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ケース5
私は罪深い男だ。
家に帰ればスマホを手に取り「尊い」を貪り、吸い、そしてスマホごと食らう。
こはいかに。
しかし、仕方がないのである。
人間は尊いに始まり尊いに終わるもの、そのためであれば自らの死すらいとわない。
アイテム課金、スパチャ、ガチャ、それらのせいで豆腐もやし生活をしている。
そんな生活をしている人を見て私もそうなることは目に見えていた。
「ああ、神よ、私は一体どうすれば良いのか!!」
神は言った。
「稼げ。
稼げないなら自分で創造すれば良い。
この星に生命が宿ったのも、それらが明確な自我を持って行動し始めたのも、全ては創造主の気まぐれである。
いっそ、ひとつの世界の神になってしまえば良いでは無いか。」
神は知らなかった。
創造する力はあれども、人間ではあまりにも時間が足りないのだった。
その世界では人よりも先にAIが神の領域に至った。
まだ18年だが人生はそんなものである。