表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

⑫受け取ったもの

 朧守はゆっくり歩み寄り、灯真と向き合うと目を合わせた。

灯真の目は強く、澄んだ優しい瞳をしていた。

あの日、あの約束をした時に見た瞳と同じだった。

 

灯真の瞳の奥から光が現れ始めた。

その光は徐々に朧守の意識に溶け込むと、灯真の幼かった頃の記憶が流れ始めた。

そして鈴風から過去に一度受け取った懐かしい記憶も流れ込んで来る。

しかし、なぜか全く別の記憶を預かったように朧守は感じていた。


これまで預かってきた記憶とは、何かが明らかに違う感覚だった。

鈴風と灯真の温かい思い出と、誰かを思う優しい心が朧守の中に流れ込んだのだ。


思い出は、温かい……。


朧守は彼らが言った言葉の意味を理解した。

まるで陽の当たらなかった場所に光が差したようだった。

朧守は不思議な感覚だった。

胸の奥が締め付けられるような……、苦しいような感覚。だが痛いわけでもない。

()()()()()()()というこの気持ちを、朧守は初めて知ったのだ。


気が付くと朧守の目から涙がボロボロと(こぼ)れていた。

勝手に後から後から、それは止めどなく流れてくる。

 

灯真はその涙を見てにっこり笑うと、肩から力が抜けるように倒れていった――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ