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吸血鬼の少女、旅に出る。(1)

昔から物語が好きだった。勇敢な冒険者や勇者が魔物や悪者たちをばったばったと倒してみんなから賞賛される。そういう存在が大好きだった。命を懸けて世界を救い、みんなのために尽くす。私はそんな存在に小さい頃からなりたかった。

私の名前はリタ・スピリカ。今はお母さんとお父さんと少し大きな家に住んでいる普通の吸血鬼だ。他の子と違うと言えばすぐにでも家を飛び出し冒険に出たいと思っているということだけだろうか。

偶然にも私の住んでいる世界には魔物や悪者と言われているものが存在している。それに加えてこの世界には実際にあった冒険譚や物語がたくさんあった。物語や冒険譚は基本人の妄想や大幅な脚色が加えられているものが多い。それを理解したのは私がとても小さい頃見た夢が原因だった。

その夢は勇者と魔王が平和のために手を取り合って世界を平和にしようとした一人の魔王のお話だった。しかしこの話は誰からも聞いたことがなく、私が聞いた中で似た話と言えば勇者は世界を混乱に陥れたとされる魔王を討ち果たしこの世界を分かつ結界ディバイドを消し去り色々な種族達の争いを鎮め平和に導き、その功績から今は王様になりました。というものである。この話は実話とされていて、歴史の教科書にも載っている。それにその勇者はまだ実在して、今はサイエスティア王国という国の王様だそうだ。

初めて夢を見た時、私はどうしてか早くお母さまに話さないといけない気がしてそわそわしていた。

ぽっかりと開いた心のピースがぴったりとハマった時のような快感。でも、心のパズルはまだ少し開いたままそれを埋めたくて仕方がなかったんだと思う。

「お母さまっ!」

「どうしたの?リタこんなに急いで今ね、お母さんご飯の支度をしているから後ででいい?」

「ダメッ!今話さないと私のね。心のパズルが崩れちゃう気がするの!」

お母さまはフッと笑い腰を折り、私と視線を合わせて頭をなでなでしてくれた。

「どうしたのよ?そんな必死になって」

「私。とっっっっても!不思議な夢を見たの!昔お母さまが読んでくれた本と似てるんだけどね。ちょっと違うの!」

お母さまは困惑した表情になって私のおでこを弾いた。

「痛ッ」

「ちゃんと主語を言いなさい。これはお母さんに対しての挑戦状なのかしら。ならこの勝負買うしかないわね」

「ならそうね・・・お母さま負けず嫌いだから・・・って話がズレてるっ。私はクイズをしたいんじゃない。夢のお話をしたいの!」

「あら?夢のお話?」

必死に言う私にお母さんは首を傾けていた。

「そうなの。私の知っている物語とちょっと違う悲しい物語なの」

「リタに話した物語が多すぎてちょっと見当がつかないわ。ヒントを頂戴」

「だーかーら。これはクイズじゃないの!私はただ単にお話を聞いてほしいだけなの!」

私が腕をぶんぶん振って必死さを訴えているとお母さまはお腹を抱えて笑い出した。

「フッふふふ、ごめんなさいねリタ怒んないで頂戴。あなたを見ていると昔の友人を思い出しちゃってからかいたくなっちゃたの。ちゃんとお母さんお話を聞くから話して頂戴」

「本当?」

「ええ、本当よ」

私は夢で見たことをできるだけ詳しく話した。魔王が何をしてどんな思いで結界を破壊しただとか、勇者と魔王の間には実は娘がいただとか、その魔王には親友がいて、その親友は私たちと同じ吸血鬼で髪色だとかお母さまと似ているだとかそんなどうでもいいことまで伝えた。

「これが私の見た夢の内容だよ」

私が胸を張って言うとお母さまは神妙な顔つきで私を見つめていた。

「リタ。この夢を見てあなたはどう感じたの?」

どう感じた、か。よくわからないというのが私の中の答えだけどきっとお母さまが聞きたいのはもっと違うこと。もっと知りたいかもしれないこの誰も知らない物語を。歴史の本に載っているものとは似てるようで違う不思議な物語。そうだ私がこの話をお母さまにしたのはもっとこの物語を知りたいからだった。

「私ね。もっとこのお話を知りたい」

「そうね。私もこのお話をよく知っているわ。でも、このお話はあなたが自分で見つけなきゃいけないものよ」

「なら、私今すぐ冒険に出掛ける!」

私が胸を張って意気揚々と小さいバックを持って家から出ようとした時。

「ダメよ」

後ろからバックの紐を引っ張られて連れ戻されてしまった。そのままお母さまにずるずると引きずられて元の位置に戻ってしまった。私がいかに吸血鬼で普通の人より力や魔力が強くても同じ種族相手には敵わない。それがお母さまだ。なんかすごい人だということを近所のおばさんに聞いたことある。なんか昔はぶいぶい言わせていたらしくたくさんの大人に囲まれてもぎったんばったんにしてやり返していたらしい。私は抵抗するのを諦め、観念して力を抜く。

「ふにゅぅ」

「誰が今行けと言ったの?あなたはまだ5歳なのよ。とてもじゃないけど早すぎるわ。そうねあと十年は我慢しなさい。」

「お母さまが自分で探しなさいって・・・」

私がぶーぶーと抗議をするとお母さまは膝に私を乗っけると頭を優しくなでた。

「今の間は私の子供いて頂戴。それに外は危険なのよ。そうよ!」

お母さまは何かを決心したかのように手をぐっと握った。

「私がリタを一から鍛えてあげるわ。誰にも負けないくらい・・・いやあいつを叩き潰せるくらいには強くしてみせるわね」

「ええぇ」

ここからが壮絶な十年間のはじまりだった。

こんにちは!楽しんでもらえているでしょうか?この物語を書かせてもらっている冴切祈莉です!プロローグとは少し書き方が違い困惑させてはいませんでしょうか?実際プロローグを書いた時とは結構日が開いてしまいどうして同じように書けず。もう好きなように書いちゃえ!と半場やり投げに書いてしまった感じです。一応このことを伝えたほうがいいと感じあとがきに書かせてもらいました。未熟者ですが私の成長を見守っていただけるととてもありがたいです。アドバイスなども是非お願いします‼一応私は褒められて伸びるタイプですので感想などももらえたらとても嬉しくて空を飛んでしまうかもしれません。では、今後とも楽しい物語を書きたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

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