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プロローグ



 ここはどこだろう。真っ暗で何もない空間。地面に足が着いていない状態なのか。ふわふわとしている。


 真っ暗すぎて自分の身体すら見えない。なんだろう、本当に……ここに自分は存在しているのだろうか。


 記憶は……間違いなくある。名前……佐宗亜夢(さそうあむ)、高校3年の女子。


 朝からの記憶を辿ってみることにした。



 いつも通り起きて準備をして、家を出た。テレビに表示されていた日付も、その日報道していたニュースも覚えている。大丈夫、記憶に間違いはない。


 しかしその後は……学校に着いた記憶はない。えぇと……通学途中で……誰かが呼びかけてくれたような……。


 呼びかけてくれて、振り返って……。うっ、なにか物凄いことが起こって……ああ、そうだ思い出した。振り返ったらすぐ目の前にトラックがいて、轢かれたんだ。私は死んでしまったのか。




 地味な人生だったな。勉強はしっかりしていたので成績は良かったけどそれだけ。趣味は読書で、図書委員でいそうな見た目だよねとよく言われることがあった。言いたいことはわかるけど結構失礼だと思うんだ。


 憧れだった、友達大勢集まって夜通し遊ぼうぜ、みたいな陽キャのイベントとは無縁だったし。


 そういうのはなくても、大人になれば多少は恋愛も出来て、そのうち結婚して、子供も出来たりするのだろうかと思っていた。


 悲しくもそのステップに到達する前に死んでしまった。これは予想外だ。



 この何もない空間……暗闇から抜けると天国にでもいけるのだろうか。実は天国の方が現世より快適だったりして?


 おっ、なんか……薄っすらと、遠くの方から明るく……なって……きたっ……!




 ―――さあ、天国よ! 私を迎え入れて!

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