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家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!  作者: 雪那 由多


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先輩と一緒 4

 祐樹先輩の手作り朝ごはんと言う贅沢な朝食をしっかりと頂いた所でやって来た眠気に先に休めと言われてお言葉に甘えて寝させてもらう事にした。

 大家さんはネットでアイヴィーさんと話をしながらプログラムを構築していた。なんだか二人が良い感じだな、だけど怒涛にキーボードを叩く音のミスマッチさから居た堪れなさを覚えながらも二人のきゃっきゃうふふというような空間に居られなかったと言うのもあって素直に失礼しまーすと断ってベッドにもぐりこんだ。

 だけど素直に寝させてくれない奴らもいる。

 俺がベッドに入った所で

「真ー!朝だよー!」

「真ー!起きる時間だよー!」

 緑青と真白が朝なので起こしに来ると言うかわいらしい気遣い。

 平常ならかわいくてはいはーいと目を覚ますのだろう。

 だけど今は眠気が勝ったので俺は二体を抱きしめて

「添い寝の刑だー!」

 抱っこして布団に引き込めば

「「いやー!」」

 なんて慌ててどっか行ってしまった。

 こうなるとわかっていてもちょっと傷つく。

 きっと今頃は大好きな主にいじめられたーとでも言うつもりだろう。

 だけど俺がベッドに居るのはもちろん


「水野と植田が帰ってくるまで一眠りしておけ。

 俺はアイヴィーもいるからもうひと踏ん張りやって昼飯食べたら寝るから」


 そんなシフト。

 なので今俺の睡眠を妨害する奴がどんな目に合おうとも主公認なので邪魔はさせないぞと主張しつつもあっという間に寝てしまった。

 

 落ちるように寝ると目覚めはすっきりと起きる事はない。

 正直言えば二度寝に入りたかったが


「あ、真起きたか?

 昼飯の時間だから起きろー」


 水野さんが優しく起こしに来てくれた。

 一瞬ここはどこだっけと思うも

「早くしないと綾っちにご飯を食べられるぞ。ガッツリ仕事してくれたから急がないと真の分食べられるぞ」

「……?」

 正直に何を言っているのだろうと思って寝ぼけ眼でせめてパジャマから着替えて顔を洗ってから台所へと向かえば……


 目を疑った。

 いや、別に何の変哲のない食事風景だ…… と思う。

 ただ一つがおかしいだけの何の変哲もない食事風景のはずだと思う。


「あ、やっと起きたか。真の分を確保するの大変だったんだから早く食べろよ」


 祐樹先輩はそう言いながらなぜか電子レンジに隠した俺の分のスパゲティを渡してくれた。

 電子レンジに隠す理由は判らないけど…… 気持ちはわからくもない。

「ところで聞いても良いですか?」

「まあ、気になるよな」

 失笑と苦笑がまじりあった何とも言い難い困難な表情のまま目を彷徨わせて


「なんで鍋のまま食べているのでしょう?」

「この量を盛る皿がなかったからだ」


 きりっとしたかっこいい顔で俺の疑問に答えて下さった。

 いや、余計疑問しかないけど、とりあえずと言うように食べろと俺を座らせてお茶を出してくれた。

「先輩達のお昼は?」

「こうなるってわかってたから先に食べたんだ。

 まあ、今日はまだましだから」

 疲れたように笑うけど、俺の目の前でおでんを作るために買った深型鍋に盛られたスパゲティはどれだけだろうと考えるも視界の端で捉えた一キロ入りのパスタの袋が捨てられていたのが見えて俺の分が単純に200gとしても800gを食べているという事だろうか?

 いやいや、さすがにないわー。せめて300gぐらいでしょう?

 なんて俺が見ている光景からの目算を否定するかのように数字を一般知識からこじつけるように変更させてしまう。

 だって単純にパスタだけではなくトマトソースで赤く絡められたやムール貝も入っている。

 いや、この田舎って言ったら失礼だけどムール貝売ってるのかって言う疑問をおぼえたけど

「あ、ムール貝美味いよな。アサリより実が大きくて食べでもあるし。

 トマトベースでも合うしクリーム系にも合うし、普通に酒蒸しにしても美味いよな」

 何それ。

 俺には難易度が高くて購入なんて考えがないのに。

「外食した時に食べるものだと思ってました」

「俺も最初そう思ってたけど冷凍コーナーで時々見かけるから見つけた時は買って一人パーティしてるぞ?」

「次回是非お招きしてください!」

「よし、その為に東京まで来い!」

「ちょっと無理!」

 ご機嫌に笑う先輩にそうだった、東京の交通費考えると高くつくだろと頭を抱えれば水野さんも隣で笑いながらお茶を飲んでいた。

 すでにお昼の時間だけど寝起きでパスタ200gは少々ハードな食事だ。

 食べれない事はないけど、目の間でそうめんでも食べるようにパスタを食べる大家さんに俺って食が細いのかなってかなりヤバ目な錯覚をしていた。

 すでにおなかいっぱいだけど目の前でペースを崩さず食べているフードファイター、ではなく大家さんのペースに乗せられて苦しいけど無事完食。

 食後になぜか先輩に胃腸薬を貰ったのでありがたく飲む事にしたけど、大家さんはあの量をほぼ俺が食べ終わると同時に食べきってしまった。

 いや、俺より小柄で細いのにどこのあの量を収めることが出来るんだとなんだか目の錯覚を覚えてしまうけど、目の前の大家さんは満足げに

「これで寝れる」

 なんて口元をティッシュで拭って

「夕方には起きるから後は頼むな。

 夕食は簡単なもので良いから植田よ、水野には台所に立たせるなよ」

「昨日使わなかったお肉で豚肉じゃないけど豚汁を作りましょう。後はごはんぐらいでいいっすか?」

「冷凍うどんはあるよな?」

「ちゃんと用意してます」

 そう言ってなぜか固い握手を交わす意味不明の行動とそれを笑顔で見守る水野さん。

 意味不明なんだけどと口を挟まずにただ眺めえいれば寝る前にはきちんと歯磨きをする大家さんはそのあとベッド借りるぞと容赦なく俺のベッドにもぐりこんでいた。

 ふと見ればちみっこ達も暗い室内の部屋に潜り込んで大家さんに土鍋に並べられてお休みの挨拶をしていた。

 なるほど。

 昼まで起きていたのはちみっこ達に先にご飯を食べさせるために起きていて、暗い部屋で寝れば一緒にお昼寝タイムに突入できるからの算段。寝てる合間に何しでかすかわからないリスクを下げるためかと感心しながらも寝起きに喉が渇かないようにとさりげなく鍋を置いたサイドテーブルにお茶を淹れたれたコップやおやつを用意しているあたり寝起きの対応まで万全らしい。

 万全だけどいつの間に俺の部屋にそんな準備したんだかと一瞬で部屋を乗っ取られてしまったけどだ。


 早く終わらせてまたちみっこ達との賑やかな生活に戻りたいと少しだけ懐かしく思いながらパソコンの前に座って先輩から大家さんとの引継ぎの話しを聞けば


「5割がた終わったから火曜日中に仕上がるように持っていくぞ」

「すみません。寝てる間にそこまで進むものですか?」


 あまりの出来事に自分の耳を疑うってしまうのは数日かけても2割弱程度にしか進めれなかった俺の未熟さが浮き彫りとなって愕然としてしまうも


「勘違いするな。

 あの二人がおかしいんだよ」


 決してあの二人のようになれるとは思うなと真顔で言われても納得は出来ないでいた。







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