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第10話~ギルドへ

その場のノリで執筆中。

翌日、俺はヒックス達から貰った地図を頼りにギルドを目指していた。宿の自室で装備を修繕しようとしたが傷みが酷く、携帯職人セットでは直せないと判断。ならばきちんとした作業場で修繕しようと思い立ったのだ。宿のカウンターでヘタっているシグルゥに聞いたところ、


「ギルドに行けば借りることが出来るよぉ。」


とのことなので俺はシグルゥに一応、礼を言って宿を出た。・・・親方の所に行けばいいだろってか?ダメダメ、そんな所に行ったら修行とか言って雑用をやらされる。当分は行かないと決めたのだ。お、ギルド発見伝。


――――――――――――――――――――


ギルドの中に入るとかなり賑わっている。一応、説明するとこのギルドは総合ギルドというらしい。冒険者ギルド、生産ギルド、魔法ギルド、この三つのギルドの集合体だ。簡単にいうと役所みたいなものだな。シグルゥ曰く、他にもギルドがあるみたいだが何処にあるのかわからない。見付けるには条件があるのかねぇ。因みに三つのギルドも個々に居を構えているらしいよ。やはり何処にあるのかわからないが・・・。とりあえず、作業場を借りるとしますか。俺は生産ギルドエリアの受付に向かった。




五つある受付の中で女の子とイケメンが担当する四つは盛況だ。ハゲ親父担当の受付は誰も並んじゃいない。意味わからん。そんなに女の子とかイケメンとかと話したいのかね?まぁ、他人なんかどうでもいいか。んで、俺はハゲ親父の受付に行った。


「親父さん、作業場を借りたいんだが空いているか?」


「おお、空いているぞ。使用には当ギルドカードが必要になる。見せてもらえるかい?


「いや、持ってないな。」


「うん?そうか。ならギルドカードを作るか?そんなに時間は掛からんぞ。」


「頼む。」


「そうかい。んじゃ、この水晶を触ってくれや。必要な情報を読み取るもんだから、危険じゃねぇぞ。」


「了解。・・・これでいいか?」


カウンターに置かれた水晶を手で触れる。すると水晶が淡く光る。その光はハゲ親父の持つカード?の中に吸い込まれていく。そして、全ての光がカードの中に消えた。


「よし、これでお前の情報はギルドカードに記録された。情報に間違いがないか確認してくれ。」


「あいよ。」


手渡されたギルドカードを見ると俺のステータス、スキル、称号が表示されていた。お、なんだこの矢印は・・・。矢印を触ると更に情報がスクロールされる。なんかスマホみたいだな。自分が今まで何を作ったのか・・・とかも記録されるのか。


「間違いとかあったか?」


「いや、ないな。・・・このカード凄いな。」


「おう、自慢の一品だぜ。我が生産ギルドと魔法ギルドの合作だな。」


「へぇ、合作か。凄いハズだわ。」


確認を終えた俺はギルドカードをハゲ親父に返した。


「じゃあ、こっちでも登録のために情報確認させて貰うぜ。」


ハゲ親父はゆっくりと情報確認をしていき、手元の水晶板?を操作している。そして・・・


「ほぉ・・・職人達の弟子という称号を持っているのか。お前、将来有望な生産者になりそうだな。えーと・・・お前が師事する職人達は・・・。」


・・・ハゲ親父の動きが止まった。


「武器職人バルト、防具職人アダン、アクセサリー職人ワイズマン、アイテム職人ディーバ・・・シアルの上級職人達じゃねぇかよ。」


ハゲ親父は何やら少し考えたあと、


「お前、アイツ等の弟子なら総合ギルドじゃなくて、生産ギルドシアル支部で生産に励んだ方がいいんじゃねぇか?設備も良いしよ。どうする?」


む、何処にあるのかわからない生産ギルドだと・・・


「この総合ギルドは初心者の教育用ギルドみたいなもんでね。お前は上級職人の手解きを受けて認められている。所持している生産スキルもLV10を超えているし、生産も多くこなしている。もう、初心者とは呼べないわな。」


うむ、あのしごきに耐えたんだから初心者ではあるまいよ。


「だからよ、お前には良い設備で腕をみがいて欲しいわけだ。そんで、この提案。・・・どうよ?」


俺的に急展開な訳だが、断る理由がないな。


「んじゃ、それで頼む。」


「おっし、じゃあ手配するぜ。」


ハゲ親父は水晶板を操作したあと、受付を閉めた。


「生産ギルドシアル支部に案内するぜ。」


俺達のやり取りが聞こえたのであろう数名の冒険者がこっちを見てきた。が、俺は気にせずハゲ親父と共に総合ギルドを出た。


――――――――――――――――――――――


そして俺は今、生産ギルドシアル支部の受付にいた。ハゲ親父は後のことを受付の女の子に任せ、俺に軽く挨拶をして帰って行った。そういえば、ハゲ親父の名前知らないなぁーと思っていたら、


「はじめましてティルさん。私は本日付でティルさんの担当になったエイミーと言います。未熟者ですが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。」


とギルド職員の女の子が挨拶をしてきた。大きな目が愛くるしい、赤紫の髪が外ハネなのも良い。うむ、美少女である。エイミーという名も良いな。そんな彼女の可愛い顔が微妙に引きつっている。俺が怖いか・・・。


「俺はティル、未熟な生産者だ。悪人顔だが中身は普通の冒険者のつもり故・・・そう怖がらないでくれ。」


エイミーさんがビビってらっしゃるからそう返した。美少女に怯えられるのは流石にショックを受けますぞ。我が妹は「あんちゃんはいつ見てもカッコいい。」と言ってくれたから、女の子ウケする顔だと思っていたのだが・・・気を遣わせていたのか?そういや、ヒックス達も「悪人顔で女子供が逃げる。」なんて言ってたな・・・。


「ごごごごごめんなさい!」


ペコペコ謝るエイミーさん。立派なお胸が揺れてます。流石の俺でも目がいくぜ!


「気にしないでくれ。そして、ありがとうと言わせて貰おう。」


「???」


困惑するエイミーさん。彼女の後ろにいるナイスミドルな中年男性がこちらに向かって、親指を立ててサムズアップ。「俺も眼福頂きました。」と言っているような気がする。俺も彼女に気取られないよう軽く目で挨拶をしておいた。


「とりあえず、よろしくエイミーさん。」


「あのえっと・・・よろしくお願いします?」


上目遣いで恐る恐るって感じがいいね。頭を撫でくりたい。とりあえず、俺の会心の笑顔が炸裂。エイミーさんが涙目になりましたとさ。





「当ギルドのランクなんですけど、S・A・B・C・D・E・Fの順に設定してるんです。最高がSで下がFですね。ティルさんはEランクになります。でも、生産履歴を見るにすぐにDランクに上がりそうですね。あ、称号の影響もありますよ?普通はこんなに早く上がることはないです。」


「普通はどうなんだ?」


「えーと、三つ以上の生産スキルがLV15以上で生産数が500以上です。因みにDランクで職人さんと認められます。」


「キツいかどうかわからん。俺はサクサクいってるからな。」


親方のしごきのお陰になるのか?


「才能なんですねぇ。Cランクは因みに、五つ以上の生産スキルがLV30以上で生産数が1500以上です。依頼もある程度こなさなくてはダメです。」


「大変だな。」


「ティルさんの場合はもう少し、易しくなるんじゃないですか?称号効果で。」


「まぁ、とりあえずは登録終了だろ?早速、作業場に案内してもらいたいのだが。


「ティルさんに案内する作業場は個室になりますね。」


「そうなのか?」


「はい、因みにギルド職員が個人担当になるのは異例ですよ?それほどティルさんの師匠の方々は高名であり、ティルさん自身にも期待が込められているんです。」


「何気に重いな・・・それ。」


俺は生産の出来る冒険者を目指しているだけで、本気で生産者になるつもりはないのだがね。まぁ、なるようになれだな。

次は生産、冒険者ギルド、自作のブツを販売・・・の予定です。あくまでも予定です。変わる可能性がありますので。

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