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大好きな靴と憧れの靴

作者: あや

私はヒールの高い靴が好きだ。でも、周りは私が方言う靴を履くのには批判的。それは私の背が高いから。私が住んでいるのは東京とはまるで正反対の小さな村。自然が豊かで、山の斜面には棚田が広がり、秋には黄金色の絨毯が山肌を埋め尽くす。同じ年頃の子は少なくて、お年寄りが多いところだから、どうしても価値観が古いままになってしまう。


 最初は「何であんなに不安定な靴を履くんだろう」と思っていた。その考えが変わったのは10歳のとき。両親と一緒に東京へ旅行に行ったとき、お母さんよりも背の高い女の人が足のつりそうな程に踵の高い真っ赤なハイヒールを履いて私達の横を颯爽と通り過ぎていった。テレビでだってそういう人はたくさん見たけれど、その女の人が一番かっこよく見えたのを覚えている。


 それ以来、本屋さんでファッション雑誌を買いあさり、ファッションもお化粧も頑張って勉強した。私と同じことをする子は周りに誰もいなくて、すっごく浮いていたし、悪口もたくさん言われたけれど気にしなかった。だって、あの時私の横を通っていったお姉さんはまっすぐ前だけを見て代わりからの視線になんて目もくれてなかった。だから私もそうする。


高校生のとき、初めて彼氏ができた。デートのときはもちろん大好きなヒールの高い靴を履いていく。そしてあるとき、彼が友達にこう零しているのを聞いてしまった。

「顔はかわいいんだけどさ。自分より背の高い女の子って、萎えるんだよね。」

「それな。やっぱ、女の子ってちっちゃい方がかわいいよな。」

「まじ、あの靴履くのやめてくんねぇかな。」

それを聞いたとき、黙って立ち去れば良かったのに、理想を否定されたみたいで悔しくて、思わず反論してしまった。

「女の子が男の子より背が高いのがいけないことって、誰が決めたの?そのためだけに自分の『好き』を諦めるのっておかしくない?」

「え、聞いて…」

今までの周りへの反論も相まって、どんどんまくし立ててしまう。

「もういい。小さくて、かわいい女の子が良いんなら他を当たって。あの靴を履かないなんて私は絶対にイヤ。」

言っちゃった。言っちゃったけれど、不思議と後悔とか言う気持ちは湧かなかった。そう、これでいい。誰かのために『好き』を『憧れ』をやめることなんてしたくない。


私もまっすぐ前だけを向いて歩こう。まだ履けていない、憧れの、あの真っ赤なハイヒールが似合う人になれるように。横やりなんて折ってやる!


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