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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
第4章オレは75人の魔法少女からケツを守られている
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赤の系譜

魔王軍大幹部。魔王軍の詳しい構成はわかっていない。魔王の下に大幹部、さらに下に、幹部、あとは雑兵。圧倒的数と多種多様な生物による多彩な戦術。人間と魔王軍との戦力差は明確であり、何人も人は挑み破れ去っていた。幹部に勝てた者は一握り、大幹部に出会えたものは数人。魔王に戦いを挑めた回数は2回である。一度目はまだ魔王軍が一国の戦士団でしかなかったときに、13人の魔道士が戦いを挑み、返り討ちにあう。二回目は大陸中を恐怖に陥れたとき、多くの異世界人が召喚された。最終的にその中の1人、先代勇者が巫女と仲間とともに封印を試みる。不完全ながら封印は達成され大幹部以下幹部たちは散り散りになった。


「で、行くあてがなくなったわたしは獅子王のところで世話になったっと。まぁ、こんな感じだ。なぁ、聞いてるか、泣き虫くん」

「はぁ、はぁ、はぁ。おれは、こんな、方法で、つよくなりたいわけじゃ、ない!、」

今までの巫女との戦闘がなければ、数秒ももたなかったであろう。さちよさんとおなじ、身体強化。だけど、相手は魔力のすくないさちよさんとは違い、煽れんばかりの魔力の持ち主である。桁外れだ。

「……もっと必死にさせる必要があるな。わたしは魔法少女で言うところの1(シングル)クラス。油断も、隙も、情けもないさ。もっと必死になれよ。あぁ、そうだな。人間もたくさん殺した。」

「はぁ、はぁ、それは、……あんたの抱える罪では無い。おれが裁く罪はそれじゃないだろう。あんたが、ほんとに罪悪感を感じてることは、そのことじゃない」

「言うじゃないか…坊や。お前が飲んだあの水、すこし甘かったろ」

「はぁ、はぁ、はぁ、?」

「あれは、魔王軍が使用していた拷問用スライムでな」

彼女が指を鳴らす。

「ひ、がああああああえ !!」

ボコボコと体内で何かが暴れ出す。耐え難い激痛が襲う。その場で思わず蹲る。

「どんな強靭な肉体を持つ人間でも内蔵を鍛えることはできまい。ほら、集中が乱れたぞ。おらぁっ!」

「っ!!!!がはっ。」

痛みで回避できない。彼女の拳が腹に打ち込まれる。

痛めた腹に杖をあて、スライムの攻撃をキャンセルする。

「甘い。危機管理もない。すぐに人を信用する。あたしたちはまだ出会って間もないんだぜ。坊や」

「俺が欲しい、強さは誰かを犠牲にして踏み越える、強さじゃない。誰かを守る強さだ。あんたを殺して、手に入れた力、に何の意味がある」

「命に変えてもその言葉を貫くことはできるか?魔王様直伝、呪殺一撃・赤銅棍棒(しゃくどうこんぼう)

静かに構える。腕に纏った魔力とは違う力が内側から溢れでる。赤腕から棘が生える。腕がどデカい棍棒と化す。頭上に振り上げられた棍棒は確実に俺を叩き潰すだろう。恐怖で奥歯がカチカチと音がなる。

「うああああああああ!!!!」

眼前に死が迫る。拳に貫かれる。悔しい、悲しい、つらい。全てが、弱い自分に直結する。名もない自分に直結する。

何も残せず、死ぬ。


何もなしに、死ぬ。


1人耐えるあの少女をたすけることもできず。


家族と言ってくれたあの子に恩も返せず、死ぬ。


名無しの俺の、名も無き人生。


ふとカリンの言葉を思い出す。


名前なんてわたしがつけたげるわよ。




「はっ!いまさら、黒濁を構えても遅い!魔力を吸いきる前にお前がミンチになってるさ!!」

「はぁ、はぁ、」


まだ、自分はこの杖をどこか借り物のように感じていた。あの少女が本来の持ち主で、おれは器。


あんたがわたしと出会ってからのことは、あんたのものでしょうが。


カリンの声が思い出される。


全てを飲み込むこの杖は


俺の杖だ。


俺をなんども助けてくれた。


俺の杖だ!!


「全て飲み込め!!黒濁!いや、……黒蛇(ウロボロス)!!」

黒い杖をふり、牛頭の腕の魔法を消し去る。そのまま、黒い杖は蛇のように腕にまとわりつき、俺の身体が重くなる。地面が、重さに耐えれず、ひび割れる。

「おい、おいおい、それはなんの冗談だ?まさか、あの量の魔力を一瞬で呑み込んだのか」

「はぁ、はぁ、……魔装だよ。はぁ、俺の。」

腕を見せる。

黒くまきつかれた杖と一体化した黒い腕。

「片腕だけの魔装?はっ、ははっ!ガッハッハッ!!しかも、自分の重さを増やして。笑わせるな。んなもんは魔装じゃねーよ、坊や。杖の力を解放して、強くなるのが魔装だ。弱くなってないか」

「はぁ、はぁ、さちよさんみたいに、一部分だけの魔装だ。」

腕を突き出すと、牛頭の身体が吹っ飛んだ。

「な、なんだ」

殴られた訳じゃない。触れられていないのだから。

「坊や。何をしたんだい」

「は、はは、よし……」

上手くいった。逃げ場の無かったエネルギーを、上手く使えたらと思っていた、重さをコントロールできてる。

「まさか、重さを、操作したのか」

「は、あはは、あぁ、そう、だな」

まだ、向きを変えるだけだが。杖の中の魔力を感じとり、流れの向きを変え、力の塊を相手に押し付ける。再び吹き飛ぶが、さっきまでの勢いはない。

「は、ガッハッハッ!所詮その程度!!」

「この力はな、あんたの力そのまんま返してる」

「?」

「あんたが、その程度と思うなら、それは、あんたが本気で打った訳じゃないってことさ。あんたは、お姉さんは、本当は優しいんだろ。」

「ば、馬鹿をいうな、あたしは本気で!」

「あぁ。だけど、無意識に力をセーブしてたんだろうよ。」

「そんなわけ」

「……あんた。それで、誰かを殺しきれなかったんだろ」

「……」

「そんなあんただからこそ、さちよさんは、あんたから技を教わったんじゃないのか?」

「あたしが殺し損ねたのが……魔王だとしてもか?」

「え?」

「……わたしは、はじめに魔王に戦いを挑んだ12人の魔道士の1人がわたしだ。敗北し、捕虜になった。そこで、知ったことがある。そこで、長い時を魔王と過ごした後、魔王の夢に協力することになった。世界の真実を知ったからな。」

「魔王の夢?」

「ああ、あれだけ強かった魔王がなぜ、他人に呪いを掛けてまで、魔力を集めようとしたか分かるか?呪いは掛けたほうにもリスクがあるってのに。だが、個人の夢なんて、大衆に飲み込まれていくのさ。暴走する魔王軍に終止符を打つべく。わたしは『千変』とともに魔王軍を離れ、勇者とともに魔王を倒そうとした」

「……」

「魔王を倒す寸前まで行ったが、わたしは、……。時を戻す魔法を打ち損じた。魔王を弱体化させるための、勇者が考えた作戦を失敗した。強くなる前までの年齢に戻す魔法が不発だった。なぁ、坊や。勇者に担ぎあげられたお前には真実を知っておいて欲しい。世界は」

牛頭は魔装を解き、話し始める。世界の真実を。誰かが言っていた。世界の真実を。


「弱肉強食!!!!」

だが、牛頭は目の前で、無情にも押しつぶされた。

「え……」

「はははは!!まさか黒い杖を探しに来たこんなところで、会うなんて!!義母上!あなたの力は第1王女の私が頂く!!!」

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