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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
第4章オレは75人の魔法少女からケツを守られている
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空の旅3

 


「ひっ!」


 女たちの怒りの気配に恐怖を感じた末弟は空中で後ずさりをする。持っている鎌がカタカタ揺れる。


「おい、ば、か、こっちは翼で飛んでんだ。届きゃしない。落ち着け」

 長男の静止は遅く、怖気付いた三男に狙いを付けたのはアンだった。


「あんな家族ほったらかしなクソジジイだがな。杖は1級品なんだよ。牡羊座(アリエス)!!」

 杖先から雲のようなわたの塊を飛ばす。

 その綿雲を踏みつけ、一気に空中に飛び上がる。

「せー、のっ!!」

「ひっ」

 アンは末弟に肉薄していた。杖を持ち替え、別のものを取り出す。柄が身長ほどはある槌を大きく振りかぶっていた。

「ひ、すま、すまなかっ」

「とくと味わいなぁ!大業物の称号を得たこの杖をさぁ!!」

 雷魔法に特化したその杖は、空気中の魔力を集め大きな雷の大槌を形成する。バチバチと弾ける音が空に響く。


雷帝(トール・)(ハンマー)!!」


「ぎゃあああああ」

 その眩い放電に目がくらむ。

「おいおいアンの野郎、龍に当てんなよ」

「あーあ、ありゃひでぇっす」


 三羽烏の末弟は黒焦げになり、甲板に落ちる。

「ぐへっ!」

彼をクッション代わりにしてアンが降りる。

「ウチの杖にケチつけんな!加減してやったんだ。杖買いに来いよ、ふん」

肩に担いだ大槌を末弟に向ける。

「ひ、はいぃい」


「クソ!」

 長男がバズーカを構え、近くを飛んでいたさちよに向けて、引き金を引く。

「ガハハッ!んな攻撃がホウキ乗りに当たるかよ!」

 だが、その弾丸は弾け、いくつもの礫が襲いかかる。

「っいててて。ガッハッハッ!…魔武器庫(デパート)の野郎。むやみやたらに魔武器をばら撒きすぎなんだよ」

 追尾してくる礫は、妨害用。ホウキの操作はコントロールに気を使う。懸念が増えると操作の精細さを欠くことになる。地味だが、有効な手だ。逃げ回るさちよに本命の弾を発射する。


「はっはー!特大鉄球だ!!」


 長男の放った弾は空中で大きくなる。さちよの牽制で放った魔弾も意に介さない。しかも追ってきている。


「『(ダブル)』。動体視力と反射速度を2倍にしたぜ。当たるかよ!」

 すんでのところで躱す。が、


 めきょ!!


 荷台に砲弾がめり込む。動くのをやめたかに見えた鉄球は向きを変えまた追いかけてくる。


 

「あ、」

「攻撃躱すと荷台がもたないっす!!」



「しかたねーな!!」

 腰から魔炎の入った小瓶を取り出す。

「ガハハ!!セット!!」

 ホウキに突き刺す。

「行くぜ!!」

 ホウキが炎をあげて急加速する。

「なんだ?!あの加速!!身体が引きちぎれるぞ。」

「対G限度を2倍にぃぃ、、、したぜ!!!」

 砲弾も礫の雨も、振り切り、一気に上昇する。空中で魔瓶の炎が尽き、1度止まり、自由落下しはじめる。

「…はぁ、はぁ、久々の愛箒にはしゃぎ過ぎたな。はしゃぎついでにかましてやんよ!!ガッハッハッ!!」

 魔瓶を取り出して、もう一度箒に差し込む。身体をよじり、向きを変える。拳大くらいの大きさで龍が見える。こんだけの距離があれば。直線に敵を捉え一気に箒を加速させ、垂直に落ちていく。

 空気との摩擦で、全体が赫く強く光っていく。


「『赫鷲(レッド・)…』」


 追尾してきた礫も弾丸も触れた瞬間砕かれていく。


「『破壊箒星(バスター)』!!!」


 超加速したホウキが長男を直撃する。


「!!!」


 長男は荷台の屋根に突き刺さる。


「ガッハッハッ!!……今度年齢に触れたら本気でやる。覚悟しとけ」

「は、はひ」

 めり込んだまま小さくうめくような声がした。


 赫い彗星が落下するのを見て声をかける。

「だーかーら!!師匠!!大技使うなら考えて撃つっすよ!!!っとと!」

 飛んできた銃弾を躱す。

「……いい度胸じゃねーか。余所見なんてよ俺は兄貴や弟たちと違うぞ」

 ばさばさと背中の翼を羽ばたかせながら盗賊の次男は銃口を向ける。

「そっすね。あそこで伸びちゃってるふたり。武器はすごいんすけどね。あの大鎌にしろ、大筒にしろ一介の盗賊が持つには、ちょっと上等すぎるんす。…バックに誰かいるっすよね」

 ガブコの質問に次男は肩を竦めて言う。

「……なんのことだよ。」

 翼を畳み、体を捻って下へ急降下する。

 ガブコもホウキで下ろうとしたが、即座に体を横に倒す。

 髪を弾がかすめる。

「……いい反応だな」

 地面に背中を向ける形で、銃を連射する。

 ホウキは小回りが効きにくい。いい的だ。

 いつもなら、これで終わりだし。撃ちそんじても兄貴か弟が仕留めにくるんだが。

「……?!なんだあの動き。」

 ガブコはホウキには乗っていなかった。

「魔装『氷猫(ひょうびょう)』っす」

 空中に現れた無数の氷の板に飛び移りながら近づいてくる。猫型の魔装。狙いが定まらない。氷の手足は硬く鋭い爪がある。

「空中戦に接近戦は不利じゃないか?」

「猫のように舞い、猫のように刺すだけっす!」

 追尾性能を高めるか、攻撃範囲を広げるか。ホウキを使った空中戦では、どちらかに重点を置くことが勝つために必須のはず。事実、『三羽烏』たちはその両方をおさえた強化散弾銃で名うての魔道士たちを倒してきたが。

 彼女自身のバネと敏捷性に加えて、氷の板という足場が、彼女の強みを生かす。

「くそっ」

「仲間の、あ、元だけど、悪口は許さないっす!!力を借りるっすよ!『氷骨』『氷脚』『氷牙』『氷爪』『氷腕』……」

 全身に纏った氷の鎧。杖に各『氷豹』メンバーが込めた魔力が重なり全身の部位を強化する。

「そんで、蟹座(キャンサー)!!」

 さらに天上の杖の力を纏う。片腕の氷は紅い鉤爪に変化する

「いくっすよ!!蒼猫(ブルーキャッツ)(ねこ)(なで)(ごえ)』!!」

 縦横無尽に飛び回る彼女の姿は徐々にスピードを上げる。氷の板の結界は、球状になり、三羽烏最後の1人を包みこむ。

「ががががががががががぁあああ!!」

 無数の爪撃に烏は沈む。



 そんな戦いの様子を見ていた者がいた。ホウキの上で胡座をかき、肘をつき、肩にいた使い魔だろうか黒いトカゲにはなしかける。

「あぁ、そうだな。まずは黄色いロングは65点。素人にしてはわるくねー。大した杖だが、杖を大切にするあまり、杖に全力を出させてねーな。杖から信用されてねぇ」

「あの青髪は55点。事前の情報よりも強い。が、あの程度の敵に魔力を使いすぎだ。他者の魔力に頼るのはつまらねー」

「1番ダメなのは、赫鷲だな。40点。三年前に見たあの技のキレがねぇ。情けのつもりか?さえねーな。」

 トンと、ホウキから飛び降りる。

「あーもう、うるせーな。何するって、決まってんだろ」




 縛り上げた三兄弟を脇に外で食卓を囲む。カリンと作った夕食は突然天井から突き出してきたオッサンにより、破壊された。無事だったスープを持って外に出てたべることに。一応修繕魔法で、荷台は直った。ガブコはさちよを正座さして説教してた。

「いいっすか!竜車って高いんすよ!!」

「わーったっての!」

「なんなんですか、この人たち」

「ああそいつらは三バカだ」

「スープ分けてあげた方がいい?」

「カリンさんいいんすよ。こいつら盗賊っすから。いやー夜空の下の食事もいいもんっすね!」

「帝都に着いたら、引き渡して懸賞金で美味いもん食おうぜ」

「ガッハッハッ!あたしの超必殺技をお前ら2人にも見せたかったぜ」



 ズ、ドン。



「そんなんじゃ。また負けちまうぜ!赫鷲ぃ!世の中は弱肉強食、だってのによぉ!」

 甲板に降り立ったのは荒々しく燃え上がる瞳の第一王女だった。


次回は第一王女が大暴れする予定です( *˙ω˙*)و グッ!


Twitterの人気投票で最下位だった彼女は無事いいキャラになってくれるのかしら(`・ω・´)


信号機おねーサンズ

赫のさちよさん

黄色のアンさん

青のガブコさん

バトルメンバーも活躍させてあげたい。


次回もお楽しみに!

Twitterではアンケートもしてます。

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