神降臨! 1
アイヴィーさんと大家さんがすごい人だと言うのはなんとなく理解できた。
経歴とかそういった話は一切聞いてないけどきっとすごい人だと言うのは理解できた。
そしてこのプログラムの事を知っている。
最初こそ怪しく思っていたけど正直言って多分俺より詳しい事を二人の会話から理解が出来た。
悔しい。
あれだけのめり込んで一人でも仕上げられるようになったくらい理解したつもりだったのになんでと恨みながらも
「植田ー、ぼちぼちそのセクションが終わるだろ?
次行ってみようか」
「今度は何番台っすか?」
「とりあえず2000~2500まで行ってみよう」
「きっつー!一番めんどいとこじゃないっすか!」
「考え方を変えれば一番やりがいのある場所だ。
がんばれ、植田はやればできる子。俺が一番よく知っている」
なんて大家さんは笑ったまま水野さんにもそこから3000番まで回していた。
ちなみにこの数字は雛型にはフォルダーごとにナンバリングがしてある仕様となっている。
500ごとに区切られたフォルダーに纏められてそれらタイトルはすべて数字で表記されている。
もっとわかりやすいタイトル名を付けてくれと思ったけど、内容を覚えれば下手に表記されているとハッキングの手助けとなるからとの説明にすごく納得した俺は素直な子供だったと思う。
中身を覚えたからああ、今あのあたりの仕事をしているんだとわかるものの、このプログラムの研修を受けた人は誰もが盛大に文句を言うポイントでもある。
そして数字が膨大とは言え中身は数字が飛ばされた物もあるのでボリュームはそれぞれ違うから先輩が叫んだ通りしんどい内容や何も言わずに受け取った水野さんの様に内容にも密度も変わっていて、この製作者が本当に効率性だけを優先していたと分析ができる。
ちなみにアイヴィーさんは10000番台以降総てを受け持っていて、大家さんは1000台までを受け持っている。
このプログラムは複数のプログラムが掛け合わされて構成されている。
俺達が受け持つのはあくまでも肉付けであって、一番厄介な心と言うソフトな部分の防犯面をアイヴィーさんが受け持ち、登録して認識した人の動き、そしてゲストに対す可動範囲の制限、対処法と言った一番問題が出そうなソフトを大家さんが依頼書を頼りに構築してくれている。
二人が取り掛かっている部分がこのプログラムの一番重要な所。二人はそれを和気あいあいと近況報告や最近見た映画、読んだ本の感想など交えながらイチャイチャとまでは言わない空気とは別に手は穏やかな口調とは全く別物のスピードで動いていた。
一体この二人何なんだよと思いながらもアイヴィーさんは時差の関係で明日の仕事に影響するのでそろそろ寝ると言う。
そして大家さんも俺達とは寝る時間をずらしてお休みなさいと俺のベッドを借りると言ってちみっこ達を連れて寝室を占領する。
いや、もう慣れたけど。
大家さんが寝てくれることでちみっこ達も嬉しそうに素直に寝てくれるのでいたずらされたらどうしようと思ったけどびっくりするほど大家さんには従順で、これが主パワーかと心の中では拍手喝采だった。
ほら、俺の場合はちみっこが一体増えたとしか思われてないようだから……
目指すは大家さん並みの尊敬度だと口には出さないものの目標は立ててある。
そんな感じで締め切りも近づく火曜日。
明日中にはシミュレートをして完成をさせ、俺以外が手を貸してくれた部分がどういう構造になっているのか理解しなくてはいけない水曜日と決めている。
ちなみに締め日の木曜日には先方の本社へと出かけないといけないので朝から移動しなくてはいけない。
ちょくちょくと自分の仕事の為に抜けている水野さんとアイヴィーさんは合間合間にしっかりと休憩は取っているので大した問題はないけど、祐樹先輩は栄養ドリンクを山積みにしてひたすら集中してプログラムを作り続けていた。
そして大家さんは……
「持ってきたパソコンが使い勝手悪いから続きは家のパソコンでやるから」
そう言ってちみっこ達も連れて家へと帰って行ってしまった。
三時間後準備ができたからと言ってオンラインでの参戦になったがあえて言おう。
「大家さんお風呂に入ったのですか?髪が濡れてますが確りと乾かさないと風邪をひきますよ?」
「風呂とかベッドってさ、やっぱり慣れたものじゃないと疲れってとれないよなwww」
思いっきり寝て風呂に入ってましたと綺麗にゲロってくれた。
仕上がりはもうすぐだけど締め切りももうすぐなのにと手伝っていただいてるので理不尽な言葉はのみ込んで見せたが
「とりあえず俺の仕事は終わったからアイヴィー手伝うよ」
「ありがとう!だけどこっちももうすぐ終わるからチェックお願いするね!」
「了解。終わり次第俺の方のチェックを頼むな?」
「そこは任せて!」
なにこのリア充。
モニター越しに見えるちみっこよ、ベッドでゴロゴロしてないでいつも俺にわがまま言うように大好きな主に我が儘を言いなさい!
そんな心の叫びが聞こえたのかどうかなんてわからない。
玄さんが大家さんの腕を登って肩口まで来たかと思えばカメラの向こう側に居る俺に向かって
「主のお仕事の邪魔はしちゃダメだからね?」
ね?なんて小首傾げてかんわいいー!なんて思うも何十キロと離れていても電波が通じ合っているので距離なんて関係ないと言うように俺の心の内を読んでダメだよと言う玄さんにいくら小さくてもこの子たちは神の一柱なのだと改めてかわいさに惑わされなく認識するのだった。




