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家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!  作者: 雪那 由多


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こんな雨の日

 山間の町の天気はあまり良い天気が続かない。

 おかげでちみっこ達のお散歩ブームは鳴りを潜めてほっとしたのは言うまでもない。

 だけど運動を兼ねて宅配サービスは少し我慢してスーパーまで歩くようにしている。

 こんな雨の中でも。

 さすがにちみっこ達にはまだ早くて連れていけられないけどもともとこの家の敷地内だけでもちみっこには十分な運動場なのだ。好奇心はよい事だけど美園屋さんに連れて行っただけであのはしゃぎぶり。スーパーのお菓子コーナー……ペットコーナー?なんて見せたらどうなるか想像がつかなくって連れて行く事なんて出来やしない。

 何故そこまでして体調管理を気を付けるのか。

 独立して何が変わったかと言うと三食規則正しい食事におやつ付きの生活のおかげで当然のように体重が増えた。

 その一言に尽きた……


「まさかズボンのベルトの位置が変わるなんてさ……」

「まあ、真ほとんど家の中だからね。農業始めたと言ってもそれがダイエットになるとは思わないしね」

「おかしいなあ。俺が視てる動画の人さ多少大人びた感はあっても体型とか全く変わってなくって動画の人の生活を真似ていればイケるだろうって思ってたのに何が違うんだろう」

「どんな人?」

「これなんだけどさ……」

「あー……」

 なんて買い物途中、家を出て数十メートル歩いた所でばったり会った遠藤さんとの会話。

 スマホを取り出して見せたのは外国に城を購入した人の話し。

 手続きの面倒な事、貴族の別宅だった城はすでに年月とともに廃墟となり果てていたものの見事に甦らせて今では予約のとれないレストランにたくさんのお客様の笑い声が満ち溢れ、夜ともなるとその城に住む若手のバイオリニストが予告もなく現れて演奏をしていくと言う夢の様な話を見せてくれる人だった。

 まあ、長くチャンネルを持っているから全部が全部は見てないが、俺が好きなフランスの古城の動画は社会人になって独り暮らしを始めた頃の寂しさを紛らわすには寝る前のルーティンになっていた時もあった。

「この人の家なんだけどさあ、なんか見覚えがあって。

 なんか喉の奥に詰まった的な感じなんだけどさ」

「あー……

 何だっけ。映画であったよね……」

「あったっけ?俺邦画ってあまり見ないからわからん」

「へー、そうなんですかー」

 あまり興味ないのかノリがいまいちな遠藤さんに俺の趣味を押し付け過ぎたかと少し反省するも

「この動画結構面白いからよかったら見て?」

「えーと、うん。見ておくよ」

 URLをLIMEで送り付けておく程度の勧誘をして

「じゃあ、買い物行ってくるからまた!」

「雨だから気を付けろよー」

 そんなご挨拶。

 なんか新しい街に来て知り合いや友人が増えていくのって楽しいなと東京で出会った残念だけど尊敬もできる先輩とも出会えたしと広くはないが不慣れな俺に親切にいろいろと教えてもらえるそれなりに満足な人間関係を得る事も出来たこの街は人情味にもあふれていていつの間にかリラックスをして暮らしている事に気が付いて悪い気はしないといつもよりかなり多い囂々と流れる川の水流を眺めながら普段は川底が見えるような姿とは全く別の姿の様子すら新鮮で楽しく足取り軽く歩いてしまう。


 そしてスーパーと言えばこの人。


「あ、大家さん」

「なんだ?九条は今日は一人か」

「ええと、公園は行ったのですがスーパーはまだ早いかと思いまして」

「まあ、この間のあれを見ればもうちょっと落ち着いてからだな」

 主語のない会話が成り立つのは楽でいいなと共通の話題のちみっこを挨拶がわりに交わし

「で、兄貴の方から何か連絡は?」

「想像以上にこき使われているそうです。ひたすら……墨を磨って文字を書く日々だとか。あと時々滝行にも連れて行ってもらってるそうです」

 何をしているかなんて言えないから適当にちょっと楽しそうな雰囲気に変えて伝えれば

「楽しい職場で何より!」

 兄貴ごめん。

 詳しく言えないから適当に言ったら大家さんなんかすごい良い人助けをしたって顔になってるから、もしこっちに来るような事があった時は手土産を忘れないようにねと念を送っておく。そんな事できないけど……

「じゃあ、俺買い物終わったから行くな」

「はい。今度またちみっこに顔を見せに遊びに来てください」

「そうだな。たまには顔を見に行かせてもらうな」

 そんななんだか親戚の叔父さんみたいなやり取りに分かれた後密かに笑っていたが

「大家さんお酒ばっかり買いこんでいたけど大丈夫かな……」

 しかも高級そうなお酒ばかり。是非ともお招きされたいと密かに思いつつもそれにつられてじゃないけど買い物カゴにちみっこと生活を始めてから飲まなくなったビールを久しぶりに購入し、なんだか一人だけ楽しむのが悪いと思うようになったのは先輩達や遠藤さん達としたバーベキューを思い出したのもあって

「そうだな。ちみっこにもたまには買ってやるか」

 冷蔵コーナーに並ぶ果汁100%のジュースに大げさなくらい感動したちみっこ達におやつの時間にはジュースが並ぶことになった。

 

 


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