俺をイカせたのはバナナかよ!?~ミッションは異世界救済?生き返りをかけ転生します~
俺をイカせたのはバナナかよ!?~ミッションは異世界救済?生き返りをかけ転生します~エピローグ
氷上英雄の物語、完結
詳しくは作者ページより1話,2話、3話をご覧ください
……い! ……い! ……丈夫か!?
何だろう。遠くから呼ばれているみたいな……
「おい! 大丈夫か!?」
ハッとし目を開ける。三人の人影が俺を覗き込んでいた。
「マイケル……? ジョニー……? クリス……?」
では無く……スーツを着た若い男性に作業服のガテン系兄ちゃん、お下げ髪の少女。どことなくあの三人に雰囲気が似ている。
……あの三人?まだぼんやりして頭が回らない。
「大丈夫かい?急に凄い音がしたから驚いたよ。一応救急車は呼んである。診て貰った方が良いね」
「救急車来るまで無理すんな。ちゃんと横になっとけ」
男性組がどっちが付き添うか等話し始めた。そっと少女が教えてくれる。
「分かります?お兄さん、急に転んで頭打ったんです。ピクリとも動かないのでみんな焦りました」
「そ、そうなんだ……。どうも……」
そうだ、俺は学校帰りにコンビニの前でよそ見していて、ふと視界がグルンと回って……しばらく意識を失っていたみたいだ。
なんか、長い夢を見ていたような気がする。
程なく救急車はやって来た。スーツのお兄さんが同行してくれるらしい。救急隊員に母親の連絡先を教えたり、体の異常について話して車に乗り込む。
お世話になったガテン系兄ちゃんとお下げ髪少女に一礼すると手を振ってくれた。本当に感謝しかない。
「閉めますよぉー」
救急隊員が後部ドアを下ろし始めたその時だった。
なぜか急にお下げ髪少女に視線が吸い込まれる。今までおとなしそうにしていた少女の表情がイタズラっぽい笑みに変わる。そして声は聞こえないが、はっきりと口が動いたのだ。
ありがとねん
意味が分からず呆然とする。ドアが閉まる瞬間に見えたお下げ髪少女の表情は元に戻っていた。
まぁ、さっきのはおそらく見間違いだろう。頭を打った影響だろうか……?ただ何となく、本当に自分でも分からないのだけれど、自然にポツリと言葉が漏れた。
「こちらこそ……」
最後までお付き合いいただきありがとうございます!
良い経験になりました!