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家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!  作者: 雪那 由多


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お宝探しに東へ西へ 3

 公園から林の小道の様な場所を歩けばどんぐりだけではなくこの季節いろいろな木の実も生っていた。

 クサイチゴ、ナワシロイチゴ、グミ、ウスラウメ等々。

 朱華と玄さんに教えてもらいながらスマホで確認、そして覚えようと図鑑を作る為に写真を撮ったりとあっちに呼ばれ、こっちに呼ばれと大忙しだった。

「緑青はこの白いお花が好きー!」

 匂いから言ってクチナシだろう。隣の家に咲いていたからこれぐらいは知っている。薄暗い林の中でもしっかりとそのしっとりとした白が涼しげに美しく甘い香りに緑青は開きだした蕾の中に頭を突っ込んで蜜を舐めていた。

「甘い!」

「朱華も!」

 言いながら飛べないひよこにせがまれて緑青と同じように開きだした蕾の側に行けばすぐに頭を突っ込んで……

「満足した?」

「うん!次のお花にお願いします!」

「調子に乗るな」

 ポイっと放り投げれば必死に羽をばたつかせて自由落下だけは阻止できたようだ。

「真ひど……」

「朱華すごいなー!

 今パタパタしたら一瞬体浮いてたぞー?」

「え?ほんと?」

「ほんとほんと!またかっこいい所見せてくれるかな?」

「じゃあね、またポイってしてくれる?」

「いいぞー」

 なんて、もう花の蜜の事を忘れた朱華をポイポイと投げては自由落下をしなくなった体は少しずつ前進を始めていた。

「朱華頑張れー!」

 なんてなぜか朱華の落下地点になりそうな場所から応援する鬼軍曹の真白に赤いひよこでも顔を真っ赤にしながら真白を潰さないようにと必死でパタパタと羽を動かす様子は鞄に入っている玄さんと岩さんも頑張れーと応援していた。

 そして緑青は朱華の落下と同じように地面に降りては俺に放り投げられる朱華の隣を飽きもせず隣に付き添っていた。

 いや、ケガするかもしれないからやめてよ、なんて俺の心配も知らずに楽しそうに伴走してくれていた。いや、これ伴走って言って良いの?

 まあ、楽しそうだから何でもいいけど。だけどさすがに五回もパタパタを繰り返していたらさすがにお疲れのようでぜえぜえと息を切らしたのでそっと鞄の中に入れればすぐに目をつむってしまった。

「疲れて寝ちゃったねー?」

「無理させちゃったかな?」

「でもなんかしゅっとしたかも?」

 そんな岩さんの見立て。

「ひょっとしてダイエット成功?」

 もともと小鳥らしくふっくらとしていたような気はしていたものの大家さんの所に行くたびにパンパンに膨れ上がる朱華に心配していたけど単に自業自得なので粗食に耐えさせろと改めて約束させられた。

 いや、大家さんの所で太らされたんだよ?

 そう言いたかったけどあの料理を食べさせられたら我慢は無理だと食べた俺も諦めるくらい沸き上がる食欲は朱華の気持ちもわからないわけじゃないと言う所か。

 あれから何度かこちらに来ていると言ってたけど未だ遭遇はない。

 一回だけでも食べれただけ良しとしようときっとさりげなく高いお店で働いていたりするんだろうなと実家のそばにある歴史ある料亭なんて本家の人でもごく一部の人しか出入りできないとか今時そう言う事が通用する店があるのかっていう店があるくらいだから高級店と言うものを知らないわけではないけど。お正月におぜんざいをふるまってくれて子供の頃よく並んで食べに行ったなーなんて思い出してはよだれが垂れそうだったけど。

 とりあえず緑青がどんぐりさんを見つけては鞄の中に入れたり綺麗な石を拾っては鞄に入れたり、綺麗なお花を摘んでは鞄に入れて玄さんが食べていたりと朱華が寝ているのもお構いなしにカバンが重くなっていく事が楽しくなってきたけど

「そろそろお家に帰ろうか?」

「「「「えー!」」」」

 みんなそろっての不満。

 だけどちみっこよ、俺には素直に帰らす秘策があるのだ。

「そろそろご飯の時間だからね」

「帰るー!」

 寝ていたと思っていた朱華が突然目を覚まし、どんな夢を見ていたのか涎を垂らしていた事に鳥でも涎を垂らす事があるのかとどうでもいい発見をした真だった。




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