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家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!  作者: 雪那 由多


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お宝探しに東へ西へ 2

 どんぐりを探しに行こう!

 朝ごはん食べる前にそう約束をしたのでべそ掻いていた緑青もみんなのノリにつられて

「どんぐりさんなん個とれるかな~?」

 なんてウキウキとごまをふりかけたおにぎりに齧りついていた。

「真の畑でどんぐりの木を育てるー?」

 岩さんがそう提案してくれるけど

「畑は背の低いものが中心だからね。よく見かけるどんぐりの木だと落葉樹だろうからお池のそばには植えれないしね」

 お池の中に落ち葉が溜まって掃除が大変といえば

「お家の裏側?」

 真白のかくれんぼの定位置は

「お隣の畑にご迷惑かけちゃうからね。いっそのこと沢の方でも良いかな?」

 うーんと悩みながらもう反対側もよその畑があるのでその場所しかないか?玄関側はどんぐりの掃除責任があるしと考えての提案に

「じゃあお水がいっぱいあるからどんぐりさんもすぐにどんぐりさんの木になるねー?

 玄さんの言葉にそうだ!そんな危険もあったかとどんぐり林が出来る事を想像して……


「どんぐりさんは取りにお散歩に出かけるって事にしよう!」


 どうなってしまうか分からないからの心配というチキンハートからの提案だけど


「お散歩!朱華お散歩好き!」

「真白もお散歩好き!」

 

 ここ数日、実家への里帰りを含めて家からよく出るようになったちみっこ達はお散歩という外の世界へ飛び出す言葉を学習した!


「緑青はね、また電車のガタンゴトンみたいの!」

 誘拐されて電車に乗って怖がるかと思ったらまさかの電車マニアに成長するとは窓の外の流れる景色にほれ込んだと思いたい。


「玄はねー、お池の金魚さんにご挨拶に行けたらいいなーって思ってるの!」

「ああ、大家さんの麓の家の貯水槽の金魚さんだね?」

「それー!」

「岩さんもお会いしたいー!」

「って言ってもよそのお家のお庭にあるからね。

 何か用事が出来た時にみんなでお会いしようね」

「「「「「やったー!」」」」」

 喜んでいる所申し訳ないが早々に用事があるのだろうかと悩みつつもやっとご飯が食べ終わり、最近では一緒にご飯を食べ始めた頃に比べてだいぶ上手い食べる事が出来るようになった。

 朱華もあれこれ手を出さなくなったし、緑青も浮かびながらうろうろとせずご飯を食べなくなった。

 玄さんの食事の遅さも岩さんの丸のみの食事方法はどうしようもないが、真白もドッグフードばかりって言うのも最近はドッグフードの上にご飯を置いてお味噌汁をかけて食べるパターンが一番食べやすいようで定着をしていた。

 付喪神だよな?

 どこの犬と言うか猫じゃないのか?

 大家さんに生態を調べろって言われたけどますますわからなくなったこの様子に器を押しながら一心不乱にご飯を前進しながら食べる様子を撮れるか分からないけど動画撮影して大家さんに送ってみれば大爆笑してくれたのでちゃんと録れていたのかという不安よりもこの教育方針で間違いはないんだなという事にしておいた。

 そんな成長具合を見る事が出来るようになった食卓はやっぱりまだまだカオスだけど少しあの悲惨さまでたどり着く事はなくなったのでこれからも頑張って上手にご飯を食べれるようになりますようにと祈っておく。

 

 そんな朝食が終わってやっとお出かけとなった。

 お散歩はもちろんお出かけも大好きなちみっこに絶対側を離れてはいけません。お家に帰れなくなりますよと言い含めて近くの公園へとデビューした。

 はい。

 さすが田舎の公園人っ子一人いませんでした。

 まあ、一応平日の午前中だから当然かもしれないけどお散歩しているお爺さんお婆さんもいないと逆に怖いよと周囲が賑やかなだけに心細くなってしまうけど

「「「「「わーい!」」」」」

 突如開かれた場所にやって来たこともあり一目散に駆けだすちみっこに

「約束守りなさい!」

 思わず叫んでしまう。

 人目がないからね。こういった事が出来るのだけど完全に俺怪しい人じゃんととりあえず昔ながらの古めかしい公園の砂場は囲いに囲まれているので安心はしないけど行動範囲が限られて遊ばせるには十分だとまずはちみっこの体力を発散する事に決めた。

 案の定みんな盛大に砂に穴を掘って遊びだすのを見てうちにも砂場があると良いななんて単純な俺は考えてしまう。

 スマホで探せば蓋つきの家庭用砂場があるのでこれでいいじゃんとポチッてしておいた。

 置き場所は縁側の下あたりで良いだろう。

 大きさ的には半分ほど縁側の下に隠れるから日陰にもなるだろうしと喜んでくれるかなーなんてにやにやしている俺は完全に怪しい人だった。

 そんな事しているうちに砂の温かさと言うか熱さに朱華がすぐ側にあるベンチに座っていた俺の所まで来て膝の上で休みだしたのを見てそろそろ移動しようかと判断。

「じゃあ、どんぐりさん取りに行くぞー」

 そう言って玄さんなんか体を半分ほど砂に埋めてうっとりしているのを申し訳ないと思いつつ移動用の肩掛け鞄の中にみんなを入れてほんの数分歩いた所は木々の枝葉から零れ落ちる柔らかな日差しが心地よい涼しい場所だった。

 さすがに砂場は熱かったと見えてみんな一生懸命お水を飲んでクールダウン。

 地面はしっかりと乾いていたのでぺたんと座ってどこか涼しげな風を受け止めていればちみっこ達は周囲に散策に出かけ……

「真!どんぐりさん見つけた!」

 緑青がクヌギの木のどんぐりを両手に抱えて持ってきた。

「真!このどんぐりさん大きいよ!」

 ハイテンションで宙をくるくる回りながら見せてくれたどんぐりは緑青のお気に入りの洞にあったものよりもずんぐりとしたもので俺はそのどんぐりを受け取ってどんぐりの帽子を外して緑青の頭にちょこんとかぶせてやる。

「どんぐりさんとおそろいだ」

 言えば帽子が落ちないように手で押さえながらきゅ~!なんてかわいらしい悲鳴を上げながら空へと舞い上がっていった。

「鳥さんに見つかるから降りておいで!」

 呼びかければすぐに戻ってきて

「もっとね、もっとどんぐりさん探してくるね!」

「迷子になるからみんなと一緒に行こうね」

 今のテンションじゃ絶対迷子になるからみんなと一緒に行こうと言えばきらきらとしたおめめをみんなに向けて

「一緒に行こうね!」

 珍しく問答無用にこっちで見つけたんだよーと案内してくれるので

「じゃあみんなも行こうか」

「「「「はーい!」」」」

 気分は幼稚園児を連れての散歩だなと苦笑するのだった。





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