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家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!  作者: 雪那 由多


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先輩と一緒 2

 やがて麓から車が一台やって来たかと思えばうちの道路から家まで止め放題の駐車場に止まり


「肉お待たせー。適当にビールも買って来いって命令されたんだけどwww」


 水野さんがいろいろと荷物を直接庭に運び込んでくれるのを俺と先輩と一緒に手伝いに行けば今度は山の方から車が一台やってきて駐車場で止まった。


「おー、水野会議は終わったか?」

「っす!あと言われた物を買って来ました!」

 スーパーの袋を掲げれば大家さんも

「燃料重要!肉ばかりだけじゃなく採れたて野菜も持ってきたぞー。

 あとさっき猟友会の人に会ってさあ」


 そういって何やらビニール袋に入った塊を渡してくれた。


「なんっすかこれ?」

 見た事もないくらいの大きな塊の肉は当然と言うように骨付きだった。

「猪の肉。今日の昼採れたてのさっき解体したてだからって猟友会の人からお裾分け貰ったwww」

「そういやじいちゃんがなんか騒いでたのこれか!」

 納得と言う水野さんに何がと問いたかったが

「水野のじいさんが猟友会の人なんだよ」

 先輩の説明に久々に孫が帰って来たから食べさせてやろう、そんな流れだろうかと理解したけど

「猪の肉って食べた事無いんだけど?」

 どうやって食べるんだと思うも

「安心しろ。田舎じゃ豚や牛より猪と鹿がメインだからな」

「綾っち、適当な事を後輩に教え込まないでください。

 しかもそれ綾っちの家限定じゃないですか」

 さり気に酷い言い草だけどそんな事はお構いなしに

「じゃあ、こっちの肉は後回しでいいっすね。先に猪の方片付けちゃいましょう!」

 推定二キロほどある肉に大家さんが持ってきた岩塩とかシーズ二ングをまぶして豪快に焼いていく。

「ちょ、水野!お前いきなり全部焼くとかないだろ!」

「久々に会ったらいきなり水野メシか……」

 慌てる先輩と目の死んだ大家さん。水野さんが当然のように焼き始めるからこういうものだと思ったのにこういう調理法じゃないんだと驚きながらも

「えー、焼けた所から切り取って食べましょう!じゃないとみんな野菜食べなくって俺に野菜押し付けてくるでしょ!」

 そんな対策。

 苦労してたんだなーと感心していれば野菜の下ごしらえに大家さんは家の中に入っていったと思えばパーカーの帽子からちょろちょろとちみっこ達が姿を現した。それに気づいて慌てて追いかけて


「みんなお帰り」

「「「「「ただいまー!」」」」」


 ご機嫌でご挨拶。

 やっぱりかわいいなとほっこりしてしまうも

「すみません。また仕事に夢中になっていたようで……」

 そして大家さんに謝罪。

 だけど仕方がないと言うように笑い

「この仕事が終わるまでだけだぞ。お前のスキルを上げるから今はちび共は俺に任せて集中しろ」

 そんな神にも似た言葉にありがとうございますと頭を下げれば

「さっき向こうでこいつらのメシを食わせて風呂にも入れてきたからあとは寝るだけだ」

「重ね重ねありがとうございます」

 感謝を述べれば

「真はちゃんとご飯食べるんだよ」

「真はちゃんとお風呂に入るんだよ」

「真はちゃんと歯も磨くんだよ」

「真はちゃんとお布団で寝るんだよ」

「真は夜食の食べ過ぎには注意だよ」

 そんなみんなの気配り。

 よくできた子だと思うもなんだか最後の朱華が言った夜食の食べ過ぎってなんだよと思いつつもこの子はいつも食に関しての突っ込みがあるのがなんだか不安になってきた。

 まあ、今はそんな事は気に留めずに


「じゃあみんなおやすみなさい」

「「「「「おやすみなさーい!」」」」」


 五体の大合唱は本当に今から寝るのかと言うくらいの元気いっぱい笑顔いっぱい。

 せめてと言うように俺がベッドの横にあるみんなのベッドへと連れて行って、ふかふかのタオルの上に真白を中心に大家さんがやったようにみんなをそっと並べるのだった。

 きゃっきゃと騒いですぐ寝ないものの玄さんが大きなあくびをしだせばみんな静かになりだして、やがてさっきまでの元気な声が嘘のように静かな寝息をこぼしていた。


「静かになりましたね」

「毎度ここまでが長いんだが、寝る前のドライブがよかったみたいでおとなしく寝てくれて何よりだよ」

 子育てのプロですと言わんばかりのボヤキはかなり苦戦したようす。

「大変だったみたいですね」

「まあな。普通の生き物と違ってあいつらは徳を積んで成長するらしいからな。

 飯を一杯食べさせれば大きくなるもんじゃないし、時間が育ててくれるものでもない。

 かといってあいつらの成長につながる徳って言うモノが何を指しているのか俺が分かるわけないから。

 その点浩太さんが欄間の修理をしてくれて朱華が飛べるようになったのは大きな成長だと思うけどな。いや、あの人にお願いした方がよかったのか……」

 何やらぶつぶつ言いだした大家さんだけど

「朱華は浩太さんにぞっこんだからね。あの人が手を入れてくれた方がきっと喜びますよ」

 そんな俺の判断に大家さんは何度か瞬きを繰り返し

「そうか。そういう育て方もあるのか……」

「育ゲーからギャルゲーに変更された気がするのはなんでだろうか……」

「多分攻略方法はそれぞれ違うって事だろうな」

 勘弁してくれーと呻きながらおにぎりを結ぶ大家さん。

 綺麗な三角おにぎりなんだとちみっこにはコロコロのボールおにぎりだったことを思えば料理上手なんだなと感心をした。






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