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回想してみました

僕こと仲嶋 流時は今、非現実的な状況に立たされちゃっていたりする。



僕から見て右側には天然記念物に登録されていてもおかしくない昭和の産物であるリーゼント君たちが総勢五十人弱。



身長が平均よりも若干、ほんのわずかばかり足りていない僕には恐ろしくて身震いしてしまいそうだったりする。



片や僕から見てちょうど反対側に位置する左側には白いワイシャツに黒のネクタイと黒のスーツを身に纏い、鉄板でも仕込んでんじゃねーの?と疑問を抱かずにはいられないクソ厚い胸板に黒のサングラスをかけた素敵なマッチョのオジサマ方が軽く見て百人以上。



そして僕と対象の位置にいるのは腰にまで届くような銀色に輝くブロンドをなびかせながら僕に微笑みかけている美少女。



僕は既に積み上げられている死屍累々と言う言葉を身体いっぱいで表現してくれている雑魚キャラのチンピラ君達、総勢百人たち(狸寝入りしている奴やとっても楽しそうな世界に旅立って逝っちゃったりしている人を含めて)とこれからはじまるであろうジェノサイドを前に逃げようかな、なんて逃げ腰で臨んでみたり。



そんなか弱い僕を見捨てるかのようにその美少女は銀細工のような髪を宙に靡かせながら、フリルを湯水の如くあしらったパールピンクのドレスの、これまたフリルを沢山あしらった袖から伸びる乳白色の左腕を高々とコンクリートの降り注ぐ天井に向けてゆっくりと上げて、天を指差した。



そして草原の空気を吸うかのように大きく息を吸い、ドレスの上からでもわかるほどの大きな胸を誇張するかのようにして、真紅のルージュを引いた、そんな口を開いた。



「この私には歯向かったこと後悔させてドタマをかち割りなさってから、その隙間にストローをお差しになって中に入っているものをチューチューと吸い上げなさるのです!!」



ビュン!!



と鋭く空気を切り裂く音共に凛と澄み切った声が今僕たちのいる廃墟に響き渡った。



そしてそれを合図にしてスーツを着てサングラスをかけたマッチョなオジサマ方は地響きを思わせる雄叫びをあげながら気合いでスーツを破り散らし、生ける化石と名高いであろうリーゼントなチンピラサン達は半狂乱になりながら逃げ回っている。



――ところでこれ、ダレのなんていう宇宙戦争なわけ?



僕はそんな昭和VS平成の代理戦争をボーっと眺めながら今夜の夕飯について考えていると眼下に広がる宇宙戦争をおっ始めた張本人である銀髪碧眼美少女と目が合った。



「私の名前は鳳凰院 マリア。私の名前を忘れてはいけませんわよ、仲嶋 流時。もしも私の名前を忘れたとおっしゃった暁には貴方の穴という穴から穴という穴まで、全ての穴にダイナマイトを差し込んで爆破して差し上げますわね。」



と、とても個性的で印象的な自己紹介をしてもらった。



――というかなんで僕の名前知ってるの、あなた



なんて思っていたり、いなかったり。



とまぁ、そこら辺に転がっているリーゼント君達は見なかったことにしておいてどうしてこんな風になったのかをふりかえってみよう。


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