Dandelion
彼は、私のメシアでした。
俯き嘆く私に光をくれた。
この翼が焦がれてもいい。
地に叩きつけられてもいい。
どうか少しでも、君の傍に。
かみさま
生に縋り付くことをお許しください。
踏みにじられ、ぼろぼろになった私に、溢れるほどの愛を注いでくれた。
あの子を遺す訳にはいかないのです。
まだ、あの子の笑顔を照らしていたい。
この温もりを伝えたい。
あと少しだけ、あの子の傍に。
彼は、空へと飛んでゆきました。
私を焼き殺さないようにと、その身を変えて。
純白を身に纏い、結婚式みたいだねと微笑みながら。
『いつかまた、逢う日まで』
空高く、飛んでゆきました。
とある 女の子 と たんぽぽ の おはなし。