだな。俺は走って街に戻った。その帰り道に、魔物と遭遇することはなかった。やっぱり魔除けかね?まぁ楽に帰れるからいいけど。




街に戻った俺は、すぐさま冒険者ギルドへ。いつものように、フィオラさんの元に行く。


「依頼完了したから、確認と手続きをしてくれ。後、大きな声を出さずに冷静に。」


「・・・・・・何かありましたね?開口一番でそう言われるってことは・・・。」


片眉を上げて、こちらを見るフィオラさん。俺は視線を逸らして、ギルドカードを渡す。俺が悪いわけじゃないし、向こうから来るし。そう思いながら、チラチラとフィオラさんの様子を見る。


「特に問題はないように思えますが・・・。ジョブが増えて・・・・・・、あ・・・!!」


何かに気付いたようだ。・・・加護に気付いたんだろうな。


「紋章球を手に入れて間もないというのに、・・・貴方は・・・。称号も増え・・・・・・!」


ん~・・・?称号、増えてた?確認してないから、分からなかったな。ワナワナと小刻みに震えるフィオラさん。ヤバイ称号でもあったんかね?


ヤバイ称号なんかないと思うんだがね。蛙狩りをしてジョブが増えて、ケロ子と出会って加護をもらったぐらい。なんの問題もないっしょ、大妖精と知り合ったぐら・・・・・・あ、


「・・・・・・〔ニミュエの同志〕ってなんですか?ニヴィアン様だけではなく、ニミュエ様とも・・・。」


俺にだけ聞こえる小さな声で、そう言ってきたフィオラさん。信じられないモノを見る目だ、・・・まぁそうなんだろうな。立て続けに大妖精と仲良くなる奴なんていないだろうね。うん、俺がフィオラさんの立場だったら同じ反応をするだろう。何はともあれ、


「・・・フィオラさん。こんな俺だけど、今後ともヨロシク。」


「・・・・・・はい、こちらこそよろしくお願いします。ティル様に出会ってから、本当に色々ありましたが改めまして、ティル様のご活躍を期待させていただきます。・・・今更ですものね、ドンと来い!って感じです・・・もう。」


フフフ・・・と互いに含みのある笑みを浮かべる。二人の不穏な雰囲気に、NPC・PCの冒険者達が遠巻きに様子を窺っていたことを二人は知らない。


その後、平常運転に戻った俺達は今後について話す。


「加護を入手されたわけですが、ティル様はクランを結成するのでしょうか?」


「んー・・・クランかぁ・・・。」


そういえば、紋章球持ちで加護も手に入れたな。その二つがあれば、クラン結成時に人が集まりやすいんだっけか。ないよりもあった方がいいんだったな、確か。・・・せっかく加護を手に入れたわけだからな、クラン・・・か。


「そうだな・・・考えてみるよ。それに、羽虫んとこにも行く予定だからその後にでも。」


羽虫んとこに行くからな、そん時に加護がもらえる可能性がある。もらえないにしても、その後にどうするか考えよう。気持ち的に結成してもいいかな、とは思っている。とりあえず、メンバー一人は確保しているしな。


「・・・そういえば、そのようなことを言っていましたね。・・・有望すぎるクランになりそうですね。」


有望になればいいね、確かにさ。そんな話をして受付が終わり、俺はギルドを後にした。




・・・で宿に戻った俺は、体調を崩す前に風呂に入った。くまさんの宿り木には風呂があり、ありがたいことにいつでも入っていいのだ。F.E.Oでも入浴が出来るって凄いよな。それと同時に、シグルゥって何者?っと思ってみたり。


一風呂浴びた俺は、シグルゥから受け取っていたバスローブを着て、カウンター近くのテーブル席に座る。それを見計らってか、シグルゥが飲み物を持って調理場から出てきた。


「スッキリした?お風呂上がりには、このミルキーを飲むといいよぉ。」


ミルキーとは、この世界の牛乳だ。風呂上がりの牛乳・・・たまらんな!


「あぁ、もらうとしようか。」


受け取ったミルキーを、腰に手を当てて一気に飲み干す。風呂上がりに飲む物は、このポーズで飲むのが俺の美学だ。・・・うーん、美味い!


一服した俺は、シグルゥに質問をする。シグルゥの奴、色々と知っているからな。大体のことは知っている博識な奴だ。


「農業をしたいんだが、畑って何処で手に入るのかね?」


農業するにもまずは畑、シアルの街で手に入るのか分からんからな。


「へぇ、ティル君は農業をやりたいんだ。・・・んー、そうだねぇ。・・・シアルの街で畑を入手するのは難しいかな。畑に出来る土地が最近まであったんだけどねぇ、全部売れたみたいなんだよねぇ。」


なんと!?つい最近までそんな土地があったのか。・・・たぶん買ったのはPCだな。農業に手を出す奴がいたか・・・。


「この街には無いけど、王都から東にあるタニア村なら、安く入手出来ると思うよぉ。ついでに牧草地もあるから、畜産も出来るよぉ。」


タニア村かぁ・・・。ずっとこの街を中心に活動してたけど、そろそろ遠出するのもいいかもな。うーむ・・・、


「更についでだけど、南のリアル公国で開拓村の労働者を募集しているみたいだよぉ?上手くいけば、土地がもらえるかもねぇ。行ってみる価値はあるんじゃないかなぁ。」


別の国か・・・。


色々と考えた結果、近々リアル公国へ行くことにした。羽虫に会ってからだけど。聞くところによると、リアル公国は従魔が盛んらしい。なんでも従魔騎士団という公国の騎士団があるとかないとか。そう聞くと是非にでも行きたいと思ってしまう。基本ソロで活動する俺も、そろそろ相棒が欲しいと思っていたし。魔物を連れての冒険、いいかもしれない。うーん、やりたいことが多すぎて困るな!

【ステータス】

名前:ティル

種族:人間

性別:男

LV:47(+3)

HP:600/630(+30)|600/680〔+50〕

MP:350/470(+50)

STR:184(+13)/259〔+75〕

DEF:152(+5)/307〔+115〕

INT:112(+10)/114〔+2〕

AGL:155(+15)/160〔+5〕

DEX:215(+21)/239〔+24〕

MED:134(+9)/179〔+45〕

LUK:210(+60)/229〔+19〕

【SP】:210(-5)


【ランク】

冒険者ギルド:ランクE+

生産ギルド:ランクD

魔法ギルド:ランクE


【ジョブ】 NEW!

ファースト:雨賊〔HP+50・STR+15・AGL+10・DEX+15・LUK+5〕 NEW!

セカンド:無職 NEW!


【スキル】

〈短剣〉LV21(+15)〈喧嘩殺法〉LV59(+5)〈脚力〉LV20(+6)〈乱戦〉LV19(+7)〈不屈〉LV40(+5)〈解体〉LV18(+14)〈剣速〉LV9 NEW!〈必殺〉LV7 NEW!〈耐毒〉LV3 NEW!〈俺流鑑定眼〉LV5 NEW!


【控えスキル】

〈鍛冶〉LV48(+3)〈裁縫〉LV50(+5)★〈装飾〉LV35(+5)〈細工〉LV36(+6)〈織物〉LV28(+9)〈調合〉LV43(+1)〈木工〉LV22(+4)〈付与〉LV27(+3)〈刻印〉LV3(+1)〈投擲〉LV33〈光〉LV40(+3)〈闇〉LV31〈槍〉LV17〈連携〉LV16(+1)〈釣り〉LV18〈採取〉LV37〈採掘〉LV9〈素登り〉LV12〈運搬〉LV16〈食事〉LV20(+1)〈料理〉LV29〈威圧〉LV3 NEW!


【固有】

〈俺流〉LV44(+1)〈呪い〉LV13(+1)


【加護】

恵みの加護


【称号】

職人達の弟子

ユニークを狩りし者

商人冒険者

切り裂き魔

俊英

無法の料理人

邪笑の冒険者

スキル収集家

職人冒険者

魔を釣る者

ニヴィアンの友

邪の敵対者

蛙ハンター NEW!

最初の就職者 NEW!

ニミュエの同志 NEW!

加護を受けし者 NEW!


【PC冒険者からの二つ名】

三巨頭

規格外 NEW!


【装備】

軽鉄のファルカタ〔STR+47・AGL+5・DEX+6・LUK+3〕

ライトベンダーセット〔STR+13・DEF+117・INT+2・DEX+3・MED+5・LUK+11〕

ケロケロレインコート+3〔DEF+27〕

丈夫な背負袋〔DEF+11・AGL-10〕


【アーツ】

〈戦闘〉地ならし〈戦闘〉ぶん投げ〈戦闘〉身代わりの盾〈戦闘〉飛槍蹴〈戦闘〉跳断 NEW!

〈生産〉糸化〈生産〉生産加速


【魔法】

〈光〉ライトアロー〈光〉ライトショット〈光〉ライトウォール〈光〉ライトランス〈光〉ライトブースター

〈闇〉ダークアロー〈闇〉ダークショット〈闇〉ダークウォール〈闇〉ダークランス


【アイテムボックス】

ティルの紋章球・シアルフロッグの皮×80・シアルフロッグの腹皮×62・シアルフロッグの油皮×28・etc


【所持金】

5,256,000G



蛙の妖精は羽虫の姉で大妖精だった。同じく性格に難ありって感じですかね。


従魔に動く可能性が出てきました。


この先どうなるか?作者にも分かりません!行き当たりばたーりなんで!(爆

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