表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Blood/Bullet/Parade  作者: FRIDAY
参 Betrey/Blaze/Boost
29/51

29.暗中の燻り

 訓練場に入ると、既にたくさんの兵士たちが整列していた。見れば班ごとに分かれていたため、すぐに相葉と折笠も七課七班、筧たちの後方に並ぶ。そのタイミングで素早く点呼が行われ、全員の終結が確認された。

 隊列を組んだ面々の前に堂々と立つのは、機関七課副長の岸田だ。彼は全員を見回すと、重々しく頷き、マイクを取った。


「――諸君」

 岸田は語り始める。

「まずは落ち着いて聞いてくれ――つい先程、我らが機関七課の関連施設が、超能力者によるものとみられる襲撃を受けた」

 岸田の言葉に、居並ぶ全員がざわめく。静粛に、と素早く場を制して、岸田は先を続ける。


「襲撃を受けた施設は壊滅。さらには他所の施設も次々と攻撃を受け、現在も戦火はなお拡大している。超能力者どもがどのようにして我々の拠点を嗅ぎ付けたのかは、目下不明だが――これは間違いなく、奴らからの我々に対する宣戦布告だ」

 拳を握り、威勢よく岸田は言う。


「超能力者どもに組織立った動きが確認されていることは、先の作戦の折に諸君も知ったことだろう。今回の襲撃は、その組織の手によるものとみて間違いない。だが同時に、諸君は既に、超能力者どもが組織立ったところで我々の敵ではないということもまた、知っているはずだ。これは好機なのだ。我々が奴らを根絶やしにする、絶好のチャンスに他ならない――時は来たのだ! 今こそ我々は伏臥ふくがのときを終え、この血塗られた戦いに終止符を打つのだ! 我々の手により、奴らの血によって! 立ち上がれ諸君、武器を取れ諸君!」

 次第に温度を上げていく兵士たちへ向けて、岸田は雄々しく声を張った。


「今こそ、我々は超能力者どもを打ち滅ぼす、全面戦争を開始する!」


 応、と応えるものがいた。

 応、と拳を突き上げるものもいた。

 その雄叫びは、瞬く間に全軍に広がり、訓練場が熱気に包まれた。

 しかしその中で、周囲の熱に乗せられることなく、すっと手を上げたものがいる。


「副長。質問が」

「……筧班長か。何かね」


 この状況においても平素と変わらない顔の筧に、マイクを外して岸田は応じる。

「今は一刻も早く反撃に出なければならない状況だ。手短にしろ」

「全軍の指揮は、岸田副長が取られるのですか」

「そうだ。これより機関七課における一切の権限は、私が代行する」

「……ここで全面戦争に踏み切ることはいささか性急であるとも思われます。北山総長のお姿が見えませんが、総長はどちらに」

「総長は、折り悪く私用で出ている。当分は帰って来られない――訊きたいことはそれだけか」

「はい。有り難うございました」


 岸田は筧を強い視線で見下ろすが、筧は全く臆することなく正面から見返した。数秒、岸田はそうしていたが、やがて視線を外すと再びマイクを入れ、狂喜する兵士らへ大きく言った。


「これより我々は超能力者に対し、全面戦争を仕掛ける。総員、速やかに戦闘準備を済ませ、即刻出撃せよ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ