11.発令
筧の言通りに、その数日後に新たな任務が発令された。
任務の内容は襲撃戦。何でも情報部の綿密な調査によって、超能力者が組織を形成しつつあるということが発覚した。これは非常に由々しき事態である。たったひとりでも強力な超能力者が組織立った動きをすれば、今まで以上に戦闘が困難になることが大いに予想できるし、一般社会に超能力者の存在が露呈する危険性も跳ね上がる。これは迅速に壊滅させなければならない。
すぐに部隊の編制も通達された。筧の予想通り、熟練兵はおろか訓練兵に至るまでほぼ全員が出動だった。
練兵場に整列させられた訓練兵たちの前で、教官である榊原が吠える。
「いいか貴様ら! 貴様らは機関七課の犬だ。憎き超能力者どもを一匹残らず食い殺す殺戮機械だ! 忘れるな。自分の命を顧みるな。一匹でも多く殺せ。ただじゃ死ぬな。道連れにしろ。それがお前たちの生きてきた理由であり、価値だ! 敵を一匹でも多く殺す。これができない奴はただの屑だ。生き残ることを恥と思え。わかったな!」
はい、と全員が大声で応じる。その中に並ぶ相葉も、少なくとも表向きは例外ではない。
内心では、先日の筧の言葉をこそ忘れていないが。
「ならばよし。作戦決行は通達通り三日後だ。それまでは自由に過ごせ。貴様らの最期の時間だからな……以上、解散!」
最後の最後まで脅すようなことを怒鳴って、榊原は話を終えた。全員が敬礼をもって応じる。
事実、脅しでも何でもなく、この場にいる人間のほとんどが生きては帰ってこられないのだから。




