0 ある日常
初投稿です。つたない文章で足りないところも多々あると思いますがこれから勉強していきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
町はずれの潰れた工場に銃声と騒ぎ声が響く。
「ここに逃げ込んだはずだ」
「相手は足を怪我している」
「もう逃げられんだろう」
バタバタバタ。
私のほうに足音が近づいてくる。怒号とともに。嫌だ、死にたくない、どうして、何もしていないのになんで……頭の中でいろいろな言葉がぐるぐる混ざる。唇が震える。銃で撃たれた足はじくじくと痛み、もう歩くことすら難しい。
お願い。どうか、どうか。
私は大きな棚の陰に隠れ息をひそめながらほんの僅かの希望にすがり、嫌いだったはずの神に祈る。震
だが。
「見つけた」
そんな願いはむなしく散った。無表情で銃を握る手が私に向けられた。
ああ、ああ、どうして。残り数十秒の命。頭に駆け巡るのは神様への恨み。
できることならできることなら
私は まがいもの じゃなくて人間に生まれたかった。ただただ普通の人間に。
唇がよりいっそう震える。
「あは、あはは」
なんで まがいもの という存在は生まれたのだろう。
パァンと銃声が響く。
血だまりができる。
銃を撃った者が言った。
「まがいものとは……なぜ存在する?」
その問いに答える者はいなかった。