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サンタとは、赤い他人である
サンタ(の服を着た人)の花屋に行くと、当然だが花がたくさんあった。
「今回はどんなものを?」「久しぶりに彼女が帰ってくるので」「あっ、それはそれは」なぜニヤニヤしてる。
「しかし、今時、花を買う人なんて少ないですよねー」そんなこと言う花屋初めてみたぞ。
「1500円に成ります」なんのサービスもなしか。せっかく助けてやったのに。
「花を1本分サービスです」それのどこがサービス!?ほとんど変わんねーよ。
まあ、いいか。買ったし。
「ありがとうございましたー!」後ろから声が聞こえた。
待ち合わせの場所に着いた。香がいる。
「はい、クリスマスプレゼント」そして手渡す。
「わあ、ありが…」うん?何か虫でもいたのか?香はその花束に付いていたカードをこちらにも見せてきた。
「ごめん、ちょっと待ってて!」僕はそのカードを見て、すぐにあの花屋を目指し走って行った。
花屋があった場所に行くと、なぜか空店舗となっており、僕には謎が残っただけだった。
そのカードにはこんなことが書いてあった。
『夢見十六夜から、どこかにいるあなたへ』