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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
第4章オレは75人の魔法少女からケツを守られている
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勇者の旅立ち2

「じゃあ、シリアナケツタローだわ!」

 ふふんと、鼻息荒く自信満々に言った。いや、気持ちはうれしいんだが、カリンお前のネーミングセンスやばすぎだろ。

「え、えっ、とその、カリンさん?もうちょい普段使いできそうなお名前を」

「?」

 あ、この顔は自信満々な顔だ。冗談じゃない本気の目だ。めっちゃキラッキラしてやがる。なんなら、名前をつけたげたことを感謝しなさい!まである。名前はまた考えてもらうことにするか。

「…ありがとうな」

「家族なんだから、当然よ!」

 ネーミングについてはおいておいて、胸を張る彼女に感謝した。おれは家族と言ってくれる彼女に恥じない人生を生きたい。いまから俺が何者になるのか。彼女の価値を下げるような真似はしたくない。おれは静かに決意した。

「かりん。俺は、勇者とやらになるよ」

「あんたはあんたよ!がんばんなさい!」

 背中を叩く手は力強かった。


 さちよはアナホリーダ大陸の地図を広げて、杖でつっつく。地図の上に三本の線が現れる。何気に大陸の地図なんて初めて見たな。ユーラシア大陸の様な横長な大陸。西の端に今いる王国。中央に帝国。南部の島々は連邦となっている。

 いくつかの丸い印は転送駅のようで、各地を結んでいた。だが、バツ印がつけられており、現在使用はできないようだ。

「シリオ帝国への行き方は三つ。転送駅、陸路、空路だ。転送駅は向こう側のゲートが封鎖されているから、無理だ。アナホリーダの端っこから、中央までいかないといけねーから、陸路は時間がかかる。徒歩だと1週間、馬車でぶっ飛ばしても3日だ。残るは空路、なんだが、ケツタロ(笑)お前はホウキに乗れんのか?」

「(笑)とか言わんでください。ホウキ?これが」

 スタイリッシュな細身の木の板に鉱石が埋め込まれている。先端部にはいくつもの木の枝が綺麗に切りそえられていた。

 よくよく見ると木の枝1本1本に細かな文字が書かれており、それが魔術によるものだと分かる。

「ホウキはかなり高価だし持ってるわけないよな。技術もねーし」

「拙者もホウキは乗りたいのでござる」

「高価だって言ってるでしょ」


「赤鷲、あんたの魔法で増やしたらええやないか」

「……それは重罪。」

 姉妹からのじとっと見る眼を躱す区長。

「あ、すまんすまん。つい出来心でな」

「ガッハッハッ。したくてもできねーよ。あたしのダブルは対象を正しく認識することから始まるんだ。だいぶこっちの世界の読み書きができるようになったとはいえ、ホウキみたいな高度な魔道具を増やすことは無理だな」


「……となると、陸路っすね。でも、陸路だと時間がかかるっすからね。アンさんは良いルートしらないっすか?」

 ガブコはアンが世界中の依頼をうけていることをかねて、尋ねてみる。

「ジジイが帝都に納品するときは、転送駅つかってたからねぇ。あ、そうだ。素材運搬用のドラゴンとかで空輸はどうだい?あれなら、ケツアナを運んでくれる」

「ちょっとまて、今俺をケツアナっていった?」

「ドラゴン便か。休憩時にシリヤロウを喰われないようにしねーとな。」

「空耳かな?シリヤロウ?」

「んで、カリンさんのおかげで、ヘンタイケツが勇者として帝都にいってくれるんすよね。ちゃんと任務は分かってるっすか?」


 もはやモンスターだな。ヘンタイケツ。名付けで遊んでないか?こいつら。


「白仮面の魔王を倒すため帝都に行って、呪いの熟練者である三姉妹の王女と話をつける。ついでに音信不通の魔法少女とクーデターの調査か。行くのはおれ、カリン、さちよさん、ガブコ、アンさん、ショーグンさん。」

「『壱』の呪いを解くために白仮面たちと出会うかもしれないから、用心せーよ」

「よっし、明朝に出発できるよう手配するから、それぞれホウキや準備を整えときな。ガッハッハッ!解散!」

 俺たちはリシオ帝国に向かう。尻の穴を引き締めてがんばろう。




 カリンたちが準備を始めた同時刻。王都と帝都を結ぶ陸路。

「おなか~~~減ったあ~帝都~いったら~みーんな、みーんな、食べていい?いま、あなたをたべてもいい~」

 炎天下のもと、荒地を3人の人影が見える。ぷかぷかと彼女らの周りに浮かび上がったりんごはしわしわだった。カミソリのような歯も、今は見る影もない。

「良いわけなかろうが」

 砂避けのフードの隙間から中年の魔法少女(?)は瞳を覗かせる。

「『薬師』さん。たしか、サバトで軍資金もらってましたよね。ウチが増やしましょう!そうしましょう!帝都の賭博はすこぶる儲かるらしいですよ!」

 もう1人の少女が銅貨をくるくると回しながら元気よくいった。

「ばかもん。賭博なんぞさせんぞ!貴様の呪いのせいで軍資金なぞ一瞬で消え去るわい。くそっなんで、ワシが問題児どもの子守りをせんとならんのだ。もうすぐ集落があるはずだ。水飲むにしろ金があほほどかかる。くれぐれも、失礼のないようにな。さっきみたいなことがないように」


 王都と帝都を遮る荒地の真ん中で、3人の魔法使いが会話をしている。先程の集落では、店1軒の食料を食い尽くし、No.2のツケにした。バレたら確実に半殺し、いや、全殺しも辞さない。乗ってきたホウキを担保に強面の主人からようやく解放された。


 3年前の戦争により、大陸内地は荒地になった。アナホリーダ大陸の西に王都、中央に帝都が位置している。100人の魔法少女が治安を守っている地域を除くと細々と人々が生活している。魔人や魔獣が闊歩し、作物も育ちずらい。


  通常は転送駅があるため、金があるものは荒地を通る必要はなく荒地地帯はほっとらかしになっている。明確にどこの国のものか、決まっていない。つまり無法地帯。


 オアシスが点在しており、それらを渡っていくルートが陸路であるが、盗賊や魔物に襲われることもすくなくない。リスクを踏まえて安価に済ますか。腕っ節を信じてこの道を選ぶか。


「うぅ……」「はぁ、はぁ、」

「あ、あぁ……」「なにが、」

「い、いてぇ、、いてぇよ、」


 3人の魔法少女は後者だった。


 いま、地面で呻いている彼らはこの地域を縄張りにしていた盗賊団『飛蝗』。人間ではなく低級の魔人たち。魔王がいた頃の雑兵かぶれが群れたのだろう。装備はボロボロだが、質は悪くはなかった。この陸路を行く商人や旅人を狙っているのだろう。A級の懸賞金がかけられている。

 だがたった1人の魔法少女のたった1度の攻撃で再起不能になってしまった。


「……まったく。恐ろしくてかなわんわい。」

 2人の少女を見やる。勇者のバックアップチームなんて、聞こえはよいが、厄介者に縄つけて見張ってろってことだろうよ。

「え~あ~~~お腹減ったよ~~~」

 まだ食うか!


「そんなに腹が減ったのなら、そいつらのもんでも、食っておけ。水やら食料やらあるはずだ」

「は~~~い」

 彼女は杖を取り出す。

「ごちそうさま~~~」

 荒地の呻き声は静かになった。

「?随分早いな。お、おい、さっきの盗賊どもは?」

「林檎姫が食べちゃいましたよ。あーあ、いくらか金持ってただろうに」

「あ~~~お腹空いた」

「っ!」

 こいつら。やはり頭のネジがいくつかはずれとるんじゃないか。だが、こいつらうまく扱えば、赤鷲どもを出し抜いてやることもできるのではないか。未熟な勇者どもの露払いとして、先に出発した。No.2は結果で判断する。やつは魔王がいなくなりさえすれば、過程は気にしないはずだ。先に王女と接触する。あやつは、魔王の解呪のタイムリミットを調べると綺麗事を抜かしていたが、呪いを増強、促進させてしまえば、こちらの勝ちだ。気づかないはずはない。となると、どの王女にするか。征服王の娘として、名高いのは、俗に言う三姉妹。弱肉強食帝国主義の長女、人知れず研究に打ち込む気味の悪い次女、外向的だが得体の知れない三女。三女がとっつきやすいか?だが、三女とどうコンタクトをとるか。同盟を組むにしろ、攫うにしろ、この2人の協力は不可欠。


 焚き付けてみるか。


「なぁ、お前たち、勇者の露払いなんぞ、嫌じゃないか?いっそわしらが、光を浴びてもいいんじゃないか?悔しくはないか?」

「あ~~~そういうのはいらないいらない。あたしの呪いで絶対失敗するし。あんたらに勝手にタイザイなんて、あだ名つけられて散々な思いをこっちはしてんだ。あんたが、どういう思惑であたしたちを使おうとしてんのか知らないけど、気を許すつもりは無いよ。はじめに言っとくけどさ」

「ぐぅ」

 賭博が好きな割には、野心というものに無頓智なのか?

「もぐも~~~ぐ。あなたのー近くにーいればー、わたしたちはー自由にーうごけるー。おたがいー利用ーしあおー。もぐもぐー」

「やめんか!!わしの荷物を食べるんじゃない!?」

 やはり、無理か?だが、先程の魔法力。タイザイたちは王都の魔法少女よりも帝都の魔法少女の力に近い。なにか利用できないものか。互いに利用しあうのもよいだろう。ワシには切り札がある。赤鷲なんぞの下働きなんぞ真っ平ごめんじゃ。


次回更新五月二七日 日曜日0時更新予定です(*´ー`)

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