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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
第1章異世界に来た俺は魔法少女1人からケツを狙われている!
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俺のケツは100人の魔法少女に狙われている②

「貴様っ!」

焦った領主は魔力を魔法陣に流し込む。ガブコが斬り込んだ氷には、さちよの加速する力により、魔力が一気に流出するよう仕掛けがほどこしている。想定外に、急激に魔力が魔法陣に流れ込んだ影響で、魔道砲からも魔力が抜ける。

「ぬあ、なんだ、力が抜ける?」

「異世界人に頼ってなんになるっすか?強さは己でつかんでこそっすよ!」

ガブコは領主の股に滑り込み、通り過ぎざまに足を切りつける。

片膝をつき、魔境にパンティが顕になる。蒼いしまぱんがおっさんのごっつい足に挟まっているのだ。大陸中が吐いた。

「なんつうもんみせるんや!」

よし、体勢が崩れた。やつはいま、地面をみてる。

かりん、頼んだぞ。

「『道標の(ポラリス)』!!」

沢山の氷の塊や瓦礫、その場にある全ての等身大の物体に俺の姿を映し出す。その一つ一つが、今までの旅を通じてかりんが見た姿。本物だと錯覚する凄みがあった。領主が顔をあげた時には、周りは俺の姿だらけ。

「ひっ!」

追い払おうと杖を振るい魔法を放つ。

「くるなあああああああ、あ?」

「は、あんだけバカスカ撃ちゃ魔力切れにもなるだろうよ」

だが、事態が飲み込めない領主は、杖に当たり散らす。

「この役立たずが!」

そして、あろう事か、杖をへし折ったのだ。

その瞬間、血が熱くなるのを感じた。

「てめぇ、よくも、俺の杖を折りやがったな…」

幻影の合間を縫って接近した俺は本来の作戦では杖を奪い取るだけだったが、力いっぱい領主の顔面を殴り倒した。

「き、貴様この領主を殴りおったな。何ものだ」

胸ぐらを捕まえて顔を近づける。

「・・・その杖の生みの親だよ」

領主は突如現れた黒服の男にし

「はぁ、はぁ、貴様が例の黒の杖職人(マエストロ)か」

「マエストロ?しらねーな。てめぇはへし折る」

「バカが!ワシには『千変』がある!!」

胸元から、杖を取り出した。

「こうなっったら、貴様をかなめくじにでも変えてやる!」

「あぶない!!」

カリンが飛び出し、俺を突き飛ばした。

「っ?!かりん!!」

「姉様を泣かせんなよ?」

言葉とは裏腹に彼女は俺に静かに優しく微笑んだ。嫌だ。嫌だ。失いたくない。嫌だ。必死に手をのばす。彼女の手は掴みきれず、掴んだのはかりんがとっさに投げた『道標の(ポラリス)』だった。

ふいに風を切る音がした。

「わたしの杖で家族を傷つけることは許さない!!!」

領主の右腕にたまずさが飛びつき、領主から杖を奪い取る。

「この魔女がぁあああ」

領主がたまずさを空いた左腕思いっきり殴った。

「ぐっ」



その光景に俺の中の何かがぷっつんと切れた。

「…来い!!『渇望の(アクエリアス)』!!」

領主に捨てられた杖「渇望の(アクエリアス)」が、意思があるかのようにクルクルと回転し、手の内に収まる。握った瞬間自分の内にある蓋が外れたような感覚があり、力が身体を巡るのを感じた。

『道標の(ポラリス)』あの杖は持ち主の潜在能力を高める杖。そして魔力を生み出す『渇望の(アクエリアス)

ケツが……アツい。

おしりの光が全身を包み、身体が白く染まる。

「なんだ、あれ」

曇りなき白髪に、燃えるような赤眼。着ている学ランとコントラストになり、よりその色を際立たせる。彼の背には放射状に広がる杖!杖!!杖!!!

「……星よ…星の杖たちよ、不変の星に集いて。従え…『天上の大銀河(GALAXY)』…」


「なんだ、なんだ、その姿!!」

「覚悟を決めな、おっさん、この世界がてめぇの悪行をゆるしても、お天道様はきっちり罪をつぐなわせる!」

静かに、つぶやくように、でも、はっきりと彼は言った。

手にした『道標の(ポラリス)』を領主にかざす。背中の杖たちが領主に一斉に向く。何百、何千という杖が領主を狙った。

「ひっ!」

「『星屑(スターダスト)』」

「うおおお!」

煌めく流星が、色とりどりの星たちが、一斉に駆け抜ける。領主は体に僅かに残る魔力で防壁を作ろうとしたが、そんなものは全く役にたたなかった。

「ぬあああああ!」


「はっ、魔法少女どもは道具だ。そこに人格も人権も必要ないんだよ」

荒縄で縛り上げられた全裸の領主はなおも、減らず口を叩こうとしたが、鬼の形相をしたかりんたちに黙らされていた。

「おい、妹」

「なによ」

「この世界の価値観ってみんなこんななのか?」

「まぁ、そうね。」

「そっか」

俺は足元にあった割れかけの魔鏡に向かって話し出す。

「アナホリーダの魔法少女よ!よく聞け!俺は魔法の杖をケツから出せる」

「あんた、なにして」

「性能は見ての通りだ。世界に復讐してみないか?お前らが運命に縛られているのなら俺が断ち切ってやる。俺の杖を奪ってみろ!俺のケツを狙ってこい!」

そういうと俺は魔鏡を叩き割った。


「ガッハッハッ!なんであんな煽るようないいかたしたんだ?ばっかじゃねーの?」

「そっすよ。アナホリーダ中の魔法少女が変態さんを狙うっすよ」


「おれはヒーローじゃない。今回のことで、俺の力は善にも悪にもなりうることがわかった。杖を使う魔法少女たちには生きる目的を前に進む努力を、選ぶチャンスを掴みとってもらいたいんだ」



あと1話

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