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第16話~エイミーさんと大盾作り

ボケっとしていて投稿遅れました。


宣言通り、生産回です。


今日も勢いのままに!

今日の俺は朝から生産だ。Junさんからの依頼があるからな。彼女達から預かった鉄鉱石をあるだけ、鉄のインゴットに変えている。それをひたすら叩きまくって鍛錬し、大盾を作っている。めちゃくちゃ疲れるよコレ!腕がツリそうになるわ!ヒーヒー言いながらとりあえず一つ、大盾を作った。まだ、完成はしていないけどな。フーッと息を吐き、椅子に座ってグッタリしていると、


「お待たせしました!ティルさん、お手伝いします!」


遅れて登場のエイミーさん。・・・そうだよ彼女がいたじゃないか。


「やぁエイミーさん、待っていたよ。お言葉に甘えて手伝ってもらおうかな。」


エイミーさんも犠牲になってもらおう。大盾作りという苦行の犠牲にな!俺は女だからといって加減はしない。


「・・・・・・なんかティルさんから不穏な気配を感じます。今日はお手伝い無しという方向でいきましょう!」


クルリと背を向け、出ていこうとするエイミーさんの肩を掴む。


「職務放棄は感心しないぞエイミーさん。さあ、共に苦しもうじゃないか!」


「いーやー!!苦しみたくないですぅ!!」


逃がしはしねぇよ!大盾あと二つ!二人なら、少しは楽なハズだ!




・・・そうでもなかった。なんとか二つ作ることが出来たが、俺とエイミーさんはボロボロだ。俺は壁にもたれ掛かり、地べたに座りこんでいる。エイミーさんは椅子に力なく座っていて、目に光がない。大盾を一人で三つ作っていたら、・・・って考えるだけでゾッとする。だが、まだ完成ではない。削る所は削って、工夫出来る所は出来る限り工夫する。納得する物が出来て初めて、完成といえるのだ。頑張れ俺!


「・・・もう少し、休憩しよ。」


気合いを入れても、体が悲鳴をあげてます。無理はダメだな無理は。しばらく、ボーッとしていた俺とエイミーさんなのでした。




さて、休憩はもういいだろう。俺は立ち上がり、大きく伸びをする。


「私はまだしんどいので・・・、もう少し休ませてください。」


エイミーさんは疲労回復しきれていない様子。まぁ、加減しなかったからな。存分に手伝ってもらったワケで、


「エイミーさんに無理をさせたのは俺だからな。ゆっくりしていてくれ。」


彼女には休息が必要だ。仕上げは俺一人で頑張ろうじゃないか。




どのように大盾を仕上げようか。聞くところによると、アルマージの弾丸タックルは坂を転がって勢いづいた体当たりのこと。たまに石などで飛び上がってくるらしいが。・・・ということで、地に立て掛けて守ることが出来る長方形型の大盾にした。内側にはスライムの核を加工し、全体的に張り付ける。多少の衝撃なら吸収出来るだろう。んでその上から、鞣したウサギの毛皮を張る。これで持ち手の負担も軽減だな、たぶん。最後にウサギの皮で作ったベルトを数ヵ所に付けて、


〔鉄の大盾+2〕持ち手のことを考えて作られた鉄製の大盾。重量があるため、力の無い者は装備することが出来ない。DEF+23(特殊効果:STR20以下装備不可・衝撃吸収:弱・吹き飛ばし耐性)【製作者:ティル】


・・・が出来た。自分でいうのもなんだが凄くね?ヘタな防具一式よりDEFが高いんだが。その分重いから、装備出来る人が限られるのだがね。衝撃吸収したらいいなぁ程度で工夫したが、衝撃吸収:弱が付きました。ついでに吹き飛ばし耐性まで。コレ、量産して売ったら、俺の財布が凄いことになるんじゃないか?・・・・・・ダメか、他の生産者に迷惑がかかるな。この間の露店で騒ぎになったし、滅多に売らないと公言したようなものだ。当分は様子見して、状況次第で売り出そう。前線組に渡すから広まるだろうけど、売ったわけじゃないから大丈夫だよな?あ、そうだ。Junさんに大盾の一つが出来たと報告しよう。性能がアレだからな、確認してもらってOKだったら、同じ物を二つ仕上げればいいだろう。三つ仕上げてダメでしたはキツイからな。手直しは面倒だし・・・。




そんなわけで、Junさんにウィスパーチャットで報告したところ、


『今からそちらに向かいます。現物を確認したいので・・・。あと、ティルさん初見の者を一人、同行させてもいいですか?』


『構わない。大盾を装備出来る奴を連れて来るんだろ?』


『はい、その通りです。盾スキル持ちの意見も交えた方が、いいかと思いまして。』


『だな、それじゃあ待ってるよ。』




Junさんとスキル持ちが来ることになった。とりあえず、未完成の大盾と素材をまとめておいて・・・っと。あとは、


「エイミーさん、ここに依頼人が来るんだが・・・。」


手足を投げ出した状態で椅子に座るエイミーさんに声をかける。


「ああ・・・私のことはお気になさらずに・・・。」


今だ回復せず。気にするなとは言うものの、俺は言わねばならないことがある。


「・・・エイミーさん、言いにくいのだが。・・・見えているからせめて、足は閉じようか。」


エイミーさんのスカート丈が短い。故に、そんな格好で座っていると角度的に見えてしまうのだ。作業に没頭していたため、俺もさっき気付いたんだがね。これが妹なら、頭をひっぱたいて注意するところだ。・・・・・・俺も男だから眼福でしたよ。思わず二度見・・・っとイカンイカン。えーとエイミーさんは、


「・・・・・・ほぇ~。」


頭が回っていない!気を抜きすぎだ。


「仕方ない。」


俺は鞣しておいたウサギの毛皮を、ブランケットのように膝上にかけた。名残おし・・・いやいや、これでよし!今度からは、エイミーさんに無理をさせないようにしないと。




そんなこんなで、Junさんと初見の男がやって来ました。


「初めましてだな。俺はザッシュ、よろしく頼む。」


彼が前線組の盾使い筆頭らしい。今だ装備が充実していない中で、コイツは自身の筋肉が鎧ですと言わんばかりの大男だ。・・・どうでもいいか。


「あら?エイミーさんはお休み中みたいですね。」


Junさんが、毛皮をかけて椅子に座っているエイミーさんを見てそう言った。俺もそっちを見るといつの間にやら、彼女は涎を垂らして眠っていた。


「大盾を作るにあたり、エイミーさんも頑張ってくれたからな。そっとしておいてくれ。」


「そうですか。では後日、彼女にお礼を言わねばなりませんね。」


なんて話しているとザッシュが、


「おっ!コイツが依頼したという大盾か!?」


「あっ、何を勝手に・・・!」


なんか勝手に物色しているし。それを見たJunさんが咎めようとしていたが、


「別に構わないよJunさん。ご察しの通り、それが大盾だ。」


Junさんを止め、ザッシュにそう言った。そしてザッシュは、


「んじゃ早速、確かめさせてもらうぜ。」


「ああ、頼む。俺としては良い出来だと思うが、盾使いとしてはどうかな。」


大盾を持ち、腕に付けてみたり、構えてみたりと色々し始める。しばらくして、


「いいなコレ!ベルトが数ヵ所に付いているから、状況に応じて構え方を変えられるのがいい!しかも毛皮付きだから、肌触りも良くて負担もあまりなさそうだ!!」


うひょーっ!てな感じで喜んでいる。そして大盾をマジマジと見ている。たぶん、大盾の性能を見ているのだろう。


「ぬぉっ!?Junから聞いてはいたが、性能が凄いな!STR20以下は装備不可のデメリットなんてかすんじまう!現時点では最強の盾じゃねぇかよ!」


目を剥いて、更に興奮するザッシュ。うぉっ!いきなりこっち見た!


「後の二つもコイツと同じ性能で頼まぁ!Jun!俺は報酬金を払うぜ!これ程の盾を、素材を渡したからチャラなんざ、ティルに失礼だぜ!」


良い奴じゃないかザッシュ。俺を評価してくれているのが素直に嬉しい。


「・・・ですね。衝撃吸収:弱・吹き飛ばし耐性が付いて、DEF+23は予想以上ですからね。とりあえず、貴方を含めた三人からと私から報酬金を出しましょう。」


「当然だな!コイツが手に入るなら、金はいくらでも出すぜあの二人は!!」


二人で何やら話がまとまった様子。Junさんがこちらに向き直り、


「ではティルさん、ザッシュが言ったようにあと二つも、この大盾と同じように仕上げてください。」


「了解、夜までに仕上げる。・・・あー後、その盾は持っていけよ。実戦で使ってみてくれ。」


「助かるぜ!明日か明後日に、山攻略に乗り出そうって話だからな!早速アイツらと実戦でコイツの性能を試してくるぜ!」


緑の服着た兄さんみたいに盾を頭上に掲げたまま、作業場を飛び出して行った。流石はマッチョ、あの状態で走り去るとはな。


「すみませんティルさん。ザッシュは普段、冷静な方なんですけどね。あんなにはしゃいで・・・。」


「いや、俺は嬉しいよ。作った盾を見て、あんなに喜んでくれたんだからな。」


「ティルさんは間違いなく、現トップ生産者ですからね。そうそう手に入らない物ですから、手に入れることが出来たなら誰もが喜びますよ。」


「そんなもんかねぇ。」


「掲示板見ませんもんね、ティルさんは。」


へー、俺の評価って高いんだ。


「では、私はこれで失礼しますね。長話をしては、仕事の邪魔になりますから。」


「ん、そうか。それじゃあ夜に。」


Junさんの良いところは去り際の鮮やかさだな。見送りながら、そう考えていた。




見送ったあとは、残り二つの大盾を仕上げた。出来は最初と全く同じだ。より良くしようかと思ったが止めておいた。少しの差も不和の原因になりかねないからな。夜まではまだ、時間がある。投擲薬と自分用の何か、作るとしますかね。・・・エイミーさんはまだ夢の中、職務中なのだが今更か。もう少し、眠らせておこう。




作ったのは投げナイフ200本。多くあるにこしたことはない。大量生産なんか慣れたもんだ。〈鍛冶〉LVも高くなったし、そんなに時間はかからない。性能も良くなったしな。


〔鉄の投げナイフ+3〕自分に合ったバランスの鉄製投げナイフ。STR+6【製作者:ティル】


自分に合った改良が出来るのが、生産者の強みだよな。それと新しい武器も作ってみた。


〔鉄の手槍+1〕投擲用に作られた鉄製の短槍。STR+9【製作者:ティル】


貫通力のあるコイツなら、草原モンスターなら一撃で殺れるだろう。使い方次第じゃあ、山トカゲもいけるな。今度、試してみようか。いずれは飛刀とかも作ってみせる。ククク・・・夢が広がる。後はもっと、素材が集まったら考えよう。それにしてもヤバイ、楽しすぎる。俺は鼻歌を口ずさみながら、作ろうと思う物のサンプルレシピを考えながら夜を待った。




夜になり、Junさんとザッシュが来た。


「おー、来たか。大盾は出来ているから持っていけ。」


俺は素材別に整理しながら、大盾を指差しそう言った。


「ありがとうございますティルさん。」


Junさんは律儀に頭を下げる。ザッシュの方は大盾に飛び付いているな。


「実際に装備して戦ってみたが、予想通りの逸品だった!ノーシュリザードの奇襲も余裕で弾いたぜ!コレならアルマージの体当たりから味方を守ることが出来る!」


それを聞いて安心した。よかったよかった、これでノーシュ山攻略が進むな。


「これが依頼に対する報酬です。」


「すまないな、ありがたく貰うよ。」


Junさんから報酬を貰った俺は、投擲薬を渡した。


「コイツを攻略に役立ててくれ。」


「これはありがたいですね。・・・ティルさんに良い報告が出来るよう、頑張ります。」


「絶対に山を制圧してやるぜ!」


ノーシュ山攻略の目処が立ったためか、二人はテンション高めに帰っていった。王都に行ける日も近いな!俺は今だ起きないエイミーさんを、他のギルド職員に託し、ギルドを出た。明日はまず、冒険者ギルドに行くとしよう。登録してから一度も行ってないからな。宿に戻ってシグルゥと軽くじゃれた後、俺はログアウトをした。

ステータス

名前:ティル

種族:人間

性別:男

LV:12(+2)

HP:150/150(+10)

MP:90/90(+10)

STR:34(+5)/80〔+46〕

DEF:24(+2)/67〔+43〕

INT:23(+2)

AGL:30(+6)/49〔+19〕

DEX:51(+4)

MED:25(+3)

LUK:33(+4)

【SP】:55(+10)


【ランク】

冒険者ギルド:ランクE

生産ギルド:ランクE


【スキル】

〈鍛冶〉LV24(+6)〈裁縫〉LV22(+2)〈調合〉LV19(+3)〈採掘〉LV9(+8)〈採取〉LV10(+7)〈鑑定〉LV20(+4)


【控えスキル】

〈投擲〉LV10(+2)〈喧嘩殺法〉LV16(+3)〈光〉LV4(+1)〈闇〉LV4(+1)〈不屈〉LV5(+3)〈装飾〉LV14〈木工〉LV7


【固有スキル】

〈俺流〉LV21(+4)


【称号】

職人達の弟子

ユニークを狩りし者

見習い商人

切り裂き魔


【装備】

鉄の投げナイフ+3×200〔STR+6〕

ラビットレザーセット改(特殊)〔STR+28・DEF+40・AGL+15〕

草原狼の首飾り〔STR+12・DEF+3・AGL+4〕


【魔法】

〈光〉ライトアロー

〈闇〉ダークアロー


【アイテムボックス】

投げナイフ×61・鉄の手槍+1・投擲ポーション×20・投擲マナポーション×20・ツルハシ×1・etc


【所持金】

1,095,550G



ティルも男です。とりあえず、見ちゃいます。



次話ではお待ちかねのドM美女が出る予定です。挙げられた意見を参考に美女を書きますが、期待に添えなかったらごめんなさいね。

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