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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
第3章 異世界に来た俺は50人の魔法少女からケツを狙われている
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No.更新試験7

「じゃあどうするんかい?今試験中、ほかの受験生は?」

「ひとつ約束しろ。」

 声を張って『氷鬼』によびかける。

「なんだ」

「いまから俺がやることに対して、受験した魔道士たちが罰せられることがないようにしろ」

「ふ~ん」

 何をするつもりかは分からないが、大したことはできないだろう。

「ああ、いいだろう」

 それに、魔道士たちが耳をそばだてているのが感じられていた。

「よし」

 魔道士たちに向き直る。敵意の目が向けられる。

 この人たちの願いはなんだ考えろ。

「お、俺の杖をやろう。いま、今回の試験を降りてくれた人には俺の杖をやる。どうだ」

「どういうこと」

 ざわざわと魔道士たちがざわめく。

「魔法の杖は非常に高価だ。もしこの試験を受けるのが、家族のため、村のために来ているのなら、それでもいいはずだ」

 何人かは考えている。当然だ。おれがカリンと森へ飛ばされた時に、商人たちは必ず買っていた。今考えたら信じられない価格で売ってしまったが。それだけ価値のあるものだ。なかなか出会えず、少し値が張っていても、十分売り切れると判断したのだろう。

「おれは杖職人だ。杖を作ることができる人間は王都でも少ない。おれの杖は金貨ひと袋にもなったことがある。」

 ズボンに手を突っ込み杖を引き抜く。

「んぐっ!ぷはっ!この一本と同等の杖をやろう。」

 引き抜いた杖を振るい、杖先に魔力を流す。ぱちぱちと火花が散る。

「No.持ちになったとしても生活が保証されるとは限らない。俺のいた村には、No.50台とNo.90台の2人がいたが、村全体が豊かというわけではなかった」

 さらに揺さぶる。ざわざわとした声が大きくなる。やはり、生活をよくするためという思いを持つものも多いいようだ。

「いまなら、時間さえあれば、ここにいる全員に杖を配ることはできる。」

「具体的にはいつもらえるんだ」

 魔道士から声があがる。当然の質問だ。

「お、おい」

 質問した魔道士に遠慮がちに声をかける。ちらちらと『氷鬼』の表情を伺っている。

「あたしは今回病気の弟の治療費を稼ぐためにきてる。それが解決するなら。何日もかかるなら困るが」

「1週間以内を約束しよう。急ぎの場合はそれも考慮しよう」

 あまり早すぎても、杖の価値が下がるだけだ。このくらいが妥当だろう。

「……わかった。試験は降りる。」

 一人の魔道士が試験を降りた。

「『赤鷲』や『千変』の魔法を間近に見てる。あんたらじゃまだ、あのレベルには無理だ。何より、いまの『氷鬼』、さんの魔法に1人で匹敵できるというならこのまま進めばいいさ。いま、なにも手に入れずにいつかくる重圧に耐えるか。一瞬の恥をしのんで、新しい杖を掴むか。最後のチャンスだ。」

「わ、わたしも」

「あたしも」

 次々と提案を受けいれていくなか、残るものもいた。

 一人眼帯をした魔道士だけがそこに立ち、俺を見ていた。

「きさま、金で私たちを買収しようというのか!」

「ああ」

「腐ってやがる!反吐が出る!私は認めない。あんたも、あんたの後ろの女も」

 まぁ、仕方ないか。

「穏便に済むならそれにこしたことはないんだ。あんたはなんのためにNo.を取りたいんだ」

「……あたしの夢のためだ」

「……そうか。だったらどうする」

「あんたをぶっ倒して、後ろの女もぶっ倒す」

 彼女は杖を抜く。

「どうなってもしらねーからな」

「金をチラつかせて試験を冒涜する貴様に、私が負けるはずがない!!うがて!!『硬岩弾』!!」

 彼女が杖を振るった先の地面がせり上がり、巨大な砲身を作る。

「ぶっ潰れな!!」

 杖の指揮にあわせて、土で出来た大きな砲弾が発射される。

「…よけるわけには」

 後ろのガブコをちらりと見た。

「はぁ、はぁ、あっしは気にせずに」

「……いかねーよな」

 杖を抜く。この杖はまだ未知数。だが、だからといって使わない訳にはいかない。

「豊穣の女神よ!!大地に眠りし木々の芽で!!我の敵を絡めとれ!!おとめヴェルゴ!!『蔓蔓網壁グリーンネット』」

 おとめ座の逸話は複数存在している。対象となっている女神も何体かいる。故にその能力も複数。飛んできた巨石を足元から伸びたつるが絡めとる。大地の神の伝承を引用した。

「上級魔法か……デカいのがダメなら、削れ!土塊連弾マッドガトリング!」

 小さな砲門が地面から生まれ、俺に狙いを定める。

 小さな礫が撃ち込まれる。

「水流の女神よ!!そのおおらかな流れを持って、我らを守れ!水瓶座アクエリアス!!『水琉球ブルーボール』」

 水が杖先から溢れ出て、俺とガブコを包む。目の前の水面が激しく揺れるが、中まで攻撃が届くことはなかった。

「わかったか。あんたじゃ、俺には敵わない。」

「舐めるな!!あたしには、ゴーレムが!!」

 魔力を練り上げる彼女に向けて、それよりも早く杖を構える。

「杖を射抜け!!射手座サジタリウス!!『稲妻射線イエロー・ボー』」


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