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31.状況開始
相葉らが降り立った場所は、本部から数キロ離れた市街地だった。既に結界も展開され、先行部隊が戦闘に突入している――しかし。
「やっぱり、本部は都内にあったんだな」
輸送車を降り立ったところで周囲を浅く見回し、相葉はつぶやく。見たことのある街並み、ビル群だったからだ。まあねえ、と背後に同じく降り立った久坂が相葉の独り言を拾って頷く。
「普通は最重要機密だけどね。ときどきこうやって作戦に出されると、さすがに推測もできちゃうんだよ。私やコヒメちゃんも、おおよその場所は把握してるしね。長いといろいろあるわけよ――まあ、だから何、っていう話でもあるし、そもそも本部周辺で戦闘を展開するっていう状況が滅多にないんだけどねえ」
軽い音を立てて両の拳銃を腰裏に差し込みつつ、能天気に久坂は笑う。
「通信機の状態は良好? ――おーけい、それじゃあ始めようか」
振り返る。ちょうど最後に輸送車から降りた筧が、腰の刀に手を置きながら頷いた。
「ここから先は、局地的な連携を除いて個々の行動となる。作戦目標は超能力者の殲滅。絶対防衛ラインは本部施設だ。何としてでも死守しろ。――では、作戦を開始する」
応、と全員が応え、走り出す。まず向かうのは、既に戦闘音が鳴り響く地点だ。
爆砕と銃撃。
走り始める。




