表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
CCS《サイボーグ犯罪対応班》シーナ (Cyborg Crime Squad  Sheena)  作者: 湖灯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/296

【サイボーグ犯罪対応班 シーナ①(Cyborg Crime Squad  Sheena)】

<パトロール中の各車に告ぐ、サウスブロンクスでサイボーグ犯罪発生!犯人はファーストフード店から現金を奪い、現在地下鉄3 Av - 149 St駅付近の3番街通りを北に逃走中。犯人の特徴は身長180㎝の瘦せ型のヒスパニック系、ブルージーンズに赤のヨットパーカー、背中にオレンジ色のリュックを背負っている。左腕に違法改造されたサイボーグアームを装着しており、現場に居合わせた警官2名を負傷させているほか、銃も所持している模様。くれぐれも注意して任務に当たれ!>


 パトロール中、無線機からサイボーグ犯罪発生の知らせが届く。

「あら、近いわね!」

「ああ、オメーは未だ見習中なんだから、無茶すんなよ」

「Yes, sir!(イエッサー)」

 士官候補生シーナが運転する8号車は、ウェルス通りから149Stとの交差点を目指して猛スピードで加速する。

「おいっ、サイレン!サイレン‼」

「ゴメン!余裕がない」

 路上駐車の列で走行車線の半分を塞がれたウェルス通りを器用に対向車を避けながら、前を行く車を次々に追い越して行くシーナの操るフォード・マスタングのパトカーが疾走する。

 車は左右に振られるだけでなく、駐車している車の陰から不意に現れる歩行者や自転車を避けるために急ブレーキと急加速も頻繁に行われ、上半身を支えるもののない助手席のコーエン伍長は体を大きく振られてサイレンのスイッチに手を伸ばすもののナカナカそのスイッチを入れられずにいた。


「まもなく149Stの交差点に突入します。車の中で踊っていないで何かに掴まっていて下さい!」

「バーロー‼ 好きで踊っているんじゃねえ!」

「突入します。衝撃に備えて下さい」

「しょっ、衝撃に備えるって……‼」

 目の前を見ると、信号は赤。

 交差する149Stの対向車線にはバスと大型トラックが交差点に近付いて来ている。

「バッ、バカ!止まれ‼」

「間に合いません!」


 目の前には、トラックより少し前の中央車線を行くバス。

 急ブレーキを掛ければ、何とかかわすことが出来るが、そうすれば手前の車線を走るトラックに横腹から突っ込まれてしまう。

 運が良ければ車が2・3回転して重症。

 悪ければトラックの下敷きになって即死だ。


「うぁぁぁぁ‼」


 コーエンが最悪の事態に備えて、その長い足を狭い床から上げてインパネを踏むように体を支える。

 その拍子にシューズがサイレンのスイッチに当たってONになる。

 バスのテールランプがギリギリのタイミングで通過して行き目の前の視界が開けるが、合流する149Stにもう1台バスが居た。

 このままでは交差点を左に曲がった途端、今度はこのバスに踏みつぶされる!

 と思った瞬間、迫りくる恐怖に背筋が凍り付く。

 まだトラックを避けていない!

 けたたましく鳴り始めたばかりのサイレン音とトラックの重低音のクラクションが恐怖のメロディーを奏で、それに衝撃音が加わりアンサンブルとなる。

 激しく車体後部が右側に振られる。

 このままでは交差点内で1回転してしまい、重大事故を引き起こしてしまう。


 ガシャッ!

 だが次の瞬間、左に振られた車体後部が道路と並行になる瞬間、並走していたバスの側面に当たり車の回転が止まった。

「ふう……」

 思わずため息を漏らすコーエン。

「サイレン有難うございます」


 真剣に前を見たまま運転するシーナが、礼を言う。

「サイレン!? 俺が入れたのか?」

「あんな困難な状況でサイレンのスイッチを入れることが出来るのはコーエン伍長くらいなものです。さすがCCS(Cyborg Crime Squad=サイボーグ犯罪対応班)の副分隊長ですね」

「バーロ、おだてるな。に、しても無茶し過ぎだぞ! ぶつけたトラックとバスは始末書もんだぞ!」

「大丈夫ですよ。直前でサイレンのスイッチが入りましたから、事故当時この車両は緊急出動中となりますので事故の責任は負いません。あの状況で、咄嗟にスイッチを入れて下さったコーエン伍長のおかげです」

「まっ、まーな……」



<全車に告ぐ、サウスブロンクスで起きたサイボーグ犯罪の犯人は3番街を左に曲がり151Stに入り逃走中。繰り返す、犯人は3番街を左に曲がり151Stに入り逃走中>


 再び犯人の情報を伝える無線が入る。

「――だとよ、今度は慎重に曲がれよ。犯人を目の前にしてペシャンコになっちまったら笑い話じゃ済まねえ」

「Yes, sir!(イエッサー)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] すごいスピード感…!読んでいて楽しいです!どうやってシーナたちが追い詰めていくか、とても楽しみです。続きも読ませていただきますね!
2022/12/11 21:41 退会済み
管理
[良い点]  迫力のオープニングにハラハラドキドキでした❗  シーナちゃんは自分の腕に自信があるのか、単に無謀なのか。笑  コーエン伍長がいい味だしてますね❗  命がいくつあっても足りなさそうだけど。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ