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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
第3章 異世界に来た俺は50人の魔法少女からケツを狙われている
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氷爪のガブコ2

 少年と氷爪が水のドームにこもっているのを見て、雪兎たちへの命令を杖を振って組み替える。わたしの魔法の強みはこの数を操る手腕。敵を詰めていく布石。万が一にも負けることはない。


『氷鬼』は『蒼豹』に言われたことを思い出した。

「ひとつ、助言をしておこう。『氷爪』を舐めてかからないことだね」

「先生。彼女は下位のNo.です。わたしよりも20は下です。それでも舐めるなと?」

 病室の彼女は静かに言った。

「彼女は『氷豹』の教え子の中で、唯一、『赤鷲』の授業を受けれた魔法少女だからね」

「はい?失礼ですが、あの方の授業は、授業の体をとっておらず、バビューンやらぎゅっとやら抽象的な言葉ばかりで、正直教師失格ですよ」

「『氷鬼』。君は教師は皆平等に分かりやすく教えることが肝要だと思っているようだね。でもね、それだけが全てではないんだよ。」

 彼女は窓の外を見ながら静かに語りかける。

「わかる人間が少なすぎて彼女の凄まじさが理解されないのは悲しいがね。分かる人間にしか分からない。まぁ、君の感想ももっともだよ。君は教えなくても、十分に強いだから、君には私の体の一部ではなくて鬼の名を与えたんだ」

『氷鬼』の名前には思うところがある。だからこそ、体の一部の名前を持ちつつ、意見したガブコを許すことができない。

「ふん。他愛ないな」

 間もなく水のドームは雪兎達に叩き割られる。あとは氷漬けにしてしまえば終わりだ。あっけない。杖を振るう。

「…?」

 杖を振るう。

 手応えがない。

「なんだ、、、」

 自分の雪兎の反応がない。

 その場に雪兎自体はある。だが、雪の塊となって動いていないのだ。

「…雪兎罠ラビットラップ)

 再び魔法をかけ直す。

 手元に新たに作った兎たちは魔法がかかっている。

 異変が生じたのは奴らの近くにある兎たちだ。

「白き兎よ、高く跳べ。跳んで、跳ねたら、飛び上がれ!長いその耳、角に替わる。跳んで、潰して、壊して、跳ねる」

 魔法陣を足元に描き、仕上げに杖を魔法陣に落とす。

「滅級魔法・魔装『氷鬼』」

 魔法陣から氷がせり上がり彼女を包みこむ。魔法陣の光が消えたあとその場には氷でできた武者姿。

 2本のそそり立つ角が荒々しさを際立たせる。

 予想外の事態を軽視せず、鬼の如く詰めてくる。彼女の最大魔法である。杖を1本犠牲にすることにはなるが、この形態の方が、守りに入りやすい。

「時間だけが過ぎて行くぞ!残り1分だ」

「ウオオオオアアアアアアアアアッッッッ!!!!!水瓶座(アクエリアス)!!水龍弾(ブルー・ショット)・乱!!」

 先程の水のドームが割れ、いくつかの水の龍がこちらに向かってくる。闇雲に放たれたそれは、こちらに届き切ることなく、アーチを描きながら地面に落ちる。

「ままごとやってんじゃないよ!残り30秒!!」

 でかい口叩いた割には大したことないじゃないか。

 この後も仕事が山積みだ。とっとと凍らせてしま。

「氷爪・大熊爪(ベアークロー)!!」

 水のアーチが一気に凍る。今の声はガブコか?水のドームまでの視界が氷のアーチで見えにくい。これでは兎の操作の精度が落ちる。アーチをバリケードにここまでの距離をつめるつもりか?

「小賢しい真似を!!この、っ?!赤い爪?!」

 足元から赤い氷が何本も突き上げてきた。兎たちが貫かれる。

「なっ?地面か!ちっ。『氷鬼・地弾駄(じだんだ)』!!」

 足に魔力を込めて、踏み抜く。

 地面が激しく割れる。魔力を纏った状態さらに、魔装状態。

 地面に潜んでいたら一溜りもないはずだ。先程のアーチは地面に突き刺さり、そのままここまで攻撃をのばしたのか?!

「兎ども!探せ!近くに居るはずだ!」

 まただ。今度は何匹かの兎が反応を示さない。

 額に汗が滲み出る。

 すぐ近くの砕けた氷のアーチに少年とガブコの姿を見る。ここまで接近してたのか?!

「『氷鬼』!!!はっ!1番初めに氷豹に拾われただけのガキが生意気な。手足に意思はいらねーんだよぉ!恩知らず」

 魔装の状態。たとえ不意打ちされても、この鎧は触れたものを凍らせる!接近戦主体のガブコやあの少年じゃ、私に触れた時点で負けだ。だから、ガブコは氷爪の状態で私に手を伸ばす。あれ、あいつの爪赤かったか?

「もう黙るっす!わたしは、あの人に恩があるっす。でも、だからって、何でもかんでも言いなりになるのは違うっす!恩人だからこそ、正しい道にいてほしいんすよ!!!全て断ち切れ!!かに座の杖(キャンサー)『赤爪・断ち切りバサミ』」

 赤い氷の爪が鎧に触れる。爪じゃないこれは巨大な糸切りばさみ!

「んな!」

 じゃきん!!鎧に触れる瞬間刃と刃が交差する。

 安全に自分を守るはずの氷が動きを止める。身動きがつかない!

「はぁ、はぁ、タッチっす!!」

「はぁ、はぁ、鬼捕まえたぞ」

 ふたりの拳が顔面に入った。

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