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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
第2章 異世界に来た俺は30人の魔法少女からケツを狙われている
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姉妹の修行

 戦闘が始まってすぐに猛攻が始まる。

 黒猫はあっという間に距離を詰めて、カリンの長い杖が振り回しづらい、近距離から引っ掻くように攻撃してくる。


「はぁ、はぁ、はぁ、まさか、獣人?」

「にゃっはっは!見せてやるにゃ!黒猫さんにも褒められたにゃにゃん拳」


 彼女は両手を地面につき、腰を捻るようにして、足技を放つ。ブレイクダンスのように彼女の身体は変幻自在な動きをする。


「なんで!獣化して、こんな!複雑な動き!」


「にゃ!にゃ!にゃ!はっ!なんでだろう、にゃ!!」


『影猫』の力は、獣人である彼女の潜在能力を引き出す魔法だ。通常獣人は自分の意思で獣になることができるが、その能力と知力のバランスが非常に難しい。なので、ほとんどの獣人は耳などの感覚機関のみを獣化して日々を過ごしている。彼女の『影猫』は、知性を持ったまま獣化できる稀有な能力である。また魔法を身体に覆う量を細かく刻むことで、微細なコントロールしている。手足を変化させているので、出力25パーセントというところだ。


「…にゃにゃん拳、かわいい癖に強すぎない?」


 そして、厄介なことに影の力も取り込んでいることにある。攻撃範囲は影を伸ばすことにより、近距離から遠距離まで対応している。彼女のNoは60番台。ただし彼女が普段能力を戦闘で使ってない状態の数値である。本気で戦えば、さらに数値は跳ね上がる。


「にゃにゃん!にゃ!にゃん!!!」


 両腕の影の爪が伸び攻撃範囲を拡大する。


「く、光の精霊よ!力を貸して!『幻影舞踊(ミラージュ)』」

「な、なんにゃ?」


 爪で引き裂いたカリンの身体が霞のように消える。

 黒猫の周りに何人ものカリンが取り囲む。光の精霊の力を借りた幻覚だ。


「「「「さぁ!魔法を消して、降参しなさい!」」」」

「にゃあああ、参ったにゃ!こんな数勝てないにゃ!」


 その場にへたり込む。

「やった!やったよ!姉様」

「あらあら、残念。」


 鋭い痛みが身体を駆ける。


「……にゃあんちゃって!」


 一瞬にして、彼女を取り囲んでいたカリンの幻影たちは、ズタズタに引き裂かれた。


「くぅ!」


 地面についた手から爪を伸ばし、地面の中から攻撃をしたのだ。当然その中に混ざっていた本物もバッサリと切られてしまった。


「『幻影(ミラージュ)!』『幻影(ミラージュ)!』」


 次々と、炎の龍や氷の槍を黒猫に向けて打ち続ける。


「にゃっはっは!無駄にゃ!無駄にゃ!さっきの攻撃でその魔法が幻影だってのはわかってるにゃ!」


 彼女の言う通り。カリンの魔法攻撃は黒猫の身体をすり抜けていく。


「くそっくそっ!『幻影(ミラージュ)うううう!」


 渾身の力を込めた魔法、巨大なタライが黒猫の上空に姿を現す。黒猫は1度そのタライを見てすぐに笑う。


「にゃは!にゃは!にゃはははは!タライって!にゃは!」

「せいぜい余裕かまして、笑ってやがれ」


 めげずにカレンは炎弾を飛ばすも、虚しく黒猫の身体を通り過ぎるだけ。


「ああああああああぁぁぁ!たあああれえええ!タライチョップぅ!」


「無駄にゃ努力にゃあ!にゃっはっは!にゃん!?!?!」


 上空にあったタライが自由落下を開始し、黒猫の頭を直撃した。タライにはいっぱいゴロゴロと岩が入っていた。


「にゃ?にゃに、ごと?ほん、も、の……?」


 クルクルと目を回し、黒猫はバタンとその場に倒れた。


「あらあら油断したわね。激高したあとの笑ってしまうほどの弱い相手、感覚のするどい獣人でも、気持ちが緩んだようね。まさか、幻を中に本物が混じってるとは思わなかったようね」


「よっしゃあ!姉様私強くなった?」


「えぇ!」

 姉妹はハイタッチをした。

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