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俺ケツ!異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われている!!!!!!  作者: お花畑ラブ子
最終章 異世界に来た俺は魔法少女100人からケツを狙われていた!!!!!!
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魔王3

対魔王戦に関しては、数え切れないほどのシュミレーションを行ってきた。この計画を始めてからずっとだ。

「戦う場所が違えども」


刀に寄りかかりながら立ち上がる。


「アイツを助け出すために、今日この日のために俺は生きてきた。」


血のにじむような努力も。


毎晩吐くほど悩んだ仲間たちへの裏切りも。


全てはあの子を助けるために。


「あんまりじゃねーか。神様」


助けたかった少女の姿でたか笑いする魔王が瓦礫の隙間から見える。


「せめて」


離しそうになる刀を再度握りしめて


「俺の手で」


涙を拭い。魔力を静かに滾らせる。

怒りも


悲しみも


苦しみも


悔しさも


後悔も


全て、刀に乗せよう。


「……気張れよ、桜。」

仮面が地面に落ち、涙でぐちゃぐちゃになった青年の顔があらわになる。自分に言い聞かせるように呟く。


「俺たちの長い長い、長かった冒険は今日終わるんだ。」


仮面がくだけ、その情報の全てが元勇者の体に取り込まれていく。


「世界がひっくり返ろうとも、俺がお前を必ず救い出す!!」




「…ふむ」

(セカンド)は状況を見ていた。(ファウスト)が魔王(仮)に突っ込んでいくのを見て、自らは結界と透過魔法を使い、隠れ忍んだ。手で魔道具を生み出す力を使い、限りなく魔力を抑えて。魔王は自らの目を使って見えてない。まだ、あの身体を使いこなしていない。その証拠に、奴は自らを操り、攻撃を仕掛けてきた。超特級禁魔法。超新星(ノヴァ)。星を生み出し、世界を滅ぼしかねない魔法。あれは彼女が最後に会得した魔法。


黄金の巫女の意識はまだ死んでない。


「と、なると」

彼女は足元に横たわる子供たちを見下ろす。魔力にあてられ、気を失っている。帝都のシャボン玉の結界は破られている。直に魔法少女たちが集まってくるだろう。

そうなると魔王の恰好の餌になって、さらに力をつけてしまうだろう。


「ほんとは君たちこそが、と思ったんだけどな」

誰ともなく呟いた。

「えい」

ワサビとカラシを召喚し、少女と少年の鼻にそれぞれねじ込んだ。

「んがあああああ!!」

「んぎゃああああ!!」

少年はのたうち回り、少女はバタバタと暴れていた。防音魔法を掛けておいて良かった。

「よしっ!起きたみたいだな!」

「「何すんだよ」」

「あんた白仮面の」

魔王がこの世に現れたのなら、勇者もこの世界のどこかに生まれたはずだ。世界の真実をしる(セカンド)は涙目の2人に希望をたくす。

「今の状況を端的に話すと魔王が復活したのさ。だけど(ファウスト)の予定と違う形で、ね。」

「どういうことだよ」

「予定と違う?」

「僕達の予定では、天上の間で、魔王を討伐する予定だったんだよ。勇者と巫女が揃うところに魔王が現れるからね。逆もしかりさ。」


「なんだよ。今の言い方。まるで、勇者と巫女がいるから魔王が現れるみたいな言い方。」


俺には今の言い方に引っかかることがあった。(セカンド)は淡々と語る。世界の真実を。


「そうさ。世界が発展するために、勇者と巫女と魔王はセットなのさ。魔王が現れることで様々なものが破壊される。抵抗するために、魔法への理解が深まり人間たちの間で研究がはじまる。魔王は呪いの形で自らの魔力を世界にばら撒き、世界の魔法力があがる。その影響で魔力を持つものが生まれ始める。中には魔力が群を抜いて高まるものたちが現れる。魔人や魔法少女たちがその典型だな。魔力の高まりは伝染し、世界は豊かになるのさ」


「なによ、それ、魔王が世界を豊かにしてるの……」


「いや、肝心なのはバランスさ。世界をお盆としたら、今この世界は1本指の上でバランスを保っているのさ。大抵の揺らぎは自分でバランスを保てるが1箇所に力が集中してしまうと、とたんに世界は崩壊する。バランスをたもつために魔法少女の中から1人巫女が産まれてくる。彼女が産まれてくるのは、世界の魔力のバランスが著しく乱れている時さ。魔王は自分を封じることの出来る巫女を見逃せない。すると血眼になって探すため魔力を分散させる。結果としてバランスが保てるわけだよ」


「一方、勇者は魔王が暴走したときの抑止力だ。対魔王戦ができるように特化した人間が産まれてくるようシステム化している。異世界からの転生によるブーストをかけて産まれてくるようにな。」


「なん、だよ、それ、」



「ブーストをかけてる分勇者も巫女も短命になるようになってるがな。大抵は魔王と相打ちになるようになってんのさ。生き残っても世界のバランスをくずすだけだからな。しばらくの間は魔力の格差によるいざこざがおきるだろうが、そのうちいい塩梅に人口や魔力が落ち着く。」


「え……。じゃあ、」

「それが嫌で、アイツらは魔王を倒さず封印したのさ。」



「君たちには、今からできるだけ遠くに逃げて、この世のどこかにいる巫女と勇者を探して再起を測ってほしい。」


「な、ちょっと待てよ。んな逃げる真似なんて」

「勝てるかい?あれに。君たち2人で。あれはまだ本来の力の1割も力をだしてないのに」

彼女の言葉に、俺は言い返せなかった。

みなさまのおかげで99いいね頂きました。いつも読みに来て下さる皆様に感謝を。100いいねを1つの目標にしていたのでうれしいです。


2023年中に完結させたかったのですが、もうしばらくお付き合いを。

来年もよろしくお願いいたします!

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