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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
第3章 異世界に来た俺は50人の魔法少女からケツを狙われている
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No.更新試験6

「が、ガブコ?」

 深く帽子をかぶった回収係。たくさんの魔道士に囲まれた彼女はガブコだった。だが、彼女の美しかった水色の髪はくすみ、身体中かすり傷や魔法傷だらけだった。

「私たちは、ちゃんと魔石を取ってきたんだよ!」

「ふざけんな!」

 罵倒や魔法を一身に受け、彼女は杖をかまえる。

「すまないっすね。みなさん。」

 氷で出来た魔法の爪で、他の魔法を切り裂く。

「な、なぁ、あれ、どういうことなんだ」

 堪らず近くの魔道士に聞く。

「あぁ?どうもこうもねーよ!!アイツが回収BOXに魔石を入れるのを邪魔するんだよ」

「まぁ、それはみたら分かるんだけど」

 明らかに周りのボルテージが上がっていく。

「いいかげんにしろ!!」

 明らかに人に向けるレベルではない魔力が込められていく。

「あ、あぶな」

 彼女の放たれた魔法はガブコの頭をかすめる。額がぱっくりと割れ血がしたたる。

「あ、えっと、その」

「へへっ。痛いっすね。でも、そんな弱い攻撃で、いいんすか?試験官も見てるんすよ?」

 なぜ、そこで煽るようなことを?ふらふらとした足取りだった。頭の傷も浅くない。感じられる魔力も、あの頃と比べられないくらい弱々しい。こんなんで魔法受けたらただではすまない。ちらりと『氷鬼』の方を見る。でも、彼女は止めるどころかにまにまと笑っていた。

「と、止めないんですか?!」

「なぜ?奴は試験官だ。問題ない」

「でも、度をこしてます」

「あぁ、気にするな。あれは禊だ」

「禊?」

「『氷豹』のメンバーのくせに、一人の魔道士を助けるために、学長に直談判しやがった。『氷豹』の手足は、意志を持つべきじゃない。お前も知ってるか?黒の杖職人マエストロ。アイツを助けろってよ。お前も訳ありみたいだが、あまり、調子に乗るなよ?出る杭は打たれる」

「じゃ。じゃああれは」

「あ、ああ、あれか?あれはな」

 彼女はくくっと笑う。

「?」

「この試験の合格者を5人に抑えたら、学長に口きいてやるって言ったんだよ。そしたら、よう、必死でよう、くくっ。はじめ、白い仮面の連中にあっさり抜かれてよう。そんときの奴の顔は傑作だったな。それから」

「いま、何人目なんですか?」

「あ?どうでもいいだろ?そんなこと」

「え?いや、だって、学長さんに」

「ばーか、『氷豹』は手足が意志を持つなってな。口をきいてやるつもりは」

「はなからないってわけか。」

「よく分かってんじゃねーか。お前、うち来るか?ははっ。あいつより勘がいいじゃねーか」

 この状況は想定内なのか?ガブコを振り向く。

「へへ、そんなんじゃ、No.なんて夢のまた夢っすよ」

「う、うるせぇ!!雷よ、我の敵を打ち砕け、雷蛇ナーガ

 放たれた電気で出来た蛇はガブコ目がけて飛んでいく。肩に力が入らない。腕が上がらない。血がぬけて、思考がまとまらない。

「へへっ。すまないっす。変態くん。あっしはなにもできなかったっす。せっかく『氷豹』さんに話を聞いてもらえるチャンスだったのに」

 眼前に迫る魔法を、前に、なにもできない。私は。無力だ。

「目ぇ!覚ませ!ガブコ!」

 雷の蛇を黒い杖で叩き潰す。

「え?…変態、、さん?」

「おい、あんた!!」

 黒い杖を『氷鬼』に向ける。

「あんた、仲間だろ!」

「仲間?『氷豹』はそういう組織じゃないんだよ」

「ガブコはおれの仲間にする。こんな組織にいさせてたまるか」

「こんな、組織?ひどいいいようだな。この変態やろう」

「へ?」

 あ、そうか、黒い杖の影響で、乙女座ヴェルゴが解けてしまったのか。フリフリのスカートからゴリゴリの足がはみ出ている。

「変態結構!!ガブコはおれがいただく!!」



また週末更新になります

よろしくお願いします!

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