ある1人の異世界人のプロローグ
「よっす!おれの名前は大道寺 桜!東京に住むどこにでもいる普通の高校生だ」
「うわ、うわあ、うわあああああ」
「どこだ?ここは?おれは確かあの時」
「異世界特典?」
「口から聖剣を出せる魔法?魔王退治?」
「よぉ!おれはっ、ってあぶな!なにするんだよ」
「ばかやろう!そんな誰かに搾取されるだけの人生なんてやめちまえ!おれがそいつを倒してやる」
「おれか?俺の!名前は大道寺 桜!魔王の手に堕ちたあんたの悪事をおれが裂く!」
「泣くな。お前はもう自由なんだから」
「はい?勇者?おれが?」
「なんだ。お前もついてくるのか?」
「へー、ここがこのアナホリーダの西の都か!魔王倒す前に装備を整えないと」
「あ、おれの財布!!」
「そんだけ強いのにお前は縛られてる。おれは君の鎖を解き放ちたい。もったいねーよ。世界はこんなに不思議なのに」
「いいじゃないか!情報屋!お前の魔法にぴったりだ!またこの街に来るからな!」
「く、強すぎだろ、構えろ!あ?ばーか、おれが負けるかよ!なんたって勇者なんだからな!魔王をいつか倒す男ってあっつ!!なんだあの火力!こりゃ、魔力が倍くらいの差があるぞ」
「なんだよ、お前も日本生まれか!俺は
大道寺 桜!勇者だ」
「すっげぇ学校だな。ん、なんだ?」
「あーうるせいうるせい!学ぶ方法なんざ幾らでもあんだよ。たった一つの与えられた正解よりもな。血反吐はきながら得たたくさんの失敗が、血肉となるんだよ!」
「へぇ!学校づくり、いい学校を作ってくれよ!氷の魔法でできた学園とか、綺麗だろ!やってみてくれよ」
「は?待てよ、どういうことだよ。お前が魔王?そんな」
「くそがああああああああ」
異世界からアナホリーダに着て3年、おれは魔王を退治する勇者として、大陸を旅していた。仲間を増やし、魔王へ挑み、そして、相打ちになった。
相討ちになるように仕向けた。
死によって、あの神の間に向かうため。
「ふ、上手くいったみたいだ。異世界から日本に戻る切符で、もう一度アナホリーダに転生する。今度は転生だ。生まれたときからこちらにいれば、魔力は前回よりも、、、。おれは必ず、まずは、おれが生まれ落ちる年は、と」
「まける布石はまけた。修行もした。舞台は整った」
「さぁ、はじめようか」